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10万PV達成しました。

ありがとうございます。

何かとブタに縁がある森山実留です。

ブタが何語かわかりませんが

意味不明な言葉を吐きつつニヤニヤしてたら仕方がないですよね。


すみません、ついカッとなってやっちゃいました。






「プギィィィィィィィ」


中央ブタはそんな声を出して吹っ飛んでいき

顔を押えて悶えてる。

ゴロゴロと転がる姿を見ても痛そうだなぁぐらいしか

思わないけどね。


ちっ、それにしてもやっぱ1撃じゃ無理か。

迷宮の時の方が魔力使い放題で威力出せたな。


ブタ共は何が起こったか理解してないようだ。

そこまで頭の回転は速くないのかな。


左ブタと右ブタが慌てて構えようとする前に

≪霧蠍短槍≫を近距離から≪投擲≫し足を串刺しにする。


ちょっと武器とスキルのおかげで

威力が強すぎたらしく太ももから下が概ね千切れちゃったけど

目的が機動力を削ぐ事だから気にしないでおこう。


倒れた所を釘バットを使って手も潰しておく。

武器使われたら怖いしね。

最初の大槍だって威力高かったし。

オークの筋力を舐めてはいけない。



左右ブタの戦力を削いだところで

中央ブタに向かう。

こいつは3匹の中でも装備品がちょっぴり上質だったんだ。


オークは身長が2mを軽く超え

体ははち切れんばかりの脂肪の塊だ。

鈍重ではあるものの筋力は馬鹿強い。

人族なんて目じゃない位強い。

ただ頭はあまり良くなくて魔法なんかは苦手みたいだ。


ブタ子とは随分と違うもんなんだな。


顔面を押えて転げまわる中央ブタに近づき。

転がっていた武器を回収する。

もちろん左右ブタのは回収済だ。



筋力強化した状態で助走を付け

おもむろに中央ブタの顔面を蹴り上げる。

傷だらけの状態から更にグチャグチャになり

血が飛び散るが気にしない。



転げまわる中央ブタを土魔法で捕縛する。

見た目は砂浜で顔だけ出して埋もれてるような感じだね。


顔の横に≪霧蠍短槍≫を刺し威嚇しながら問い掛ける。


「お前らは何だ?何の為に俺を襲った?」


「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」


「やっぱりわかんねーな

 アース語は喋れないのか?」


「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」


う~ん、物凄く必死に話をしているのはわかるんだが

如何せん言葉が通じない。


どうしたものか。






むむ?



そうだ!



例のアレを試す時だな!


左右ブタの所に戻り。





ガブリ、モシャモシャ、ごっくん。


「うめぇ!」


オークを喰べてみた。

まだ息があるものの助からない位の怪我だし

どんな味かも興味があった。


情として一息に止めをさしてから

感謝の念を送っておいた。

狩った獲物は有効に使うべし。


命を頂くから"頂きます"。


命を頂いたから"御馳走様です"。



オークは豚肉に近い味がするが

もっと濃厚だ。

口にいれた瞬間から程よい油の味が広がり

噛めばホロホロと崩れていくのは最高に美味い。

これ焼いたり煮付けたらもっと美味いんじゃ・・・。



1匹目を平らげたところで手応えを感じる

もう少しで何かが何とかなるような気がする。


2匹目を頭からかぶりゴリゴリと食べる。

骨も味噌も美味いね。

うんうん。



ピローン


> スキル≪言語(オーク語)≫を手に入れました。


うん予想通りだ。

それにしても≪捕食者≫の機能解放版って便利だな。

喰えば強くなるしスキルも手に入る。

食べる事への嫌悪感も感じないしね。


これをくれた神様には感謝しておこう。


≪魂吸収≫よりも効率が良いのは何故だろうか?

直接体内に取り込んでいるからかな。

そこらへんも今後は注意して気にしていこう。




アリスが食べたそうにしてたので

オークの残りは収納しておく。

もちろん左右オークの装備品や道具も回収しておく。

値打ちはなさそうな奴ばっかりだけどね。



再び中央ブタに戻ると明らかに緊張した顔で

ガタガタ震えていた。

そりゃ目の前で同胞がバリバリ食われたら怖いよな。


「おい?俺の言葉はわかるな?」


「ハイッ!分ります」


「そうか、それは良かった

 それではお前らは何だ?何の為に俺を襲った?」 


「はい、狩猟中に異変を感じたので

 近づいてみたら猪と戦ってる者が居たので・・・モニョモニョ」


「居たので?なんだい?」


ニッコリ微笑みながら槍で顔を突っつく。


「ハイッ!言います!言いますから!」


「じゃぁ、続きを話せ」


「猪と戦っているのが良い女だったので

 両方とも手に入れようとしました」


「あっはっは、まぁそんなとこだろうな」


ちょっとイラっとしたので顔面を蹴っておく。


その後の話を聞く限りでは

この付近に集落があるとの事。


集落の数は50程度では洞窟で生活している。

男は幾つかのチームに分かれて狩猟をしたり警備しているらしい。

その中の一つのチームリーダーとの事だ。

左右ブタは部下だったとの事。

ふむふむ、チームは3人1組なのね。


今日は祭りがあるので大きな獲物を取っていけば

強さをアピール出来るし

賞品の獲得もし易くなる為、猪は丁度良かった。

それと戦っている女(俺の事だが)も良い賞品に

なると思ったという事だ。


「賞品とは何だ?」


「エ・・・・エルフ・・・・の子供・・です」


聞いた瞬間に顔がピキピキと変わるのが

自分でもわかった。


「ヒィ、たす・・・たすけ・・・たすけて・・・・」


ガタガタと命乞いを始める中央ブタ。

しかし此処で殺す必要もない。

更に情報を引き出さなければな。



エルフの子供は実際には母と子だ。

狩猟チームの1組が見つけて追い込み捕まえてきた。

母親は案の定、集落の上層部の慰み者になり壊れて廃棄された。

子供は用途が無かったので監禁し1年に1回の祭りの賞品となった。


エルフの母子が何故に森の中で単独で居たかは不明だ。

何か事情があるだろうがオークにそんな事は関係ない。

オーク以外のメスは欲望の為に欲し。

オスは食欲の為に欲する。

それだけだ。




そこまで聞いて俺が考え込む。


「実留さん行くんですか?」


「全く行きたくないね

 絶対に危ないし無事に助けれる可能性もないし


 でもな」


「でも?」


「な~んか、心の中に助けなきゃって感じがあるんだよ

 絶対的なものじゃないんだけど小さく心の中にあるんだよ」


「エルフの血ってやつですか?」


「わからない

 こんな事は初めてだしな

 俺も戸惑ってるよ



 それでもここまで聞いて行かないのも後味が悪いんだ」


「実留さんなら言うと思いましたよ

 二人でオークを食べまくりましょう」


「おう!やってやるか!

 

 って食べまくるってすげぇ怖い事言うなよ」


「あはは」



心は決まった。

見ず知らずのエルフの子供を助けに行こう。

行く必要もなければ義務もない。

だが自分の手が届くのであれば何とかしてみよう。


駄目なら逃げよう。

そのて程度の考えで行けば良いだろう。

命を掛けてまだじゃないさ。


中央ブタを締め上げて集落の場所を確認する。

ここからはそう遠くない。

歩いて行けば1時間ぐらいだろう。


よ~し、1発噛ましてやりますか。




あっ、中央ブタはもれなく収納されました。






他のオークに会うかもしれないという事で

慎重に進んだので時間はかかったが

無事に集落と思われる洞窟は発見できた。


段々と薄暗くなってきている。

洞窟からは少し離れているが騒ぎと食い物の匂いが

ここまで漂ってくる。

歩哨は何匹かいるけど

匂いとか音とかで他の魔物とか呼び寄せないのかは謎だ。

縄張りとかがあるのだろうか。

結界を張れるような魔道具があるのか。


まぁ他の魔物が来ないのは良い事だがな。



「実留さん、どうするんですか?」


「うん、色々と手は考えたんだけどね

 ブタってさ美味しいんだよ」


「そうですね、さっきの休憩時のオークは

 焼いただけなのに美味しかったです」


「うんうん、そうだろ

 じゃぁアリスにもう一つ料理を作ってあげよう」


「本当ですか!」


「ははは、任せなさい」


「どんな料理ですか?」





「料理名は ブタの蒸し焼き洞窟風 だ」


実留の壮大な料理が今始まる。






実留君、無双してますが

実際に1対1の場合はかなり分が悪いです。

勝てなくはないですが楽勝とは程遠いですね。

不意打ち最高です。


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