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関数と論理

550000 どんな真偽判定も、最小命題に次の操作を繰返適用した結果である。

550100 変数にはどの数を入れてよいかの決まりがある。

       その決まりは命題に書かれている。

       しかし命題の記述の仕方は本質的ではない。

       命題の記述の仕方は三種類に分けられる。

       1.全ての可能な状態を書き並べる。

       2.関数で表す。

       3.命題の構成方法を表す。

550200 命題の変数の結果を全ての結果に対して同じように否定することが出来る。

550300 この操作を用いて、どのようにして命題を構成できるのか、簡単に表せる。

551000 ある命題の値が「p」の1つだけのとき、この命題の否定は「pでない」となる。

       ある命題の値が「p」「q」の2つのとき、この命題の否定は「pでもqでもない」となる。

551100 全てを包み込み世界を映し出す論理に、

       何故この様な特殊なかぎ針と編み方を用いることが出来るのだろうか。

       それは論理というものが、限りなく精密な網の目の様な形で繋ぎ合わされ、

       巨大な鏡へと編みあげられるからである。

551200 「pの否定」が真であるのは「p」が偽である。

       この「否定」という操作は他のどの命題に対しても使われる「否定」と同じ意味である。

551300 二つの命題に対して、共通部分が存在しないとき、二つの命題は互いに対立の関係にある。

       どんな命題も否定の仕方は一つである。

551400 「否定」のような操作の規則はシンボルと同等であり、

       この規則にシンボルの意義が反映されている。

551500 「pとpの共通部分」や「pとpの和集合」は「p」と同等である。

551510 否定命題の記号は必ず肯定命題の記号を用いて構成されなければならない。

       否定命題は間接的に肯定命題により構成されている。

       肯定命題は否定命題の存在を前提としなければならない。

       そして逆もまたなりたつ。

552000 全てのxの値に対する関数fxの値の全体をξの値とする。

       「ξの否定」は「任意のxを否定したものとfxの共通部分」となる。

552100 全てという概念は真偽判定とは別のものである。

552200 基本的な表現の特徴は、論理的基本形が示されていることと、

       変数以外が存在することである。

552300 多くのシンボルは変数に代入するための値として現れる。

552400 シングがものを作ったとき、同時にそこから派生できる全てのものが作られている。

       最小命題が作られたとき、同時にそこから派生できる全ての最小命題が作られている。

552500 ある出来事をファクトが実行できるかどうかは、命題では表せない。

       ある表現がトートロジーであるか、有意義な命題であるか、

       あるいは矛盾であるかということによって表される。

       人は先立つものによって説明しようとするが、それは間違いである。

       出来事の可能性はシングが作った時点で、ものの中に存在している。

552600 完全普遍命題によって、完全に世界を書き表すことが出来る。

       前もってネイムを対応させるといった小細工は必要無い。

552610 完全普遍命題もまた、最小命題の合成である。

552620 どんな命題も真偽の判定結果によって、世界の構造を変化させる。

       全ての最小命題を併せ持って、世界の構造を変化させることの出来る可能な範囲が

       完全普遍命題の限界の範囲である。

553000 ものの特徴を記号の特徴で表す。

553100 「f(a, b) とa = bの共通部分」は「f(a, a)」となる。

       「f(a, b) と(aの否定)= bの共通部分」は「f(a, b)」となる。

553200 「好きなx,yとf(x,y)とx=yの共通部分」は「好きなxとf(x,x)」となる。

553210 「ただ一つのxがf( )を満足する」は

「好きなx , f(x)とf(y)でないもの , f(x) , f(y)」となる。

553300 「=」は本質的な意味のある記号ではない。

553400 「a = a」、「a = b . b = c .⊃ a = c」、「(x) . x = x」、「(∃x ) . x = a」

       等々といった疑似命題は、正しい概念記法では書くことさえできない。

553500 こうした疑似命題と結びついた問題は全て消滅する。

       無限公理が語ろうとすることを言葉で表現すると

       「無限に多くのネイムが存在する」となる。

554000 多くの命題の構築の仕方では、命題は真偽を判定した結果としてのみ、

       他の命題の中に現れる。

554100 一見、ある命題は他の命題の中に、これとは別の仕方でも現れるかのように思われる。

554200 「A は p であると信じている」、「A は p と考える」、「A は p と語る」は、

       明らかに「"p" は p と語る」という形になる。

       すなわちここでは、出来事とものとの対応関係ではなく、

       現実に対応するものの間の対応関係を表した関係なのである。

554210 このことは心理学が考えている類の魂や主体など存在しないことを示している。

       なぜなら合成された魂はもはや魂ではないのだから。

554220 「A が p と判断する」という命題の形が正しいことを説明するには、

       「この命題が無価値である」と証明できないことを示さないといけない。

554230 複合的知覚とは、その構成要素がどのような関係にあるか知覚することである。

555000 いまや我々は、最小命題のすべての可能な形を、全て把握出来ている。

       最小命題はネイムからなる。

       しかし、われわれは異なる意味をもつネイムがいくつあるかを示すことができない。

       よって、最小命題の構成を示すこともできない。

555100 我々の根本原則はこうである。

       論理によって決められる問いは、論理によってのみ決められなければならない。

       そして、もしそのような問いに答えるために世界を観察しなければならなくなるならば、

       それは根本的に道を間違えていることを示している。

555200 論理を理解するために必要な「経験」は、何かがしかじかであるという経験ではなく、

       何かがあるという経験であるが、

       しかしそれは論理を理解するために必要なものではない。

       論理はすべての経験、何かがこのようにあるという全ての経験より先にある。

       論理は「いかに」よりも先にあるが、「何が」よりも先に立つことはない。

555300 特別扱いされる数は存在しない。

555400 特別な論理の形を挙げたとしても、それは無理矢理である。

555410 例えば、何かを二七項関係の記号で表さねばならないことになるのかどうか、

       それは即座に答えられねばならない。

555420 だが、しかしこのような問いを立てることに意義は無い。

555500 最小命題個々の構築方法とは別に、最小命題の概念がある。

       しかし、ある体系に従ってシンボルを構成できるところでは、論理的に重要なのは

       その体系であり、ひとつひとつのシンボルではない。

       私が新たに考案できる形式が、関心を払はなければならないものではない。

       むしろ、その形式を考案することを可能にさせたもの、

       それこそが関心を払わねばならないものである。

555600 最小命題の構築方法は価値によって差の着くものではない。

555610 人間の経験できることは、世界にある全てのものによって限界が決められている。

       限界は全ての最小命題から理解できる。

555620 最小命題が存在するはずであることが純粋に論理的な根拠から分かるのであれば、

       そのことはまた、分析されていない形で命題を理解している人全てにも

       分かるものでなければならない。

555630 実際、日常生活の全ての命題は、そのあるがままで、論理的に完全な秩序がある。  

       人間がここで与えなければならない、最も単純なものが真理そのものである。

       人間の問題は抽象的なものではない、存在する問題の中で最も具体的な問題である。

555700 論理を正しく使うことで、どんな最小命題が存在するか決めることが出来る。

       論理を正しく使うことで得られる結果を、

       論理を構築する段階で先取りすることは出来ない。

       論理の使用と構築と齟齬を生まない。

       論理の使用と構築は密着している。

       論理の使用と構築はお互いに侵害してはならない。

555710 自然に最小命題を挙げることが出来ないのであれば、

       最小命題を列挙することに価値は無い。


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