11-11 トヨの墓所
本日もよろしくお願いします。
命子たちはトヨの墓所と思われる場所の入り口を見つけた。
上部の火口の縁には観光客が結構な人数おり、謎の階段を見つけた一行の姿はかなりの注目を集めている。スマホで撮影している人も多い。
そんなふうに外は賑やかだが、当事者たちの間には悲しい空気が流れていた。
トヨという人物のことはイヨしか知らないので、命子たちはイヨを通してでしか感情移入できない。歴史に残るほどの大発見にも拘わらず、イヨの心情を想って悲しむという、まるで友人の親族のお通夜に行くような状況になっていた。
しかし、そんな空気ばかりではいられないので、教授が口を開いた。
「イヨ君。なぜトヨ様の墓だとわかるんだい? 我々には墓であることすらわからない」
「墓なのは入口の土偶を見ればすぐにわかるのじゃ。これは獣が墓を荒らさぬように見張る土偶じゃからの。トヨの墓だとわかったのは、なんとなくなのじゃ。きっと双子だからじゃろうな」
「なるほど、ありがとう。それで中に入るかい?」
「うむ。命子様たちや教授殿も来てほしいのじゃ。お世話になっている人たちを紹介してあげたいのじゃ。あとはアリア殿と萌々子殿も良かったら来てほしいのじゃ」
イヨの言葉に命子たちは頷いた。
アリアと萌々子については、行きたそうな顔をしていたからついでだった。イヨは子供に優しかった。
未知の場所へ入るので馬場が口を開きかけるが、そのまま飲み込んだ。
一方、学者先生の1人が手を挙げた。自分たちの名前が入っていなかったのだ。
「我々もいいでしょうか?」
「うーむ……いや、すまんが、おそらくそこまで広い場所ではないのじゃ。控えてほしいのじゃ」
イヨはオッサンに厳しかった……というより、彼らはイヨとほぼ関係がないので墓参り向きではないからだろう。
学者先生は同行に条件があったので、無理を言わずに頷き、続けた。
「わかりました。しかし、誰かしらが撮影をしていただきたく存じます。世界的に見ても墓は神聖な場所であると同時に、昔から盗掘が非常に頻発していた場所でもあります。これから入る皆さんは大丈夫でしょうが、古墳に入る以上は、故人の眠りを妨げていない証明を残しておくべきです」
「そういうものか。学者殿がそう言うのならばそのようにしようかの」
こうして、命子たちはトヨの古墳に入ることになった。
「こやつはクマやオオカミから墓を守っておるのじゃ。こやつに入る挨拶をしてほしいのじゃ」
イヨは階段のすぐ近くにいた土偶を指さして言った。
「お役目ご苦労じゃの。少し入らせてもらうのじゃ」
イヨがそう挨拶するので、命子たちも「お邪魔します」とそれに倣った。
イヨを先頭に、命子と教授、馬場やささらたち、そして最後にシーシア、アリアと萌々子が続く。馬場はカメラを持っており、撮影係だ。
入る間際、萌々子の頭に乗った光子は、ふと背後を振り返った。
そこでは学者先生たちがそわそわしながら中を覗き込んでいた。大人しく引き下がったが、入りたくてたまらない様子だ。
無邪気な光子は、エーックスとぶちかましておいた。煽っているようにしか見えない。
古墳はゲームに出てくる巨大迷路のようなものではなかった。
5mほど階段を下りると、すぐに広い場所に出たのだ。
魔導書や精霊の光を頼りにして、中を見る。
そこには1つの盛り土と、その後ろに台座に乗った精霊石の板が置かれていた。
イヨはざっと周りを見回してから、盛り土の前で腰を下ろした。その前にイザナミが降り立つ。
「久しぶりじゃの、トヨ。何の因果か、こうして妾は生き返ってしもうたのじゃ。びっくりしたかの?」
イヨは苦笑いをして言った。
「トヨは龍神様の下へ行って、妾を見守ってくれているか?」
その言葉を聞いた教授は、想像と違うお墓だった理由をなんとなく察した。
龍神信仰の死生観は、どうやら魂は現世に留まるという考え方のようである。その工程の中で龍神が関わっていると考えているようだ。
だから、外国で見られるような復活のための墓などではなく、故人を偲ぶための目印程度でいいのかもしれない。
一方、命子たちはそんな考察などせず、双子の姉妹とお別れするという気持ちを考えて、ただただ切ない気持ちになっていた。
「妾に友達ができたのじゃ。皆いい人たちで、強い龍気を纏う凄い子なのじゃ」
イヨが紹介してくれるので、命子はイヨの隣に膝をついた。
「ご挨拶させてもらっていい?」
「もちろんなのじゃ」
「お墓に挨拶する方法は私たちのやり方しか知らないけど、いーい?」
「うむ。死んだ者にとって人の祈りは心地良かろう。心が籠っていれば、作法なんて関係ないのじゃ」
「私、イヨちゃんのそういう考え方、好きだよ」
命子たちは手を合わせて、黙祷した。
ルルたちの文化にもキスミア風の祈りがあったけれど、命子たちに合わせて手を合わせてくれる。
『イヨのことを見守ってあげてください』
命子たちは全員が偶然にもそうお願いして、目を開けた。
そんな命子たちへイヨは微笑んだ。
「礼を言うのじゃ。きっとトヨも喜んでいるのじゃ」
イヨはそう言うと、目を細めて盛り土を見つめた。
『なんっ!』
そうやって墓参りをしていると、イザナミがイヨの服を引っ張って、台座の上の板を指さす。
「うむ、妾も気になっていたのじゃ。何やら刻まれているようだが、トヨは文字を作ったのかの?」
イヨは盛り土の後ろにある台座に向かった。
「精霊石だよね?」
それは複雑な文様が刻まれた精霊石製の板が置かれていた。
その美しさは旧時代ならばオーパーツと騒がれてもおかしくない。
「うむ。しかし、これはなんじゃろう。見たことがない物だが……クウミのやつは頭が良かったがこんな物を作れるまでになったのかの?」
イヨが首を傾げていると、紫蓮がポツリと言った。
「エメラルドタブレットみたい」
「紫蓮君、私もそう思ったよ」
それに教授も同意する。
また紫蓮ちゃんは難しいことを言ってんな、と思いつつ、命子は精霊石の板を見つめた。
「漢字っぽくもないし、オモイカネってわけじゃないよね? イヨちゃん、なんて書いてあるかわかる?」
目を光らせても読み解けないので、命子が尋ねた。
「いやわからんのじゃ。でも、これは精霊に反応するようにできているようなのじゃ」
命子の質問に答えつつ、イヨが精霊石の板をまじまじと観察した。
その時、イヨの頭の上に乗っていたイザナミがピョンと精霊石の板へ飛び込んで、中に入ってしまった。
すると、精霊石の板が光り輝く。
「イザナミ、大丈夫かの?」
『なん! なんー、なんなん! な~ん、なんっ!』
精霊石の板の中からイザナミの声がする。
「「「えっ!?」」」
それに対して、精霊使いであるイヨ、教授、萌々子、アリアが目を見開いた。
「モモちゃん、なんて言ってるの?」
命子が尋ねると、シッと指を口元に添えた萌々子に、黙るように促される。
『なんなん』とイザナミの話が続き、しばらくすると萌々子が言った。
「私の精霊じゃないから意訳になるけど、トヨさんからのメッセージがあの板の中に入っているみたい。しかも、イヨさんに向けて。あの板に入っている情報は精霊ならダウンロードできるんだって」
萌々子の答えを聞いて、命子たちも驚いた。
つまり、イヨが生きているということを、トヨは知っていたのだ。
それから3分ほどして、イザナミが外に出てきた。
「む? イヨ君、イザナミの様子が少しおかしくないかい?」
「う、うむ。イザナミ、大丈夫なのかえ?」
『なん~……?』
イザナミは台座の上で体を光らせると、その姿を老人の姿に変えてしまった。
フィギュアサイズなのに威厳を感じられるお婆さんで、イヨのように長い髪をしていた。
その老化現象に命子たちが驚きの声を出す前に、イザナミの口から言葉がはっきりと発せられた。
『クウミよ。もう良いのか?』
それはいつもの甲高い鳴き声ではなく、どこかイヨに似たしわがれた声だった。
「と、トヨなのかえ!?」
イヨが叫ぶ。
しかし、イヨの質問には答えず、イザナミは一つ咳払いすると前を見つめて言った。
『イヨ、元気にしておるかの? これをイヨが聞いている頃には、妾はもう龍神様の下に旅立った後であろう』
イザナミが告げた言葉に、イヨは開きかけた口を閉ざした。テレビなどを知っているからか、これが会話の成立しないものだと理解したのだ。
『イヨはいまいくつじゃ? 妾は今じゃすっかりオババになったのじゃ』
命子は仲間たちへ視線を向けた。
自分たちが聞いていいのだろうかと。
仲間たちも同じように考えていたようで、イヨの後ろ姿や命子へ視線を彷徨わせた。
「あなたたちも聞くべきよ」
馬場がカメラのディスプレイに視線を落としながらそう言って、命子たちを引き留める。
これからイヨと一緒に冒険するのなら、命子たちもイヨとトヨの物語を知っておくべきなのだと。
『イヨが龍神池を封じたあとのことじゃった。龍神様から最後のお告げがあったのじゃ。イヨは深い眠りについていると。いつの日か再び目を覚ます時が来るとの。これを聞いているということは、正しく目覚め、妾との思い出を忘れないでくれたようじゃの』
『イヨのおかげで獣たちとの戦いは数年くらいで落ち着いたのじゃ。今では多くの地で村が栄え、みんな幸せに暮らしておるのじゃ。ありがとうな、イヨ』
「そうか……そうか……」
トヨからのメッセージに、イヨはポロポロと涙をこぼした。
自分の犠牲は決して無駄ではなかったのだと。その結果、トヨたちが幸せになっていることが嬉しかった。
しかし、戦乱の時代がやってくることを知っている教授は複雑な気持ちだった。ただ、少なくともトヨが幸せだったのなら、それは良かったのだろう。
『いずれ目覚めるイヨが困らぬように、妾はなにかを残してあげたかったのじゃ。そこで、クウミに海向こうを旅させたのじゃ。この言葉を聞けているのなら、遥かなる旅路を越えて龍の巫女として成長したクウミを褒めてやってほしいのじゃ』
「クウミ……」
イヨは袖で涙を拭いながら、呟いた。
『いま、イヨは妾と約束した山におるな? そこは妾の墓になっているはずじゃが、そこの壁を調べるのじゃ。そこに妾たちからの贈り物があるのじゃ。この世の神秘を学んだクウミと巫女たちが作った品々じゃ。好きに使うと良いのじゃ』
「……わかったのじゃ。礼を言うぞ、みんな」
『ジジ様も時を越えてしまったが、己の運命を嘆かずに楽しく暮らしていたのじゃ。イヨもせっかくの人生なのじゃ、存分に楽しむのじゃぞ? 妾のことは心配するな。多くの孫と民に囲まれて楽しんどるからの。死んだあとだって孫やイヨを見守り楽しむのじゃ』
「孫。そうか、トヨは孫までできたか」
イヨは苦笑いを浮かべた。
『それでも妾に会いたくなったなら、幼き日に2人で顔を並べてやったように、自分の顔を水面に映すのじゃ。妾たちの顔はそっくりじゃったろう? だから、それがイヨの顔であり妾の顔じゃ。妾とイヨはいつでも一緒なのじゃ』
「ああ、そうじゃの。妾たちはそっくりじゃった。トヨ……わかったのじゃ。妾もこの世界で楽しく生きるのじゃ」
イヨは涙を拭って、大きく頷いた。
『それじゃあの。イヨ、達者で暮らすのじゃぞ。また会おう』
「トヨ、ひと時の別れなのじゃ。また会おうな」
イヨのお別れの言葉が届いたように、トヨは微笑み、やがてイヨの姿をしたイザナミへと戻っていった。
『なん……』
トヨの言葉を語り終えたイザナミは、しょんぼりした様子。もうトヨがいないことをイザナミも理解しているようだった。
「イザナミ、ありがとうの。トヨの最後の言葉を聞くことができたのじゃ」
『なん!』
イヨが微笑みかけると、イザナミは嬉しそうに枝をふりふりした。
「ふふっ、お主らはなにを泣いておるのじゃ」
命子たちを見たイヨが言う。
子供たちはみんな涙ぐんでいた。
特に姉妹がいる命子や萌々子、メリスは感情移入してしまっていた。
「トヨは見守ってくれておるのじゃ。トヨが楽しんでくれるように、妾もこの世を楽しむのじゃ。それが一番じゃろう?」
そう言うイヨを、命子は強い子だなと思った。
「うん、いっぱい楽しませてあげよう!」
命子の言葉に、イヨはニコパと笑うのだった。
「ここなのじゃ」
イヨはそう言うと、墓室の壁に手をかざした。
すると、そこに龍の紋章が浮かび上がり、仕掛けが動く。
開いた扉の向こうには短い通路があり、その先に広間があるようだった。ひゅおっと一気に風が吹き込むので、教授に言われて空気をしばし送り込むことにした。
そうしてから、命子たちは隠し扉の奥へと進んだ。
そこは墓室と同じくらいの部屋だった。
「すっげぇ……!」
「ふわぁ、きれぇ……」
「こ、これは……」
「マジか……」
子供たちはそこにあった光景に目をきらめかせ、大人たちは息を呑んだ。
「なんとまあトヨ、クウミよ。凄い物を残してくれたものじゃな」
イヨは呆れたように言った。
そこには、透明な鉱石に封じられた品々が、1800年前の姿を綺麗に保って安置されていた。
透明な鉱石に封じられた物は、弓、短刀、巫女服、毛皮の服、曲刀、剣、勾玉、鏡――などなど、それは宝物庫のような様相だった。そして、その全ての品の前に、墓室にあった精霊石の板が置かれていた。
透明な鉱石も見事だし、それだけでもオーパーツと言っていい。
総評して、贔屓目に見なくても国宝級の品々だった。
「ぴゃわぁ……ぴゃわぁ……っ!」
そんな中で、紫蓮の心のぴょんぴょんゲージがしんみりゲージを上回ってしまった様子。
「ふぉおおお、カッコイイ!」
「モモコちゃん、ダメなのれすよー!」
そして、これは萌々子も同じだった。
萌々子はキスミアの一件でトレジャーハンター気質になっていた。その顔は宝箱狂いの姉とよく似ている。
「でも見てよ、アリアちゃん。この中に猫ちゃんの置物が入ってるよ」
「ほ、ほんとなのれす! しかもフニャルーそっくりなのれす!」
萌々子とアリアが騒ぐように、イヨへの贈り物の中には香箱座りした猫の置物があった。
「弥生時代に猫か……いや、クウミ殿は世界を旅したのなら、知っていても不思議ではないか」
猫は奈良時代や平安時代というのが通説なので、教授は唇を親指でウニウニと弄りながらブツブツと言った。
「でもイヨちゃん。精霊石に封印されちゃってるよ?」
一方の命子は宝箱ではないので落ち着いており、これでは使えないと首を傾げる。
「いや、これは精霊石ではないのじゃ。なにかはわからんが」
「水晶かな?」
「妾はこれほど大きな水晶は見たことないのじゃ。今だと採れるのかえ?」
「うーん、わかんない」
命子はゲーム知識で物を言っているので、素直にわからないと言った。
「それでどうやって取り出すの?」
「知らんのじゃ。これは妾も知らない技なのじゃ。おそらくだが、そこの精霊石の板に精霊を入れれば、開け方がわかるようになっておると思うのじゃ」
イヨはそれぞれの品の前にある精霊石の板を指さして言った。
「なるほど。そういうことか」
ふんふん、と頷く命子は教授を見た。
「そうだね。イザナミ君にばかりやらせるのは危険かもしれない。アイにやってもらおうか。アイ、できそうかい?」
『むーっ!』
教授のお願いを聞いて、アイはやる気を示した。
精霊は魔力を与えておけば割とどうにかなるので、教授は念のためにアイへ魔力をたくさん与えておいた。
アイが精霊石の板へ入ると、イザナミと同じようになにかをダウンロードして外に出てきた。
先ほどと違い、アイはその姿のまま言葉だけを流暢にしゃべり始めた。
『龍絹の衣。美しき衣は魔性の爪牙でも引き裂けぬ。我、クウミ、龍絹の衣の秘術をここに残す』
品物の説明をしたあと、アイは続けて『龍絹の衣』という衣服の作り方を諳んじた。
紫蓮や教授がそれを真剣な顔で聞く。命子とイヨは全然理解できず、むむむっといった顔で適当な相槌を打ち続けた。
そうして役目を終えると、アイは『むむー? むーっ!』とメモ帳をバッと広げた。
「アイ、どこも問題ないかい?」
『むーっ!』
大丈夫らしい。
「取り出し方はわからなかったね」
「うむ。しかし、石である以上は土の気だし、おそらくイザナミに取り出してもらえると思うのじゃ。まあ、とりあえず精霊石の板に残された言葉を全部聞いてみるのじゃ」
「うん、それがいいかもね」
というわけで、全ての伝言を聞くことにした。
ここには4体の精霊がいるので、無理をしていないか聞きつつ、手伝ってもらう。
『雷弓(いかづちの弓)。妖樹の枝から作られた弓は雷を帯びた矢を放つ』
『狗奴四天。狗奴の四王の爪牙は岩をも穿つ短刀となる』
精霊石の板から取り出された情報は、そんなふうに背後に置かれたアイテムの名前と、製法の説明だった。
なお、狗奴四天は、短刀というよりも投げナイフに近い形状をしており、複数が束になっていた。
弓や投げナイフや衣と、贈られたアイテムの種類を見るに、イヨの生活に役立つ物が選ばれているのは明白だった。
「シレン。これって新世界では作れそうなんデス?」
「作ってみないとわからないけど、たぶんできると思う。特に精霊石の板に刻まれている魔法陣が正しければ、世界中の武具職人の腕が一段階レベルアップする。雷弓の魔法陣は特に凄い」
「ほえー。クウミ殿は凄いでゴザルな」
紫蓮とメリスが褒めると、イヨは嬉しそうに笑った。
そして、萌々子たちが興味を示した猫の置物の番になった。
アリアの精霊であるアリスはまだ鳴き声を発せられなかったが、精霊石の板を使うと流暢に喋りだした。
『猫神の道標。遥か世界の彼方、猫神様が守護する猫神池への道標。イヨ様ならば使い方がわかるであろう。猫という生き物がほんに愛らしかった』
猫が可愛いという言葉に反応してキスミア勢がうむと頷き、日本勢は使い方の件でイヨを見る。
「お主らは龍道へ行ったのかの?」
「龍道っていうと、亜空間道のことかな? 日本中のいろいろなところへ行ける龍神の剣がある場所だよね?」
「そうそれじゃ。龍道は龍神様の力を借りて決められた目印のある場所へ一瞬で行けるのじゃ」
それは命子たちも体験しているので知っている。
ではなぜ今その話題を出すのかと、命子たちは顔を見合わせた。
そして、揃ってハッとした。
「「「ま、まさか!」」」
「うむ。この猫神の道標を龍道に置き、龍神の剣を猫神池という場所に刺せば、二つの地が繋がるのじゃろう」
トヨとクウミはとんでもないアイテムを遺していた。
読んでくださりありがとうございます。
ブクマや評価、感想、とても励みになっております。
誤字報告も助かっています。ありがとうございます。




