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2-12

空き時間が出来たので勢いで書きました。


引き籠りから脱出した森山物留です。

自宅(迷宮)があまりにも広くて

引き籠った感じがしません。

そもそも自宅の位置がわかりません。

ここは世界の何処なんでしょうか?








「外だ~、うおぉぉ気持ちいぃぃぃぃ」


「風が気持ち良いですね~」


俺とアリスはついに外に出てきた。

風と日の光が気持ちいい。

この体は日光に当たっても大丈夫なようだ。

暖かさが染み入るぜ。



周囲を見渡すと山の中腹のようで

見下ろすと広大な森が続いている。

もう少し登れば森の切れ目も見えるかもしれないが

先程から上空に大きな魔物が飛んでいるので諦めよう。

ここから先はきっと彼らの縄張りなんだと思う。


先程から警戒されてるような鳴き声をしてるんだ。

迷宮の入り口から更に奥に進まなければ

問題はないと思うがちょっと怖い。



「さて、どうしようか

 人里を探すとなると森の方だよな

 流石にここより上に行っても誰も居なそうだよな」


「そうですね

 鳥さん強そうですしね」


「それじゃぁ森に向かってみるか」


「はい、美味しいの居ると良いですね」


「うんうん、俺も美味しいの食べたいな」


期待に胸を膨らませて二人は森に降りて行った。


 










「どぅああああぁぁぁぁぁぁぁぁ」


「いやあぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ」


期待に胸を膨らませた二人は

今、巨大な猪に追われていた。


「こんなテンプレ要らないんだぁぁぁぁ」


そう叫びつつ森の中を走っていく。






森に入ってから2時間程散策した。


木の実、薬草、香草なんかを

見つけては摘みつつ進み

小川を見つけてからは水辺を見ながら進んだ。


水の有る所に生物は居るからな。

それにしても道が整備されてるわけじゃないので歩きにくい。

しばらく進んだが疲れたので食事をする事にした。


そうそう、この体は疲れるんだよ。

骨の時には無かった感覚だな。

嬉しいような不便なような。



今回の食材は魚にしようと思う。

目の前に川があるんだから何かしら取れるだろ。



まず魚とりをする。

これはやはり王道だろう。


「えいっ」

川の中に炎球をぶち込む。

威力は抑えめだ。


ボゴンッ。


そんな音が水中で炸裂する。


すると。


「浮いてきましたよ!実留さん!」


「うん、浮いてきたな・・・・大量に」


確実に20匹は超えてそうな数が浮かび上がってくる。


大きな魚から小さな魚。

なんかウナギみたいなニョロニョロした奴等。

せっせと拾ってアイテムボックスに入れておく。

状態固定ってこういう時に便利だよね。

食材が痛むなんて気にしなくて良いし。

これやっぱり転生ポイントの使い道は間違ってなかった。

うんうん、絶対に間違ってなかった。


絶対にだ!




≪ビーフィ≫という名前の

大き目の魚の下ごしらえをする。

ナイフで鱗をとって内臓をかき出す。

川で綺麗に洗う。

バナナの葉に似た大き目の葉っぱをよく洗い

そこに木の実と香草と≪ビーフィ≫を乗せ包む。

土魔法で穴を掘り埋める。

その上に火魔法で焼いた石を乗せて更に土を被せる。


原始的な料理方法だけど蒸し焼きだ。


ナイフで木を削りだしフォークを作る。

アリスのは小さな枝を探して綺麗に整えてあげた。

その後は体の調子を試しながら軽い運動をして

1時間ほど時間を潰す。

なんとも充実した時間だ。




「アリスできたぞー」


「うわーーーい」


二人で仲良く食べる。


うん、これ美味しいな。

魚の身がホクホクして味がある。

木の実も爽やかな酸味とコクがあり

魚の油と混じって深みを出している。

香草はちょっとスパイシーな感じで

アクセントに丁度良い。


かなり大き目の魚を2匹使ったが

骨以外の全て無くなった。

うんうん、大満足だ。

食べれるって素敵だね。



料理をした穴に骨や葉っぱを入れて

火で灰にする。

後片付けも大事だよな。



ガサガサ。


ん?


ガサガサ。


「何か音しない?」


「しますね」


「こんな時の王道は?」


「迷子か盗賊ですかね」


「こりゃイベントですな」


「そうですね」


ガサガサ・・・バサッ。


出てきたのは巨大な猪だった。



「「そっちかよーーーっ!」」



ここで先程の状態に戻るわけだ。





猪は食事の匂いに釣られて来たようだ。

その体は大きく優に5m以上はあるだろう。

とっさに魔法で迎撃するも厚い毛皮に阻まれて

ダメージは通らなかった。

しかもこれが失敗したようで

敵認識されてしまい追われる羽目になった訳だ。


相手も巨体が邪魔しているのか

木が障害物になり全力で走れない。

それでもかなりの速度だ。

こちらは魔力で身体能力を強化してて

やっと逃げれてる状況。



うん、何とかしないと後が無い。

魔力さえ練れれば炎の槍辺りで一撃だが

そんな余裕はない。


それから少しの間、振り向きざまに魔法を放つも

やはり効果はあまりない。

向こうのスタミナが切れる前にこっちの魔力が切れそうだ。


有効な手は考え付いているが

ある程度の広さがないと難しい方法だ。

そんな場所を探しながら走る。



「実留さん右前方に広いところがあります」


前方にチラッと拓けた場所が見える。

そこにしよう。


猪を誘導しつつ少しづつ魔力を練り上げる。

明確なイメージよりも威力重視で練る。



急に視界が開け広い場所に出る。


「今だっ」


振り向きもせずに真後ろに

2m程の強度を重視した土壁を作る。


バカーーン


豪快な音がして地鳴りのような足音が弱まる。

振り返ると土壁は粉々にされているが

猪が踏鞴を踏んで少しよろける。

それでも目はこちらを捉えており

再度、突撃を再開しようとしている。


その隙にアイテムボックスから武器を取り出す。

今回は≪霧蠍短槍≫にする。


さぁ、ここから逆転だ。


≪霧蠍短槍≫を投げる。


ヒュゴッ!


空気を切り裂きながら猪に突き刺さる。



「ブゴォォォォォ」


流石に皮膚が硬いのか突き抜けはしないが

深く突き刺さる。

あれなら内部までダメージが通ってるはずだ。


畳み掛けるように2発目、3発目、4発目と≪投擲≫する。

足を重点的に潰したの動けないはずだ。


胴体をなるべく傷つけないようにしたのは

もちろん喰うためだ。

≪捕食者≫の能力がついに開放される時が

きたってわけさ。


足を≪霧蠍短槍≫で縫いつけ

動けなくなった猪に近寄る。

≪百足剛棒≫を取り出し筋力を強化する。


「すまん、1撃で決めてやるからな」



上段に振りかぶり叩きおろそうとしたその時




ドッパァァァン


猪の胴体に大穴が空いた。

誰かが投げた大槍が貫通していた。


状況が良くわからず固まっていると

左手からフゴフゴと言う音と共に人影がゾロゾロと出てきた。


「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」


オークだ。

ブタだ。

またブタかよ!

なんで旅に出ると最初はブタなんだよ。


森から出てきた3匹は何を言っているか理解できないが

俺の顔をみてニヤニヤする顔と

3匹で笑いあいながら武器をチラつかせながら近寄ってくるのを

見るに禄でもない事だろうと思う。


3匹で俺の前に来ると話しかけてくる。


「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」


だからわかんねーっての。

ブタ子みたいにアース語話してみろや。


「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」

「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」

「□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■□◆◇■」


3匹でフゴフゴ言いながらニヤニヤしてる。














ゴッシャァ!!!



何か物凄くイラっとしたので

真ん中の奴の顔面に≪百足剛棒≫を全力で叩き込んだ。





俺間違ってないよね?!








実留君、カッとなってやりました。

ブタ相手なら仕方がないと思います。

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