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2-16

明日は更新できそうもありません。


少しは強くなったのか?と疑問に思う森山実留です。

迷宮を出てからまともにガチバトルをしたことがありません。

むしろ戦闘よりも料理が多いです。

何故でしょう?誰かの作為を感じます。

そう料理人への道を歩まされているような・・・・はて?






リースを送り届ける。

それが俺が設定した最初の目標だ。

母親は亡くなっているが父親は不明だ。

なんとなく怪しい気もするが考えても仕方がない。


「リース、自分が居た村の場所はわかるかい?」


「ん、あっちの方角・・・・ちょっとだけ感じる」


「リースさんは同族の気配が分るのですか?」


何とも律儀な事だがキリルは人の名前をさん付で呼ぶ。

一流の戦士は礼儀も必要なんだとか。

俺には様なのは仕えてる証らしい。



「ん、ハイエルフは特別」


「えっ、リースさんてハイエルフなんですか!」


「ハイエルフって特別なのか?」


「ミノル様、ハイエルフとは森を守護する立場の者達です

 エルフは森に住まう民、ハイエルフは森を守る民です」


「よくわからんが何か強そうだな」


「滅多に社会に出てくる事はありませんので

 詳しい情報はありませんが

 エルフよりも魔法や秘術に詳しい種族だそうです

 多分ですがリースさんが同族の気配を感じるのも

 そういった術の一つだと思います」


「なるほどなぁ

 リース、距離はどれくらいだ?」


リースは少し遠い目をし指した方向を見つめるも

顔を左右にふった。


「そこまでは・・・わからない・・・・」


「ちょとだけ感じるという事は

 距離も遠いって事か

 アリス上空からは何か見えるかい?」


「ちょっとお待ちを・・・・・


 えーと、リースちゃんが指した方向には

 高台がありますね

 でも結構距離があります」


「ふむ、高台ね

 とりあえず気配を頼りに向かってみて

 その都度確認するしかないな


 そんな感じで良いかな、リース?」


「うん」



色々と不安はあるが当面の目的もないから丁度良いだろう。

リースもこのまま連れて行くわけにもいかないしな。

母親と父親が村を出る理由ってのが気になるけど・・・・。


とりあえず旅立つ前に準備をしようと思う。

リースは体のサイズが小さすぎる為

仕えそうなものが何もない。

オークの保存室にあった厚手の布を

簡易マントにして羽織らせた。


問題はキリルだ。

一応冒険者で職業も持っている。

が、装備品がまるで無い。

そこで何か使えるかとアイテムボックスを漁ると

何か見た目が少し赤い革鎧を見つけた。

サイズ的にも丁度いいかな。

≪レッドカウアーマー≫と言う名前のようだ。

キリルに渡す。


「ミノル様、これをどこで?」


「あぁ、オークの洞窟で見つけたんだ」


「そうだったのですが

 これは・・・・自分の大切にしていた鎧なんです」


「そうなのか?

 多分、捕獲された時に脱がされたんだろうな」




キリルが語った内容とは

冒険者になりたての頃にとある仕事を片付けて

少し纏まった金が手に入った。

そこで防具を新調しに防具屋に行った所、この鎧を見つけた。

防具屋曰くこの辺りでは珍しい素材で作られている掘り出し物。

初心者を応援したい店長の計らいで通常の革鎧よりも

少し高めの値段程度で売ってくれる事になった。

サイズ調整もサービスしてくれたし色も気に入った。

キリルは喜んで購入し大事に手入れをしながら使っていた。


「自分の冒険者としての想いが込められてるんです!」


そう熱く語る。


・・・・・レッドカウって以前に俺がボラ村で食ったやつだよな?

そんなにレア素材か?


≪鑑定≫してみると・・・・品質は普通。

性能もそこいらの革鎧と大差なし。

色が少し赤み掛ってるのが特徴か。


自分が見た限りではレッドカウの皮はあまり防具としては流通していない。

わざわざ加工するほど性能が優れてるわけじゃないからだと記憶している。

あ、でも軽い防水効果はあった気がするな。



うんうん、キリル。

軽くボラレちゃったね。

でも見た目は赤がカッコいいぞ!


可哀想なのでクロワイアの外皮を要所に

巨大猪の皮を首元と内側に取り付けてあげてた。


「ミノル様が手を入れてくれた鎧は一生大事に使い続けます」


キリルは軽く半泣きになる勢いで感動していた。


「うん、機会があったら良い防具に取り換えような」


「いいえ、自分にはこれで十分です」


満足そうな顔をしてるから良いとしよう。

少なくとも普通の革鎧かは防御力はかなり上がってるハズだ。


「武器はどうする?」


「自分は盾戦士なので出来れば

 大型盾があれば良いのですが」


「それじゃ、コレとコレを使っといて」


≪百足剛棒≫と≪黒蜥蜴竜鱗盾≫を渡す。

他にもオークから頂いてきた武器や防具は色々とあるが

こいつらを上回る装備品は無かった。

どうせなら良い奴を使った方が良いし大量にあるから

勿体なくもない。


「こっこんな良いものを頂いても宜しいので?」


「あー、うん大量にあるから良いぞ」


またも感動しているが放っておこう。

他にも使えそうなブーツ、小手、グローブ何かも渡しておいた、

多少、サイズは合わないが仕方ないだろう。


キリルに釘バットを使わせるので

俺は短槍を使う事にする。


リースは魔法が使えるようだ。

まだ幼い為、魔力がそこまで多くはないが

制御に関しては自信があるそうだ。

旅の間に教えてもらう事にした。


そろそろ魔法中級を覚えたい・・・・・。



リースが指した方角には高台がある。

そこには大きな滝が見えたので当面はそこを目的地に進むことした。

最初に魚をとった川の上流だ。







「キリル、右から来るぞ!」


「ミノル様、リースさん、下がって!」


俺達はまたも猪に襲われていた。


昼食に魚を食べたいと言うので

少し空いている場所で焼いてたら

案の定、現れやがった。


こいつらは匂いで寄って来るのか?


アリスが周囲を警戒し俺も付近を検索するが

感知できたのは1匹だけ。


キリルの実力拝見だ。


茂みから飛び出してきた猪は

一目さんに目の前のキリルに突撃していく。

この前の奴ほどは大きくはないが巨大だ。


「こっちだぁ!」


キリルは≪挑発≫を使ってさらに注意を引く。

盾を構え真正面から受け止める気だ。


「おい、流石に無理だろっ!」


止める間もなく猪とキリルは激突する。



ガズン。



鈍い音と共に正面衝突する。

キリルは吹き飛ばされるかと思いきや

後ずさりしたものの無事に受け切っていた。


「嘘だろ・・・・明らかに質量差があるじゃねぇか・・・・」


あの質量を止めれるなんて力が凄いのか?

キリルはそのまま釘バットを叩きつける。


ポク。


猪はビクともしない。

むしろ尖った部分さえ殆ど刺さってない。

えー、どーゆうこと?!


その後もキリルは受け止めて叩きを繰り返すが

圧倒的に攻撃力が足りない。

そして何故か回避はせずに受け止めるだけだ。

双方共にダメージは無いがキリルのスタミナが問題だ。



そろそろ助け舟を出すか・・・・それに盾職としては

すこぶる優秀なのが実証出来たしな。


短槍を握りしめ踏み出す。



その時に隣から声が上がる。

リースの声だ。



「△▲△▲△▲」



リースの手から雷の束が迸り

猪に胴体に着弾する。


何かが弾ける音と共に肉が焼けた臭いが漂う。



猪の後ろ半分が消滅していた。



リースさんマジパネっす。

ラバリオさん元気ですか?




猪は即死だったので上半身は収納しておいた。

キリルのスタミナが限界だったので

休憩を兼ねて昼食を再開する。


折角なんで猪鍋にしよう。

キリルに野菜的な物を取ってきてもらう。

その間に肉を準備だ。


猪を解体し喉、胸、肩、腕と部分に切り分けていく。

それぞれを適当な厚さにスライスする。

結構な量を用意した。


キリルが持って帰ってきたのは

ネギのような野菜と何かの根菜だ。

見た目はジャガイモに近いけど何だろう?


出汁を取る物がないので

ウナギに似たニョロニョロした奴を取り出し捌いた。

骨をリースに渡して乾燥してもらった

魔法って便利。


乾燥した骨と根菜と香草をぶち込み下味を作る。

味が出たら骨は取り出して猪肉と野菜を入れる。

肉が煮えたら完成だ。


「おいし~~~」


「ん、美味しい」


「美味しいです」


またしてもガツガツと食べる三人。

今回は鍋だから肉を追加して行けば俺も食べれる。


猪の肉はあっさっりとして上品な油が出る。

クドくないのに野性味が溢れている肉と相まって非常に美味い。

サラサラとした油と噛み応えはあるのに筋っぽくはない肉。

非常に美味い!


四人で争うように肉を食べる。


リース、エルフってのは肉食なのか?肉ばっかり食べるんじゃない!

キリル、俺に仕えるなら少しは遠慮しろ!俺の前にある肉を取るな!

アリス、その肉はお前の体より大き・・・・いや良いや。


「「「ごちそうさまでした」」」


全員が満足するまで食べたら先程の猪が消えた。

上半身だけって言ってもどんだけあると思ってんだよ・・・・。

おかしい。

色々とおかしい。



食後にキリルに先程の戦闘の疑問を聞いてみる。

あの質量を止めれるのは変じゃないかと。


「自分は盾の神であるブルス様から加護を受けているんです」


「盾の神の加護?」


「はい、盾を使った防御時に色々と補正があります

 衝撃軽減と筋力向上等でしょうか」


「なるほど、防御時だけだから攻撃は補正が

 無いからそうでもなかったんだな」


「その通りです、流石はミノル様」


「防御って事は回避も駄目なのか?」


「はい、あくまでも防御のみなので回避も同じです

 自分の場合は下手に回避するよりは受け止めた方が安全なのです」


なるほどね。

それにしても盾の神とかもいんのかよ。

どんだけ細かいんだ。

爪楊枝の神とかもいんじゃねーのか・・・・。






その後も順調に移動は進んだ。

偶に魔物や野生動物に襲われるも

キリルが受け止めて俺とリースで仕留めていった。

近距離がキリル。

近距離~中距離が俺。

中距離~遠距離がリース。

なかなかバランスが取れている。



リースに魔法を教わるのも忘れてはいない。


結構、魔法は使っているんだけど

初級から先に進めないのは何故だ?

そんな疑問にリースはあっさりと答えてくれた。


「最初はそのまま使うの

 次は変えたり組み合わせるの

 そしてそれを世界に伝えるの」



ぜっっっっっっっんぜんわからん。

何言ってんのこの子?

あれか感覚タイプなの?

何となくで使うような感じ?

あれだよねー、感覚タイプは先生に向かないよね。







・・・・・すみません!

ちゃんと詳しく時間を掛けて聞いてみたら

凄い分かり易かったです。



リース先生の教えは以下のようになる。


・初級

火、風、水、土の元素をそのまま使う。


・中級

元素の状態を変化をさせる。

元素を組み合わせる。


・上級

世界の理を変化させる。



初級の説明はそのままでいいだろう。


中級の簡単な例をあげてみよう。


・状態の変化

水 → 氷

土 → 岩


・組合せ

風 + 水 = 雷

火 + 土 = 溶岩


こんな感じになる。

イメージで行けば火と風で

炎嵐ファイヤーストームとか出来る。

攻撃魔法としては中級で一気に出来る事が増える。

寧ろ攻撃魔法の殆どは中級で可能だ。


上級は中級の発展と言うか特殊だ。

木を成長させたり鉱石を作ったり等の自然現象を操作する。

これは相性というかセンスが必要なランクで

魔法を使い続けても辿り着けるのは僅かなんだそうだ。


この世界では魔法の区分けは出来る事の難易度で

仕切ってるらしい。


リース先生の教えでそれぞれの属性を変化させ

組合せを試しつつ移動を続けた。


1週間程で滝に到達できた。

真下から見上げると途方もなく高い。

滝の落ち始めが見えない位だ。

この上に行く道はあるんだろうか?



「飛べば良い」


リースがそう言いだした。

どうも魔法で浮かび上がる事が出来るそうだ。

俗に言う浮遊レビテーションって奴か。



魔力の回復を兼ねて一晩寝て朝一で登る事にした。



もちろん夜のご飯は争奪戦になった。

料理は迷宮で食べたマリラスネーク煮込みだ。


やはり迷宮産は美味しいらしく

いつもよりも激しく争奪戦が繰り広げられたのは言うまでもないだろう。



 


翌朝、リースを中心に集まる。

ドキドキするぜ。


「△▲△▲△▲」


フワっと体が浮く感じがしたと思うと。

スゥ~っと上昇しだした。


最初は怖いと思ったものの

意外に揺れも無ければ不安感もない。

なんだろうねコレは。


上昇速度は歩く速度よりは少し早い程度だ。

フワフワと空の旅を楽しんだ。



崖を登りきると森の手前に更地があるので着地する。

ここは下に比べて明らかに魔力が濃いのが分る。

ビンビンに≪魔力感知≫に反応する。

ここは迷宮のような特殊な場所なのかもしれない。

聖地のような。


「リース、気配はわかるかい」


「ん、近くに居る」


「近く?」




シュカッ!


唐突に俺の外套に矢が突き刺さる。


「ミノル様!」


「実留さん」


「お姉ちゃん」


キリルが盾を構え俺の前に出る。


「大丈夫だ、貫通はしていない」


「お姉ちゃん、誰か来る・・・」



森から二人の人影が出てきた。


それはエルフだった。


・・・いや違うなあれはハイエルフだ。


ハイエルフは弓をこちらに構えて近寄りはしない。

そして問い掛ける。





「貴様らは何者だ?

 ここが聖地と知っての侵入者か?」








やっぱりここ聖地だったのね。


相変わらず話の進みが遅いですね。

申し訳ないです。


実留君、頑張るんだ。

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