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書いていて楽しくなってきました。
勢いで書けると楽しいですね。
大変です妹が誘拐された森山実留です。
不良(魔族)に大切な妹が誘拐されました。
ここはバチコーンと助けに行かなければ行けないでしょう
兄としての役目を果す時です。
あんな事やこんな事をされる前にっ!
モリスさんの説明では聖神教会のシンボルである聖女が
先程、襲撃してきたブリンジという魔族に誘拐された。
あーじゃないこうじゃないと回りくどい説明だったが
簡単に言うとこうなる。
聖女の正体や誘拐理由等は明確には説明してくれず
はぐらかされた。
場に居るクソ騎士達もそれで良いと思っているのか
何も口には出してこない。
レイムールが攫われた理由は不明だが
何としても2人を奪還しなくてはいけない。
それが現状だそうだ。
モリスさんの説明が一段落した時に俺は
手を上げて発言を求めた。
聞いておかなければならない事があったからだ。
それは俺らが捕まったの理由。
モリスさんが言うには
誘拐した魔族がどうもグリフィリアに居ると情報があり
一番近くに居たレイムール隊に指示が出た。
進軍していると丁度、グリフェリアから出てくる者達を発見する。
何か情報があればと話を聞こうとしたのだが
どうにもその中の1人が怪しい気配がする。
確認してみると加護持ちでミックスだと。
他の者も何かしらの加護を受けているので
これは何かあると判断し身柄を拘束した。
加護持ちかどうかは何故わかったか?と言うと
レイムールは加護持ちで≪神査眼≫のスキルを持っている。
これは加護持ちかどうかがわかるスキルを持っているらしい。
但し加護があるかは分かるが何神かまでは正確にわからなかったとの事。
正確に言えば自分が加護を受けている神よりも上位の神には通じないんだそうだ。
・・・・・う~ん、これってさぁ。
加護持ちは分るけど神の正体はわからない。
ミックスの癖に聖騎士である自分よりも上位神に加護をうけるなんてっ!
って感じでしょ?
本当にただの冤罪だよね。
レイムールが何神から加護を受けているのかは教えてくれなかった。
クソ騎士達もお前なんぞに話す事ではないと目が言ってので
イラっとゲージが上昇したのは言うまでもない。
俺はこの世界で世界神とよばれる者の加護を受けているが
迷宮神の加護もある。
そりゃ世界神と言うだけあって他の神は全て下位だとは思うが
迷宮神ってどれくらいの位なんだろうか・・・。
ラバリオってそんなに偉そうにも思えなかったんだけどね。
1神でも上位の者がいればそれが優先されるんだろうか?
謎だ・・・・。
後でブタ子にでも聞いてみよう。
それにしてもリースとエレアスも加護持ちだったんだな・・・・。
リースはシャルムが森の神に愛されたと子と言っていたが
加護の事だったんだなぁ。
それにエレアスも誰の加護を受けているのかが気になる。
直接聞いても良いものなのかね。
≪神査眼≫・・・・・欲しいなぁ。
俺にとっては全て下位神になるから見通せない事なんてないしな。
う~ん、何神の加護を受ければ手に入るスキルなんだろう。
「状況として以上になります
申し訳ないが貴方達にはここで待機していて欲しい
アドニス様が不在の為、自分では釈放する権限が無いんだ」
「それは困るな
不在なら副官のアンタが代行できるんじゃないのか?」
「アドニス様が正式に代行権を発行してくれるか
死亡が確認されればそれも出来たのだけれど
今回の様に突発的に不在になるという事は本来はあり得ないんだ
現在も存命されていると想定して動いているので代行するには難しい
本部に連絡を取っているので返答がくれば
正式に代行とされるはずなので釈放も可能なんだが・・・」
「事情はどうあれ今の所は釈放の権限が無いと?」
「簡単に言えばそうなります・・・・
それに恥を忍んで言えばエレアス殿には救出作戦への助力をお願いしたい」
「何故、エレアスだけなんだ?」
「エレアス殿はBランクの冒険者だ
しかも単独での登録となれば戦力としては申し分ない
貴方達を拘留しておきながら都合の良い事を言っているのは理解している」
「となるとエレアス以外が戦力外だと?」
「先程の戦いを見る限りでは問題ないと思うのですが
やはり冒険者ランクが低いと言うのは
後で問題になる可能性があるので」
「そうか・・・・では俺だけでも同行出来ないかな?」
「ミノル殿も作戦に同行したいと言うのですか?」
「エレアスが行くなら俺も行こう
でなければエレアスへの依頼もキャンセルだ
俺とセットでなければ受付できないな」
「何を言っているっ!」
クソ騎士どもが騒ぎ出すが無視を決め込む。
それが更に気に入らないらしくギャーギャー喚きだすが
完璧に無視する。
「しかし・・・ミノル殿のランクは最低限でして
他の方に比べても・・・・」
「俺を連れて行くのであれば奴らの情報を提供しても良い」
「なっ?」
「それにアンタ達が俺らに説明してない事も
色々とあるだろう?」
「・・・・それは・・・・情報を聞いてみないと」
「それは出来ないな
聞くだけ聞いて連れて行かない
アンタらがやりそうな事だろ」
外野(クソ騎士)が顔を真っ赤にして騒いでいるが
一切取り合わない。
モリスさんの目を真っ直ぐに見つめる。
「わかりました・・・・では志願してついて来た事として処理しますが
よろしいですか?
必要な物は全てこちらで用意しますが
命の保証は出来かねますが」
「あぁ、それで良い
他の3人はちゃんと保護しといてくれよ」
「はい、それは私の責任において」
約束を取り付けた後に俺は説明を行う。
王女と聖女は同一人物である。
世界神グラバスの加護を受けている。
魔族は加護持ちを集めているようだ。
レイムールを攫ったのもそれが理由だろう。
彼奴らの組織名称はミリナリス。
魔族2名の名前。
数年前の成人の儀式を襲ったのも奴らだという事。
あくまでも憶測と噂を纏めた結果としておいた。
説明を聞いたモリスさんとクソ騎士達は
俺とエレアスを置いて部屋を出ていった
何かを相談するようだ。
「エレアスは魔族と戦う事になっても良いのか?
依頼があったとしても首を突っ込まなくても良いんじゃないのか?」
「そうだね~、確かに魔族相手だとヤバいけど
それでも依頼されたらなるべく引き受けるようにしてるし
聖騎士に貸しを作っておくのも悪くないでしょ
一応、後衛部隊の護衛としてだし
魔族との直接戦闘は聖騎士がやるって話だしさ」
「ふ~ん、なら安全かね」
「それよりも僕はミノルちゃんがどうして
現地に行きたいかが気になるんだけどね」
「俺達の目的地ってフィラルドだろ
正確に言えば俺の目的なんだけどさ
聖神教会の高位司祭・・・まぁ聖女って人に
会うのが目的なんだ」
「なんか訳あり?」
「まあな」
「それにしても聖女様になんて普通の冒険者が
会えるわけないでしょうに」
「それは現地で考えようと思ってたんだけど
救出作戦に加われるならチャンスはありそうじゃね?」
「なるほどね、だから参加したかったんだ」
「ところでエレアスも加護持ちだったんだな?
・・・誰かって聞いていいのか?」
「あんまり公言したくはないんだけどね
有益な事もあるけど狙われたりする可能性もあるし
僕のような女冒険者だとお抱え騎士や私兵にしたいって
迫られたりする事もあるし」
「なるほどな」
「まぁ、ミノルちゃんならいいか
僕の加護は"撃神イリアム様"だよ」
「撃神?」
「うん、あんまり有名な神様じゃないんだけどね
それでも戦闘神の中では結構な有力な方なんだよ」
「色々な神様がいるもんなんだな」
「僕はミノルちゃんの神様が知りたいんだけど」
「俺が加護を受けてるのは
何か名前がわからない神と迷宮神だな」
「はっ?」
「えっ?」
変な事いったかな?
ブタ子には名前を知らないって言ったら普通に通じたんだけど。
加護受けてるのに知らないとかありえないのかな・・・・。
「複数の神の加護なんてありえないでしょっ!」
「え?そっち?」
「複数の加護持ちなんて聞いた事ないんだけど・・・」
「そうなの?」
「正確に言えば歴史上に何人かは居たはずだよ
現在では1人も居ないハズ・・・・多分」
「まじかー、それでレイムールは視れなかったのかな」
「それはあるかもね~」
複数の加護持ちは居ないのか・・・・。
うん、これはあまり言わない方が良さそうだな。
しばらく加護持ちの話になったが
やはりこの世界では加護持ちは優遇される傾向にあるが
色々と問題もあるとの事。
先程のあった囲い込みもそうだし
宗教絡みもあるのでメリットばかりじゃない。
各国とも基本的には優遇するが束縛はしないのが主流な考えだが
高位の神になると国が動く事もあるんだそうだ。
しばらく話しているとモリスさんが1人で戻ってきた。
クソ聖騎士はもう話す事等無いと言って帰ってこなかった。
俺も会わずに済むならそうしたい、精神衛生的にな。
「内部で検討した結果、ミノル殿には志願兵として
同行してもらえるように手を打ちました
繰り返しになりますが万が一の事があっても
当方は責任を持たない事を了承して貰いたいです」
「問題ない、了承する」
「正直、助かります
もちろん必要な物は全てこちらで用意するので遠慮無く言って欲しい」
「それなら装備品の整備を頼みたいんだが」
「わかりました、出発までには」
「今後はどう動くんだ?」
「調査部隊が明日には戻る予定で
その報告を受けてから本体を待たずに先発隊として出発します」
その後、各種条件と役割を軽く話し合ってから会議室を後にする。
部屋は全員で使っていいし駐屯地内であればある程度の行動も自由。
但し監視は付くが。
部屋に戻りベットに潜り込む。
3人はまだ寝ているようだ。
エアレスも自分のベットに入ると直ぐに寝息が聞こえてきた。
皆、疲れてるんだな。
俺も寝よう。
翌朝、キリル、リース、ブタ子に事情を説明した。
今後の予定についても。
当然の如く猛反発されたが何とか取り繕う。
時間を掛けて説得して納得してもらった。
駐屯地内での自由行動が認められ安全になったので
全員の武器と防具を整備に出す。
作戦に参加しないメンバーの分も整備してくれるように
モリスさんが取り持ってくれたようだ。
他の聖騎士は相変わらず見下した目を向けてくる。
概ね俺だけにだけどね。
もちろん気さくに話しかけてくれる感じの良い人もいるけどね。
さて、自由時間になったのでどうしようかと相談した結果
何故か全員一致で俺の作った料理が食べたいとなった。
君達は相変わらずブレないね。
邪魔にならない少し広めの場所を借りて料理を作った。
匂いと食いしん坊共の食べっぷりに影響されて
聖騎士達もフラフラと近寄ってくるので振る舞う。
仲良くなるには食事は有効だしな!
そんな事も考えて広めの場所で作ったのさ。
勤務中の為、酒は出なかったが
野外食堂と化した場所では誰もがモリモリと食べていた。
俺を見下している聖騎士共が輪に入れず苦虫を噛み潰したような
顔をしているが知ったこっちゃない。
こちらから喧嘩を売ってるわけじゃないしな。
さて、救出作戦には参加できる事となった。
実里、無事で居てくれよ。
実留君の料理は久々ですね。
人を掌握するには胃袋を掴めばいいんです!




