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地味から抜け出すためのReLIFE挑戦  作者: 初雅なる
1LIFE 何気ない毎日と個性的なキャラ
3/6

第3話 偏差値12のテロリストとおかしすぎる秋羅

「おらぁ!静かにしろ!」


テロリストの中の部下と思われる厳つい男が威勢よく、声を上げた。

襲撃してきたテロリストは、合計四人。四人全員には銃が持たれている。三人は人質の携帯電話等を回収している。そんな中、一人中央に仁王立ちに近い形で立っている男が居た。

美香はそいつが絶対リーダーと決めつけた。

なお、人質は殆どの人が叫びながら外に逃げて助かったため、現在この中にいるものはテロリスト含め、僅か十三人しか居ない。ちなみに美香もその中の一人である。


「団長何でこんな人質は少ないんっすかね。」

「いや皆の前で『テロリストだぞぉ!!』って叫んだらそりゃ全力疾走で逃げるでしょ。」


細身の男が言い、美香が聞こえないようにつっこんだ。美香の予想は見事に当たった。


「しっかし暇だなー。」

「おいうるさいぞ。黙ってろ。」


テロリストはペラペラと雑談らしき話をしていた。すると団長と呼ばれた男が突然ズカズカと出てきた。


「あー知っての通りお前らは人質だ。分かるか?」

「これで分からない人間が何処にいる。」


美香は 馬鹿なのか、 と思い、大きな声で言ってしまった。


「………そこのお前。」

「は、はぁい……(やばいやっちゃたのかな…)。」


美香は団長もどきに呼ばれ、間抜けな声で返事した。

殺されるのではないか、 と美香は少しビクビクしながら団長もどきを見ていると、


「え、嘘だろ!?分からずにそこに突っ立ってると計画してたんだけどなぁ。」

「え?……………。」


予想外の発言に美香は目をぱちくりさせて、呆然としている。


「いやー。プラン1は失敗だな。よし。プラン2だ。あ、俺らは日本改新軍だ。このクソッタレな国に革命を起こすため、この光景を国会に見せつける。俺が団長だ。」


急に説明口調になった団長もどきー団長は自らを「日本改新軍」と名乗った。

発言から見て、この現在の国の状況にに不満を持っているそうだ。


「俺は、この国が嫌いだ。政治家も、そう名乗ってるだけで、何にもしていない。だから、俺はこの国を変える。」

「んな大袈裟に言わんでも………。」


誇らしげに言う団長を美香は小さく突っ込んであげた。

すると団長は、いきなりそこに居た男を掴んで、男の頭に銃口を向けて、


「どうだ!見ろ!俺は殺す覚悟で来てるんだ!そこの女!見ろ!何にも言えないだろ!」

「うん。別の意味で何も言えない。」


美香は別の意味で何も言えなかった。すると、団長に掴まれた男がいきなり団長の腕を捻じ、くぐり抜けて、団長より2m距離を置いて、たった。


「な、何事!?まさか悪の翼が!?」


意味不明な言葉を発した団長は一瞬焦りの表情を見せた。すると、男は、


「たくっ、いきなり掴むなよ。痛いじゃないか。」


聞き覚えのある声。世間でいうイケボな声。男は深く被っていた帽子を取った。


そこからは金髪の髪が見えた。美香は誰なのか一瞬で分かった。


「お、美香じゃん。昨日ぶりかな?」


そこには、秋羅が居た。






「オメェ……俺の首絞めを良くも易々と抜けやがって……。マジ許さん。」


団長は、あっさりと団長の技をすり抜けた秋羅に対し、怒りを顕にしている。

しかし、秋羅はずっとニヤニヤ笑っている。


「ねぇ。秋羅君。さっきからめっちゃニヤニヤしてるけど、それ気持ち悪いからやめて。」


美香は秋羅に、嫌そうな顔をして言った。秋羅はちょっとガッカリした。

しかし、すぐに表情を明るくさせて、団長に向かって指さして、こう言った。


「お前は………偏差値12だろ!」


秋羅の決めゼリフ(本人がそう思ってるだけ)は虚しく響いた。



「…………は?」


美香やその周りの人達も固まっているかのように動かない。


「………こいつ何言ってんだ。」


細身の男が低いトーンでそう言った。

誰もが訳の分からない秋羅の発言に対し、別の意味で衝撃を受けたはずだ。

だが、そんな状態の中、一人本当の意味で衝撃を受けた人物がいた。


「……何で分かったあぁぁぁぁぁ!?」

「いやお前も馬鹿か!」


団長だった。





「………何故………分かった………。俺は………今まで………隠してたのに……クソッ!何でこんな金髪ひょろひょろ自己中KY男に!」

「悲しむのは良いけど俺のことそこまで酷評しないでね?俺だって傷つくからね?あと、馬鹿だね(嘲笑)。」


秋羅は一人悲しみに浸っている団長に、最後に無慈悲な言葉でとどめを刺した。


「うっわこれは団長に同情するわ………私もこんな奴に言われたら悲しむよ…………。」

「美香さん。そこは共感しなくても良いでしょ……。」


しかし、現在この中には、秋羅以外全員団長に同情していた。


「もうなんだこれ。あ、団長警察があと30分でここ来るっす。」

「な、何っ!クソッ!何でこんなことに!それはいつ分かった!?」

「25分前っす。」

「何で今のタイミングで言う!?それじゃあと5分で来るじゃん!」

「あ、偏差値12でもその計算は出来るんだ。………ふっ。」

「それ位出来るわ!あとお前さらっと鼻で笑ったろ!」


秋羅と団長と細身の男のやり取りはカオスに似た何か。美香は頭が痛くなってきた。


「じゃあ、あと5分間お前の頭脳……IQを試してもらう。」


いきなり秋羅は団長に常識クイズをしようと言った。しかしここで問題が。


「IQって何?」


団長はIQを知らなかった。流石の秋羅も固まるしかなかった。


「ちょちょちょ!?団長!IQ知らないんっすか!?常識ですよ!常識!」


細身の男が慌てて団長に、IQの意味を伝えた。他の部下も呆れたのか、短くためいきをついた。


「………分かった。要するに俺の頭超いいっーーー!度なんだな。」

「もうそれでいいです。」


細身の男は面倒くさくなったようだ。


「……良いかな。さぁ、行くよ。」

「上等だ。かかってこい!」


いつの間にかテロリストを忘れてる団長。もう本当のカオスになった。


「行くぞ!薩長同盟の架け橋となった人物は?」

「坂本龍馬ぁ!」


なんと正解した。


「何っ!正解しただと!薩長同盟知ってるとは!」

「驚く場所が違うけどまぁ当たり前なんでなぁ!これ位は正解しないとな!」


団長は誇らしげに言った。なお、美香はこの二人を暖かく(少し呆れ顔で)見守った。


「よし!次だ!世界で一番面積が小さい国は?」



「沖縄県ぇぇん!」



「え…………。」


秋羅は息を詰まらせた。他の皆も唖然とした。


「え、何。沖縄だろ?一番小さいの。」


警察が来るまで、あと三分。


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