おまけ DRAGON 寸評
本日もよろしくお願いします。
我ながら変なことをしたもんだぜ!
■■ 説明 ■■■■■■
・感動点
視聴者が各選手1点まで投票できる。
視聴者の持ち点は10点。課金でおかわり可。
・技術点
100人の自衛官が採点。
1人100点。最大で1万点。
評価基準は、E級の特定のボスが倒せるか。
ボス討伐のボーダーラインを70点とする。
ソロの場合、同レベル帯の仲間が5人揃うことを考慮する。
・評価者コメント
採点した自衛官の1人が評論。
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◆エントリーナンバー1◆
【アイズオブライフ 一番隊】
・感動点 約120万票
・技術点 1万点
《評価者:陸曹長 魔導書士》
素晴らしい! 彼らの演武を見た私の率直な感想です。
この大会での評価は『特定のE級ボスを討伐できるか』を基準にしていますが、彼らの技術は十分に討伐できる域に達しています。
そもそもの話、我々はスキル覚醒していない状態でE級ボスを倒していたわけですし、全員がスキル覚醒している彼らは、満点評価も頷ける話です。
なによりも驚くべきは、その連携力でしょう。能力を高効率で開発できる世界になりましたが、この連携力を手に入れるために、相当な努力をしていることが見て取れます。
序盤では『命道・飛天串刺し落とし』と名づけられた必殺技が炸裂しましたが、現状ではこの技の実用性はそこまで高くありません。相性がいいスキルが見つかればその限りではありませんが。
しかし、こういった技ができるという自信は、不測の事態に陥った時に命を救います。二階堂氏と一之宮氏は、空中に投げ出された際には決して慌てず、必ずこの技をキメて窮地をチャンスに変えてしまうでしょう。
◆エントリーナンバー31◆
【赤い槍】
・感動点 約50万票
・技術点 1万点
《評価者:准陸尉 槍騎士》
仲間とともに探索するダンジョンでは、実のところ槍の取り回しが難しいです。しかし、彼の演武はその考えを一蹴する素晴らしいものでした。
出走後から3分20秒から続くコンパクトな技の数々をぜひ見てください。私も槍で戦うジョブをしていますが、彼と並んで戦っても、お互いの邪魔には決してならないでしょう。
一方、ボス戦となればどうかと言うと、槍は強い。広い場所で戦えるという理由からボス戦こそ本領です。
彼の演武の中でダイナミックな技に魅了された方は多いと思いますが、まさにそれがボス用の技になっています。
非常に力強い槍捌き。ぜひとも一緒に戦ってみたいと思える演武でした。
いやはや、私たちもうかうかしていられません。
◆エントリーナンバー42◆
【犬飼歳三&ポチ吉】
・感動点 約20万票
・技術点 5283点
《評価者:2等陸曹 テイマー》
ディフェンダーの犬飼氏とアタッカーのポチ吉君。
この光景に、筆者は深い愛を感じました。
犬飼氏の愛情を受けたポチ吉君も、それに応えるために大変に頑張っていました。うーん、イイッ!
基本的な戦法は、犬飼氏が盾役として敵の気を引き、その隙にポチ吉君が素早く攻撃を行ないます。単純明快ですが、とてもバランスがいいですね。
E級ボスを倒せるかというと正直微妙なところなので、我々の総合技術点は5割強です。しかし、同レベル帯の仲間が揃えばF級ボスならば十分に倒せるでしょう。
貴重なテイマーとその相方なので、じっくりと強くなっていただきたいです。
頑張れ、ポチ吉! くるくる尻尾が可愛いよ!
◆エントリーナンバー90◆
【風見女学園 乙女部隊1番隊】
・感動点 約250万票
・技術点 8950点
《評価者:1等陸佐 水魔導士》
なあ、私は夢を見ているのか?
彼女たちが合体魔法を使った際、私は思わず隣の採点者にそう尋ねてしまいました。
『水妖の刃 村雨』
まさかこの規模の魔法を使える冒険者がすでにいたとは思いもよらなかったのです。
6人中5人が武術と魔法を高い水準で習得し、彼女たちのリーダーは魔法のみを非常に高いレベルで修めています。
このジョブ構成により発動を可能にしたのが、超高威力の水魔法『村雨』です。
村雨ベタ褒めの筆者ですが、みなさん、ぜひ、もう少し踏み込んで見てください。
彼女たちは全員が魔法を使えるわけですが、演武中に常に陣形を動かしているのです。
この陣形の構築と変更が実に上手い。
この大会ではE級ボスの討伐が可能かを基準にしているわけですが、私には陣形を自在に変更してボスを翻弄する姿が目に浮かびました。
おそらく彼女たちも、村雨の発動よりもボスの攻撃が届く方が早いと理解しているのでしょう。合体魔法の最大の弱点は、全員が隙だらけになることなのです。
村雨はチャンスがあれば、あくまで本命は魔法の連打と近接武術という戦闘スタイルなわけです。
現在の技術点の合計は9割程度ですが、彼女たちがE級のボスに到達する頃には、満場一致で満点の評価となることでしょう。ぜひ頑張ってください。
◆エントリーナンバー110◆
【六花橋女子高 六花騎士団 白百合隊】
・感動点 約200万票
・技術点 8900点
《評価者:2等海佐 地騎士》
今話題の六花騎士団の総長・星天選手をリーダーにした女子高生のチームです。
まるでアイドルのようなルックスの美少女たちですが、その実力は紛れもなく本物です。
盾職、近接アタッカー、魔法アタッカーが非常にはっきりした立ち回りをしており、ボス戦闘をよく研究しているのがわかります。
近接アタッカーの選手たちは高い練度の斬り込みを見せ、彼女たちが高い実力を持っているのを証明してくれています。
本大会では活躍しにくいジョブがいくつかありますが、盾職と魔法職の子も、その不利を跳ねのけて会場を沸かせてくれました。
特に目を惹いたのは、白崎選手の剣術です。
4分20秒から始まる演武は実に見事。
ガチガチな盾職の私からすると、これほど頼もしい近接アタッカーはいないでしょう。
天衣! 無縫! 六つの花! 六花騎士団! 白百合隊!
ファンたちの熱烈な声援を思い出したところで筆を置かせていただきます。
◆エントリーナンバー146◆
【キャルメ団 カシム組】
・感動点 約280万票
・技術点 1万点
《評価点:1等空佐 指揮官》
全員がスキル覚醒した凄い中学生たちです!
シャムシールのカシム君、タワーシールドのギラン君を2本の柱に、それぞれが自分の役割を理解して立ち回っています。
大会の性質上、彼らの能力は十全に発揮できていませんが、自分たちの持てる技術を工夫して使い、観客を沸かせていたように思えます。
手を抜いていたわけではありません。
能力を大会用にコンバートできるのは、実力がなければ無理なのですから。
それを証拠に、各ギミックなどでふいに見せる連携超アクションには、ビックリした方も多いのではないでしょうか?
この大会では終始驚かされっぱなしでしたが、彼らへの驚きには「子供たちの可能性」を抱かずにはいられませんでした。
これからもぜひ頑張ってください!
◆エントリーナンバー201◆
【流ルネット & ジューベー】
・感動点 約190万票
・技術点 6725点
《評価者:1等海尉 抜刀サムライ》
ニャンと刀術の融合=神速の抜刀術。
金髪碧眼のお母さんが繰り出す神速の抜刀に魅了された人は多いのではないだろうか。私もその1人である。ニャン!
と、優れたルックスに目を奪われがちだが、その抜刀の技術は非常に高い水準にある。
抜刀の速さもさることながら、注目すべきは納刀の正確さ。これにより連続抜刀という格闘ゲームにでもありそうな恐ろしい技を実現している。
もし彼女がパーティ内にいれば、普通の敵なら、気づけば先頭の1体2体は光に還っているだろう。
ではボスならどうか?
それはもう頼もしいだろう。
抜刀サムライは刀を納めてこそ最高威力を出すため、残念ながらこのジョブの防御性能はそこまで高くない。パリィ性能が悪いのだ。なので良い防具か盾職が必須になるが、その条件を満たしたなら、E級ボス討伐は非常に安定したものになるはずである。
さらに、彼女は貴重なテイマーでもある。
愛猫ジューベーとの連携は◎。
4分15秒に見せた、抜刀するルネット選手の背後からジューベーが飛びつく連携は実に面白い。これを回避できる魔物は、E級のレベル帯ではいないのではないだろうか?
◆エントリーナンバー320◆
【サーベルジジイ】
・感動点 約265万票
・技術点 1万点
《評価者:2等陸佐 天剣士》
まず、この評価を書かせていただくのは大変光栄であるとともに、恐れ多いことと申し上げておきます。
結論から言えば、マナ進化して三次ジョブに就いている私よりも強いです。はい。
乱入してきたエギリスの英雄ソフィアさんに勝利してしまったことからもわかる通り、尋常じゃない剣士です。
新世界はレベルやジョブで攻撃力が変わるので、単純な攻撃力は私やソフィアさんのほうが上かもしれませんが、技術ではまったく敵いません。
近接武術をする方は、是非とも今回の動画を見て勉強してください。
頭からつま先まで、全てにフェイントの奥義が詰まっています。おそらく手合わせした際には空気感すらもフェイントに組み込んでいると思いますが、こればかりは動画では学べないのが残念でなりませんね。
全採点官、文句なしの100点の計1万点です。
ちょっと豆知識ですが、師の使う武術は元々は無名です。幻歩法と呼ばれていますが、これは最近になって第三者が名づけたものとなっていますね。無名の奥義。渋すぎます。
◆エントリーナンバー376◆
【キャルメ】
・感動点 約600万票
・技術点 1万点
《評価者:2等陸尉 拳豪》
閉会式では大変なことが起こりましたが、ここではあくまで演武について語りたいと思います。
スタートのステージから跳躍とともに見せた、紫のオーラを纏った旋風脚。
もうね、私はそれを見た瞬間、背筋がゾクゾクしてしまいました。
それが大会の性質を考えた上での魅せ技であることは、同じ格闘系ジョブなのですぐにわかりましたが、それにしたって練度が抜群に高い。完成度が高すぎて、そのまま敵へ放ってもいいくらいです。
では魅せ技の反対は?
彼女はその答えをコースの随所で見せてくれています。
例えば、2分05秒のギミックアクション。
ド派手なムーンサルトキックを空中に放ち、天地反転したキャルメさんはギミックを掴んでキリモミ開脚回転。大技の強制キャンセルからのコンボを想起させるアクションです。
注釈をいれますが、実際にキリモミ開脚回転はたぶんやりません。このアクションから見えるのは、大技のあとの隙を一瞬で無にして、即座に連撃コンボを叩き込める、という身体能力のアピールです。
これこそが体重の軽い彼女の真の戦い方なのでしょう。
大技から小技、小技から大技。四方八方から繰り出される大連撃。
さらに常に彼女の周りにあった魔導書の存在です。その使い方を想像したらワクワクしっぱなしの演武でした。
E級ボス討伐? 十分に可能でしょう。というより、私たちの多くはスキル覚醒してない状態で挑んでいたので余裕かもしれません。
◆エントリーナンバー396◆
【メリス・メモケット】
・感動点 約600万票
・技術点 1万点
《評価者:1等空佐 中忍者》
今回の大会は日本中に『冒険者のスキル覚醒』が始まっていることを広めました。
その中で特に練度が高い演武を見せてくれた1人が、メリスさんです。
紫のオーラを纏って小太刀二刀流から繰り出される連撃の嵐。
コースを走破するという大会の性質上、実のところ連撃で観客を飽きさせないというのは難しいです。
しかし、彼女は時に残像を生み出し、時に高速移動のジグザグ走行を交え、ギミックも上手く使って、この難題を見事にクリアしました。
ですが、良いアイデアも能力が備わっていなければ実現しません。
その点、彼女の能力は無茶なアイデアも可能にするだけのものがありました。
登り棒の横式大車輪って! 私も練習しなくてはなりませんね。
最後の龍ギミックについてですが、この点はみなさんご注意ください。
これは【イメージトレーニング】をスキル覚醒させた際にできる『再現戦闘』です。
この再現戦闘は想いが強いほど、身体の能力がその戦闘に引っ張られます。さらに、イメージ戦闘で攻撃を受けると魔力が一瞬で消し飛び、昏倒する恐れがあります。使用できる状態になったら十分に注意をお願いします。
なにはともあれ、マナ進化した彼女の今後がとても楽しみです。頑張ってください!
◆エントリーナンバー397◆
【有鴨紫蓮】
・感動点 約600万票
・技術点 1万点
《評価者:3等海尉 槍豪》
まず、マナ進化している時点で、E級ボスの撃破が可能なのは疑いようもありません。なので満点なのも納得ですが、それでは話が終わってしまうので、率直な感想を書きたいと思います。
本大会では「一緒に戦ってみたい」という選手が非常に多かったのですが、有鴨さんは特にそう思える1人でした。
薙刀の扱いも素晴らしいですが、なによりも彼女が常時展開していた【付与術・炎属性付与】の存在。
これは『付与術士』と『マナ因子:炎属性』を組み合わせた魔法ですが、これが素晴らしい。彼女と一緒に戦えたなら、私の槍や鎧に炎が宿るのだから!
いや、待て待て。魂の繋がりがないとバフの効果は及ばないので、私では無理じゃないか……っ!
この技だけでも、彼女がパーティにいれば、ボス戦の勝率が上がることは明白です。
魔法生産と武術の二足草鞋で、よくぞここまでの技能を身につけたものだと思います。
ファンタジーの世界を心から楽しんでいる——最初から最後まで、そう思わせてくれる素晴らしい活躍でした!
◆エントリーナンバー398◆
【笹笠ささら】
・感動点 約600万票
・技術点 1万点
《評価者:ダンジョン特務官 天騎士》
出だしでヒュンとした人は多いのではないだろうか?
私もその1人である。完全に心の準備ができてなかった。
もはや彼女の満点にケチをつける者はいないだろう。
強いて言うなら、そのキレッキレな剣術を見て、「えっ、き、騎士?」と思った人はいるかもしれないが、それは大会の仕様で盾の使いどころがほとんどないからだ。こればかりは運営の努力に期待するしかあるまい。
さて、彼女の演武では常に赤いエフェクトを展開していたが、これこそが『天騎士』のガードフォース。自分や仲間の防御力を上昇させる魔法なのだが、そこに『御伽姫』の【触れ合う心】が合わさるとさらに効果を引き上げる。
攻撃、防御、敏捷、その全てを兼ね揃えた和装の騎士。
これほど頼もしい前衛はいようか? いや、おるまい!
◆エントリーナンバー399◆
【流ルル】
・感動点 約600万票
・技術点 1万点
《評価者:ダンジョン特務官 中忍者》
私は彼女の採点をしていて、武術の採点をしているのか、芸術の採点をしているのか、ふいにわからなくなりました。おそらく、私と同じ感想を抱いた人は多いのではないでしょうか?
その原因がなんであるか考えた時、やはり行きつくのは『分身の術』です。
分身と織りなすスピード感溢れるアクションは、感動的な爽快感すら与えてくれました。
全体的に驚きに満ちた演武でしたが、『風の渓谷』で見せた技は特に素晴らしいものでした。
『残像の術』とマナ因子『氷属性』を組み合わせた『氷瀑人形の術』です。
その発想があったか……っ!
多くのアイデアが詰まった宝箱のようなひと時でした。採点員をやれてとても楽しかったです!
◆エントリーナンバー400◆
【羊谷命子】
・感動点 約600万票
・技術点 1万点
《評価者:ダンジョン特務官 剣豪》
羊谷さんはその活躍を見るたびに驚かされます。
しかしながら、今回はこれまでの活躍を抜きにして、大会のみで評価させていただきます。
結論から言えば、満場一致の100点です。
彼女ほど頼りになる後衛はいないでしょう。
身体能力と武術技巧は同レベル帯では低めですが、十分に自分を守れる水準にあります。『自分を守れる』というのは魔法使い系のジョブの課題ですが、それを見事にクリアしています。むしろ、魔法使いなのによくこれだけ動けると、驚くほどです。
そう思わせる原因は、やはり魔導書の操作力です。
剣書一体の新武術。
彼女と対峙したボスは1対1のはずなのに、1対4に感じられるはずです。
後半の必殺技エリアでは素晴らしい魔法の数々を見せてくれました。まさに魔法の1人博覧会。
そして、極めつきはフィニッシュで見せた水龍です。
これを見せられて100点以外に採点のしようがありません。なにせ、これができる人は世界では本当に一握りですしね。
余談ですが、『羊谷さんのメモ帳は出版したりしないのか』とよく同僚の自衛官から尋ねられます。私だって欲しいわ……っ!
読んでくださりありがとうございます!