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転生したら犬だった・・・。

意識と記憶があるだけ辛そうだなぁ。

ワンワン、森山実留だワン。

異世界に来たら犬になったワン。

ワンワンワンワンワンワンワンワン。

ワ・・・・ン・・ワ・・・。

ワゥオォォォォォォォン(悲)。








犬に転生し驚きのあまりパニックになった。

そのままの勢いで目の前のオチチから母乳をたらふく飲んだら

眠くなったのでひと眠りしたら落ち着いた。


って落ち着いてる場合じゃねぇ!

しかも何の疑問も抱かずに犬チチ吸ってんじゃねーよ!


まぁ、なんだ結構美味しかったんだよ・・・・。


とりあえず母犬のお腹に丸まりつつ状況を考える。

まずは落ち着こう。

現状確認をしようじゃないか。

えーと確か神システムだっけか。

どうすりゃ良いんだ。


神システムオープン。

頭の中で唱えてみる。


フォン。

爽快な音と共に目の前に半透明のディスプレイが浮かび上がる。

おお、すげーなこれ。

前足をかざしてもブレないし

目を閉じても消えないから

きっと頭の中に表示されてるんだろうな。

ちょっと怖いぞ。



何かピコピコと点滅するマークがあるな。

新着メール?

とりあえずクリックっぽい事を意識してみる。

おっ、なんか表示された。


> どもー神です

> 無事に転生できたかな?

> 色々と不明な事があると思うんだけど

> ナビゲーションアプリをプレゼントするから

> 使ってみてね

> PS・神システムは今後もバージョンアップしてくから

     期待してね


> ENJOY NEW LIFE!



うっわ~、最後の一文腹たつわぁ。

無事に転生って犬じゃねーかよ。

ってあれか実里も動物とかだったらどうすんだよ!

ヨチヨチ歩きの四足動物同士とか洒落になんねーぞ。


くそっ、焦るな俺。

自分の立ち位置を理解しなければ先には進めんぞ。

まずは何を出来るかを考えるんだ。


深呼吸しながらメールに添付されているアプリをクリックする。


> ナビゲーションアプリを起動します

> 初回は仮想空間内で起動します


フワフワと目の前に

手の平サイズ(人間のね!今は肉球だからね!)の

妖精がいる、そう妖精だね、まさしく妖精だね。

キラキラと表現した方が良いのだろうか?

良く物語で妖精が飛んだ後に光るアレをまき散らしながら飛んでいる。

もちろんこれも目を閉じても消えない。

怖いって。


「初めまして~

 私はナビゲーションアプリの妖精です

 よろしくお願いしますね」


 「おう、よろしく」


あっ、ちなみにこの会話は頭の中の声だ。

俺、今はワンとかしか言えねーからさ・・・・ワォーン(悲)。


「え~っと、妖精さんはどんな事が出来るの?」


「はい、私は神システムの一部ではありますが

 自立した人格を持った存在です

 ヘルプ機能や色々と検索出来たりが主な機能です

 基本はお助け機能なので直接の戦闘能力はありません

 頑張って戦闘補助ぐらいでしょうか。

 お助け機能とは言っても夜の生活を助けたりはちょっと・・・・」


「いやいやいやいやいや、ちょっと最後の方は何言っちゃってるの」


「まぁどうしてもと言うなら好感度を上げて頂いて・・・

 いやでも犬とかだと私もちょっと・・・

 そっちの方面は・・・・

 いやでも・・・」


「ちょいとまてーい!」


「はっ、はいなんでしょう?」


「さっきからさ何言ってんの?

 一人の世界に入られると悲しいだけど」


「すみません

 で?どこまで話しましたっけ?」


「妖精さんの機能についてかな

 ん~、なんか妖精さんって呼びにくいんだけど

 名前はなんて言うの?」


「特にありませんよ」


「そうなの?」


「何でしたら初期設定みたいな感じで

 名前つけて貰えないですか?」


俺が?名前を付けるの?

妖精かぁ、妖精ねぇ。


「ん~、ありきたりだけどアリスなんてどう?」


「なるほど、ありきたりですね

 ではアリスで登録しますね

 今後はアリスでお願いします」


「あのさ・・・いや・・・まだ出会ったばかりだけどさ

 こんな事言うのはアレだけどさ・・・」


「え・・・・あぁ!


 いや、そのなんと言うか

 まだ私も心の準備が・・・

 で・・・でも、どうしてもと言うなら・・・」


「何言ってるかわかんないんだけどさ

 アリスって言葉使いは丁寧だけど中身酷くね?」


「えぇ!あはは!

 勘違い?いやいや、そんな事ないですよ

 何言ってるんですか

 やだなぁ、もぉ~」


まるでおばちゃんかのごとく

手の平をピラピラと振りながら真っ赤な顔を

ぶんぶんふっているアリスを見ながら

流石はあの神が作っただけはあるなと

ガッカリ感がジワジワと湧き出してくるのを感じる。



「とりあえずさ名前が決まったところで

 神システムの説明を続けて」


「わかりました

 まずステータスと念じてみてください」


ステータス。


目の前にパラメーターが表示される。



名前:森山実留

性別:オス

種族:ワイルドドック

年齢:生後1日

職業:なし

称号:なし


≪スキル≫

捕食者



「捕食者って神様がくれたスキルかな?」


「そうですね、説明を表示しますか?

 自分で選択しても大丈夫です」


「最初だし頼むよ」



捕食者ユニークスキル


説明:食べるの美味しいよね。

   食べるの幸せだよね。


効果:ある程度の物なら美味しく食べれる。

   判断基準は神しだい(適当)。



「まあね、そりゃね

 物が美味しく食べれるってのは幸せだよ

 確かにこれは役に立つよ

 うん!絶対に役には立つね!

 でもさ・・・・何か違うよね・・・・

 捕食者って名前がさアレじゃん

 もっと強そうじゃん

 それが美味しく食べれるようになるってさ・・・・ガッカリだよ」


「でもお母さん犬の母乳が美味しく感じれたのはスキルのおかげですよ」


「そりゃそうなんだろうけどさ

 なんかこう効果が名前負けしてるよね

 あって困るようなものでもないけどさ」


「そうですそうです

 ご飯美味しいと幸せです」


確かに食は大事だな。

この異世界で今までの食事が出来るとも思えないし。

良く考えればこれは凄いスキルなんじゃないか!

そうだな、うんうん感謝しておこう。


「あとさ、よくゲームでは体力とか魔力とかの

 パラメーターが表示されたりするけど無いの?」


「はい、表示させすぎると面倒だからと実装しなかったそうです」


「もう何から何までガッカリだよ」


「今後に必要になれば実装するかもしれませんよ」


「現状で無い物は仕方がないけどね



 そういや犬に転生したんだけど

 なんで人間じゃないの?」


「はい、転生にはある程度の法則がありますが

 転生種族はランダムになります

 詳細を説明しますか?」


「いや、今更良いよ

 どうせ犬になっちゃったし

 なんか説明聞いても凄い後悔したら切ないし」


「ん?そうですか」


「あとさ犬になったけど体に違和感がないんだよね

 嫌悪感とかも感じないんだけどこれはなんで?」


「それは転生時の特典と言うか

 基本設定みたいなものだそうです

 軟体動物になったり見た目が気持ち悪い等だと

 精神的に耐えられない場合等もありますからね」



ピローン


> スキル≪種族変更耐性≫を手に入れました。


「・・・・これ絶対に後追いだよな?」


「・・・・何だか流石にごめんなさい」



新たに取得したスキルを表示してみる。



種族変更耐性ユニークスキル


説明:後追いじゃないよ!本当だよ!。

 

効果:種族変更となった場合の違和感や嫌悪感が少なくなり

   細かい事を気にしなくなる。

   但し、完全耐性では無いので馴れが必要な場合あり。



「まぁまぁファンタジーだしな!」


「そうですそうです

 気にしたら負けですよ」


「お、おう?負けかな・・・?

 他にはどんな機能があるんだ?」


「基本的にはオンラインゲームにありそうな

 メニュー機能は対応していると思います

 考えても声を出しても体で操作しても反応しますよ

 結構アバウトでも反応するはずですので

 あまり気にしなくても良いですよ」


とりあえず声での操作も試してみるか。

「ワンワン(メニュー表示)」


おお、一覧が表示された。

犬語でも大丈夫なのかよ。

やたらと高性能だな。


ざっと見てみると確かにゲームで

見かけるような項目があるな。

スキルって項目を前足でタップする。


≪保有スキル≫

捕食者、種族変更耐性


≪稼働スキル≫

捕食者、種族変更耐性



おお、ちゃんと認識されるな。

脳内ディスプレイに前足でタップとかって

どんな認識方法なんだよ。


「この稼働スキルっていうのは?」


「これは現状で稼働しているスキルを指します

 ゲーム風に言えばパッシブスキルと言えば良いでしょうか」


「あぁ、なるほどね

 でも表記がちょっとわかり難いなぁ」


「わかりました、少々お待ちを」


≪パッシブスキル≫

捕食者、種族変更耐性


表示が変わった!


「変更できるの?」


「はい、神システムではユーザーのカスタマイズが

 ある程度は可能となっています

 機能を増やしたいとかだと難しいですが

 見た目、表示項目の有無、表記方法等が変更可能です

 ショートカットも登録可能ですが

 思考認識や言語認識も出来るので必要性は低いですね」


なるほどねぇ。

使いやすいようにカスタマイズ可能ってのは便利だな。

これは徐々に操作していこう。


「パッシブスキルってオンオフの切り替え可能?」


「もちろん可能です

 試してみますか?」


「耐性は怖いから・・・捕食者をオフと」


お、色がグレーになった。


≪パッシブスキル≫

種族変更耐性


試しに主食(母乳)を飲んでみる。



マズッ!いや、すげぇ不味いから!

生暖かくて生臭くて無理だから!

牛乳より薄いし味が!味がぁ!


速攻でオンに切り替える。

瞬時に口の中に旨味が広がる。


「あぁ・・・・神様に感謝だな・・・」


スキルの効果と有難味を口いっぱいに体験し

改めて神に感謝の念を送る。


耐性はオフにしたら精神的ダメージが酷そうだから止めておこう。

あまりの恐怖に現保有スキルの2個をロックして保護しておく。

とりあえず表示も元に戻しておいて後で見直す事にしよう。


「スキルとか魔法はどうすれば覚えれるんだ?」


「練習したり身を持って経験したりすれば

 習得できるはずですが

 基本的には努力と運ですね」


「なるほどね、ゲームの部分もあれば

 努力が必要な所なんかは現実って事か」


「あくまでも現実世界の理をシステム的に

 触れる事が出来るというのが

 実留さんのメリットではありますが

 あくまでも現実世界がベースですからね


 とはいえ神システムを持っているので

 取得条件は色々とありますがゲーム的に

 習得も可能なはずです」



その後も簡単な説明をうける。


「当面の目標は犬生活と神システムに慣れる事だな」


「そうですね、私もサポート頑張ります」


「この世界の情報も欲しいし

 犬社会で成り上がりを目指すとするか!」



そしてある程度の慣れたら実里を探そう。

覚悟しろよ!ファンタジーめ!

そう決意を固めチチに吸い付くのだった。

うん、母乳うめぇ。



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