表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
地味から抜け出すためのReLIFE挑戦  作者: 初雅なる
1LIFE 何気ない毎日と個性的なキャラ
1/6

第1話 青山美香の地味Re挑戦

ー今日も同じ夢を見た。

青山美香はベットから起き上がって出勤の準備をした。

「あれ、パンどこだったけ…」

いつもと変わらない日常。美香はさっさと済ませるようにやや急ぎで支度した。




青山美香は子供の頃から目立たない存在だった。一言で言えば「地味」

そもそも性格が初対面の人に対して無口なので誰とも喋らなかった。

唯一の友達も「会った時は座敷童子かと思った」とのこと。

しかし、美香はそんなことも気にしてないようだが。


「行ってきます…」

小声で美香は誰もいない部屋に向かって言った。




「遅いぞ!」

部室中に怒声が鳴り響いた。

そこに居た者達はその声の主が一瞬で分かった。

声の主はこの部の部長ー日高浩史。普段は温厚で頼れる人なのだが、遅刻者に関しては人一倍厳しい。

今日は美香が珍しく遅刻したのでいつもよりかは少し威力を抑えている。


「寝るのはいいが……遅刻だけはするな!青山はこの経済部でも活躍が著しいからな。」

「すいません。私が悪かったです。」

美香は申し訳無さそうに謝罪した。

「まぁいい…お前が遅刻するのは珍しいからな。ささ、仕事しろよ。」

日高はやや情けをかけながらそう言った。

美香はそそくさ自分の仕事場についた。少しため息を付きながら、


「あれ~?青山美香さん今日は気分駄々下がりですか~?」

調子づいた感じで美香に声をかけたのは美香の唯一の友達ー佐野加奈子である。

美香が無口な木だとすると加奈子は明るすぎる太陽と言ったところか。

加奈子はとても明るくこの会社ではやや有名である。仕事っぷりも美香に次ぐ業績であり、よく後輩から頼られる存在。


「しっかし、日高部長美香にだけはなんか優しいな~これってひいき?」

「あの人は誰でも優しいよ。何?嫌味?」

「あっはは。嘘だよ~」

加奈子はデスクにあるコーヒーを1口飲んだ。


「それより美香。本当にこのままで大丈夫?」

「どういう意味よ。それ。」

美香は微かな疑問を持った。

「そのまんまの意味。本当にその地味のまま生きていくのか。」

「別にいいでしょ。これが神様が定めた性格なんだから。」

美香は軽くあしらった。

しかし、美香も考えていなかった訳ではなかった。

高校の時に一度だけ髪型を変えて加奈子に「イメチェンしてみた」と言った。加奈子は「それはイメチェンとは言わない」と美香に言った。それ以来美香は何もしていない。


美香がぼんやり回想しているといきなり加奈子が美香に急接近し、

「………………………。」

「な、なによ。そんなジロジロ私を眺めて…」

加奈子は美香の顔をじーっと眺め終えたあと難しそうな顔をし、



「よし、合コン行こう。」



静寂。

「……は?」

美香は加奈子が何を言っているのかさっぱり分からなかった。

「合コ…ん?」

「うん。合コン。だって美香はぱっと見メガネかけてて地味だけどよく見たら超絶美人だし。」

「その理由で合コン?」

「うん。」

美香はますます加奈子の言っている意味は分からなかった。


「このままじゃ美香が空気になる可能性がある!まぁもともと塵だけど。」

「さらっと酷いこと言ったよね。」

だが、加奈子はそんなことも流して

「だから私は美香の助けをする!名付けて…………」

「おーい、かーなーこー。」

加奈子はもはや誰の言葉も聞こうとせず、そして、



「地味Re挑戦よ!」



再び静寂。

「おーい。仕事しろー。」

日高の叫びも虚しく、空気に混じって消えた。





「本当に来ちゃったよ…。」

美香はオシャレじみた店の前に呆然と立っていた。物静かな美香には似合わない場所だ。おまけに服装もピンクじみた白の服装。美香はオシャレが苦手なのだ。


美香は野生動物みたいに何故か警戒していた。だが加奈子は満面の笑みでその合コンを楽しみにしていた。そして、待ちきれなくなり加奈子はいきなり美香の手を取り、

「さ、いこ!」

「えぇっ………ちょっと…待ってよ…。」

加奈子は美香を引っ張り店に無理矢理入れ、軽い足取りで入っていった。




「うーん……まだ来ないわね…。」

「いや当たり前。まだ一時間前よ。」

そう、美香達は合コン一時間前からこの店に入っている。理由は加奈子達が早く来すぎたから。


美香は暇そうにあくびをしながら頼んでいたアイスコーヒーを一口飲んだ。

「ねぇ美香。」

突然加奈子がとても暇そうな顔をし、


「暇。」


美香はどう応えればいいか分からなかった。

「……いや、私達が早く来すぎたのが悪い。」

とりあえず適当に美香はそう応えた。すると加奈子は、

「じゃあ雑談しよう。」

と言い出した。美香はしぶしぶ無言で頷いた。


「ではまずしりとりしましょーう。」

「雑談と言ったよね?」

言うなや否や加奈子はしりとりを始めた。


「リンゴ」

「ゴマ」

「マウンテンゴリラ」

「…………ラッパ」

「パンチ」

「血のり」

・・・・・・・・・・・・・・・

「……リプレイ」

「い…………あー無理!」

「はい加奈子の負けー。」

加奈子は悔しそうに美香を見た。


(てか本当に下らないわね…………。)


美香は心の中でいかにも下らなさそうに言った。

すると、美香達が待つやや大きめの団体部屋の扉が開いた。まだ二十分前なのに。

入ってきたのは他の参加するメンバー全員だった。美香はなぜ一緒に皆が来たのか気になって仕方が無かった。当たり前だ。見知らぬ人たちが合コン前に出会ってるのだから。


全員が席についた所で、


「えーお集まり頂きありがとうございます。」


加奈子がいきなり立ち上がり仕切った。


「本日はお忙しい中アリガトウございます。」

「ちょっ!?加奈子固い固い!」

固すぎる加奈子を美香は焦ってフォローした。

加奈子も自分を取り戻した。


「コホン、えーでは……始め!」

まるで試合開始!のように加奈子は始めさせた。面倒くさくなったのだろうか。

加奈子の言葉で皆は一気にテンションが上がった。皆はそれぞれ気になってる人と話している。


そんな中、場違いな雰囲気でそこに存在している美香。美香の耳には「やー。」や「ウェーイ!」などの単語しか聞こえない。本当は色んな文が聞こえるのだが。

黙り込んでる美香。まるで一人だけはぶられてるような状況だ。


すると、何故か強い視線を美香は感じた。美香は予想はついてた。誰なのか。強い視線を感じる方向へと目を向けると、美香の予想は当たった。

いつの間にか加奈子がずっとこちらを見ている。いつもより険しい顔をしている。

美香は何故か冷や汗をかいている。すると加奈子が口を動かし、


き・ら・く・に・い・け


読唇術にはあまり自信のなかった美香。大体読めた美香は、こくんと 頷いた。

加奈子も合コンに来た訳なのだが実際は彼氏を作るために来たわけじゃない。

あくまでもこれは美香の地味を直すための合コン。加奈子も遊び半分で来てる訳ではない(本人がそう思ってるだけ。)


加奈子に言われた通りに頑張って見ようと思った美香は、そっと男子陣を見た。

瞬間、やはり恥ずかしいのか。美香は目を逸らした。

美香は見た目に反して実はやや恥ずかし屋である。それも男女問わず。

後ろ向きに美香は赤面していると、


「あ、あの………。」


突然声をかけられた。

美香は声が聞こえた方向へと振り向いた。

そこには金色がかった髪の男がいた。身長は美香より少し大きめ。服装は思ったよりラフ。状況から見ると彼もこの合コンの状況について行けてない様子。

美香は少し呆然としていると、男が


「あの………一緒に話しても、いいですか?」


これが、美香と男ー中野秋羅の出会いだった。


評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ