13-36 エピローグ
本日もよろしくお願いします。
遅くなって申し訳ありません。
8月某日。
この日、命子たちは日本に帰ることになった。
何度も検証を重ねた結果、転移装置は正常に風見町とキスミアを繋げていることの確認が取れた。その結果が本日お披露目されるわけだ。
事前に研究員や自衛官が散々転移して安全性が確かめられたが、お披露目会で転移するのは命子たちである。
この日のためにアイルプ家の母屋は他にも複数ある別の屋敷に移され、旧母屋は地下へ直接行けるように壁がぶち抜かれ、改築されていた。
そんな旧母屋の前で、命子たちは愛嬌を砥石でシュコシュコ研いでスタンバイ。
日本へ行くのは、命子たちに加え、萌々子、アリア、馬場、シーシアたちキスミア軍人3名、そしてカメラマン。命子の家族やサーベル老師は次の便。
メリスだけはまたしばらくお別れすることになる妹のメーニャをあやしている。
歴史的瞬間を捉えるのはキスミア国営放送のカメラマンで、その生放送は世界中のテレビ局に提供されていた。
ここがキスミアであることを証明するために、偉大なるフニャルーがドンッ!
そのままカメラは屋敷の前で戦隊ヒーローみたいにポージングを決める命子たちをバーンッ! キレッキレに研ぎ澄まされた愛嬌が火を噴いた。
いつもは口上を述べる命子が中央にいるが、今日のそのポジションはイヨ。
仲間たちが香ばしいポーズを決める真ん中で、イヨは大股開きで腕をYの字に広げ、宣言した。
「キスミアから風見町へ帰るのじゃーっ!」
という謎のテンションのオープニングが終わり、いよいよ出発。
『それじゃあメーニャ。お姉ちゃん、またお出かけするからね。ニルナ、メーニャをしっかり守るんだよ』
キスミア語でお別れするメリスに、返ってきた答えは『うぇえええんえんえんえん!』。キスミア猫のニルナは承知したように『にゃー』と鳴く。
両親に抱っこされたメーニャの頭を撫でてから、メリスは少しだけ後ろ髪を引かれる思いをしながら命子たちと合流した。
ぞろぞろと屋敷の中へ入っていく命子たちを追って、カメラマンも突入。
そんな映像に合わせて、教授が解説し続けている。
『現状、転移装置を起動させるには、1段階目のマナ進化をしていなければなりません。さらに、日本へ行くには日本人のマナ進化者が、キスミアに行くにはキスミア人のマナ進化者が装置を作動させる必要があります』
『それはどうしてなのでしょうか?』
『イヨ様の話では、目印に対する親和性が必要なのだそうです』
『目印というと、キスミアにある龍神の剣、風見町にある猫神の道標ですね?』
『その通りです。ちなみにですが、装置を作動できるのは日本人やキスミア人と言いましたが、十分にその土地のマナ因子を取り込んでいればどの人種でも扱えますし、なんなら人間でなくても可能です』
『便利そうに見えますが、制約があるのですね』
『はい。しかし、例外が一つあり、精霊は次元龍の属性を行使することでマナラインに乗って空間跳躍ができるようです。精霊の空間跳躍は人が行なうよりも巧みであり、ちゃんと指示を聞いてもらえるのなら補助として頼もしい力を発揮してくれます。私が飼っているウサギは3回の転移に成功していますが、これも精霊の補助があってのことです』
今回の旅に付き合っていたまめ吉は動物実験されていた。現在は一足先に日本でニンジンをもしゃもしゃしている。
『と申しますと、日本にいる精霊は、しっかりと学習させなければ転送事故を起こす可能性があるということでしょうか?』
『タカギ柱——マナが放出されている柱のことですが、このタカギ柱や魂魄の泉に近づかなければ、今のところ転送事故を起こした事例はありません。ですから、その点には注意していただきたいですね』
『ありがとうございます。おっと、到着したようですね』
『アイルプ家の地下は精霊洞窟になっていると有名ですが、現在ではこのように通路が作られて精霊の保護がされています。この先が転移装置になります』
『それでは、解説を中断して見守りましょう。ここからはカメラのケーブルが持ち込めないため、映像の乱れがあるかもしれません。また転移終了後は一時的に映像が映らなくなります。それらの点はあらかじめご了承ください』
多くの日本人視聴者をふむふむとさせた教授たちが見守る中、命子たちは通路の先のドアを開けた。
非常に重要な施設ではあるが、アニメで出てくるような研究所にある厳重な自動ドアではない。外が精霊洞窟なので、そういった物を作るための大規模な施工が難しいのだ。なので、普通の防火扉である。
転移装置がある部屋の中は、壁や床に複雑な文様が刻まれており、その溝に沿って水が常に流れていた。
中央には小さな祠があり、水は全て祠にある穴の中へと流れていく。穴は部屋の外にある魂魄の泉に繋がっており、暗い穴の先からわずかに翡翠色の光が漏れていた。
「さて、それじゃあイヨちゃん、お願いします!」
「うむ。皆の衆、見えてるかの?」
イヨが大きなカメラに向けて説明した。
「ここがキスミアの猫洞……転移装置じゃの。この龍神の剣を握って魔力を込めることで、日本へと行くことができるのじゃ。慣れていない者は精霊に力を貸してもらうのも良いじゃろう。妾くらいになると余裕じゃがの!」
イヨがドヤッと胸を張り、イザナミも腕組みをした生意気ポーズでなんなん。
「それでは皆の衆、準備はいいかの?」
命子たちは頷いた。
「カメラさんもいいかの?」
カメラさんも指で丸を作った。
「では、出発なのじゃ!」
イヨが龍神の剣を握る。
命子がこの装置を使った時は光子の補助があったが、イヨはイザナミの力を借りることなく装置の力を引き出した。
祠の穴から翡翠色の光が水を伝って逆流し、室内の模様を染め上げていく。
「お、おー……」
そう感嘆の声を零したのは命子たちではなく、カメラマンのおっちゃん。実質一般人代表の人である。
もちろん命子たちも楽しげだ。
特に萌々子やアリアは他の面子よりもこういう経験が少ないので、キラキラした目で室内を見回した。
「来た!」
命子がキュピンッと察知した瞬間、ダンジョンに入った時のような感覚に陥る。
次の瞬間に起こったのは、まるで小説の次の行でシーンが劇的に変わってしまったような一瞬の場面転換。
今までは床に1本しか刺さっていなかった龍神の剣が4本に増え、さらに猫神の道標の姿が室内に見られた。祠の位置も変わり、なによりも、新築のキスミアとは違い、ここは弥生時代からあるので年季がまるで違う。
そう、ここは風見町にある龍洞である。
「ふぉー、別の場所だ……」
「アリアが置いた猫神の道標なのれす!」
萌々子がビシバシ情操教育され、アリアが猫神の道標をズビシと指さした。アリアは日本にいた時にイヨから教わってこの場所に来ているのだ。
一方、命子たちは転移によって何か得られるものはないか集中していたため、ふぅっと一息。しかし、ダンジョンのゲートを潜った際にこれといって得られることがないように、転移で感じることはなかった。命子が転移の気配を察知したくらいである。
「ここは広くありませんから、外へ出ましょう」
馬場の提案で外へ出ることに。
イヨが入り口の壁に手を当てると、円環を描く龍の文様が浮かび上がり、石の扉が半分ほど開く。
これにはカメラマンも激写であるが、地下深くなので中継はとっくに切れている。データとして残されているので、地上に帰ってから公開となるだろう。
「申し訳ありませんが、カメラさんは先頭でお願いします」
ここから先はかなり急な階段である。下からの撮影は事故の可能性があるのでカメラさんは先頭に配置。
外に出たカメラマンは、階段の両側に並ぶ無数の土偶を見てビビった。
イヨを先頭にぞろぞろと出てくるので、ビビるカメラマンだが進まないわけにはいかない。階段の先を撮影せずに後方を撮影するのは、決して命子たちを映すためばかりではない。ちゃんとついてきてくれているか確かめるためである。
「こ、この土偶はなんなのでしょうか?」
無言で佇む土偶の迫力に、カメラマンが掟破りにも質問をした。
「龍洞は死者の通り道なのじゃ。肉体は大地へと還り、霊魂は各地にある龍洞から龍脈へと入る。これらの土偶はその死者を迎えるための存在なのじゃ。まあ賑わせ役じゃの」
「それは……実際にそうなんですか?」
そう問うたのはアリアを挟んで3番目にいる萌々子だった。
「いや、妾も実際に死者がどこへ行くのかは知らんのじゃ。自然と共に生きた古代の者にとって、龍脈……今でいうところのマナラインの光にはそう感じさせるだけの神秘性があったのじゃ。なんか綺麗でふわふわしとるし」
これで土偶がカタカタし始めたら爆笑必至だろうな、と命子はワクワクしたが、残念ながら次元龍の試練は始まらなかった。
「イヨ様、マナ進化はどうなのれす?」
イヨのすぐ後ろを歩くアリアが問うた。
「いまは抑え込んでいるが、始めようと思えば始められるのじゃ」
「抑え込めるものなのれすか? みんな唐突に始まる印象なのれす」
「妾もキスミアで気づかなければ唐突に始まったじゃろうな。しかし、あちらで自分の魂がどういう状態なのか見つめる時間があったから、いま抑えられているといった感じなのじゃ」
「なるほど、なんとなく理屈は理解したのれす」
しばらく歩くと、外の光が見え始めた。
龍洞の入り口を見つけた時は、草木が生い茂った谷間を流れる死んだ小川、という陰気な景色だったが、今では見る影もなくすっかり整備されていた。
「ご覧ください! キスミアからの転移に成功し、いま御一行が姿を見せました!」
光が燦々と降り注ぐようになった外には、テンションバカ高なレポーターが中継していた。
帰ってきた情緒が感じられない歓迎ではあるが、世界的なイベントなので命子たちはピースしておいた。
整備されたといっても谷間にあるのでワチャワチャとするには向かない地形。なので、テレビクルーから転移成功のお祝いを受けつつ、命子たちは谷間を下って森の外へ出た。
「命子ちゃーん!」
「ささらちゃーん!」
「おかえりー!」
するとそこには、風見女学園の友達や萌々子の友達が大勢集まっていた。
命子やささらだけでなく、長旅から帰ってきたみんなの帰りを祝ってくれていた。
近くには青空記者会見のスペースも設けられているが、馬場が許可してくれたので、命子たちはひとまず友達の下へ挨拶に向かった。
「みんなー、ただいまー!」
「ちょっとなによ、天空航路に第二のマナ進化って!」
「運命ヂカラ!」
さっそく命子に絡んだのは精霊使いになったクラスメイトのナナコ。頭の上にいる相棒の精霊も手をパタパタさせて大興奮。
「ささらちゃん、見たわよ! めっちゃ興奮した!」
「が、頑張りましたわ!」
ささらも先輩やクラスメイトに絡まれ、後輩からキラキラした目で見つめられている。
「ちょっとちょっと氷の武器ってなに!?」
「にゃっふっふ。こういうのデス!」
「「「かっけー!」」」
武器は外で見せられないので、ルルはみんなに氷の手甲を自慢した。
「メリスちゃん毛並みが良くなってる!」
「キスミアで猫じゃらし粉をキメてきたでゴザルからね。毛並みも艶々でゴザル」
「そんな危ない薬物みたいに……」
メリスは2回目のマナ進化で色艶が良くなったネコミミとネコシッポを自慢した。
「有鴨さん、すぐに工作部へ行くわよ! いろいろ見せてちょうだい!」
「ぴゃわー!」
氷の武器の製作や種族が付喪姫になった紫蓮は、工作部に連行されそうになった。
「あなたたち、1年生も挨拶したいんだからほどほどにしなさい」
そう注意したのは、風見女学園で教鞭を振ることになった滝沢。隣にはアネゴ先生もおり、ちゃんと注意できる滝沢の成長にうむうむと頷いている。
たしかに先輩が紫蓮に詰めよれば1年は怖くて話しかけられないので、工作部はしぶしぶその場を譲った。
「ぴゃわー……ただいま」
「紫蓮ちゃん、おかえりー! すっげぇー活躍してたなぁ」
「紫蓮さん、2回目のマナ進化おめでとうございます!」
クラスメイトの八重歯っ子・犬田が人懐っこく、やはり同じクラスのキャルメが礼儀正しく紫蓮を迎えた。
少し離れた場所では、萌々子もクララたち中学生から詰め寄られていた。精霊事件があったため、このグループの精霊所持率は異常である。
「うぇええんえんえんえん! 私も萌々子ちゃんと冒険したかったよー!」
「く、クララちゃん、落ち着いて。まずはただいま」
「ふぉかえりー!」
萌々子は泣きながら抱き着いてくるクララをあやして、苦笑い。
ところ変わって再び命子。
もみくちゃにされる命子に、また新しく声をかける女子が現れた。
「命子ちゃん!」
「あ、コンちゃん部長、ちっすちっすぅ! 羊谷命子、使命を終えて帰ってまいりました。ちっすちっすぅ!」
それは修行部の2代目部長であるコンちゃんだった。
「おかえり! でもでも、さっそくだけど大事件なの!」
「ほっほう! 話を聞きましょうか!」
コンちゃん部長と周りの修行部役員がワタワタしているので、命子のワクワクゲージはムクムクした。
「あの六花橋女子高が合同体育祭をしようって言ってきたの!」
「えーっ! 殴り込みですか!?」
違う。
「そうなのーっ!」
否、女子的には殴り込みらしい。
「あっちは超有名高校だから理事長も校長もピヨピヨしちゃって、引き受けちゃったの!」
「権力に弱い……っ!」
「命子ちゃん、どうしよう!?」
「そんなの決まってるじゃないですか。全力で頑張って、楽しめば良し! 女子だもの!」
「ひゅー、命子ちゃんギャルぅ!」
命子とコンちゃん部長はハイタッチした。
どうやら日本に帰ってもイベントは盛り沢山な様子だ。
長旅を終えて、命子たちは仲間に出迎えられてキャッキャ。
そんなお祭り騒ぎをカメラが映し、日本政府から請け負った依頼の旅のエピローグとした。
命子たちから少し離れた場所では、イヨとアリアの姿があった。
「友とはいつの時代も良いものじゃの」
「イヨ様も友達はたくさんいたのれすか?」
「うむ、大勢いたのじゃ。昔の友はみんなもう死んでしまったが、キスミアへ行くきっかけを作ってくれたのも友のおかげじゃ。そして、また新しくたくさんの友に恵まれた。ありがたいことじゃの」
「アリアは人間の友達はモモコちゃんだけなのれす……」
キスミアの巫女家に生まれたアリアは、同年代の友達らしい友達がいなかった。
そんなアリアにイヨは首を傾げた。
「妾はお主の友達なのじゃ。命子様たちも同じじゃろう」
イヨがそう言うと、アリアはパァと顔を明るくした。
しかし、すぐにしゅんとする。
「でも先輩なのれす。それでもお友達でいいのれすか?」
「お主、さっき『人間の友達は』と言ったよな? 人間以外の友達とは、猫や精霊のことかえ?」
「は、はい」
「猫や精霊と友達になれるのに、たかが年齢くらいで友達に加えてもらえないと思うのはおかしいのじゃ。お主は妾やみんなの友達なのじゃ。自信を持って良い」
イヨがそう言って微笑むと、アリアは今度こそ曇らずにニパァと笑った。
「さて、旅を終えるとしようか」
イヨは命子の下へ歩き出した。
「命子様、ちょっといいかの?」
「みんなストップ! イヨちゃん、なぁに?」
わちゃわちゃしてくる友達を制して、命子はイヨの話を聞いた。
「マナ進化をしようと思うのじゃ」
「むっ、わかった」
「イザナミ、命子様と一緒におるのじゃ」
『なん! なんなん!』
「うむ。期待しておるのじゃぞ」
イザナミを頭に乗せた命子はニコパを止めて真剣な顔で頷き、みんなへマナ進化に備えるよう注意喚起した。
「イヨがマナ進化するって言ってるデス」
ルルが伝書鳩になり、それを聞いたテレビ局のクルーはウマウマした。
少し離れた場所にイヨは一人で立ち、己の内側で抑え込んでいた神秘の理を解放した。
それに応えるように、次元龍のマナが奇跡を起こし始める。
マナ進化は誰もが体の内側から湧き出る力に胸を手で押さえて苦しむが、イヨはゆったりと手を広げて立っていた。人を転がすほどの暴風も吹かず、優しい風が命子たちの頬を撫で続ける。
地面や大気から生じた翡翠色の光が帯状となってイヨを包み込んでいく。
このまま意識を保つこともイヨにはできそうだった。
しかし、それはきっと正しくはないと龍神の巫女は知っている。時には川の流れに身を任せるように、この世の神秘に魂を委ねた方が良いと。
意識がスッと光の中に落ちていき、イヨは翡翠色の繭の中で夢を見る。
それは、信仰している龍神やそれよりもずっと強大な存在たちが、自分を祝福してくれる夢。
この世のものとは思えない——いいや、この世のものでは決して奏でられない美しい旋律を歌う声の中、イヨは祝福してくれる存在たちに語る。
数奇な運命に身を置いた寂しさや、そのおかげで手に入れた新しい友のことを。
そして、遠き日に別れを告げた双子の姉妹トヨや友と過ごした日々と、みんなが自分のために残してくれた数々の温かい贈り物のことを。
「イヨはこの愛しき世界で生きていきます」
イヨは全てに感謝して深々と頭を下げるのだった。
いつもよりも穏やかなマナ進化の様子を見た命子たちは、イヨの凄さを改めて実感した。これらはイヨ自身がコントロールして穏やかにしているのだ。
『なん~……』
「大丈夫だよ、イザナミ。イヨちゃんは凄いんだから」
『なん!』
やがて、翡翠色の帯がイヨの胸に吸い込まれ、マナ進化は終わった。
ふわふわと浮くイヨは、美しい夏空の中にトヨや仲間たちと見上げた古代の夏空を重ねた。その懐かしい情景を決して忘れまいとイヨは心に刻み込む。
ふわりと地面に足をつけたイヨに、命子たちは駆け寄った。
先行してイザナミがイヨの顔面に飛びついた。
「わっぷ、なにするのじゃ!」
『なんなん!』
「なにも変わりはせんよ。ちょびっと凄くなっただけなのじゃ」
そうイヨは言うが、命子たちもイザナミと同様に嬉しく思った。特に命子はイヨの頭についている物を見て一番嬉しそう。
「イヨちゃん、角が生えてるよ」
そう、イヨにも命子と同様に龍角が生えていた。
「むむっ、本当なのじゃ! これで妾も龍神様の眷属になれたのじゃ!」
「種族は?」
「ちょっと待つのじゃ。うーんと……龍神の巫女姫という種族なのじゃ」
「はえー、役職みたいだね。でもなんかめっちゃ特別そう」
超レアな種族であることは間違いないだろう。
「よし、お神輿部隊! イヨちゃんを祝うのだ!」
「「「おーっ!」」」
そうして始まる風見町名物、女子高生神輿。
「うぉー、なんじゃー!」
わっしょいわっしょいとリズムに合わせて、イザナミが『なんなん、なんなん!』。
戸惑うイヨだが、楽しげな声に誘われて大声で笑い始める。
トヨとクウミからの贈り物から始まった旅は、イヨのマナ進化で幕を下ろした。
読んでくださりありがとうございます。
次章は他の女子高と体育祭のようです。
ブクマ、評価、感想ありがとうございます。
誤字報告も助かっています、ありがとうございます。