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2-24

更新が遅くなりました。

申し訳ないです。

いつも御贔屓にありがとうございます。

新緑の稲穂亭の主人であるシャイです。

あれ?当店の名前を御存知ないですか?

それでは今後とも御贔屓に宜しくお願いします。

当店の売りは冷えたエールと魅惑の料理、そしてウイスキーになります。

是非とも他店では味わえない魅力をお楽しみください。


え?普通に宿紹介ですよ?









翌朝、俺達はダンザムさんの工房に行くと

机の上には装備品が並べられていた。

基本的には元々の装備品の品質が良かった為

それらをグレードアップした感じになっている。


「おう、今回は相当の自信作だ

 これ以上のモンは中々御目に掛れないはずだ

 この国ではこれ以上の物を作れるやつはおうは居ないはずだ」


「「「ありがとうございます」」」


見た感じで凄い物だとわかる。

こう漂う品格というかオーラと言うかが半端ない。


「まぁ、迷宮品や神が作ったモンに比べたり

 上等な魔物素材があったら負けるがな」


ガッハッハと笑いながら酒を煽る。

もう仕事は終わったという事だろう。

微調整するんじゃないのか・・・?


「サクッと説明するぞ」


ダンザムさんは本当にサクっと説明した。

それぞれの特徴に合わせた装備品となっていた。


俺は近距離~中距離での戦闘に適した物にする為

武器はそのまま短槍とした。

名を≪霊斬短槍・D≫


強度と切れ味が飛躍的に上がっている。

これは魔銀鋼と言われる魔力を通しやすく

切れ味と強度があがる特殊な金属だ。

これを穂先から柄の芯、更に石突までも全面的に使った。

もちろん素材に元々の刃や石突きも加えているので更に質は向上している。

迷宮品である武器を更に己の魔力を纏わせる事が出来るようになった。


防具は防御力を向上しつつ素早さを上昇させるような

付加をつけてもらった。

頭から足先まで一式の装備品となっている。

≪マテリアルアーマー・D≫という名前だ。


基本ベースはハイエルフの装備品を元にした。

しかも例の族長と共に名前がわからないいけ好かない奴のだ。

装備品は上等な物だったので快く使ってあげようじゃないか、うんうん。


軽さを重視しているので金属類は元々使われていなかった。

魔獣の皮がベース素材なのでそこに迷宮の黒蜥蜴竜を裏地に使い

マリラスネークを表面に使う。

更にクロワイア素材を要所にプロテクターとして装備。

オマケに魔銀鋼で補強と魔力伝導性を兼ねた作りだ。


裏地、ベース素材、表面の三重構造にした上に

それぞれの間に物理防御向上、魔法防御向上、身体能力向上を付加加工をしている。

そこに付け加え俺は敏捷性向上を付け加えている。

発動コストを自分の魔力としているのでそこまでの付加を可能と出来た。

魔力を持たない者には普通よりも(かなり)性能の良い防具程度だ。


盾は≪黒蜥蜴竜鱗盾≫をベースにした≪黒龍盾・D≫となった。

左手に固定するようにし大きさはそこまで大きくない。

ダンザムさんの手持ち素材から黒炎龍という物を使ったらしい。

物理と魔法共に防御力は飛躍的に上がっている。

もちろん魔銀鋼は組込済だ。



キリルは接近戦で防御を主体とし攻撃に転嫁できるように

武器防具を兼ねた盾にした。


右手と左手に盾を装備してる。

右手が≪黒竜牙・D≫。

左手が≪リフレクターシールド・D≫。


左手の方は体の半分程度を隠すヒーターシールド。

こいつの特徴は対衝撃性能と攻撃反射だ。

つまりカウンターに長けている盾だ。

防御には大幅に補正が掛るキリルの防御力をそのまま攻撃に転嫁出来るって訳だ。


右手は大き目の小手と言えるような形だ。

これには攻撃反射は無いが≪巨大毒牙≫を使っているので攻撃力は高い。

キリルのしょぼい攻撃でも当たればダメージを掠れば毒を。

持久戦に向いた攻撃と防御を兼ねた盾だ。


鎧は俺と同じ作りだ。

但しこちらは4重構造になっている。

≪マテリアルレッドカウアーマー・D≫。

キリルの熱烈な要望によりベース素材にレッドカウを追加した。

敏捷性よりも防御力向上と衝撃吸収に重点を置いている。

ダンザムさん曰く性能的にあまり意味は無いが赤みが渋いらしい。


全体的にキリルの防御力向上は俺のよりも効率は低い。

自分の魔力が低いので発動コストを維持するには厳しいからだ

≪魔核水晶≫を組み込んでいて解消している。

それでも防御だけであれば加護補正が入るので

俺よりも相当強固だ。



リースは中距離~遠距離を主体とした攻撃重視に。

今迄はハイエルフが使っていた杖だ。

ショートロッドと言えどもリースには長すぎたようで

取り回しが大変そうだ。

新しくなった杖は≪ダンダムロッド≫・・・・・。


ちなみに何故かリースはダンザムさんに懐いた。

分ってると思うが"・D"はダンザムの略だ。

リースの杖はまんまなのは依怙贔屓なんだろうか・・・・。


とりあえず見た目が明らかに違う。

とても細かい装飾が全体に入っており綺麗だ。

ロッドに使用している宝石類も色々と使用されている。


・・・・・露骨じゃね?


性能としては完全にリース向けになっている。

まだまだ成長途中のリースの魔法威力増幅と制御力向上がメインだ。

幾つかの封印が施してあり段階的に能力を開放する事ができる。

逆に封印しないとロッドの強化率が高すぎて制御できない事になるからだ。

どんだけ気合入れてんだって話だ。

これにも≪魔核水晶≫が使われている。


防具は体が成長していないので負担が掛からないようにローブのみだ。

これは魔法防御と対衝撃性を持たせているが物理防御はあまり無い。

その代わりに風と水の防御結界を組み込んであるので

リースの魔力次第で相当な防御は発揮できる。

そしてこれにも≪魔核水晶≫が組み込まれている。


・・・・・露骨じゃね?



そしてなんとアリスも武器が手に入った。

サイズ的に防具は作れなかったそうだ。

かなり小さいけどデザインは美麗な片手剣。

名を≪妖精の鋼飛龍剣・D≫。


全体を鋼岩飛龍という激しく硬度がある魔物の

額から生えている角から削りだして角の残りと魔銀鋼を混ぜて刃を作った。

柄と鞘はベルベットリッドという魔物の革で作り手触りと握りやすさを追求した。

そして柄の根元には宝石が入っていて電気を帯びさせる事が可能。


サイズが小さいくせに俺の武器よりも素材費が高いらしい。

まぁそれぐらいしか作れる量が無かったからとは言っていたが。


これにはアリスも喜びダンザムさんの髭にまとわり付いていた。

ぶっきらぼうにしていたがダンザムさんは嬉しそうにしていた。



その後の調整と言っても締め付けの好みによる

細かいサイズ調整等をするだけで特に何もなかった。

何回も試したかのようにピッタリ体にフィットし動きやすく最高の防具を手に入れた。


後は外套をハイエルフが使っていた物を更に改良して

認識阻害効果を付加してくれた。

俺のはラバリオの外套に装飾品を付加して同等の効果を追加してくれた。

これハイエルフの弓も貫通できなかった優れものだしな。



装備品を受け取った後は装備の質を確かめに獲物を狩りに出た。

夜に宴会をやる事になったので食材の仕入れも兼ねてね。

ギルドで適当なクエを幾つか受けて近くの森に行く。




装備の効果は素晴らしかった。


まず外套の認識阻害はかなり使える。

かなりの距離を近づいても認識される事はなく接近できた。

野生動物や匂いに敏感な魔物には感ずかれやすいが

視覚や気配で探るタイプには結構有効だ。


俺の装備品は応用が色々と利く。

まず魔力の乗せ方次第で威力が変わる。

これは本当にピンキリで変わる。

素の状態でも石ぐらいなら切れる。

魔力を通すと岩も切れる。

更に込めれば鉄も切れる。

頑張れば魔法も纏える。

うん、便利。


防具も被弾していないが敏捷性の上昇率はかなり高く

回避もしやすくなり中距離からの攻撃に幅を持たせられた。


キリルは防御力が上がった事に加えてカウンター攻撃が

出来る様になったのが大きい。

大型の魔物が突進してきても余裕で受け止めた上に

衝撃は相手に反射される。


グシャっとね。


もう相手の威力が高ければ高いほど良い感じだ。

魔法の反射率は物理よりは効率が低いが

攻撃の手段としては良い手だろう。


相変わらずの攻撃の鈍さで右腕は有効活用できていないが

カウンター中にチクチク刺すと馬鹿に出来ないレベルの毒ダメージが通る。


リースはなんと言うか鬼だ。

長距離からの魔法攻撃は威力と精度共に向上した。

未だ接近を許しては無いので少しの不安が残るが

実験では水と風、そして複合の結界は無事に発動した。

遠距離戦での殲滅力はかなりのモノがある。


役割分担毎の特性を更に強化する事が出来たので

狩りは以前に比べても格段に効率が上がった。


そうそうアリスも何と単独で狩りをする事に成功した。

相手は芋虫君だ。

いやいや、芋虫と侮るなかれ!

こいつは成長すると幻惑蛾と言う脅威度が高い魔物なんだ。

対象物に鱗粉を吸わせて幻覚を見せて快楽を与え

その隙に麻痺毒を打ち込み生きたまま餌とする。

そんなエグイ攻撃をする体長が1m程度の蛾だ。


そんな魔物の芋虫とアリスは戦い勝利を収めた。

これは凄い事だと思う。



芋虫を発見したアリスは剣を抜き上空に舞い上がる。

対象の知覚外から強襲するようだ。


「食らいなさい!芋虫さんよ!


 鋼飛龍剣よ我が魔力を糧とし対象を滅せっ!


 キエェェェェェェ」


そんな事を口走りつつも急降下をする。

攻撃方法は刺突ではなく擦違い様の切り込だ。


「アリススラァァァァァァッシュッ!」


ボクン。


アリスの剣は芋虫君の外皮を切り裂くことは出来ず

打撃を与えただけのようだ。


「ぬおぉ!硬いっ!

 まだぁ!まだぁ!」


斬撃は効果が薄いと判断したのか

連続で突きを繰り出す。


プスプス。


そんな音をさせて確実にアリスの剣先は芋虫に刺さりだす。


「ピィィィィ」


芋虫側も脅威を感じたのか

身を捩り突撃し噛付いてくる。


アリスは回避し攻撃を繰り返す。


「アリス斬っ!」


アリススラッシュと何が違うんだ?

斬撃はあまり効いてないぞ。


「アリス百裂突きぃぃぃぃ」


何秒間に百回とか突く技か?

秒間で2回位だぞ。

あっ、18回位で諦めた。


「アリススラァァァシュッ!」


だから斬撃は駄目だって。

それにアリス斬と・・・・略。



アリスの攻撃がジワジワと効いているが

芋虫の攻撃を全て避けきれているわけではない。

五分五分の戦いとみて良いだろう。



「ハァハァ、やりますね

 流石は私のライバル」


何時の間にやら芋虫がライバルになったようだ。


「しかしこの技で終わりです

 

 鋼飛龍剣よ我が魔力を全て託す

 我に力を与えよっ!


 食らうがいいっ!


 アリスアタァァァァァックッ!!」



アリスは剣を頭上に構え自分自らを錐もみ状態にし

突撃していく。

自身を1本の矢として全てを突撃力とする技だ。


寸分違わず芋虫の頭部分に真正面から剣先が入り込み

そのままの勢いで深く深く突き刺さって行く。

アリスの体が半分ほどめり込んだところで止まった。

そして同時に芋虫も動かなくなった。


そう!ついに!


アリスが単独で魔物を狩る事が出来たのだ!



その時に視界の隅に動く物を発見する。


芋虫だ!

もう一匹居やがった。


アリスはめり込んだまま動けない。

このままじゃアリスが。

俺はアリスの初勝利に水を差すかもしれないが

守るために一歩前に出る。





「うぉぉぉぉぉぉぉぉ」





えい。




ブチュ。





「ふぅ」





芋虫は俺の靴裏でペチャンコになった。


え?芋虫?


少し大きい20cm位の普通の芋虫ですが?






その後、アリスを引きずりだすと

体液が気持ち悪かったみたいで

ゲロゲロと吐き出していた。


「実留ざん・・・ぎぼじわるいでず・・・・・」


俺は無言で魔法でぬるま湯を出して頭から洗ってあげた。





ちなみに鋼飛龍剣は俺が摘まんで試しに切ってみたら

クロワイアの外皮はサクサク切れた。


これで何で芋虫が切れねーんだよ・・・・。






狩りの後に冒険者ギルドで報告をし

帰り支度をしているとモロンさんが話掛けてくる。


「ふぉふぉふぉ、ミノル殿はフィラルドに向かうんじゃったな?」


「はい、路銀も装備も揃ったので近日中に旅立とうと思います」


「そうか・・・そりゃ困ったのう」


「どうかしたんですか?」


「どうも戦争が始まったそうじゃ」


「リードリスですか?

 それともシューリズ?」


「いや両方じゃな

 オックローンに両国が同時に攻め入ったそうじゃ」


「え・・・・それだと・・・・」


「そうじゃな、陸路も海路も事実上の閉鎖じゃ」


「な、なんだってー」







隣国が戦争状態に突入。

陸路と海路は閉鎖。

さて、どうしたもんか・・・・。






装備品がレベルアップしました。

元にした装備が良かったので高品質になりましたが

1から作るとなると相当に値段が張ります。


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