本こそ知識の源
そしてあれから更に二年が経った。
え?また話進みすぎって?いや、確かにこの2年はいろいろ魔法を使ってみたり、初めて魔物を狩ってみたりといろいろしたけどそんなことこと細かく説明してたら話進まないじゃん!……ってあんましこういう事言うのは良くないからこれ以上言わないけど…。
4歳になった俺は人間でいう12歳ほどの成長をした。やはり、成長速度が以上であるが俺もゆっくりと成長するよりは早く精神年齢の身体に近づいてくれるほうが嬉しい。
今の姿は紫色の眼に白色の髪が目にかかるほどの長さまで伸びており、こめかみ付近から立派な角が生えている。角の長さは10センチほどでこれはガネルシア族の成人と同じ長さにあたる。角の長さや太さは魔力量の大きさに比例していくらしい。つまり、俺の魔力量はガネルシア族の成人と同じと言うことになる。いろんな人から驚かれたり天才と褒めてもらっているがなかなか悪い気分ではない。前世では平凡な人生を送っていた身としては初めて味わった気分でとても気持ちいい。
理由としては3歳になるとこの世界の共通の魔人語の読み書きを覚え、本を読み始めた。もちろん、魔法のである。周りの大人たちに聞いてもまだ早いと言われるので家にある本を読みだしたのだ。家には書庫があるためそこに一日中籠もっては本を読み続ける生活を一年ほどしていた。その間に本で書いてある魔法の使い方や魔力量を増やす方法などを試し、初級魔法ではあるが使えるようになった。親は兄のガルナに教育熱心にしており、次男の俺は妹のマルナの子守を押し付けられた。
最初こそ苦戦はしたが徐々にマルナの扱いにもなれ、またマルナも俺について学習していったようで一ヶ月もすると俺は本を読み、マルナは俺の足と足の間に入り、一緒に本を読むようになった。
これが一番静かにするため、俺も何も言わない。
書庫にある本を全て読んだおかげで今、俺は妹以外には見せていないし話していないが魔法を使えるようになった。
人が魔法を使うには自身の魔力を消費するのだが、その人自身の魔力によって使える属性魔法は決まっている。
そもそも属性魔法とは火魔法、水魔法、土魔法、風魔法の基本魔法と闇魔法、光魔法、回復魔法、支援魔法の8つの属性に分かれている。
そして人間であれば一般人的に2つの属性が相性がよく2つの属性のみ使うことが出来る。しかし魔人族の平均は4つと多い。更にはガネルシア族は必ず闇魔法を取得しているのと光魔法を除く、平均5つの属性を扱うことが出来るらしい。
ガネルシア族やっぱ当たりの種族だよね!身体能力も魔人族の一般的くらいあるし魔力量は魔人族の上位、そして魔眼を持ち、適正属性も多いといいとこ尽くめだが一つだけ弱点がある。それは光魔法にえらく弱いらしい。
例えば大抵の魔人族も光魔法には弱いがガネルシア族はその5倍もダメージを受けやすいらしい。
しかし光魔法の使い手は少なく、人間では伝承による勇者一同か聖女くらいしかもってはいないらしい。なのでほとんど弱点にはなりえないと書いてあった。
なんか盛大なフラグにしか感じないけど…。
話が少し脱線したが俺は結局5つの属性魔法が使えた。ガネルシア族では平均的で残念だが平均あったことに喜ぶべきなのかも知れない。
適正のある属性は闇、火、水、土、支援魔法の5つだった。
妹も俺が魔法を使うと目を大きく開けて
「お兄ちゃん、かっこいい!!」と褒めてくれる。
いや、マジ天使だな。この笑顔のためにいつも魔力が切れるまで魔法を使い続ける。そのせいで倒れそうにもなったが妹の前であまり失態を晒すべきではないと思い、踏ん張っている。
また本に書いてあった内容に魔力量の増やし方が書いてあったので毎日欠かさずにしているといつの間にか角が伸びていった。鍛え方はヘソ付近にある魔力を感じ、身体に循環させるイメージを持ち、血液と一緒に身体全身に通す。
この作業は集中力が必要で少しでも気が散漫すると失敗に終わる。魔力量がいくらあっても全身に回すと数分で魔力が切れ、魔力欠状態になり、寝ておきると少しだが魔力が増えるという仕組みだ。
今の俺なら30分は循環させられるようになったがまだまだだ。本に書いてあった英雄録には魔法を極めた者たちが数多く存在していたことが分かる。所詮今の俺なんて英雄たちに比べたら足元にも及ばない。
まだまだ魔法の道は険しいみたいだ。