じょしりょく。
「ね、ね。あの人」
「んー?」
「足太いよね」
そういって友人は私達よりも先を歩く女子を指す。
たしかに、その女子はまるで大根のように太い足を持っていた。
しかも隠すことなく、ミニスカートを履いている。
そのミニスカートの短いこと。よく中身が見えないな。
エスカレーターどうやって乗るんだろう。
「それよりも寒そうだよ。あれ」
「よくやるよねー」
今の季節は冬。
しかも気温は氷点下である。
ミニスカートの彼女に対し、私は長いスカートの下に短パンとタイツ。あんどレッグウォーマー。
制服を着崩すことなく身に付け、コートとマフラーを装備している。
勿論手には手袋。もこもこだ。
「冬は寒くてやだー」
「あ、あの人も短いー太いー」
「それはどっちを責めてるの?」
「どっちも☆」
寒さから私たちの歩きは早まる。
スタスタ、人ごみを駆け抜けていく。
その中姑のようにミニスカート女子(足が太い人限定)を責めていく友人。
「女子ってすごいよねー」
「ほんとほんと」
ミニスカートを冬でも履く女子。
沢山の人からミニスカートを判別する女子。
どちらも私にとっては女子なんだけど、ね。
「ちょ、あの人かっこいー」
「えーびみょーじゃん」
「えー」
「えー?」
私には到底”女子”というものが理解できそうにない。