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長くなりそうですので分割です。
気が付くと柔らかな光に包まれた空間に居た。
あれ?前回はこんなに明るかったかな?
そして目の前には応接間セット。
こりゃ、またあいつが出てくるのか。
【せいか~い】
「だから心を読むなって」
【あはは、ひさしぶりなのにそれなの?
それに前は読めって言ったじゃない】
「それは話の流れでだろうがっ!」
【うんうん、わかってるよ
怒らないでよ】
「まぁ、良い・・・色々と聞きたい事が出来たんだけど」
【うんうん、何でも聞いてよ
君さえよければ100年でも1000年でも話していても良いんだよ】
「そこまで話す内容がないわっ!」
【え~、世界の作り方とかでも良いし
人口の1人づつの生い立ちとかでも良いよ】
「うおぅ、そりゃ聞きたいな・・・・ってそんな無駄な
情報はどうでも良いんだよ
俺は何で死んだ?
いや・・・ん~・・・・大体は分るんだけどさ」
【君の考えは合ってるよ
正確に言えば勝利に浮かれてる時に
魔族君に背後を取られて刺殺されたってとこだね
背後から胸に短剣、お腹には抜き手だよ
更にいうと短剣を伝わった瘴気が内臓を冒していたから
回復魔法も効果が低かったんだ
あの魔族君はなんかもう凄い良い笑顔だったよ
余程、君の事が気に入らなかったんだろうね】
「なんか言い方に棘があるなぁ・・・
仮にも聖騎士団の駐屯地だぜ
そんなに簡単に侵入なんか出来ないだろ?」
【うんうん、それはね
あの時は結界は妹さん単体に全ての労力を費やしてるから
駐屯地自体は魔物避け位の効果しかないよ
エリアじゃなくて移動する単体に掛けるなんて
随分とまぁ豪勢な掛け方をするよね】
「つまりは?」
【妹さん以外は価値なしって判断だね】
「潰すっ!あいつら絶対に潰してやるっ!」
【まぁまぁ、それぐらい妹さんは大事だったって事だよ】
「納得できないがまぁ仕方が無い
あいつらを潰すのは今後の楽しみにしておこう
ヴァースはどうなった?
実里は無事か?」
【大丈夫だよ
魔族君も君を殺したら直ぐに帰ったしね
流石に彼単独であそこの全員を相手には出来ないでしょ】
「そ・・・そうか・・・・
何か殺されたとか言われると複雑な気分になるな
そういえばさ実里と俺の差はなんなんだ?
あいつは神システムの事なんて知らなかったし
俺はお告げなんて聞いた事ないぞ」
【神システムはね君にしか渡してないんだ
妹さんは普通の人だよ
少しばかり感度は上げておいたから
神の声は届きやすいけど】
「なんで俺だけなんだ?」
【なんとなくかな】
「本当の事を言えよ」
【う~ん、君は疑い深くなったねぇ】
「お前がそんな態度をとるからだろ」
【あはは、まぁ隠す程でもないけどね
僕はこの世界を楽しくするために
幾つかのアプローチを取ったんだ
その一つが君であり妹さんだね】
「そんな事だろうと思ったけどさ
んで俺と実里は何が違うんだ?」
【君には神システムを渡して
僕が直接影響できない代わりに
自由意思で好きなようにしてもらおうと決めたんだ
妹さんは僕の意志をある程度反映できるようにしたんだよ
そうは言っても僕の好きなように世界を操作出来る訳じゃないよ
ただ、世界が壊れない様に最低限のバランスを取る程度の
役目を担ってもらったんだよ】
「あ~、それが何となく感じるって感覚なのか?」
【実際にはスキルの効果なんだけどね
君にあげた≪捕食者≫と同じユニークスキルの≪幸運≫ってやつだね】
「それどんな効果なんだ?」
【何となく良い事が起きるってやつだね
良い事はさらに良くなるし悪い事はなるべく悪くならない
どうでも良い事と重要過ぎる事には発動しないよ
そういう設定にしてあるから】
「そこがバランスを取るって事か」
【そうそう、だから本当に世界が壊れだしたら
止めたり阻止したりは妹さんじゃ出来ないけどね
後はそうだなぁ
命に係わる事は余程の回避不能レベルじゃないと
それとなく避けるような設定にもしてあるよ】
「マジか?!
それは素直に感謝しておくよ
ありがとうな」
【うんうん、僕も君の頑張りが無くなるのは
悲しいからね】
「そういえば実里の夢に出てきたって
聞いたけど本当か?」
【そうだね~、一回だけだけど話に行ったよ
だって凄い疑ってると言うか自信が無いみたいでさ
もう直接に話しちゃえって感じだね】
「そこで何で今の姿で行かなかったんだ?」
【そこはホラ、威厳的な奴で?】
「なんで疑問形なんだよ?!」
【あはは~、神様にも色々とあるんだよ】
「まぁ、俺なんかには分らない
事が色々とあるんだろうけどさ」
【そこは何処でも一緒だよ
人でも亜人でも魔族でも一緒だね
神と言っても立場が違うだけでさ
ほら君も一人会ってるでしょ
彼も神だけど下っ端で頑張ってるんだ
上に行けば行くほど出来る事と共に責任が発生するのはね】
「そんなもんなのかね」
【でもまぁ、責任と言ってもこの世界が滅んでも
やべ、滅んじゃったなぁ
って感じる位だけどね】
「やっぱり俺らと違うじゃねーかっ!」
【あはははは】
「それにしても神って他にもいるんだな
現実に会う事になるとは思わなかったよ」
【うんうん、神も沢山いるからね
上の方になっちゃうと管理とかで現実世界に行けないけど
世界には神が沢山いるよ
まぁ普通では会えないような場所が殆どだけどね】
「確かに迷宮で生まれて扉を無理矢理に突破しなかったら
俺もラバリオに会えてなかった訳だしな」
【あっ、彼には君を助けて貰ったわけだし
何かしてあげないとね、うんうん】
そう言って何処からか黒電話を取り出し
ジーコジーコとダイヤルしだした。
・・・・スマホは?
それにダイヤルっているの?神なのに?
【あっ、もしもし・・・・・うんうん、そう僕だよ
君のとこにさ・・・・そうそう・・・迷宮神のさ・・・
そうそうなんだよ・・・・だからね・・・うんうん・・・
僕のね・・・そそ、わかるじゃん・・・・・
あはは、骨だよ骨・・・・・でも・・・・
まあねぇ・・・・・犬だったしね・・・・・あはは・・・・
そう・・・・だから・・・・うん、わるいね・・・・
じゃぁ・・・・うん・・・・そうしてあげて・・・・うん・・・
じゃ、よろしく~】
「・・・・なんか失礼な事言ってなかった?」
【あはは~、そんな事ないよ
迷宮神の彼の上司にちゃんと言っといたから大丈夫だよ】
「上司って美人っていう?」
【あ~、うんそうだね
美人かなぁ・・・・・ちょっと厳しい感じはあるけどね
なんなら今から呼ぼうか?】
「え?呼べるの?」
【うん、呼べるよ~
ポイントは使う事になるけど】
「結構です」
【うんうん、相変わらず君は面白いね
上司にはまた改めて宜しくって伝えておくね】
「じゃぁ、そろそろポイント聞いちゃおっかな~」
【いいねっ!いいねっ!
そのノリは大事だよ・・・・ちょっと待ってね~】
また何処からかスマホを取り出して操作しだす。
通話はさっきの黒電じゃなきゃ駄目なの?
そのスマホで電話は出来ないの?
【そこはホラ、イメージ的な奴で?】
「あ、そうですか」
【も~、突っ込んでくれないと面白くないなぁ】
「もう面倒になってきたぞ」
【あはは、困るな~
よ~し、えっとね今の保有ポイントは・・・凄いね】
また何処からか取り出したPCを操作する。
スマホで表示出来ないのかよと思ったが
神がニヤっと笑ったので何も考えずに突っ込みもしないでおく。
話が進まないしな。
ちょっと残念そうな顔をしてたのは笑えたが。
ピロッと音と共に表示されたポイントは
> 保有ポイント:57000
「うおっすげぇ!」
【確かにこれは凄いね】
「こりゃ、使いどころに悩むぜ
前回指定した条件って今回も有効なのか?」
【"人型限定"の事かな?】
「そう、それそれ」
【転生条件は毎回なんだよね~】
「じゃぁ、スキルとかアイテムボックスは?」
【其処ら辺は大丈夫だよ
スキルとかは別だしね
アイテムや武器防具も転生ポイントで取得したやつは
引き継げるけど現地で入手した奴は無理だね
それでも縁が深い物は巡ってくるとは思うけど】
「残念だなぁ・・・・となるとポイントあるうちに
かなり強い武器なんかを貰うのも手なのか?」
【うんうん、それもありだよね】
「じゃぁ、とりあえず"人型限定"は付けといて」
【おっけ~】
カタカタ、ポチ。
> 保有ポイント:54000
> 種族条件 :人型限定(3000)
「後は・・・・転生後にさ生前に俺と面識が
あった人にさ俺と認識せさる事は出来る?」
【そうだねぇ~、スキルで良いなら≪転生強制認識≫っていうのがあるよ】
「どんな感じなの?」
【転生した後で転生前と同一と強制的に認識させるスキルだね】
「会った人全員?」
【うん、強制だしね】
「魔族とかにも?」
【うんうん】
「それは駄目っ!死んじゃうからっ!」
【なら≪転生強制認識(任意)≫っていうのもあるよ
こっちは自分の意志で選べるよ
ただポイントが結構変わっちゃうけど】
「どれくらい?」
【前者が30000で後者が43000だね】
「うおー、結構するなぁ・・・・・
あのさぁ、相談なんだけどさぁ」
【うんうん、なんだい?】
「ウイスキーをさ作ったんだけど権利収入って
転生後も貰えると思う?
ちゃんと説明したらわかってくれないかな」
【本人が死んだら解消はされると思うけど
そういう権利的なシステムは君が元居た世界よりも
整備は進んでないからねぇ・・・・平気かもしれないけど
確実ではないね
君の仲間のオーク亜種さんはかなり特別だと思うよ
普通に転生って言ったところで信じないよ
世界神の加護持ちだって証明すれば良いかもだけど
好きに生活したいならお勧めはしないよ?
どうしてもと言うなら特別に聖痕でも聖印でも刻んであげるけど
国単位で狙われたりするよ・・・・】
「いや!いい!いいです!
≪転生強制認識(任意)≫でお願いします」
【はーい】
カタカタ、ポチ。
> 保有ポイント:12000
> 種族条件 :人型限定(3000)
> 取得スキル :転生強制認識(任意)(43000)
前々回が2000で犬。
前回が50で骨だからな。
ここは安全を見て5000はブッこみたい。
残り7000で有効的なポイントの使い方か・・・・。
前回の失敗を糧に俺はじっくりとディスプレイを睨みだした。
久々に適当な方の登場です。
相変わらずですね。




