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地味から抜け出すためのReLIFE挑戦  作者: 初雅なる
1LIFE 何気ない毎日と個性的なキャラ
4/6

第4話 決着の頭脳戦と終わりのテロ事件

「……………本当にそう言ってる?沖縄県って……。」


秋羅は念のため、聞いてみた。すると、団長は、


「おう。え?沖縄だろ?世界で一番面積が小さい国は。」


本当だった。秋羅以外の皆も呆れてため息を吐いた。


「………言わせてもらうけど沖縄県は国じゃないからね?」


秋羅は団長に間違いを指摘した。団長は、


「はあぁぁ!?何言ってんだ!沖縄は国だ!独立国だ!」

「ちげーよ!沖縄は県だ!そして日本が独立国だ!」

「えぇぇぇぇぇぇぇ!?」


団長は、まるで五歳児が初めて小学校という存在に気づいた様な反応した。

秋羅はここまでとは思わなかったのか、少し不満そうな顔をした。


「あともう一つ言わせてもらう。………沖縄より小さい県はまだあるんだよ!」


空気が凍てついた。秋羅の声がモール中に響いた。


「な、何ぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!?」

「えぇぇぇぇぇぇぇぇ!?(美香達も含む)。」

「何でお前らもなんだよぉぉぉお!?」


叫んで壊れて、阿鼻叫喚と化した。


「ちげーだろ!?沖縄は一番小さい事で有名じゃないか!俺は認めん!」

「団長さんどんだけ沖縄好きなの!?何?今まで10回ほど沖縄行ってんの?」

「はっはっはー。大正解。」

「うわあぉ……旅行好きかよ………。」


秋羅は右手を顔に当てて団長に聞いてみた。


「団長はどこ出身?」


すると団長は、笑った。


「ふふふ………。ははははは!」

「何がおかしい?」


団長は高らかに笑い、


「聞いて驚くがいい!俺は…………神戸市出身だ!」




今度は団長の声がモール中に響いた。



沈黙。静寂。


「…………お、おう…………。」


秋羅はどう反応すれば良いか、分からなかった。


「ふふっ。どうだ凄いだろ!」


団長は何故か誇らしげに言っている。


「この中に、俺みたいな奴はいないだろう!?ははははは!俺の1人勝ち!」


自分の世界に完全に入ってしまった団長。するとこのカオス頭脳戦をずっと見ていた美香が、


「………私も、兵庫県神戸市なんだけど…………。生まれも育ちも現在も。」


美香の言葉に団長は驚愕を超えた顔をしていた。


「な、なんだとぉ!?ふざけるな。俺は選ばれた人間なんだ!」


遂にキャラが崩壊してしまった団長。最初のクールさはどこへやら。

すると美香だけでなく、他の皆も、


「俺も神戸市。」「俺も。」「あ、私も。」「ふふっ。俺もだ!」「ぎゃっはっはっ!俺俺俺もももだ!」

「な、なんだと!?てか1人変なのいなかったか!?」


他の皆も神戸市出身だった。そして、団長は何かに気づいた様な顔をして、秋羅に目を向けた。


「ま、まさかお前も…?」


秋羅は、ニヤッと笑い、


「ご名答!俺もだ!」

「んな馬鹿なぁぁぁぁぁ!」


警察が来るまであと一分。








「はぁ、はぁ………まさか皆俺と同じ神戸市出身とは………。正直予想はしてた。」

「いやしてたんかい!」


誰か分からない男が的確につっこんだ。

どうやら団長は正気を取り戻したらしい。もはや、テロ事件さえ皆忘れていた。


「俺は、今まで誤解をしていた。沖縄は…………小さくなんかねぇ!」

「えっ、そっち!?」


美香が、少し驚いた。


唐突だか、今の状態を簡潔にまとめると、最初は団長率いる日本改新軍が、この世の中を変えるため、テロ事件に走った。しかし、秋羅というダークホースが登場したため、いつの間にか、政府VS日本改新軍 ではなく、団長VS秋羅 の頭脳戦と化した。そして今、神戸市出身で騒いでいる団長達と愉快な仲間達がいた。


「さぁ、団長さん。頭脳戦の続きをいこうか。」

「なっ…………じ、上等だ。」


頭脳戦の続きをしようとしたその時、



「我々は警察だ!今すぐ武器を捨て、投降しなさい!」



警察が遂に到着した。本来ならば、ここでテロリストが反論するのだが………。



「うるさい!俺は今壮絶な戦いをしてるんだ!人質の俺が言うんだ!邪魔をするな!」



なんと秋羅が警察に喧嘩を売った。


「いやいやいやいや!お前何言ってんの!?普通俺がそれ言うんだけど!?」

「うるさい!団長はきっと変な事言うはず!」

「お前どこまで俺の偏差値12引きずってんの!?馬鹿か!?」

「馬鹿はアンタでしょうがァァ!!」


秋羅と団長のやり取りは警察に丸聞こえである。警察は突然の人質の大声に驚いた。


「えー。聞くが、君は本当に人質なのか?」


警察は試しに聞いてみた。すると、


「あぁ、本当ですが何か?」


やや威圧の入った返事が返ってきた。警察は秋羅を信じた。


「では、君はこの事件を見逃せと?」

「ええ、そうですが?」

「では他の皆さんに聞いてみましょう。」


警察は秋羅以外は「生きたい」と言うだろうと考えていた。しかし、返ってきたのは、


「えー。つまんな。意外とこのバトルおもろいし。」

「ほんとー。まだこいつらの戦い、観たいー。」


驚くことに、全員がそう言った。ちなみに、美香は適当に答えた。


「警察さん。彼らの証言通り、まだこの事件は終わらせたくないそうですよ?」

「しかし、これでは人質の命が」

「いいじゃん別に。」


秋羅の素っ気ない一言に警察陣は怒りを覚えた。


「あなたね!いい加減しろ!命が別にいいだと!?ふざけるのも大概にしろ!」


しかし、秋羅は怯えることも無く、


「じゃあ、今の警察の現状、分かってる?正義をかざしとぎながら、実際は犯罪に手を染める警察もいる。これでも、正義は絶対と言えるんですか?」


秋羅の反論は正論だ。警察は、口ごもった。


「いいじゃん。彼の言う通りだよ。」

「!橘警部!」


橘と言われた女は、秋羅に託したそうだ。


「コイツの言う通りだ。お前らがどうこう言うやつじゃない。」

「はい……。」


橘に言われ、部下達はしゅんとする。


「そうしょぼんするな。お前達は、信頼ある奴らだ。私が言うから問題ない。多分。」

「先輩……!」


橘の慰めで、部下達は元気を取り戻した。


「さすが、橘。いや、さすが、元ヤン。」

「おい何故言い直した。本田。」

「いや?何も?」


本田と言われた男は、言ってないかのようにそらした。







「………さて、警察のお許しが出たし、やりますか。」

「ちょっと待てぇぇぇぇぇ!」


外から、ものすごい声が来た。


「その壮絶な戦いやらを終わらせたら、我々警察が、直ちに突入する。いいな?」


警察からの願いだった。要は、これが終わったらこいつらを逮捕する、という内容だった。

秋羅は、不意に、団長を見た。


「……俺はいいぜ。もうテロなんて馬鹿らしくなってきた。こいつらも同じように思ってる。」

「いいのか?」

「ああ、短い時間だが、結構楽しかったぜ。」


団長は顔はシュッとしてるが、優しい声でそう言った。


「……ああ、そうしよう。」


秋羅は躊躇いながらも、了解した。





「……最後の問題。」


秋羅は呟くように言った。美香達も、息を呑んだ。


「日本で最初に総理大臣になった人は?」


これまた常識問題。団長以外は直ぐに答えが分かった。

団長はどう答えるか、全員が待ち構えていた。


「……分かった!」

「……答えは?」



「…………………坂本龍馬ァ!」



静寂。




「坂本龍馬好きかよ…………。」


秋羅は満足した笑みを浮かべた。

団長は、誇らしげに決めていた。


この時、秋羅と団長に謎の友情が生まれた。









事件は翌日新聞に堂々と載っていた。

内容を簡潔にまとめると、

日本改新軍と名乗る男五人組が、ショッピングモールで銃を放射。

およそ十人を人質とし、立てこもった。

しかし、とある男の乱入により、事件は解決した。

死傷者0人。犯人は全員銃刀所持、器物破損の罪で逮捕された。

この事件の裁判は、事件の三週間後に行われる。





「はぁ~。あの時はドキッとしたー。」

「お疲れ~。美香さーん。」


美香は職場で、疲れたのか、椅子にもたれている。

加奈子は、そんな美香に労い言葉をかけた。


「しっかし、美香がテロ事件に巻き込まれて、更に秋羅君と遭遇するなんて、偶然すぎるわね。」

「本当。偶然とは思えない。」


あの後、美香はいつも通り家に帰り、いつも通り寝た。

そして、いつも通りに通勤した。

だが、考えてみれば、秋羅はいつ彼処に現れたのか、考えても分からなかった。


「まぁ神様のお導きて事でいいじゃん。」

「何それ。」


美香は少し笑った。


しかし、美香は秋羅について、ますます分からなかった。

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