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2-29

うおー、書いてたデータが消えました・・・・。

ちきしょー。

冒険者のエレアスだよ。

皆、こんにちわ。

今は料理人のミノルちゃんと旅をしているんだ。

料理がと~っても美味しいのっ!

それだけで一緒に旅を続ける甲斐があるね。


それにねミノルちゃんは・・・・ちょっと面白いね。

他人には無い知識、他人には無い経験。

・・・・・何かを持ってると思うんだよね。







パーセラム王国の南側に広く広がる未開エリアは

周囲の国からは通称、"グリフェリア"と呼ばれている。

他にも色々と呼び方はあるもののそれが一番使われているそうな。

パーセラムでは単に王国南方領と呼ばれている。



リードリスからパーセラムに入国し北上する道は

街道と言うよりはリードリスの端から続く道と言うだけで

あまり使用頻度は高くないのか所々に草も生えているし

整備状況もあまり良くない。

細々と使っている感じだ。


そこでは盗賊や獣が出てきた位だ。

頻度としては多くて1日に3度。

何も無い日は無かった。

ある程度の街道があるにも関わらずこの数は異常だ。

歩いて数時間以内に盗賊が現れるなんて

どんだけ密集してんだよって話だ。


エレアス曰く、パーセラムに向かう街道から外れてからが本番だそうだ。

一応とはいえ整備されている街道に出るのは高が知れてるらしい。

内部に踏み込めないような奴が街道沿いで細々と通る者を狙ってるだけ。

確かに魔獣や魔物の類は出て来なかったし

盗賊も冒険者崩れのような装備も技能も低い奴しか居なかった。


盗賊等はパーセラム自体に取り締まるつもりもないので

捕まえても報奨金も何も無い。

連行するだけ無駄だ。

殺すつもりはないので痛めつける程度にしておいた。

下着と靴以外の装備品と道具は全て没収したので

生き残れるかどうかは本人達次第だろう。

多分、無理だろうけどね。

自業自得だろう。


獣はもちろん素材として確保した。

皮は売れるし肉は食えるしね。

うんうん、良いことづくめだ。


色々と撃退しつつ進む事、5日目で

西方向に進路を変更した。






「ダァァァァラァァァァッ!」


突撃してくる魔物に

エレアスが大剣を豪快に振りかぶり叩きつける。


ガウィン。


相手の強固な皮膚と滑る粘液に斬撃が流される。

そのまま突進してくる相手にキリルが立ち塞がる。


鈍い音と共に激突すし数メートル程後ろに押し込まれるも

動きを止める事に成功する。


そこに俺が短槍に魔力を込めて連続で突きこむものの

表面を僅かに削るばかりでまともに通じない。

アリスは俺の頭にへばりつき応援してる。

ブタ子も連続で矢を射るが同じ感じだ。


エレアスが再度の叩き込みを行うが

ツルリとした表面によって有効打が与えられない。


キリルが動きを止めつつも毒を流し込もうとするが

外皮に弾かれてしまう。


代わる代わる攻撃をしつつタイミングを見計らう。


そして。


「今だっ」


俺の掛け声と共に全員がその場から離れる。



ゴゥ。


空気を切り裂きながらリースの炎槍が俺の横を抜けて着弾。

爆音をと炎をまき散らす。

直撃した部分の外皮は少し損傷した程度の損傷だ。


どんだけ硬いんだ。


それでも炎で粘液は蒸発し爆風で消し飛んでいる。


キリルが再度突撃し動きを止め

俺が短槍を渾身の力で突き入れる。

確かな手応えを感じ穂先が突き刺さる。

刃先から魔法を発動し内部を焼く。

アリスも俺の頭の上でバッチリと応援してくる。



「くぅぅたぁぁばぁぁりゃぁぁぁぁぁ」


そこに何だか良くわからない事を叫びながら

全身をバネして跳躍し全体重を大剣に乗せた

エレアスが上段で切りかかる。


いくら外皮が堅くとも粘液さえ無ければ

苛烈な攻撃に耐える事は出来ず

オビロゴムシは息を止めた。



オビロゴムシはダンゴ虫に似た形状で

大きさは5メートル程だ。

特徴は強固な外皮とそれを守るように絶えず濡れている粘液だ。

粘液は非常に粘度も高く滑りやすい。

その為、外皮と相まって守りを強固にしている。

力も強く防御力もありBランクに相当する個体能力だが

知能があまり高くなく動きも単調な為、Cランクとされている。


そんな魔物が普通に現れるグリフェリアに入り込み

結構経つがまだ抜けていない。

大分、進んではいるんだけどね。



通常であればリードリス、オックローン、シューリズから

それぞれ入国するのが普通で

横に横断するような者は居ない。

戦争さえしてなければ海路で既に到着してるハズなのに・・・。


そうは言っても他にも同じような事をしている者たちは居る。


偶に遭遇するも双方共に魔物や盗賊だと思っているので

戦闘になりかける事が殆どだ。

その為、あまり友好的な関係は築けずに注意して距離を取り擦違うだけだ。

何回は戦闘までもつれ込んだこともあり

濃霧を発生させ逃げ切った。


そんな中でも何組かは共闘のような形になったりして

短い間に行動を共にするような事もあった。

情報交換をするもフェラルド王女の情報は入ってこない。

聖神教会の方はどうもキナ臭いというか

慌ただしい動きになっているようだ。

料理を振る舞ったら色々と



途中で山岳地帯に入り魔物の集落を避けて

進んでいたら竜種のテリトリーに近づきすぎたらしく威圧された。

遠くから何も言わずにただ見下ろしているだけなのに

圧倒的な魔力と力強さを感じた。


ここから一歩でも先に行けば確実に殺される。

そうリアルにイメージ出来る程の圧倒的な力だ。


視線を逸らさずに慎重に慎重に1歩づつ後ずさり

その場を後にした。


エレアスとブタ子に聞いた所、この山はアバシュルム山と言う名前で

元からウッディドラゴンと言う竜種が住んでいる場所らしい。

数は多くないが個体能力は非常に高く周囲に君臨しているとの事だ。

本来はもっと高い場所にいるはずだが何故中腹まで下りてきたのは謎。


ウッディドラゴンの存在が居る為、南側の国からパーセラムに攻め込むのに

躊躇する1因でもあるようだ。

多分、アバシュルム山を迂回し害を及ぼさなければ問題は無いと思われるが

そもそもグリフェリアを突破するだけでもかなりの軍事力が必要となる。

大き目の街道はあるが軍事行動を起こすには規模が足りない。


まぁ、この戦争で南3国が統一でもされれば話は変わってくるだろうけどね。



他にもラッドノイドと言われるネズミ型の亜人の村では

魔物に襲撃されているのを助け怪我人を治療した。

村は病気に困っていたので滋養のある料理を

振る舞ったら好かれてしまった。


打ち砕けると愛嬌のある顔をしている種族で見た目は可愛いのだが

何故か皆、声が低く渋いのが難点だろうか。

男も女もだ。

外見とのギャップが意外にキツイ。


知能は高いが身体能力はそこまででも無く

コソコソと生きているらしい。


病気の原因は不衛生さと常食していた木の実が病気になっていた

事によるもので生活環境の改善と下水設備のイロハを教えた。

村の改善点も色々と指摘したので今後は彼らで発展させていくだろう。


木の実は残念だが周囲を含めて伐採し焼かせた。

その場所にはハイエルフの神殿から拝借してきた謎の種を植えてみた。

芽が出たぐらいしか確認出来なかったが無事に生えたようだ。

僅か3日で生える方が異常と言えば異常なんだけどね。


小袋に入れられて大切にしてあったから種籾かな?と勝手に思ってるんだけど

ほのかに神聖さを感じるので悪い物じゃないとは思うけどね。

食べれる実がなると良いなぁ。


最初は族長含めた人達が片言でアース語やオーク語等を話せたので

物凄く会話に手間取ったが何とか言語を覚えれた。


ピローン


> スキル≪言語(ネズミ語)≫を手に入れました。


ラッドノイドってネズミ・・・なの?

等身大で2足歩行で話せて顔部分に毛が無いネズミ・・・・・。


・・・・いかんいかん。

日本の関東エリアにいる大きな猿に近いネズミ型を思い出したが

きっと気のせいだろう。

うんうん、きっとそうだ。


最終的には神の使いとまで崇められたが

無事に村を出発する事が出来た。


食料や独自の薬なんかを沢山くれたので

魔物素材と盗賊なんかから入手した武器防具をあげたら

更に拝められた。


絶対にまた来いよと何回も言われたので

機会があればまた訪れたいな。



それにしてもミックスという事については何も

触れられなかったな。

なんでだろう。

鼻とか感覚が鈍い種族なのかな?

そんな感じじゃなさそうだったけど・・・・。





谷を越えてリザードマンの大群に囲まれた時は

危なかったがエレアスの無双で何とか切り抜けた。



農耕地帯では食料泥棒に間違われた上に捉えられた

ものの正義の味方の登場により事なきを得たり。



何故かウッディドラゴンが俺達の上空を舞って

こちらを見ていたり。



密輸商人を見つけたので撲滅しホクホクしてみたり。



混血が集まってひっそりと生活している村で

盛大な焼肉パーリーをしてみたり。



何故か遠くからウッディドラゴンに

監視されてみたり。



戦って食って。

喰って吸って。

まぁ色々とあったわけだ。



7ヶ月が過ぎた位で無事にグリフェリアを抜ける手前まで来る事が出来た。

俺達6人は戦い続けたおかげで皆、強くなり心身共に成長した。


・・・・・俺が成長したんだからアリスも強くなってるはずだ。

今なら芋虫なぞ足元にも及ばない程になっているはず・・・・多分。


ダンザムさんが作ってくれた武器防具も少々痛んできているが

これが無ければ無事に抜けれたかはわからない。

装備品を更新しておいて本当に良かった。





それから数日後、シューリズの端まで目と鼻の先まで来た所だ。

やっとグリフェリアを抜けれると思った矢先に俺はピンチに陥っていた。





周囲にはキッチリと鎧を着こんだ軍隊が囲み

こちらに槍を向けている。



そこから一段と煌びやかな鎧に身を包み

白馬に乗った騎士と思われる者が悠々と1歩前に出る。




「私は聖神教会所属の聖騎士団"鳳凰の翼"所属の

 レイムール・アドニスである

 

 貴公らを拘束する

 大人しくしていろ」







俺は聖神教会の聖騎士団に捕まった。



ついに聖神教会に接触しました(されました)。


一気に話が動けばいいなと思ってます。

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