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土曜は更新できませんでした。


ピンチです。

非常にピンチな森山実留です。

とても厄介そうな不良(魔族)に絡まれました。

多少の金は持っていますが差し出せば許してくれるでしょうか。

こちらの世界に来て油断していました。

こんな事があるなら靴の中にお札を隠しておくんでした。

紙幣が無いので硬貨を靴に入れたら痛くて邪魔ですよね。










目の前に居る魔族はパッと見は人族と同じような作りをしている。

手足もあり顔も同じような作りだ。

男か女かは判断しにくい顔だが

美人と評して良いだろう作りをしている。

髪は耳が隠れる程度の長さで鈍い銀色サラサラヘアーだ。


身長は高く細身の体は華奢な印象を受ける。

皮膚は黒ずんでいて若干光沢がある。

爬虫類の皮膚やくすんだ銅像等が近いだろうか。


一番の特徴は羽だろうか背中には黒い羽が綺麗な翼が生えている。

広げれば体を覆い尽くす程の翼が。


実際にはあれで飛ぶわけではなさそうだが

浮力を発生させる装置である事には間違いがない。


装備は首元まであるノースリーブのシャツのような物と

ピッタリと体に張り付くパンツ。

そしてこれまた細身のブーツ。

色は全て濃いグレーで黒に近い。

どうみても防具には見えないが油断しない方が良いだろう。

頭や腕には何も付けておらず武器も見当たらない。




「楽しい事の独り占めは良くないぞヴァースよ」


「ブリンジ様、こちらは私に任せて頂いても

 問題ありませんが」


「そう言うなヴァースよ

 こちらはもう終わってしまって暇でな」


そう何事も無いような会話を続ける2人。

どうやら黒づくめ・・・ヴァースか?

こいつも魔族の1人のようだな。


そして気になる事が一つある。



「アドニス様っ!」


モリスさんが焦り叫びだす。


ブリンジの肩には見覚えのある姿の人物が

担がれている。

装備はボロボロになり髪もボサボサだ。


そう、レイムールが拉致られている。

軽く血は出ているが無事のようだ。



「貴様、アドニス様をどうするつもりだ」


「ふむ・・・・どうするか?

 考えていなかったな

 ヴァースよ使い道を考えておけ」


「何も考えずに持って来ないで頂けますか?」


「ハッハッ、そう言うな

 こいつも加護持ちだ

 何かには使えるだろう」


「あぁ、加護持ちと言えば

 他にも幾つか居るようです」


「・・・・・ふむ、そういえば気配を感じるな」


ブリンジはスゥっと目を細めて見渡す。


「此処には2匹と他にも少し離れた所にも

 感じるな・・・・・」


人の事を匹呼ばわりかよ。

他にも居ると言いながら俺をジッと見てくる。

声が笑っているのに目が笑ってない。


視線を外す訳には行かない。

目を逸らすな動きを見逃すな。



「そこのお前・・・・混ざり物のお前だ・・・・

 お前の中身は・・・・なんだ?

 何かの加護は感じるが・・・いや・・・それだけじゃない・・・・

 あの女と同じようにも感じるが・・・ふむ」




ドグンッ!




「グハァッ」




何故かブリンジの拳が俺の腹に突き刺さっていた。

衝撃が背中から突き抜け波紋が内臓に広がるのが分る。

肺が空気を求めるも体が言うことを聞かない。


涎と吐瀉物をまき散らしながら崩れ落ちる。


「な・・・に・・・・を・・・・」


「ふむ意外と頑丈だな

 一撃で死ぬと思ったんだがな」


必死に首だけを動かして見上げると

ゴミを見るような目で見下ろされていた。


「お前も加護を持っているな・・・・

 だが混ざり物のせいでよくわからん

 目障りだから死んでおけ」


そう言った次の瞬間に

またも衝撃が俺を襲い意識は途切れた。









目が覚めると夜になっていた。

部屋の中は静かだが外からは微かに声が聞こえる。


明かりが最低限しかないが視力強化すれば

昼間と同様に見えるのでそのままにする。

近くにリース、キリル、ブタ子が寝ていたからだ。


『アリス、状況を教えてくれ』


『実留さん、目が覚めましたか』


『あぁ、あれからどうなった?』


『実留さんが攻撃された事に対して

 キリル君が切れて突撃しました』


『無事だよな?

 リース、ブタ子は?』


『キリル君は無事です

 流石の防御力ですね

 軽い打ち身程度でしょう

 リースちゃんとブタ子さんも怪我もありません』


『そうか、それは良かった

 エレアスはどうした?』


『エレアスさんも無事です

 今はモリスさんと何かの会議をしているようで

 この場には居ません』


『あの魔族達はどうなったんだ?』


『キリル君、リースちゃん、ブタ子さん、エレアスさんで追い返しました

 正確に言えば向こうが飽きたから帰ったという感じでしょうか』









「貴様っ!良くもミノル様をっ!」


キリルが激昂し盾を構えて突撃する。

モリスさんが集まってきた聖騎士に指示を出し更に結界を重ねる。

流石にヴァースは動きが目に見えて遅くなったが

ブリンジは特段何も変わってないようだ。


「お姉ちゃん」

「ミノルさん」

「ミノルちゃん」


3人が追いかけてきてリース、ブタ子は状況が掴めなかったようだが

エレアスだけは加速しブリンジに切り掛る。


「ウゥゥゥラァァァァ」


ブリンジは面白い物でもみるような表情のまま

仁王立ちのまま左肩にレイムールを抱えたまま

右腕をあげて前腕で受け止める姿勢を取る。


ガギュイン。


金属と金属がぶつかる様な音がし

エレアスの剣は皮膚を切り裂く事も出来ず

ブリンジを1歩も動かす事すら出来なかった。


「クソッ、堅い」


「お前も加護持ちか?

 遊んでやるから全力で来るがいいぞ」


ズバン。


そんな音がしブリンジの顔面にリースの魔法が着弾する。

更にブタ子の弓が連続で射られるも

どちらもダメージは与えられなかった。


「おお、お前らも加護持ちか

 良いぞ良いぞ我を楽しませろ」


1歩も動かないブリンジに対して

聖騎士による多重結界を張った上で4人掛りで

攻撃しても大したダメージは与えられなかった。



暫く攻防は続いたが急に終わりを告げる。

ブリンジが飽きたのだ。


「ふむ、もう飽きたな」


そう呟いたブリンジは蹴りでキリルを吹き飛ばし

エレアスの剣く右手で受け止め握りつぶし

そのまま左手を軽く振り衝撃波でエレアスとリースとブタ子を吹き飛ばした。

右手でヴァースを掴むと何事も無かったように飛び立って行った。






『そうか全員が無事で良かった

 武器が本来の物じゃないにしてもエレアスの剣と

 リースの魔法が効かないのは相当だな』


『そうですね

 キリル君のカウンターも効果していなかったようですし

 地力の差がありすぎますね』


『じゃぁその後はこの部屋でずっと寝てたのか?』


『はい、この部屋自体に治療効果のある結界が

 張られているようです

 それに実留さんの怪我が一番酷かったんですよ』


『俺って1発目は覚えてるんだけど

 2発目って蹴られたのか?』


『倒れている所を蹴られました

 そのまま飛んで行って隣の建物の2階に壁を破壊して

 入って行きましたよ』


『そ・・・そうか・・・・良く死ななかったな・・・俺・・・・』


『防具と事前に身体能力を上げておいたからでしょう

 それでもかなり危険な状態だったんですよ

 回復魔法も使って貰ったんですから』


そうか・・・回復魔法か・・・・そんなのもあるんだな。

ファンタジーの世界は侮れないぜ。

こっそりと使える聖騎士辺りを何人か喰えば覚えれないかな。


そんな怖い考えが浮かぶのは俺が壊れているのか

聖騎士に対して良い印象がないからか・・・・まぁ両方だな。


人を喰うって考えが出てきちゃうのが

俺がズレてきている証拠なのかね。



体を起こすと腹部に激痛が走る。

治療してもらって更に結界内に居てもこの酷さか。

あの魔族、俺だけは殺そうと思ったのかな。

クソッ、好きでミックスに生まれたんじゃないっつうの。


アイテムボックスからラッドノイド達に貰った薬を取り出す。

打ち身や打撲に効くって言ってた薬を思い出したんだ。

ほんのり何かの花のような匂いがする塗り薬を

痛さに我慢しながら塗ると少しだけマシになった。

ヒンヤリして気持ちが良い。

期待して無かったけど意外と効くじゃねーか。



寝ている3人を起さないようにして静かに部屋を出る。

外に出るとアリスを出現させしばし深呼吸をする。


「ふぅ、負けちまったな

 それにあの黒づくめのヴァースとか言う奴

 あいつは以前に俺を殺した奴だ」


「そうでしたか・・・・」


「それにレイムールの言っていて聖女ってのも

 気になるしな

 何にせよ情報を集めるとするか」



言い合うような声が聞こえ

明かりが照らされている建物に入って行く。

廊下を進み会議部屋と思わしき部屋に入る。

中に居たのはモリスさんとエレアス、数人の聖騎士だった。


「ミノルさん、大丈夫です?」


おっ、エレアスが初対面モードになってる。


「あぁ、大丈夫だよ

 ちょっと腹は痛むが何とかね」


「回復魔法が効いたようだね

 無事で何よりだ

 ・・・・・その妖精は誰だい?」


「あぁ、俺の契約妖精だ

 名をアリスと言う」



部屋の中を見ると聖騎士が4人居る。

どいつもこいつも俺の事を見下したような

汚いような者を見るような目だ。

モリスさんだけはそんな事もないが・・・・聖騎士なんてクソだな。

一応紹介されたが名前なんざどうでも良いな。

覚える必要はない。

クソ騎士ABCDで良いだろう。



「状況を教えてもらおうか?」


「貴様なんぞに話す事はないっ!

 治療してもらっただけで有り難いと思え

 今は重要な会議中だ、部屋を出んか」


クソ騎士Aが急に怒鳴り散らしてくる。


「・・・・・はい?」


妙にイライラするなこいつら。

状況が分ってるのかね?

余りにもイラっとするので態度に出てしまったようだ。


「貴様・・・我ら聖騎士を前にその態度とは良い度胸だな」


「いやいや、そんなつもりないから

 早く状況教えてよ」


「何だっ!その口の利き方はっ!」


あぁ、もう面倒くさいなぁ。


「はいはい分った分った

 お前ら落ち着け

 貴方も落ち着いて欲しい

 今は内部で争っている場合じゃない」


モリスさんが両手を叩きながら場を収める。

冷静になった俺はエレアスの隣に腰を下ろす。


「ミノルちゃん、駄目だよ喧嘩したら」


「あぁ、喧嘩するつもりなんてこれっぽっちも無いんだが

 何か妙にこいつらはイライラしてな」


「そんなもんだよ聖騎士なんて」





「貴方にも聞いて頂いた方がよろしいでしょうな」


そういってモリスさんが現状を説明しだした。
















やはり俺の予想は当たっていた。


実里は魔族に誘拐されていたんだ。











実留君が喧嘩っぱやくなってます。

鼻持ちならない騎士ってのはイライラしますね。

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