『風』
始めまして、アセロラの響きです。
私が小説を書き始めたきっかけは、ライトノベルの存在、人気を知り自分もその存在に近づきたい、と思ったことが始まりです。
ですが、いままで実際に書こうとは、あまり気が進まず、このままでは永遠に書かないのだろうという勢いでした。
では、なぜ書こうと思ったのか、それは私の知り合いである人が、小説のイラストレーターになった、というものです。
あまり親しくはないのですが、その時は嫉妬したものです。
それで、心の奥底に秘めていた、書きたい!という気持ちを解放して見ることにして、この小説を書き始めました。まだまだつたない所は多いですが、暖かい目で見守っていただけると幸いです。
【RPG制作会社「ウイング」会長及びMMORPG「ゴッド・トライアル・オンライン」GM 桜木昭敞】
初めまして、ですね。
いきなりのメール申し訳ございません。
さて、この度メールをお送りしたのは他でもありません。
今宵「ゴッド・トライアル・オンライン」のトッププレイヤーである「フェザー」様には権利が与えられました。
"貴方自身が戦う最高のMMORPGに、参加しませんか?"
ゴッド・トライアル・オンラインはPC界で今最もキテると言われるMMORPGだ。
God Trial online 神を試すオンライン、と大げさとも取れるタイトルだが、この名前はあながち間違いではない。
このゲームの世界観を説明しよう。
ある日全能神アテナの部下である神の一人が裏切り、この世の神を全て封じてしまった。
唯一生き残った全能神アテナは頼る神が居なくなり、仕方なく下界の人間の力を借りることにした。
そして人間、つまり俺達は剣や槍を使い、全能神のために戦う、というものだ。
一見ありがちな普通のMMORPGに見えるが、この世界観が生み出した設定が、空前のヒットを呼ぶことになる。
そのシステムとは<神格化>と呼ばれるものだ。
そのシステムはボス級の敵を倒すとたまにドロップする「欠片」というアイテムを装備することで使用でき、一定の条件をクリアすることで神の力を使用することが出来る、と言うものだ。
神には様々な種類があり、能力は異なる。
無論、強い能力なら発動条件は難しいし、逆に発動条件が軽いものなら、能力は弱くなっていく。
例えば、俺の使う神はゼウスだ。
誰でも名前くらいは知っているだろう、言わずと知れた最強の神だ。
もちろんその能力は強大だが、それ相応のリスクが存在する。
ゼウスの能力は、相手よりHPが60%以上低くなった瞬間から、戦闘終了まで攻撃力を2倍、スピードを10倍するという極端なものだ。
60%くらいなら……と思ってしまうかも知れないが、それは違う。
このゲームは敵の攻撃力が高く、<神格化>以外にHPの回復方法が存在しない仕様になっている、そのため油断してしまうと2.3撃で残り40%くらいは簡単に削られてしまう。
この条件のせいか、最強の神であるゼウスを使うものなどはほとんど居なくなった。
では、なぜ俺がゼウスを使っているのか。
俺は自慢じゃないが敵の攻撃パターンを素早く把握し、対処することが得意だ。
だから俺はゼウスを使い、"敵の攻撃の届かない場所に移動し攻撃をする"という方法を考えた。
そしてこの方法は見事大成功を収め、俺はたちまちゴッド・トライアル・オンラインのトッププレイヤーとなり、その動きとプレイヤー名のフェザーから「旋風」と言う通り名まで頂戴することとなった。
これ以上の喜びはない、俺は栄光を手に入れたのだ。
だが最近は、俺にはまだ何かが足りない気がする、こう思えるようになってきたのだ。
きっとどこかにあるはずだ、自分がもっと高みを目指せる場所が……。
プロローグ、どうでしたか?
この回は、主人公が様々な困難に立ち寄ることになった一番のきっかけと、その主人公の得意なものを紹介する、というプロローグです。
この話の続きが少しでも見たい!と思った方はぜひ、続きを期待して待っていただきたいと存じます。




