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3-4

ゲリラ豪雨が怖いですね。

折り畳み傘だと雨量に勝てません・・・・。

骨に続き魔力不足に悩まされる森山実留です。

燃費が悪いのにタンクが少ないって如何いう事だよ。

何処かの神の意地悪さを感じます。

本当に転生って指定条件以外はランダムなんでしょうか。










戦闘が開始され兵士と対峙する。

まずはこの体がどこまで動くか確かめよう。


いきなり全力を出して体が持ちませんでしたじゃ

話にならないからな。


出力を7割程度にし足に力を溜め踏み込む。

一気に距離を詰め体重を乗せた突きを御見舞いする。


「お、良い突きじゃねーか」


これは苦も無く避けられる。

それだけで明らかに実力が違う事を理解する。

避けるだけなのに無駄を感じない。


だが今回は俺の戦闘力の確認だ。

相手の実力は関係がない。


突いては引き薙いでは突く。

連続で攻撃を繰り出す。

その全てを防御すらされずに余裕で避けられる。


「どうした?そんなもんなのか?

 まだ余力がありそうに見えるんだけどな」


そんな軽口を叩いてくるので一旦距離を取る。

この体は疲れはするが息切れの心配なんかは無いのがありがたいな。

魔力さえ切れなければ活動し続けれる。


うん?これ骨と一緒じゃね?!

まぁ見た目は全然違うけどな。


今のところ問題なさそうだ。

体もよく動くしまだ限界は先だな。

全力を出してみるついでに燃費も同時検証だ。


スキルを重複発動し貯蔵魔力と内外魔力を混合し

練り上げ出力を一気に上げる。

体中に力が漲り筋肉らしき組織達が軋みをあげて緊張していく。

やはり魔力出力で能力が相当変わるようだ。


力まずに目の前の目標である兵士を突く。

動きはシンプルで良い。

格段に鋭くなった攻撃をギリギリで避けられる。


「うおっと危なねぇな

 急に速くなりやがって・・・」


先ほどとは違い槍は届くが剣が届かない中間距離で

突きを主体とした攻撃を繰り出す。


踏み込んで突く。

サイドステップして突く。

突く突く突く。


体の調子を確認しながら回転をあげていく。


突いては引きさらに突く。

突いて突いて突いて突いて突きまくる。


その頃には兵士も避けるだけでは

追いつかずに剣での防御も混ぜるようになってきた。


「おいおい、さっきと全然違うじゃねーか」


「すみません、生まれて間もないので自分の

 限界がわからないんですよ」


「はは、人形なりに試行錯誤するってか

 謙虚なのは良いね、お前楽しいわ」


急に雰囲気が変わり兵士が突っ込んで来る。

え~、攻撃してくんの?!


軽い攻撃を繰り出してくるも

こちらも避け防御し突きを見舞う。


幾度かの攻防が続き兵士の攻撃を避け

こちらの番だと言わんばかりに踏み込もうと思った瞬間


「フンッ」


気合と共に一閃した剣は大柄の体からは想像出来ないような

鋭く研ぎ澄まされたモノだった。

タイミングを外され意識の虚を突かれた攻撃は

≪軌道予測(簡易)≫で見えているのに避けれる類では無かった。


咄嗟に槍を縦代わりに受ける姿勢を作るも

足元はバランスを崩したままだ。


ドゴン


鈍い音と共に衝撃が体を襲う。

吹き飛ばされながらも体勢を整え着地する。

槍は無事だが少し歪んでいた。


「おお、今のタイミングで防御がよく間に合ったな

 反応速度は悪くないみたいだな」


「今の一撃を最初から狙ってましたね?」


「それがわかるか・・・・お前、本当に生まれて数日か?」


「どうでしょう

 ゴーレムとして生まれたのなんて初めてですし」


「ハハハ、そりゃ違いねぇ

 人形として生まれた経験が無い俺にはわからん事だしな」


そりゃ普通の奴じゃそんな経験ないだろう。

今の体しか知らないわけだしな。


「それじゃ、続きをやろうか

 お前・・・・って人形って呼ぶのも何か悪いな

 名前はあるのか?」


「マスターから貰った名前で実留と言います」


「ミノルね、あまり聞かない名前だな

 俺の名前はザッカリアだ」


「ザッカリアさん

 宜しくお願いします」


「そんなに畏まるな

 素の話し方で良いんだぜ無理すんな」


「それもバレてる?」


「あぁ、バレバレだ

 俺にはな

 それに名前も呼び捨てで良いぜ」



話は終わりだと言わんばかりにザッカリアが剣を構える。


「さぁ楽しもうぜ

 ミノルを限界まで追い詰めてくれってのが命令だからな」


「お手柔らかに頼むよ」



再度、俺達は剣と槍の戦いを再開した。


ザッカニアは受けだけではなく攻撃も織り交ぜてくる。

攻撃は鋭いが重みは無い。

明らかに手加減をしているのが判るのに

それについて行くのが精いっぱいだ。


全力運転しても体は持つようだ。

回路の心配をしていたが焼き切れるとかの兆候は

今の所は感じられない。

どうやら出力の問題なのか?

まぁ内部構造の事まではわからないが一先ず置いておく。


俺の攻撃はザッカニアには通じないようだ。

更に回転を上げれば通りそうだが

今が限界出力だ。




ならば手を変えるまで。

連続攻撃をやめて手を重さを重視する。


「お、戦法を変えるのかい

 良いぜ良いぜ」


手加減はしてくれてるが手を抜いてくるわけじゃないし

ザッカリアって戦いが好きなんだろうな。


量より質に変更し攻撃を重ねる。

逆に相手は質より量に変更してきた。


機を伺う事で相手の出方も分り剣を受ける事はないが

少しづつ上がって行く攻撃密度に焦りを覚える。

このままじゃ捌ききれなくなるのも近い。


パーリングと動作だけの回避を行い

隙を見て攻撃をするも相手には当たらない。

手数で押されながら行動すら制限されているからだ。

きっと俺が攻撃するタイミングすらもザッカリアの思い通りなんだろうな。


そうは言っても魔法も使えない今じゃ

タイミングを見計らった1撃にかけるしかないじゃねーか。


幸いな事に今の俺とザッカリアの攻撃では

僅かながら俺の方が威力が強いらしい。

もちろんザッカリアが本気を出したら簡単に覆る差でしかないが。



何十回目かの攻撃を躱した後に来た横薙ぎに目標を定める。

体重を乗せた踏込みを行い強引に短槍を振り回し

遠心力を加味し剣に叩きつける。


「おうおう、強引な攻撃だな

 確かに剣を止めるには有効だが

 今のミノルじゃ俺の姿勢を崩せやしないし

 逆に自分のバランスを崩すだけじゃねーか」


「ま、色々とやってみないとなっ」


武器の耐久性を無視した実戦では

使えそうもない防御を更に繰り返す。


丈夫で耐久性だけはある訓練用の武器だから出来る事でもある。


武器と武器。

剣と槍の叩き合いだ。


それが面白くなってきたのか

ザッカリアも重さを重視した攻撃にシフトする。

俺が対抗するには更に踏込みを強くし全身を総動員するしかない。


それも直ぐに限界を迎えつつある。

元々の身体能力が違い過ぎるのだ。

ザッカリアは遊び程度でもこっちは全力だ。


「どうしたどうした

 そんなもんか」


「はは、ザッカリアもそんなもんかい

 俺よりもデカい図体して互角なんてな」


「良いね良いね

 安っぽい挑発は好きだぜ


 よし、乗ったっ!」



叩き合いの最初を再現しようというのか

ザッカリアは体重を乗せた横薙ぎを繰り出してくる。


俺は短槍を床に突き立て受ける姿勢を取る。

それを見て顔を楽しそうに歪ませ更に力を籠める。



俺は武器が衝突する瞬間に槍を手放し

バックステップを行った。

突き刺さっただけの短槍は支えもなく

床を抉りながら軽い音を立てて吹き飛んでいく。



拍子抜けした軽さに勢いに体を持って行かれた

ザッカリアがバランスを崩す。


ここだっ!



俺はバックステップから一転し軸足に全力を込め

踏込みザッカリアに肉薄する。

右手を掌底の形にし相手の右脇腹に添える。


全身の力を籠めて掌打を打つ。

それでも重量を含めた物理的な差はどうしようもならない。


ザッカリアは薄く笑顔浮かべる。

武器を手放した事には驚いたものの物理攻撃力の低さは

どうしようもない。


そう油断した次の瞬間、ザッカリアの巨体が轟音と共に吹き飛ぶ。

衝撃はあっただろうが鱗を纏った体にはたいしてダメージは与えられなかったようだ。


「いちち、おいミノルよ

 今のは何だよビックリしたじゃねーか」


「はは、今のは俺の奥の手の一つさ」



そう俺はゴーレム。

人(魔族?)の手によって作られた魔道兵器だ。




そりゃもちろんあるぜ。




内蔵兵器がなっ!




俺には魔法が使えない代わりに内臓武器がある。

手から魔力を放出可能だ。

正確には手の平と指先からだね。


単純に魔力を力に変換しただけなので

魔法の使用不可は変わらないのだけれど。

左手でも可能だが左は右に比べて出力が低い。



「それがミノルの隠し玉かい?」


「驚いただろ」


「あぁ、すげぇ驚いた

 そしてワクワクしたぞ」


おいおい、どこの戦闘民族だよ。

武器を広いながらも会話を続ける。


「ザッカリアの皮膚には通じなかったみたいだけどな」


「俺の鱗を貫くにはもうちっと威力がたんねーな


 よーし、気分が良いから俺の隠し玉も見せてやろう」


「えっ?嫌な予感しかしないんだけど」


「なに上段からの振り下ろしの簡単な攻撃さ

 ちゃんと意識してろよ」


「ちょ・・・ちょっと・・・・待って」


「うし、行くぞ」



問答無用でザッカリアは剣を上段に構える。

それだけで圧力は何倍にも増したかのようだ。


慌てて短槍を構える。


次に背後の羽が伸ばされていく。

やはり体に比べて明らかに小さい。


あれで浮力は稼げないだろう。

そんな考えをしていたら。



空気が弾けた。



巨体であるザッカリアがブレたかと思えば

一瞬にして距離を詰め既に上段を放つ姿勢だった。


「クォッ」


回避は無理だっ。

槍を上向きに構え全力で踏ん張る。

耐えろよ俺の体っ!



直後に金属同士が激しく衝突する

衝撃音が空気を震わし響き渡る。


途轍もない重量物が両腕に襲い掛かる。

確かにある程度は重いが所詮は訓練用の剣。

頑丈ではあるがそこまで重いわけじゃない。


それが巨石が落ちてきたかのような重さ。

なんつー威力だ。


だがギリギリ耐えられる・・・・はず・・・・・。


「「おぉぉぉぉおおぉおおぉぉぉ」」


男同士の維持の張り合いだ。









《内蔵魔力残量が0%になりました》




え?


≪魔力混合≫で高めていた出力が一気に低下する。


えっ、ちょっと。


一気にバランスが崩れる。

駄目だ耐えきれない。

それでもここで押し負けるわけにはっ!


内魔力を総動員して肉体を維持しようとするも

スキルを使わなければ量は兎も角、質が追い付かない。


「こ・・・・ここ・・・で・・・負けるわけにはぁっ」


これは意地だ。

押し負けたくないと言う男の意地だっ!



ググッ。



おお、少し押し戻した。




《肩、肘、手首の関節部の負荷限界です》




えっ?




鈍くこもった音が鳴り渡る。




次の瞬間、槍と剣が頭に直撃する。











俺は意識を手放した。



実留君、久々に真面目な戦いです。


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