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ついに10万文字超えました。
これからも頑張ります。
主力武器が釘バットの森山実留です。
フルスイングすると大抵の方が叫び声をあげます。
残念ながら突起物が尖っているだけなので
もう少し引っかかりが欲しい所ですね。
魔物の目玉をホームランしたいものです。
俺はアリスに宣言した後に大扉の前に立った。
クロワイアには戦闘で負ける事は無いので
後は実戦するだけだ。
切っ掛けは些細な事だった。
強化している状態で攻撃を食らうと
魔力が逃げていく事に気が付いた。
ダメージが大きければ大きいほど大量に逃げていく。
逃げて行った魔力は空中に拡散する。
では魔物の場合はどうか?
攻撃すると同様に魔力が外に逃げていく。
量も同様にダメージに比例するようだ。
最初はそんなモノだと思っていた。
だがまてよ?
魔物って外魔力使うのか?
俺の中に何かが閃いた。
基本的に外魔力を取り込んでそのまま使う事は出来ない。
呼吸、食事、肌呼吸等で取り込みを行い
酸素や栄養素のような扱いになる。
それらを元に魔力を作るのは魂だ。
これが魔力が濃い場所では回復力や魔力が向上する理由だ。
上記のように俺のように外魔力を使うのは稀で
通常は使用するのは内魔力のみだ。
そして内魔力は魂の情報を持っているので
違う者同士、つまり他者の魔力は反発する。
これは≪魔力吸引≫を直接使っても
何も吸い取れなかったので検証済だ。
ここで考えを更に一歩進める。
空中に拡散する魔力はどうなっているのか?
肉体から離れた魔力はどうなっているのか?
これが今回の検証内容だ。
「簡単に言いますと?」
「ぶっ叩いて相手の魔力をぶんどる」
「簡単すぎますよ!」
大扉をあけ放ち。
そのままの勢いで駆け寄り勢いを利用して
顔面に一撃を叩きこむ。
メコォッと良い音を立てて凹む。
≪魔力感知≫で結構な量が放出される事を確認。
≪魔力吸収≫発動。
おぉ!吸える!吸えるぞぉぉぉ!!
戦闘中の為、僅かな量しか吸収出来なかったが
確かに吸収出来た。
そこからはもう興奮しまくりで
クロワイアさんをフルボッコにした。
其処からは更に検証の連続だ。
魔法で吹き飛ばした場合は?
串刺しにしてジワジワとなぶった場合は?
毒で倒した場合は?
更には毒で弱らしている間に場を離れた後に死んだ場合は?
考え付くことを片っ端から試してみた。
一部の検証はクロワイヤ以外にも試した。
結果から言うと全て吸引出来た。
距離や状況によって吸える量は変化がある者の
吸収しようと意志があれば吸えた。
逆に意識を向けない又は拒否すれば吸えない事もわかった。
そしてこれが一番重要な点だ。
どうやら相手の魔力を吸うと俺の内魔力に取り込まれるようだ。
正確に言えば魂に取り込まれる感じがする。
吸収すればするほど俺の内魔力が強くなっていくのがわかる。
もちろん強化率なんてたかがしれているけどね。
そこからはもうここぞとばかりに狩りまくった。
クロワイアを出会い頭に魔法で瞬殺。
リポップの待ち時間は周囲の敵を狩りまくり。
飽きるまでひたすら繰り返した。
あぁ、成長するって素晴らしい。
お陰様で≪百足剛棒≫が数十本あります・・・・。
> ピローン
> スキル≪魂吸収≫を手に入れました。
> スキル≪百足硬皮≫を手に入れました。
おろ。
何かスキルが手に入った。
しかもクロワイアのスキルっぽいのも。
≪魂吸収≫を考えるに
これは相手の力を吸収できるようだ。
ついに≪捕食者≫の代わりになるものがぁ!
でも何が違うんだ?
≪捕食者≫が発動出来るようになればわかるんだけどなぁ。
現状では保留だな。
≪百足硬皮≫は文字通り硬くなるスキルだった。
スキルは重複で使用できるから有り難い。
少しテカテカするのが難点だが。
やっと能力強化の検証も落ち着いたので
6階層よりも下を目指す事にする。
6階層も虱潰しに歩き回った。
懐かしささえ覚えるキャタピランドを
フルボッコにしたりしながら歩き回る。
最初の部屋から少し先にある広場のような所がある。
ここから先はまだ未踏破の部分だ。
「此処からは初めてのエリアだ」
「大丈夫ですよ
実留さんが強くなったので私の体も強くなりました」
「おおう、それは頼もしいな」
俺は下に落ちている小石を渡す。
以前、キャタピランドの頭に落としたやつよりは
ほんのり大き目だ。
「ふぉおおおぉぉぉおおぉおぉぉぉぉ」
すっごいプルプルしながらアリスは飛んだ。
「凄い!凄いぞ!アリス!」
「わ・・・・・わた・・・・・わたし・・・に
か・・・かれ・・・・ば・・・・」
顔を真っ赤にしながらもドヤ顔を決めてくる。
うんうん、わかったよ。
いくら強化してもアリスは戦力外だってな。
攻略は順調に進んだ
やはり昆虫や爬虫類の類しか出てこないのは
何かあるんだろうか。
魔物の数も深くなる度に多くなり強くなってきた。
それでも強化された俺はかなり余裕をもって進めた。
途中からは魔法強化の為に中距離で戦い続けた。
魔法についてはある程度使用する内容が決まってきた。
・炎の矢
貫通性と爆発力を両立させた。
そこまで威力は無いが手数を稼げる。
・炎の槍
貫通性を重視。
魔力を込めれば威力が上がる。
・炎球
爆発力重視。
魔力を込めれば威力が上がる。
・風撃
風を圧縮し叩きつける。
キャタピランドの糸の軌道を変えたり
小型の飛行型魔物を叩き落としたりするのに便利。
・水刃
斬撃性を重視。
魔力を込めれば威力が上がる。
・土壁
防御用。
魔力を込めれば強固になる。
相手の真下から使えば突き上げ用にも使える。
他にも色々と使っているが
所詮は≪初級魔法≫なので
扱える内容としては簡単な物が多い。
それだけに発動も早く魔力を込めれば
威力も上がるので使い勝手は良い。
特に迷宮のように閉ざされた空間では
大規模なものよりも良いように思える。
まぁ、大規模な魔法なんて使えないけどね。
それにしたって工夫次第では色々と出来るんだぜ。
通路でエンカウントした場合
魔物の後ろを土壁で塞ぎ
炎球と同時に前を土壁で塞いでみるとかね。
俺はこれを焼却炉と呼んでいる。
これね・・・・結構エグいんだ。
爆発&高熱&酸欠が同時に出来て
さらには爆発以外は継続効果だしね。
ちなみにここに水球とかを同時に放つと
蒸し焼きに出来るのでアリスが喜ぶんだ。
そうやって自分を強化しながら
俺達二人は迷宮を攻略していった。
そして今、俺の目の前には大扉がある。
ここはそう10階層。
新たなボス部屋だ。
骨 真覚醒




