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2-11

暖かいと眠いですね・・・・

こんんちわ、私は実留子。

肉体を再生したら女でした。


って、今迄の行動が恥ずかしい森山物留です。

どうすれば良かったんじゃぁ・・・!

転生したって男だと思うだろうが!







「え?俺、女だったの?」


慌ててステータスを確認する。



名前:森山実留

性別:不明

種族:ミックス

年齢:不明


なんだこれ?

性別も不明だし種族がミックスって何だ?


「あ~、これアレっす

 混血っすね

 結構、色々と混ざってるっすね


 ん~、人族、エルフはわかるんすけど妖魔かな

 しかも淫魔の血が入ってると思うっす

 他にも入ってるすねぇ・・・種族までは特定出来ないっすが」


「え?なにそれ?」


「多分、何か事情があって出来た子って事っすね」


「それをミックスって言うの?」


「単純に色々な血が混じった場合に特定できない場合を

 ミックスと言うだけっす」


「性別が不明なのは?」


「それは淫魔の血の影響っすね

 淫魔って最初の性別はないっす

 魂が成長すると影響されて性別が固定されるっす」


「今の俺は?

 明らかに女性の顔なんだけど」


「元々が女性だって事だけっす

 そのうちハッキリするっすよ

 体は合わせて変化するはずっす」


相変わらずの適当さだね。

うん安心するぜ。


「ミノルさん、迷宮の外にいくっすよね?」


「そうだよ」


「外の世界は注意した方がいいっす

 多分っすが色々な種族に嫌われるっす」


「え?なんで?」


「人族以外の種族は血が混ざる事を嫌う事が多いっす

 そして人族には妖魔等の血は嫌われることが多いっす

 予想っすけどミノルさんの元の体の人も

 迫害か何かの理由で迷宮に来たんだと思うっす

 あまり言いたくはないっすが

 ミックスって差別する時に言われるっす」

 

「それ厳しくね~」


「無理な事をしなければ迫害程度で済むっすよ

 あまりに踏み込むと殺されちゃったりするっすけどね」


「慰めになってなくね?!」


その後、色々と話を聞いたり状況を整理する。


俺の体は確かに女性に近かった。

あくまで近いだけで女性では無いのが悲しいんだか

嬉しいんだか悩む所だ。


身長は170cm程度と高くも無いが低くも無い。

顔は完全に女性に見える。

髪は黒ロングでツヤツヤしてる。

ナンチャラリングもバッチリだ。

体は少し胸が膨らんでいるが

ハッキリとあるとは言えない程度。

何とも中途半端だ。

これが中立状態って事なんだろうか。

身体能力はそこそこ高目だ。

人族の平均よりは上だろう。

そうは言ってもそこまで強くない。


ラバリオからすると少なくとも

4種族の血が入っているんじゃないかとの分析だが

ハッキリとはわからないらしい。


少なくともエルフと淫魔は確定で

良いんじゃないかと言っていたが・・・・。

間違いなくどちらの種族からも嫌悪されるハズだそうだ。



何もかもが中途半端だ。



なんなんだよもう・・・・。

折角、人型(肉有)になったのに

前途多難じゃね?











俺は久々に肉体を手に入れたので何かを食べたくなったので

アリスに好評だったマリラスネーク煮込みを作る事にした。


ラバリオも食べたいとの事だったので

オリジナル鍋もとい≪黒蜥蜴竜鱗盾≫鍋を出したら

滅茶苦茶怒られた。


「何て使い方してるんっすか!」


一応、ボロボロになったやつのリサイクルを兼ねて

と説明したら納得してくれた。


三人分作るのには鍋の大きさが小さいと相談したら

≪黒蜥蜴竜鱗盾≫を1枚と≪魔核水晶≫を1個追加して

鍋を≪創造≫で作ってくれた。


≪迷宮神の黒鍋≫とかいうアイテムになった。



中華鍋の様な形の深さがある鍋だ。

色は黒一色だが手持ち部分は鱗のような模様が浮き出ている。

どんなに熱しても熱くならなかった。

直接火で炙ってみても全くだ。

他の特徴としてはまず内容量に比べて異様に軽い。

限界まで水を張っても軽く持ち上がる。

多分、子供でも持ち上げられる軽さだ。

次に火加減が謎だ。

明らかに少ない火力なのに実際は高火力で

調理してる感じになる。

それでいて強すぎるかと思うと使用者の

意図を組んでくれるような火加減になる


これかなりのレアアイテムなんじゃねーのか・・・。


黒鍋で作った煮込みの感想が


「ぶぅはぁぁぁぁぁぁ

 うめぇぇぇぇぇぇぇ!」


「なにこれ?なにこれ?

 美味しすぎます!」


「やべぇっす!ぱねぇっす!

 なんすか!まじなんなんすか!」



確実に前回のリサイクル鍋よりも美味しい。

なんだ?何の効果だ?

迷宮神の何かなのか?


ラバリオに聞いてみても


「流石、自分っすね

 こう、フンっ!って気合いれて作ったっす」


だってさ。


次に作ったのは黒蜥蜴竜のステーキ。

脂身を切り出して鍋に馴染ませる。

香草で包んでおいた肉を取り出し

一気に片面を焼く。

ひっくりかえしたら軽く焼き目を付ける程度で完成だ。


これも三人揃ってバクバクと食べる。

程よくジューシーで肉の味がハッキリとする。

それでいて臭みも無い。

いくらでも食べれそうだ。


調子に乗って黒蜥蜴竜の脂身を

大量に投入し油を作り

クロワイアと霧幻蠍をぶつ切りにし香草とまぶして

素揚げにしてみた。


外側はカリカリサクサクと小気味よい歯ごたえと

香ばしさが食欲をそそり

中身はジューシーで噛むたびに味が出てくる。

後引く味でポリポリと食べ続けてしまう。



ピローン


> スキル≪料理≫を手に入れました。



料理スキルをGETしたぜ。



食事も終わりラバリオが出してくれた

コーヒーを飲んで食休みタイムに入った。


「ミノルさん料理上手いっすね

 びっくりしたっす

 まじ感謝っす」


「神様でも飲食するんだな」


「何も食べなくても食べてもどちらでも大丈夫っす

 うちの上司なんかはあんまり食べないっす

 自分は美味しい物は食べたいっす

 ミノルさんの料理パネェっす」

 


そう言った瞬間に電子音が鳴る。


ピローン


> 守護≪迷宮神ラバリオの加護≫を手に入れました。



む、なんだこれ?

≪料理≫はわかる。

守護ってなんだ・・・・・これはあれか?

ブタ子の言ってた奴か?

神の寵愛だか何だか。


とりあえずクリック。



≪迷宮神ラバリオの加護≫


説明:まじパネェっす


効果:迷宮神ラバリオが携わる迷宮内では加護される

   各種プラス補正あり



う~ん、加護・・・・加護ねぇ・・・・。

なんか料理で胃袋掴んだみたいな感じか?

あまり本人に突っ込むのはやめておこう。




「よ~し、じゃぁ俺は外の世界に行くよ」


「頑張るっすよ

 また飯食わせて欲しいっす」


「うん、機会があったらまた会おう」


「はいっす、この迷宮もボス作ったら馴染むまで

 別の迷宮の調整に行くっすから

 移動するっすから何処かで会えると良いっすね」


「ラバリオが居なかったら迷宮から出れないところだったよ」


「感謝して欲しいっす

 だから料理食べさせて欲しいっす」


こいつもかー!

こいつも食いしん坊キャラかー!!


「あはは、うんじゃぁ少ないけど

 お弁当でも作ってってあげるよ」


「まじっすかー

 超嬉しいっす」


ラバリオは満面の笑みを浮かべながら小躍りしてる。

そんなに嬉しいか?

俺位の腕なんて其処らじゅうに居るだろうに。

まぁ喜んでくれるならこっちも作り甲斐があるけどな。



ラバリオは煮込みが好きなので

大量に作って容器に移していく。

容器はラバリオが作ってた。


≪迷宮神の保存容器≫とか言う名前だ。

あれも相当なレアアイテムなんだろうな・・・・。


かなりの量を作り終えると

ラバリオが何かを渡してきた。

どうやら服のようだ。


上下2ピースの長袖長ズボン

下着

フード付きのマント


「料理のお礼を兼ねて餞別っす

 布を巻いただけじゃ厳しいっすからね」


これは正直有りがたかった。

布1枚で出発するのは勇気が必要だったからな。


「材料が足りなくてそれしか作れなかったっす」


ラバリオをみるとツナギがノースリープと短パンになっていた。

腕と足の部分を使って作ってくれたようだ。


「ありがとうなっ!

 それにしても材料と完成品の質量ってあってなくね?」


「一応、このツナギは神製品なんで布地もハンパないっす

 これだけの量でそれだけ作れるって事を自慢したいっす」


なるほどねぇ。

頂いた服も≪迷宮神の≫は付いていないが

通常アイテムよりかは随分と上等だ。

これ売るだけで結構な額になりそうだな・・・・売らないけど。



・・・・・いや、売らないよ。


・・・・・売らないって!





料理を渡し、準備を整える。


「じゃぁ、出発するよ」


「ミノルさんも頑張ってください

 グラバス様に会ったらちゃんと良い評価を伝えといてくださいっす」


「あはは、わかったよ」


「ラバリオ君、また合いましょう」


「アリスさんも元気で居てくださいっす

 次までには師匠を越える位になってみせるっす」


「ハハハハハ、私を超えるとね

 楽しみにしてるよ、ラバリオ君」



お前ら何の話をしてるんだ?

不思議な関係に興味は湧くがあえて触れないでおこうと思う。





さて、ついに迷宮から脱出だ!








鍋が新しくなりました。

これで料理が捗ります。

肉体を持った実留君、まだまだ先は険しそうです。

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