シングの役割
202000 シングは意志を持たない。
202100 シングの作るものは世界最小のものである。何かの合成ではない。
202110 もし世界が実体をもたないとすれば、
ある出来事が可能かどうかはその世界内では判断できない。
他の出来事が可能かどうかに依存してしまう。
202120 それゆえに実体をもたない世界を描くことはできない。
202200 たとえどれほど現実と離れた世界であっても、
ファクトが実行した出来事である限り、共通点がある。
202300 それはシングが保障する。
202310 世界の実体が描けるのはファクトが保障していて、シングが保障しているのではない。
なぜなら世界の実体は、ファクトが実行した出来事によって初めて決まるからである。
202320 ちなみにシングの作ったものは直接描けない。
202330 あるシングの作ったものaとbの違いはシングが定めたことであり、
他の性質によって区別できることではない。
202331 aが世界に一つしかないとき、人間もそれをaだと認識することができる。
しかし何人ものシングがaをたくさん作ったとき、
人間はどのシングが作ったaであるかを識別することはできない。
なぜなら識別する違いが何もないとき、人間は識別する根拠を持てないからである。
識別できるのであれば、それはシングが予め識別できるように作っている。