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2-26

基本的には12時か18時の更新を心がけていますが

更新が不定期になってしまい申し訳ないです。


企業した森山実留です。

最近は料理人の道を歩むかと思ったのですが

何故か蒸留所の経営に一枚噛む事になりました。

何もしなくても収入があります。

憧れの権利収入です。

フハハハハ、金は正義だよチミ。


うちは食費が掛るので本当にありがたいっす!!








「ブタ子・・・・本当に・・・ブタ子か?」


俺が覚えてるよりも少し大人びた雰囲気を出し

顔は・・・わからん。

ブタのままだ・・・・少し凛々しくなった感じはあるな。

あれから3年以上経ってるしな。


「本当にブタ子なんだな・・・・・」


俺はブタ子に歩み寄り肩に手を置く。



パシっ。


手を叩かれる。



「申し訳ありませんが初対面の方に

 そこまで馴れ馴れしくされるつもりはありませんので・・・」


「え?」


俺が呆気に取られていると。

アリスが飛んできた。


「ブタ子さ~~~~~ん」


「アリスさんっ!」


妖精はブタ子の顔面にガシっとしがみつく。

ブタ子も懐かしさに顔が破顔している。

感動の再開だろう。


あれ?俺は?


「アリスさん一体どうしたんですか?

 3年前に急に居なくなってしまって?

 私、探したんですよっ!

 それに・・・ミノルさん・・・ミノルさんはどうしたんですか?

 一緒じゃないんですか?」


「実留さんなら居るじゃないですか

 ホラそこに」


「え?・・・・どこです・・・?」


「「「「?」」」」


その場にいる全員がブタ野郎は何言ってんだ?

と言いたい様な顔をしてる。


そこで俺は気が付いた。

全然気にしてなかったけど

ブタ子の知ってる俺って犬じゃね?


これは困った。

転生の件はあまり言わない方が良いと思う。


こっそりとアリスと通信する。


『アリス、ブタ子を外に連れ出してくれ

 ここで説明すると皆に転生の件を話すことになる

 流石にシャイさん、ダンザムさん、ラルベさん辺りには

 バレると色々と面倒だ』


『つまりウイスキー製造の利権に影響が出る可能性が

 あるから秘密にしておきたいという事ですね』


『フフフ、アリス君もわかっているじゃないか』


『フフフ、実留さんこそ』


『『フフフフフ』』




「いやー、何かブタ子が勘違いしてるみたいです

 会うのは3年以上ぶりだしな~

 ちょっと説明してきますんで

 皆さんは先に始めててください」


アリスがブタ子を呼び出してもらい

俺も白々しい言い訳を言いながら追いかける。


宿の裏に呼び出してもらい

目が届かない場所を選び更に魔法で声を遮断する。



「驚かないで聞いてもらいたい

 俺が実留だ

 前にブタ子と会った時は犬だったが

 今はこんな感じだ」


「え?ミノルさん・・・・なんですか・・・?」


「ああ、信じてほしい

 人間から犬に転生して妹を探していた実留だ

 俺の魔法の師匠はブタ子だし

 そもそもブタ子の名前を付けたのは俺じゃないか」


「本当に・・・・ミノルさん?」


「あぁ、信じて欲しい

 冒険者紛いに襲われて助けたのは俺だし

 アリスのメニュー一気注文を止めたのも俺じゃないか」


「ミノルさんっ!!」


急にブタ子が抱きついてくる。

意外に柔らかさを感じるボディに何かを感じないでもないが

目の前には涙と何かの液体でビチョビチョにした

子豚の顔があるだけだ。


うん、間違いなくブタ子だ。


あまりにも嬉しかったのかブタ子は全力で抱きついてくる。


うんうん、感動しているのは分ったけど

もう少し力を抜いてくれないかな?


「ミノルさんっ!探したんですよ!

 すっごくすっごく探したんです」


感動的な台詞とは裏腹に

ギリギリと万力の如く締め付けてくるブタ子。


俺は咄嗟に魔力で身体能力を向上させるが

それでもなおブタ子の怪力を俺を上回るようだ。


体がギシギシと悲鳴をあげてくる。

魔力も筋力も全力で対抗しないと危険領域に入っている為

声を出す余裕すらない。



・・・・ヤバイ・・・意識が・・・・もう・・・駄目・・・か・・・も・・・。



「ブタ子さん!ブタ子さん!

 実留さんが!実留さんが死んじゃいます」


「ハッ、すみません

 会えると思ってなかったので感動しちゃって」


「ブハァ、ハァハァハァハァ

 

 いい・・・んだ・・・・


 ハァハァハァ


 あら・・・ため・・・ま・・・して・・・・ブタ子」


「はい、お久しぶりです」



やっと理解してくれたブタ子には

二度目の転生についてざっと説明した。

詳細は今日の夜にでも話す事になって

とりあえず会に戻る。




「いや~、お待たせしました

 勘違いも無事に説けたようです


 じゃぁ作りますよ~!」


「おう、早く作ってくれ

 何かミノルが揚げた方がうめーんだ」


「やはりミノル様のが一番です」


「おねーちゃん早く~」


ダンザムさんに続きキリルとリースも催促してくる。

こいつらどんだけ食う気だよ。


俺の代わりに料理していたシャイさんが

悲しい顔しているだろうが!

お前らもう少し空気読めよ!

特にキリル、お前がブタ子を連れてきたから

こんな状況になってるんだからね。




場の空気を変えようとガンガン揚げだす。

作っておいた野菜たちも全て並べる。

ソースやマヨネーズ、タルタルなんかもだ。


食いしん坊3人組は何時ものペースで食べだす。

ダンザムさんもエール片手に食べる食べる。


ラルベさんとモロンさんはマイペースに

食べては飲みを楽しんでいる。

うんうん、普通はこうだよね。


ダンザムさんはソースとタルタルとマヨネーズに興味があるようで

色々と組み合わせてみたりダリアさんと相談したりしてる。

宿の料理に取り込みたいのかな?


リムちゃんはエレアスさんと談笑しながらだ。

最近は食いしん坊キャラになりつつあるが

今日は自重してるようだ。

食べっぷりはいつもより大人しいが食べる事は止めない。


ブタ子は始めて食べる揚げ物に感動しているのか

モクモクと食べ続けている。

笑顔が良いね・・・ブタだけど。


俺も作りながら食べる。

ソースはもう少し酸味と辛味があるといいなぁ。

辛子とかあれば良いんだけど。

後はマスタードか?




「ミノル君、このソースとかはどうやって作るんだい?

 揚げ物にとても合うのだが」


「そうそう、このタルタルソースってのも良いね

 白身にはソースも良いけどこっちが私は好きね

 それにこのマヨネーズってのは良いね

 そのまま野菜に付けても良いし混ぜても美味しいわ」


シャイさんとダリアさんは気にいってくれたようだ。


「ええ、これも宿で使ってください

 今回のは黒鍋を使いましたが時間を掛けて熟成させれば

 同様の物が出来るはずです

 サンプルに残りとレシピをお渡ししますよ」


「本当かい?

 それは有り難いな

 これも宿の名物になりそうだな」


「ええ、本当にミノルちゃんには助けてもらってばかりで

 期待に応えられるように頑張らなきゃね」


「はは、そんなに大した事じゃないですよ

 それに・・・・今日の分が残るかはわかりませんしね・・・」


他のテーブルでは争うように食べている獣たちが居る。

もう恐ろしいレベルで食べている食いしん坊3人衆だ。


キリルはナイフとフォークを使っているが

既に切ってないで突いて使っている。

両手にフォーク状態だ。

あれナイフじゃなくて良くね。


リースはフォークを使いながら食べているが

口一杯にいれている。

もう入らないから!それ以上は入らないから!

無理して詰めないでリースさん。

喉に詰まっちゃうから!


アリス・・・・はまぁ良いか。

うんうん、食いなさい。


ダンザムさん、ラルベさん、モロンさんが

ウイスキーに突入してる。

ダンザムさんは豪快に。

モロンさんは淡々と。

それでも二人の飲むペースは半端なく早い上に量も多い。

間に挟まれているラルベさんの顔が真っ赤だ。

無理して付き合わなくても良いのに。

少し冷風を作り当ててあげよう。


エレアスさんもマイペースに食べている。

・・・・が量が尋常じゃない。

あれ?この人も?

おかしい・・・その体の何処にそんなに入るんだ・・・。

思えは開始からずっと食べ続けてるぞ。

だ・・・大丈夫なのかな?



ブタ子もリムちゃんもモリモリと食べているので

揚げ物はあっという間に無くなった。


「もう揚げ物終わったよ~」


「「「えぇぇぇ~」」」


皆からの非難を受け

俺は料理を作り続ける事になった。


こうなったら大盤振る舞いだ。

迷宮魔物素材もバンバン出して

手間が掛らない料理を作って行く。


ステーキ、炒め物、スープ、煮物等々。

黒鍋君があって本当に良かったよ。

普通に料理しようと思えば変わらないんだけど

急ぎだ!とか時間が無い!って意識すると

何故かすぐに出来る。

俺の持ち物でこいつが一番の謎アイテムだよね。

使用頻度もかなり高いし。

冒険者には必需品ですよ、いやマジで。


ラバリオに会う事があったら何個か作って貰おう。

大きさも幾つか欲しいしなぁ。

鉄板や網も欲しいな。

寧ろあの迷宮に戻ってでも作って欲しいわ。

正確な場所は覚えてないけどね。





食事も落ち着いた所で簡単なツマミを

用意してから部屋を出て食堂に行く。

シャイさんとダリアさんは明日の準備に厨房へ。

酒飲み共はそのまま飲み続けてる。

リースが眠そうなのでキリルに任せた。

リムちゃんとエレアスは話しっぱなしだ。


俺とアリスとブタ子は食堂の片隅で

今迄の事を説明する。


「神様に再転生ですか・・・・・

 ミノルさんが寵愛を受けているのは

 相当高位の神様なんですね」


「あぁ、それで実里なんだが

 なんか情報しらないか?」


「3年前の成人の儀で襲われたと聞きましたが

 詳細な情報は公開されなかったんです

 聖神教会からの発表もありませんでしたし

 それに・・・・」


ブタ子は何かを言おうとしたが言いよどんだ。

何か嫌な感じがする。

うなじがピリピリする感じだ。


「それに?」


「噂です

 あくまでも噂ですよ



 王女は死んだという話です」




「し・・・ん・・・・だ?」




な、なんだってー。




俺はブタ子の肩をガックンガックン揺すりながら

悲鳴を上げた。







やっと物語が動き出します。

実里ちゃん死んじゃいましたかね?

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