表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
73/254

3-5

肉が腹いっぱい食べたい感が溢れています。

暑いときには肉ですよ。

ボロボロに負けた森山実留です。

頭に鉄の塊が落ちてきたのですが大丈夫なのでしょうか。

いや、確かに核は胸にあったような気がしますが・・・。

あれ?頭って何が入ってるの?








目が覚めるといつもの部屋にいた。

体が所々動かないのが気になるし全体的に痛い。

特に肩と腰が痛い。

頭も妙にズキズキとするぞ。


確認しようにも手先や足先は動くのに

胴体付近はピクリとも動かない。


むむ・・・・。



【キュイ、今の状態は?】


《自己診断モードを起動します


 ・・・


 ・・・


 各部関節が負荷限界を超えて破損しています

 肩、腰椎は重症度が高いです

 併せて各部接続部分が負荷により損傷しています》


【それで動かないのか

 頭はどうなってる?】


《頭部損傷は外皮のみで内部に問題ありません》


痛覚抑えてるのにここまで痛いのは不安だったけど

無事なようだから一先ず安心かな。


これって治療というか修理になるのかなぁ。

今のままじゃ動けそうもないし。


「あら?気が付いたようね」


ハレンさんの声がし目の前に影が出来る。

うん、相変わらずの恰好だね。


「えぇ、目は覚めたんだけど体が動かなくて」


「そうね、見た目以上に内部はダメージが大きいみたいね」


「これ治るんですか?」


「治るわよ、重要部分は無事だから魔力さえあれば勝手に治るわ

 言ったでしょ、ミノルの体は魔法素材で出来ていると」


「どれくらいで治る?」


「そうね・・・・・ダメージ具合と魔力から計算すると・・・」


破素魂さんをカタカタと叩きながらウンウン言いながら考える。


「1年ってとこかしら」


「そんなに掛るの?直接修理とかは?」


「その手もあるけど素材がないのよ

 取りに行ってくれる者がいれば良いのだけどね」


「・・・・・あの、マスター」


「なに?」


「マスターは友達とか部下とか仲間とかチーム員とか

 素材集めを頼めそうな方は居ないんですか?」


「居ないわね」


うわハッキリと言いやがった。

この人、ぼっちかよ。


「では上司とかは?」


「居るけど助けてくれようとはしないでしょうね」


駄目だっ!手詰まりだっ!完全にぼっちだっ!



「私が行っても良いのだけど手におえない素材もあるし」


「マスターは強いので?」


「私は頭脳派なのよ、戦闘は得意じゃない

 人族の騎士で言えば20人程度位しか相手に出来ないわ

 聖騎士なら3人が限界かしらね」


いや、それ無茶苦茶つえーからっ!

そんな人が手におえない素材ってなにさ。


「そんな訳で食事を取って大人しくしていなさい」


唐突に口に何かが突っ込まれる。

細いパイプのような物だ。

ストローと言うには太い。


そこからはまたドロドロとした何かが・・・・


今回のはやたらと甘かったです。

ええ、本当に・・・・喉が焼けるかと思ったぜ。

魔力は溜まったけどさ。

食事はもっとこうねっ!


パイプが引き抜かれるとハレンさんは部屋から出て行った。


「仕方が無いから素材を手に入れてくるわ

 ミノルが動けるようにならないと実験も先に進められないしね

 明日には戻るから大人しくしてなさい」


そう言い残して。





きたー、やっとだ。

俺はさっそくアレを起動する。



> ナビゲーションアプリを起動します

> 転生後の初回起動の為、調整を行います・・・・。



目の前に光の粒が集まってフワフワと漂う。

それが終わると輪郭がハッキリしてきて強く光る。


うんうん、前回と同じだな。



「実留さん、転生おめでとうございます」


「やぁ呼び出すのが遅くなって悪かったな」


「えっ?貴方誰です?

 なんか・・・・物凄いブサイクな方ですね

 寝ているなんて具合が悪いんですか?


 実留さ~ん、何処ですか~?」


アリスは周囲を見渡し不安そうにキョロキョロする。


「いや、アリス俺だってっ!」


「いや、ちょ、本当にやめてください

 そんな顔で馴れ馴れしく話しかけられる方の事も考えてくださいよ

 それに実留さんはもっと綺麗な顔のハズです」


なんかちょっと・・いやかなりイライラする。

俺は無言でアリスを戻す、そして呼び出す。


「ちょっと、実留さん何処にい」


無言で戻す、そして呼び出す。


「出たり入ったりさせな」


無言で戻す、そして呼び出す。


「もう、本当に」


無言で戻す、そして呼び出す。


「気持ち悪くな」


無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。

無言で戻す、そして呼び出す。



「・・・・・・ウップ」


「どうわかった?」


「あ”い”、ごめんなざい」


「うんうん、わかってくれたようで良かったよ」


その後、アリスは俺の上に横たわって

ぜぇぜぇしてた。

ちょっと酸っぱいものが口から出てたのは気にしないであげよう。


「体調は大丈夫かい?」


「だ・・・・大丈夫です・・・・ミノルサンガヤッタクセニ」


「何か言ったかい?」


「いえ、何でもないです

 今回の種族はなんですか?

 人族に見えますが」


「あぁ、今回はゴーレムらしい

 普通のゴーレムとは違うみたいなんだけど」


「ゴーレムって種族なんですか?

 作り物の割にはちょっと顔がアレですが・・・・」


「・・・・えっ?もう一度戻りたい?」


「いやいや、何も言ってませんよ

 それにしても凄い部屋ですね

 何と言うか纏まりが無いと言うかカオスな感じがします」


「あぁ、そうだな慣れれば平気だけどな

 この部屋以外はあまり知らないし」


「実留さん・・・・何かグロイ生物がいるんですが?

 目がとても大きくて正座してるんです

 足の上には拷問器具の様に板が載せられてまして・・・・」


「それは破素魂さんだよ

 ちゃんと挨拶しときな」


やはり最初は礼から入らなくてはいけない。

アリスは言われた通りに破素魂さんの前に飛んでいく。

若干、腰が引けてるのは見た目の問題だろう。


「は・・・初めましてアリスです

 よろしくお願いします」


「うす、俺は破素魂だ

 よろしくな」


「うお、喋ったっ!」


俺と同じリアクションをするアリスに

何故か心がほっこりする。


「破素魂さんは色々と出来て凄いんだぞ」


「実留さんがお世話になっております

 私は実留さんの契約妖精をしています」


「うす、俺はここで実験の手伝いをしてる」


「ほほう、ここではどんな実験を?」


「うす、ここでは主に魔道デバイスの・・・・」


すげー、破素魂さんと会話が続いてるぜ。

やるなアリス。



俺はとりあえず体を何とかしよう。

魔力を満たせば回復するようだしな。

とりあえず魔力を練って体に行きわたらせる。

貯蔵分が無くなったら内魔力を使ってのんびりやってくしかないか。



そうこうしている内にアリスと破素魂さんの話は終わったようだ。


「うす、アリスの事は魔道デバイス"緋諸"を通して

 契約した事にするぞ」


「はい、そうして頂けると助かります

 ずっと隠れてるのも辛いので」


「うす、俺もアリスと話せないのは寂しいからな」


おいおいおいおい、アリスさんどんだけだよ。

なんで意気投合しちゃってるんだよ。


「実留さん、破素魂さんが何とかしてくれるみたいです」


「お、おう、良かったな」


「それにしても実留さんは何でずっと寝てるんですか?

 もしかして体が動かないとか?」


「もしかしなくてもそうなんだよ

 模擬戦でコテンパンにやられちゃってさ

 最後はどうなったかも覚えてないんだ」


「そうなんですか

 破素魂さん、何かしりませんか?」


「うす、頭に剣の直撃を受けて終了だ」


「あ、やっぱりそうなんだ

 頭に直撃で良く無事だったな

 どうりで頭が痛いわけだ」


「自分に回復魔法を使えば良いじゃないですか」


「それがな、俺の体は魔法を弾いちゃうんだよ

 攻撃魔法も生半可な威力じゃ効かないしな

 だから自然回復に任せるしかないんだよ」


「ゴーレムって自然回復するんですか?」


アリスのもっともな質問に俺は説明する。

今迄の事や体の事を。


「そうですか・・・それはまた・・・・マゾい道を・・・・」


「いや、俺が選んだんじゃないんだけどね」


「それにキュイさんですか?

 何かサポートシステムみたいな感じを受けますが」


「サポートAIみたいなイメージだよな

 こんなファンタジーの世界でさ」


「破素魂さんも居ますしね

 ちょっとキュイさんに話しかけてみますね


 ・・・・う~ん、反応なしです

 というよりも声も届いてない感じですね」


「多分、俺しか話せないんじゃないかな」


「破素魂さんはキュイさんと話せるんですか?」


「うす、接続すれば認識は出来るが会話は不能だ」


「だ、そうです」



あれだなぁ、俺にはアリスがいるし

体の状況を確認してくれるのはありがたいけど

そこまで自分の感覚とズレてる気がしなくもないし。

通常会話が出来るようでもないしねぇ。


正直な所、サポートとしてのキュイはそこまでなぁ。

俺の体の各部を接続してるのがキュイだとすると

居て貰わないと困るのは確かだしな。

でもあれって初回だけなのかな?

なんにせよキュイとは付き合って行かないのは間違いないけど。






ピローン。


そんな音がし何だろうと思うと

何かピコピコと点滅するマークが見える。

おろ?新着メール?

メールなんて何時以来だ。


> どもー神です

> 何か面白いサポートシステムを手に入れたようだね

> 折角だから神システムにLINK出来るようにしといたよ

> あっでもナビゲーションアプリの意味がなくなっちゃうから

> そっちは廃止しようかな



メールを読むとサラッと凄い事が書いてある。

キュイをリンクさせるって?


「キャァァァァァァァァァァッ!!」


どうやらアリスもメールを読んでたらしい。

金切り声をあげ物凄く挙動不審だ。

どうやら廃止に相当のショックを受けたようだ。


「みみみみみみみみみ実留さんっ!

 アレですよねっ!ですよねっ!ねっねっ!

 私と実留さんの仲ですよね

 まさか私を捨ててキュイさんを取るなんて事はないですよねっ」


なるほど、アリスから見るとそうなるのか。


「いや、どうかなぁ・・・・最近のアリスは食べてばかりだしなぁ」


「わか・・・わか・・・わかりました

 もう食べません飲み食いしません

 空気を吸って生きていきます

 だから・・・・だから・・・・っ!」


もう面白い位にオドオドしてる。

いや、多分大丈夫だと思うけどな。




ピローン。

再度メールが来る


> どもー神です

> ナビゲーションアプリの廃止は嘘だよ~

> 安心してね

> PS・美の神を恨むっとか言ってなかった?

     なんか凄い怒ってるよ

     


「あは、あははははは」


余りのテンションのアップダウンにアリスが壊れだした。


それに美の神って居るのかよっ。

と言うか俺の事見てるのかよ!

見てるなら俺の顔をどうにかしろよっ。




とりあえず添付されていたアプリをクリックする。


> サポートシステムLINKアプリを起動します

> LINKを行いますか  YES / No



説明も何もなしかよ。

これLINKしたらどうなるんだろうな。






ふむ。






俺はYESをクリックした。

実留君覚醒の時は近いか?

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ