8-17 心のマナ進化
本日もよろしくお願いします。
ふわふわと浮かぶささら。その胸に、翡翠色の繭が吸い込まれていく。
体の内側から溢れてくる活力に、ささらはふわりと目を覚ました。
トンと軽やかに床へ降り立つ。
つま先から髪の毛先に至るまで、新しい自分の誕生に喜んでいる。温かな多幸感が胸を満たし、仲間たちにこの気持ちを分けてあげたくなった。
ふと、斬られた痛みが消えていることに気づく。
命子はマナ進化した際に、三頭龍との戦いで負った足の痛みが消えたと言っていた。だから心配はしていなかったけれど、ささらも女の子だ。顔の傷を無意識に撫で、そこに傷がないことに喜んだ。
すると視界に映ったその手がさっきまでとはちょっと違うことに気づいた。指の長さや爪の形は同じだけれど、肌のきめ細やかさや爪の輝きが格段に良くなっていた。そんな小さな違いに気づけたのは、やはり女の子だからだろうか。
《Sインフォ:あなたはマナ進化しました。この世界における当該種族の始祖に認定されます。種族名の命名権があります》
「ふふふっ、おとぎ話のお姫様みたいですわね」
白魚のように美しい肌を見て、ささらは淑女に近づけたことを喜んだ。でもまあ、それを捨ててでも仲間とともに戦いたい。それこそがささらの淑女道だった。
その呟きと想いが世界にいくつかの理を生み出す。
《Sインフォ:御伽人と命名されました》
《Sインフォ:次元龍により、この言語圏の女性型始祖は『姫』と定義されています。御伽人(始祖)は御伽姫に変化します》
《Sインフォ:この世界における魂の力『淑女』に新たな定義が追加されます》
しかし、喜んでばかりはいられない。
早く仲間の下へ行かなくては。
その前に自分がどのように変化したのか知る必要がある。
ささらはステータスを出現させた。
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笹笠ささら
15歳
種族 御伽姫
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「お、御伽姫ですの? どうしてそうな……あっ、ま、まさか!?」
ささらは自分の種族名を見て驚くとともに、なぜその名称になったのか気づいた。
「ワタクシが名前をつけたということですのね……」
ささらには不思議に思っていたことがあった。
魔導書はなんで魔導書というのか。魔導書士はなんで魔導書士なのか。ダンジョン初心者だった命子が一目見てその名称を言い当てるほどに、世界の常識だったのだろうかと。
だがそれは違ったのだ。
魔導書が世界の常識だったのではなく、命子が魔法の本を魔導書と定義したのだ。
新世界の理の中には、そうやって命名権があるものが存在するのだろう。
そして、今の自分の呟きが、自分の種族をそう定義付けたのだ。
「でも、悪くありませんわ。おとぎ話のお姫さま……ふふふっ」
ささらはニコニコしながら、性能を確認した。
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種族『御伽姫』
・種族スキル
【触れ合う心】魂を通わせた相手との魔法干渉を最適に近づける。(回復・バフ性能向上、同士討ちの威力軽減)
【武侠】マナ因子がある程度成長した魔力の操作が格段に向上する。
【見習い騎士セット】【細剣騎士セット】【修行者セット】【冒険者セット】※進化の一部として取り込んだことで強化された。
【淑女】それは魂の在り方であり、決して曲がることはない。攻撃性魔力への耐性を得る。
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「【淑女】? ワタクシは『淑女』のジョブに一度もついてないのですが……なぜですの?」
疑問に思うささらだが、今は仲間との合流を優先する。
さらに、マナ進化したことで解放された三次職のジョブに就く。
命子と同様にジョブに『御伽姫』が存在するが、ひとまず即戦力になりそうな騎士の三次職『天騎士』を選んだ。
「よし、行きますわよ!」
準備を整えたささらは、パワーアップして戻ってきた愛刀を撫で、走り出した。
「火弾! 土弾! あっぶな!」
命子は床に向かって火弾を放つ。
床を伝っていた氷の猫の魔力が相殺され、氷柱の魔法をキャンセルする。
これは戦闘の中で発見したことだった。
命子は魔本の水弾を魔法で撃ち落とすことができる。それができるのだから、氷柱も出る前にキャンセルが可能なのではないかと考えたのだ。
しかし、命子の魔法と氷の猫の氷柱では、撃ち出すまでにかかる時間が違いすぎた。
命子は火弾と土弾を交互に撃ち出し、それでも自ら回避しなければ追い付かない。
「す、すまん、命子君」
そんな命子だが、その両腕には教授を抱っこしていた。
氷柱での攻撃は室内の全域まで射程があり、普通に教授を狙ったのだ。高威力の【精霊魔法】が使える紙装甲ゴミ回避力のユニットなのだから、それはそうだろう。
「くっ、またか!」
一方の藤堂は氷の猫の攻撃を必死で捌いていた。
爪撃、噛みつき、しっぽ攻撃、氷柱。
今もまた爪撃を逸らす。
逸らした猫手が床を叩き、即座に氷柱の魔法に変化する。さらにしっぽが床を叩き、そちらでも氷柱の魔法が発動する。
そう、氷の猫は四本の足としっぽが床を叩いた瞬間、防御の氷壁か攻撃の氷柱に変化する魔力の素を床に出現させてくるのだ。それを近接戦闘に巧みに組み込んでくる。
二つの氷柱の素となる魔力の線が藤堂の足元へやってくる。
藤堂は慌てて避けるが、氷柱はそこでは発動せず、背後にいる命子たちの下へ向かった。実に嫌な攻撃である。
しかし、藤堂は命子たちがちゃんと回避できたのか耳で判断するしかできない。
視線を切ったら即座に負ける。藤堂はアタッカーなので防御力はそこまで高くないため、このレベルのボスからクリーンヒットを食らえば、一撃で致命傷になる可能性が高かった。
そんな藤堂だが、もうそろそろ武器がヤバいと感じていた。
藤堂も【武器お手入れ】が使えるが、魔石を取り出している暇なんてなかった。
そして、武器が壊れたら、予備のダガーで戦うしかない。敗北までそう時間はかからないだろう。
それにもかかわらず藤堂は、氷の猫に突進を使わせないために近接戦闘を続けるしかない。この中でボスの突進に耐えられるユニットはいないのだから。
「教授、ヤバいかもしれません! 火弾! 土弾! なにか打開策を考えてください! あぶないって!」
「無茶を言うね」
命子の首に腕を回す完全お姫様スタイルの教授だが、一つだけ簡単に切れるカードがあることは知っていた。それは命子の自由化だ。
今、命子が攻撃に転じられないのは自分を抱っこしているからだと、教授もわかっていた。
自分を下ろせば、命子は火弾と土弾で氷柱の魔力を霧散させなくても、回避できるのだ。
しかし、命子は絶対にそれを採用しないとわかっているので、提案するだけ時間の無駄だとも思っている。それよりも建設的な思考をするべきだと教授は頭を回転させる。
「あいつ! あっ、バカ!」
命子の広い視野が戦場の端っこを駆け抜けるウサギを発見した。
そんなウサギへ魔力の線が伸びていく。命子は火弾を使い、魔力の線を霧散させる。
ウサギはチラッと命子に顔を向けて、出口の壁を開き、外へ逃げていった。
「外へ出られるようになったのか」
「中で戦うべきか外で戦うべきか……微妙なところです」
完成した氷柱の魔法は、時間では消えず、命子の強化火弾レベルの技でなければ壊せない。
それを廊下でやられると、どうにもならなくなる恐れがある。これは室内でも同じだが、広いだけに選択の幅は広がる。
あるいは教授だけでも外に行ってもらうか……。
だが、それもまた怖い。魔物が出てきたらすぐに殺される恐れがある。
行動を決めかねる命子は、火弾と土弾を撃って魔力の線を消しつつ、霧散させられずに完成した氷柱を回避し続ける。
その腕の中で、教授は一つ気づいた。
「火弾や土弾は明らかに氷柱よりも弱いのに、なぜキャンセルできる? もしや、事象を起こす前の魔力はそこまで強くないのか? ならば、アイ!」
教授はアイを呼び寄せ、意思疎通をする。
アイは教授の話をミニノートに書き書きし、ふむと頷く。お花の絵が完成した。アウトプットは基本なのである。
教授から魔力を貰ったアイが火の魔導書の上に乗り、【精霊魔法】を使う。すると、命子たちの前方の床に、左右に五メートルほどの細い炎のラインが出現した。
その直後に炎のラインへ氷柱の魔力がぶつかると、魔力は霧散した。その分、炎のラインもまた一部が消失している。
「おーっ!」
「アイ、今のはジャマーラインだ。わかったね?」
「っっ!」
アイはミニノートにメモメモして、ふむと頷いた。それから教授は、炎のラインを作る係になる。
一時的に安全圏を得た命子は、教授を下ろし、すぐに攻撃に転じた。
しかし、氷の猫の魔法は氷柱だけではない。氷壁が命子の強化火弾を相殺してしまう。
なんにせよ、命子たちは氷柱に対する解決策を導き出した。
だが、それがわかった途端、氷の猫が背後に飛び、藤堂から大きく距離を取った。
突進をさせられない藤堂は慌てて接近するが、その向かう先から四本の魔力の線が迫る。
ザンザンザンッと氷柱が三本そそり立つが、【龍眼】を使う藤堂はその全てを回避する。残りの一本は氷壁となり、藤堂の前進を遅らせる。
魔力の線は命子たちのほうにも一本向かってきた。
今や炎のラインは二重の円になって命子たちを囲んでいるので、盤石だ。そう思った瞬間、炎のラインの手前で氷柱ではなく、氷壁が出現した。
いったいなぜ。
そう訝しんだ教授は、透き通る氷壁の向こう側を見てハッとした。
「いかん、命子君!」
「なっ、うわっ!?」
教授は命子をその場に押し倒し、頭部と体を包むように抱きしめて、氷壁に背中を向けた。
目を白黒させる命子だが、氷の猫がこれまでに使ってきた技を思い出してゾッとした。
『ニャァアアアアアアアアアアアアアア!』
その瞬間、氷の猫の咆哮が室内に轟く。
咆哮は衝撃波に変わり、今まで氷の猫が出現させ続けてきた何十本もの氷のオブジェを、粉々に吹き飛ばしていく。
「だ、ダメだよ、教授ぅ!」
命子は教授の腕の中でもがくが、抜け出せない。
まるで命の炎を燃やしているかのように、非力な教授が凄まじい力を出して、腕の中で命子を守った。
たった今作られた氷壁が粉々になって吹き飛び、炎のラインがあっさりと消えていく。
死ぬ。
教授は可愛い友人の小さな体を抱きしめ、覚悟を決めた。
ガララララララッ!
そこら中から、レンガの家を壊したようなけたたましい音が聞こえる。
しかし、その音に反して、教授の背中にはダメージがない。一瞬にして死んでしまったのだろうかとすら教授は思った。
だが、教授のわき腹からちょこんと顔を覗かせていた命子は見ていた。
氷壁が砕ける直前に命子たちの前に飛び込んできた頼もしい後ろ姿を。
暴風になぶられる長い髪の下で、着物に染め抜かれた桜が歓喜するように舞い踊り続けている。
【龍眼】を持つ命子の目には、体を包み込む防具の全てが真の力を発揮していることがわかった。
盾で弾く氷の礫はもちろん、それがたとえ体に当たっても一歩たりとも揺らぎはしない。
武具は【合成強化】で強くなる?
いいや、それは一段階目に過ぎない。
武具とは魔力を纏わすことで真の力を発揮するのだ!
「ささら!」
盾を構えるささらの目つきは鋭く、されど友の嬉しげな声に口角を上げる。
「今度はワタクシが守る番ですわ!」
かつて、無限鳥居の始まりで命子が贈ってくれた言葉。
自分がみんなを守るよと。
ささらとルルはそんなことは承知できず、ともに戦い続けたが、命子はたしかにずっと守ってくれていた。そう、二人の心を。
――今こそ、そんな命子さんからの友情に報いる時!
ささらの想いに呼応するように、長い髪の先端が銀色に輝く。
「ガードフォース!」
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【騎士技・天 『ガードフォース』】
範囲技。術者もしくは術者と魂が触れ合った存在の物理・魔法防御力を一時的に上昇させる。消費魔力・任意×人数。ガードフォースの効果は消費した魔力から捻出され、その魔力分を防御すると効果は全て終わる。
御伽姫の種族スキル【触れ合う心】により、魔力効率が高まる。
■■■
ささらが技を使うと、ささら、命子、教授の体が淡い赤色に輝いた。
「こ、これは……」
命子を解放した教授はささらの姿を見て、驚く。
ささらは角が生えた命子のように、どこかが大きく変わったということはなかった。
だが生物としての格が変わっていることに本能が気づいた。さらに、収まりつつある暴風に乗って、なんとも言えない良い香りがしてくる。
いろいろ聞きたい命子だが、グッと堪えて違う質問をする。
「ささら! 魔力は見える!?」
「今のところ見えませんわ!」
「わかった!」
それがこの戦いで最も重要な事柄だ。
これにより命子の立ち回りは大きく変わる。
暴風が収まる。
右手遠くでは、オトヒュミアとバネ風船が周りにバリアを張って応援をしており、彼女たちに変わりはない。
しかし、氷の猫と藤堂の位置が大きく変わっていた。
藤堂は今の礫の嵐でロングソードが一本折れ、床に片膝をついて大ダメージを負っているようだ。中級回復薬を服用し、回復を図る。藤堂の魔力はこれにより残り僅かになった。
一方、フリーになった氷の猫がその場で一度ジャンプする。
着地と同時に四肢としっぽが床を叩き、五本の魔力の線が全て命子たちに向かってきた。
さらに、それの魔力の線を追うようにして氷の猫自身も走り始めた。
「強化火弾! 土弾!」
命子が魔法を放って、まとまって先行する魔力の線を一気に消す。
命子たちにとって幸いだったのは、氷の猫が疾駆する際に氷柱を作れるほどの器用さがなかったことか。
だが、体高2.5メートルの氷の猫が猛スピードで迫りくるのだけで、もはや悪夢だ。
しかし、ささらはそれに恐れず真っ向から立ち向かう。
燃える床を嫌って飛び跳ねた氷の猫は、肉食獣がやるように、両前足に爪を立ててささらに襲いかかった。
ささらはそれに対して、片方の手で盾を、片方の手で愛刀を操って防ぎきる。足元の氷が大きく砕けるが、ささらはそれ以上下がらない。
そんなささらに、これこそが猫科の動物の真骨頂とばかりに、氷の猫の牙が迫る。
今の攻撃で、ささらの体からは先ほどかけたガードフォースの光が消えていた。防具の力を発揮してなおその威力なのだから、凄まじく重い一撃だ。
だが、ささらは慌てない。
「炎魔・龍命撃!」
頼もしい仲間がいるのだから。
炎を宿した薙刀・龍命雷が、ささらに飛びついた氷の猫を吹っ飛ばす。
「紫蓮ちゃん!」
「ヒーローは遅れてやってくる」
燃える龍命雷を振りぬいた姿勢でシュタッと床に着地したのは紫蓮。
黒々とした長い髪の先端は赤い光を放ち、右目もまた赤く光ってなにかを見通している。
そんな紫蓮の横を紫色の光が駆け抜ける。
「にゃふしゅ!」
大きくノックバックした氷の猫の体を、紫の炎を纏った二つの小太刀が旋風のように切り刻む。
「これぞネコネコ小太刀二刀流デスワよ!」
「メリスさん!」
ささらが嬉しげにその名を呼んだ。
大きなダメージを負って回復を始める氷の猫だが、突然片手を上げるような不自然な動きを始める。
前足に鞭が絡みつき、真上に引っ張られているのだ。さらに、鞭が絡みつく場所から細かな氷の切りクズが大量に舞い上がっていく。
「しょ、翔子!?」
教授が目を見開き、親友の名を、驚愕をもって叫ぶ。
馬場の肌や瞳は十代のように若々しく、ショートに切り揃えられた髪の先端が緑色に輝いていた。
「ピッチピチになって、私、参上ってね!」
その声には張りがあり、今まで以上に自信に溢れていた。
ハッとして命子が入り口を見ると、ウサギがぴょんぴょんと跳ねており、急かすようにして滝沢を導いている。その外では、自衛隊がなにかと戦っている音がする。
「ははっ、やるなぁウサ公っ! わっ!」
ウサギの勇気に嬉しくなった命子の横を、金色の二つの影が駆け抜けていく。二つの影がもたらす風を追うように命子はまた振り返る。
金色の二つの影は風のように疾駆し、前足を持ち上げられて腹をさらす氷の猫の前で、エックス字に交差する。
「「ネコ・イズ・パワー!」」
すれ違った氷の猫の腹に無数の斬撃が走るが、それだけでは終わらない。
「「ニンニーン! にゃふしゅ!」」
なにもない空中を蹴り、瞬時に折り返し、氷の猫の両脇腹を切り裂く。
背景でド派手な残光エフェクトを煌めかせ、忍者刀と小鎌を振り抜いた姿勢で二つの影は重なって一つになる。
命子たちの前に現れたのは、
「猫は猫を以て猫に散るデス!」
バシーンと意味不明なキメゼリフを口にするルルであった。
「ルルさん!」
ささらがぱぁーっと顔を輝かせて叫ぶ。
そうルルだった。
そんなルルの頭には、ぴょこんと金色の猫耳が生えており、赤いくのいち装束からは金色の猫しっぽが生えていた。
「ま、ま、マジもんやーっ!」
命子は戦いを一時忘れ、角をピカーッと光らせて思わずツッコむのだった。
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『命子の冒険手帳』
種族【御伽姫(御伽人)】
・誰かとともに生きたいと強く願う人が進化しやすい、心を特に重視したマナ進化。
・人の通常マナ進化の一つだが、「角などが生えたくない」「御伽人が素敵」程度の想いでは進化できない、ある意味マナ進化が難しい種族。
★特性1 【触れ合う心】
・魂を通わせた他者と触れ合う行動に補正がかかる。
・相互におけるバフなどの魔法効果上昇。
・相互における同士討ちダメージ大幅減少。
★特性2 【武侠】
・マナ因子がある程度溜まった魔力操作の力が格段に上がる。
★特性3 【これまでのスキル】
・人によって変わる。
★特徴
・特性2の名称が変わりやすいが、効果は同じ。
・他者に好印象を与えるとてもいい香りがする。
・気合を入れて魔力を使うと髪の先端がキラキラする。
読んでくださりありがとうございます。
最後のトピックは、将来的に書くであろう命子のメモということで。