表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
堕肉の果て ~令和に奏でる創造の序曲(プレリュード)~  作者: KEY-STU
第一部 一章 悪魔たちの円舞曲(ロンド)
114/1847

114.ポイ活

 明日の朝、新幹線で向かっても余裕は充分にありそうだったが、万が一を考慮して今日中に首都入り、所謂(いわゆる)前乗りする事にしたようだ。

 善悪が持ってきたタブレットを使って、今夜の宿泊先を選んでいた二人であったが、最終的に善悪が結論を出した。


「うん、やっぱり近さとお値段、両面から考えた場合、やっぱり(二度目)名物の女性社長の特製カレーで有名なここでござるな」


「そうね、気楽に泊まれてポイントも貯まるからいいわね。 ほらあの浜松出身の俳優さんも、倫理に反する行為をする場所に選んだんでしょ?」


「!」


「ポイント欲しかったんだっけか? あの、なんだっけ? あ、そうだ、確か袴田(ハカマダ)吉ひ――――」


「そこまででござるっ! それ以上は言ってはいけない!!」


「えー! 何でよ?」


「武士の情けでござるよ、コユキ殿! 同じ県で生まれた者として、気持ちはどうあれ、応援するでござるよ!」


「…………分かったわ」


 無理やりでも、優しい目線で応援して行く事を決めた二人は、次なる議題に向き合う事とした。

 タブレットを操作していた善悪が呟いた。


「う~ん、どう考えても同室で一緒に宿泊した方が良いであろうな~」


 コユキは驚いて言葉を返した。


「え! な、何言ってんのよ、善悪! そんなふしだらなっ!」


 慌てまくるコユキに対して、当の善悪は落ち着き払ったままで自分の考えを告げた。


「いや、お値段的には大差ないのでござるが、只の旅行ではなく、悪魔と対する為の()わば『遠征』でござろう? やはり通常とは違うのでござる」


 そこで一旦言葉を区切り、タブレットから視線を外し、神妙な面持ちをコユキに向けてから言葉を続けた。


「ほら、創作物の中のパーティーだって、普段は別行動をしていても、討伐任務中だったり、ダンジョン攻略中とかでは、一緒に野営して過ごすでござろ? 今回の上野行きも、言って見れば敵地に乗り込むのでござるから、パーティーは何が起きてもすぐさま連携が取れるように、一緒に居たほうがいいのかな、と思ったのでござるよ」


「…………う、うん、理屈は分かったわ…… でも、それってつまり……」


「理解してくれて良かったでござる。 問題はツインの部屋がそもそもデラックスツイン一室しか無い様で…… 生憎(あいにく)本日の空きは無い事でござるな…… 尤も(もっとも)ダブルの部屋だっら、何部屋か空いている様ではあるが――――」


「そ、そんなのだめよっ! 何考えてんのよ、善悪! ツインでギリよ、ギリ! とは言っても変な事したら法的手段に訴えて、社会的に抹殺するからね!」


 コユキの焦った様な言葉を聞いた善悪は、その目を氷点下の冷たさに変えて言った。


「絶っ対っ! 頼まれても、脅されても、洗脳されようとも、な~んにもしないでござる! 馬鹿にするもんじゃないでござるっ!」


 言い切った顔には、何、気持ち悪い事言ってんだこのバカ、とでも表現するしかない表情が貼り付けてあった。

 まだ自分の肩を抱いて、懐疑的(かいぎてき)な視線を向けて来ているバカは放って置く事にした善悪は、再びタブレットを手に取って考え始めた。


「となると、ツインの部屋が余っているホテルを探す所からやり直し、っと…… 丁度あれば良いのでござるが?」


 その呟きを聞いたコユキが、何か思い付いた様に、座卓の下で戦っていたオルクスとモラクスの方へ顔を向けた。

 そこでは、勝負が付いたのか、うつ伏せに倒れこんでいるオルクスと、その背中にドッカリと腰を下ろして足を組む、ケンシロ、いやモラクスの姿があった。

お読みいただきありがとうございます。

感謝! 感激! 感動! です(*'v'*)

まだまだ文章、構成力共に拙い作品ですが、

皆様のご意見、お力をお借りすることでいつか上手に書けるようになりたいと願っています。

これからもよろしくお願い致します。

拙作に目を通して頂き誠にありがとうございました。


Copyright(C)2019-KEY-STU

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
ツギクルバナー cont_access.php?citi_cont_id=140564926&size=200



fw2razgu4upfkla8gpm8kotvd1hy_1365_xc_ir_92ne.jpg
にくい、あんちきしょう…… ~食パンダッシュから始まる運命の恋~ は↑からどうぞ



eitdl1qu6rl9dw0pdminguyym7no_l63_h3_7h_23ex.jpg
3人共同制作の現場 小説創作の日常を描いた四コマ漫画 は↑からどうぞ



l7mi5f3nm5azilxhlieiu3mheqw_qn1_1kv_147_p1vu.jpg
侯爵令嬢、冒険者になる は↑からどうぞ
~王太子との婚約を一方的に破棄された令嬢はセカンドキャリアに冒険者を選ぶようです~ 



jvan90b61gbv4l7x89nz3akjuj8_op1_1hc_u0_dhig.jpg
見つからない場所 初挑戦したホラー短編 は↑からどうぞ



異世界転生モノ 短編です
8agz2quq44jc8ccv720aga36ljo7_c1g_xc_ir_97jo.jpg
【挿絵あり】脇役だって主役です ~転生を繰り返したサブキャストは結末を知りたい~ は↑からどうぞ



小説家になろう 勝手にランキング
― 新着の感想 ―
[良い点] ギリギリのラインをついていますねぇ。やり取りがとても面白くて良かったです。最後はギリギリセーフでしょうか。きっとセーフですね。最後の一文字、言ってないですからね。とても楽しく読ませていただ…
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ