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春の雨に濡れて  作者: 登夢
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10.中間試験

中間試験

【5月19日(木)~24日(火)】

5月19日(木)から24日(火)まで4日間の予定で高校の1学期の中間試験が始まった。試験は午前中で終わるので、お弁当はいらないが、美香ちゃんは僕のためにお弁当を作ってくれた。試験の範囲が発表されてからは、家事の手を抜いてもいいよといっておいたが、きちんと家事をしている。大丈夫ときくと授業はしっかり聞いているし、予習復習もしているから、前日にノートを見るだけで十分といって暢気なもの。試験中は午前中で終わるので時間あるからかえって家事ができるといっていた。でも夜は遅くまで試験の準備をしていた。試験の1週間前くらいから、夜部屋に来ることもなくなっていた。すこし寂しい。


【5月31日(火)】

月末、帰宅すると、中間試験の結果が出たと言って、成績表を持ってきた。別に見せなくてもいいよといったが、見てくれという。見ると、各科目、最低でも80点、100点も90点以上もある。クラスで1番の成績で、学年でも3番の成績。


「すごいね。僕も高校ではクラスで1番になったことなんかなかったよ」

「学校へ通わせてもらっているから、良い成績をとりたかったけど、なんとか見せられる成績でよかった」

「こんな成績がとれるから、転校も認められたんだね」

「前の学校でもこうだったの」

「大体クラスで1番だった」

「家事を全部して、この成績、いつ勉強していたの」

「大体、授業を聞いているだけで分かるから、特別な勉強はしなくても大体大丈夫」

「頭がいいんだね。両親はどんな仕事をしていたの」

「父親は高校の先生で、母親は小学校の先生」

「両親は授業をしっかり聞いていなさいとだけ言っていたので、授業は小学校から集中しています」

「進学のことだけど、希望があれば大学へ行ったらいい。貯えもあるから大丈夫だ」

「これ以上の迷惑はかられません。親戚でもない赤の他人の圭さんに」

「でも考えてみて。こんな成績が良いのにもったいない」

「お勉強はしっかりやります。こんな境遇でもできることを見せたいから」


進学させてやりたいと思うが、本人は固辞するだろう。何か方策はないだろうか、奨学金を申請する方法もある。


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