表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)

この作品ページにはなろうチアーズプログラム参加に伴う広告が設置されています。詳細はこちら

143/2029

143.ハートフルビート

 あれれ? おかしいな?

 確かにこのフェンスの上に置いた筈なんだけど……? あっ!

 

 コユキは見つけてしまった!

 今まさにここから離れようとダッシュしているオッサンの背中を!


 ん、んんんんん? あれれ、あれってさっきのレゲエのオッサンじゃないの?


 それがコユキの正直な感想であった。

 確かにぶっ倒れて前後不覚に陥っていたオッサンに見えた、一瞬は!

 しかし、意外に鋭いコユキは見抜いていたのだ、故に思ったのだ、


――――ち、違う! さっきのレゲエとは別の個体? そう別のホームレ…… 自由人だった、か、くっ! 最早、時既に遅かった、のか!


 コユキが目にした、元色が何色だったか判別不可能なオベベに身を包んだ、レゲエ(二号)は、トンズラ~宜しく、遥か遠くにバックレようとしていた。

 万事休す!(残念)


 そうコユキですら諦観(ていかん)した瞬間、彼女の脳裏に慣れ親しんだ、安心できる声が響いた。


即時配達(ウー○ーイーツ)


 直後、絶望しかけたコユキの両手の中に、別個体の、ホームレ…… グフングフン! 自由人が持ち去った(はず)のツナギと、キャップ(大事)、スマホと財布が戻って来ていたのである。


「うひょぉぅ! やるじゃない善悪エ~ンドオルクス君!! グッジョブ!」


 喜び勇んでコユキはツナギを着込み、キャップを被って装備を整えるのであった。


「オエッ! ケエセッ!」


 ん? なんだ? このおっさんは?


「ゾベ、おらブ服だドゥ、ボモ、ドーボーが、ぼい、ぼばべ、ドーボーだろ! ゴノビャボォ!」


 うん、ドーボーってのが何の事かは分かんないけど、切れるよね、だってコユキだモン、何より…… 臭いし!! ってか、茨城大丈夫なのかよ?


「うるさいっ!! アタシの服だろがっ! おい、オッサン! ドーボーじゃ無ーだろ! ド・ロ・ボ・ウ! だろっ? んで? あんだって? アタシがドロボウ? ざけんじゃねえっぞこの(ジジイ)!」


 あーあー、大人げ無いなあぁ~、そういう方って、そんな感じで言ってくるもんなんだよ、こゆきちゃん!

 自分に自信の無い中年男性とか、運動苦手な弱虫君だって、車に乗ると強気になっちゃって、根拠もなく(あお)っちゃったりするじゃんねぇ? 弱虫に正論言っても伝わらないんだってぇばよっ!

 

 そんな観察者の声は当然聞こえる訳もなく、コユキの迫力にビビッた、二人目のレゲエは、


「オ? オェ! ンゴンゴ! アイウエラ! ゥ! ゥッ!」


「もう良いよ! ……去ね!」


「ひっ! ひいぃっ! アンボアンボ、ヒゥアエラ! ドンヴィっダンっ!」


とか、訳ワカメなハートフルビートを刻みながら、リズムに合わせて去っていったのであった、ふうぅ~う、一件落着、かな?

 ブラックバスが異常繁殖なのは聞いていたけど、令和の時代にあんなおっさん達が繁殖しているとはチト、ヤバくないかね? 知らんけど…… な私、観察者であったが、コユキは違っていたようだ。


「あんた! 市役所とか行って相談してみなさいよ!」


 去っていくレゲエの背に声を掛けていた。

 対岸のレゲエもその声に反応したのかこちらを見ている。


「よしっ! さて、帰るかね♪」


 胸元の隠しポケットの中で、赤い石が緑に光って同意を主張しているようだ!

 やる事は全てやったと言う満足感を満面に浮かべ、コユキは霞ヶ浦を後にするのであった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] レゲエの人たちのテンパリ具合がとても面白かったです。コユキの完全勝利で終わり、次の物語がどのように進んでいくのかも楽しみです。 [一言] 社会問題にも踏み込んでいて、提起された問題について…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ