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プロローグ


 一月一日お正月

 日本人がここぞとばかりに神道を信じ、神社に願い事をする日。


「彼女出来ますように彼女出来ますように……」


 ーーまあわたくし、相原 海斗もそのうちの一人なわけですが


「さすがにそれはキモいぞ……気持ちはわかるが……」


 眼鏡が光る同級生兼友人のけんが呆れたように目を向ける。所謂悪友もしくは腐れ縁。がしかし、今こいつは聞き捨てならないことを言った。


「お前モテるよなぁぁ?あぁん?」


 四角い眼鏡をかけたクールなイケメンボーイな健は率直に言ってモテる。健の隣を見れば女子が楽しそうに笑ってるのをよく見かける。


「……別に誰でもいいわけじゃねぇのよ」


 あぁ……そういやこいつ好きな子いるとかいってたな……画面の中に……


 イケメンは全員殺したいほど嫌いだが、俺はお前のその残念さが大好きだぜ。


「そんなことよりお前今年受験だろ?そっちはいいのか?」

「そうだったなぁ……受験かぁ」


 自然と視線を遠くにやってしまう。健は推薦で合格してるから余裕かもしれないが俺は……


「まぁお祈りだけでもしっかりしとくか……」


「それがいいな。せっかくこの時期に風邪を貰わ無いように人があんまり来ない神社選んだんだからな」


 そりゃ、こんなボロい神社誰も来ねぇよっ、なんて流石に口には出さないが、今にも崩れそうで御利益もなさそうだけどな。


(まぁ、いいか……さっさと済まして試験に向けて勉強しないとな)


鈴を鳴らそうと縄を引っ張ると、ミシッ!っと大きな音をたてた。そう気づいた頃には縄の括り付けてある柱が壊れ、崩れ落ちてきていた。


「ヤバッ!逃げるぞ!」


 そう健に言われても腰が引けて、指先の一つすらも動かすことが出来ない。頭の中を走馬灯が駆けめぐる。大した思い出も無いが来世は幸せになれることを祈る。いや、嘘、今世で幸せになりたいです。


 そんな風に呆気ない幕切れで痛みさえ感じることなく18年間の人生は幕を閉じた。

当然の様に死んでいく主人公

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