表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
28/254

2-3

感想ありがとうございます。

モチベーションが上がります。

こんばんわ森山実留です。

スケルトンになると良いですよ。

寝なくて良いので24時間戦えます。

ビジネスの最前線に居る方にお勧めしたいですね。

元気になる薬よりも体に悪影響はないですし。

悪影響が出るような肉体がありませんけどね!





「ヒャッハー」


溢れんばかりの高揚感に突き動かされて走り出す。

≪身体操作≫により体は最低限の動きで

高効率の動きが出来る。

更に魔力により強化された体は力強く地面を蹴りつける。

転生直後とは比較にならない速度で走り続ける。


これ犬族の時より身体能力高いのでは?



「実留さーん待ってー」



強化された視力で迷宮内はハッキリと見え

聴力も嗅覚も鋭くなり僅かな変化も拾う。


いける!今なら芋虫なんぞ敵ではないわ!



「みーのーるーさーーーーん」



その時、俺の感知に生命反応がHITする。

これはキャタピランドだぁ。

しかもまたもや単独。

こいつは幸先良いぜ。




見た感じ、前回のに比べて大きい。

5mはあるだろうか。


相手の感知範囲外から炎の矢を連続で叩き込む。

やっぱり効きにくいようだ。

それでも先手は取れた。

キャタピランドが動揺している隙に躍りかかる。



・・・・・俺、武器もってねーじゃん。

ふと我に返るも既に遅し。


「うおぉぉぉぉぉぉ」


≪骨硬化≫を発動し右手に魔力を集中。

そのまま抜き手で攻撃を行う。

キャタピランドは糸を吐こうとしているのがわかる。

動体視力まで向上しているようだ。

≪起動予測(簡易)≫も重複発動し完璧に見切り

顔面に攻撃を叩き込む。



ズブッ。



簡単に手首まで突き刺さる。


「フハハハ何て簡単なんだ

 弱い!弱いぞぉ!」


相手の頭振りをサイドステップで避け。


ズブッ。


糸の下をくい潜って避け。


ズブッ。


体当たりを避け。


ズブッ。



「ちきしょう、大きいから倒れないなぁ」



小刻みにダメージを与えていくも

皮が厚く内臓まで届いてない。


肘近くまで突き刺せばいけるか?

1撃で決めるなら頭だな。

もう魔法で手を焼きたくないし。


距離をとり機会を伺う。

攻撃は読めるので危険は無い。


避けつつ右手に魔力を集め

右腕全体を強化する。


「いまっ!」


右腕を振りかざし全力で踏み込む。

一気に距離がつまる。



「うっっっっっっおぉぉぉぉぉぉぉぉぉ」



ズバン。


キャタピランドの皮膚を切り裂く音がし。

肘まで突き刺さる。


「キュアァァァァァァ」


最後の抵抗かとばかりに全身を力ずくで振り回す。


「とまれぇぇぇ」



ありったけの魔力を込めて力負かせに内部で右腕を動かす。


ブチブチヌチ。

グチャ。


嫌な音が響くが構わず内部をかき回す。

徐々にキャタピランドの動きが鈍くなり。



そして動かなくなった。





俺の体も動かなくなった。




あれ?・・・・意識が・・・・・。




スコっと闇に落ちた。













「実留さん!起きてください!」


・・・・はっ!


気がつくと俺はキャタピランドの顔の

目の前に横たわっていた。


「アリス、俺はどうなった?」


「キャタピランドが動かなくなったら

 実留さんも動かなくなりました」


「こりゃあれか?魔力切れか?」


「っぽいですね

 私が魔力切れになったときは体が消えるんですが

 その時もパッと消えちゃうんですよね」


「そっかー、多分強化に使いすぎて維持分が

 不足したから強制的に意識が飛んだんだな

 まだキャタピランドが生きてたろ思うとゾッとするな」


「本当ですよ!急に走り出して行くんだから

 驚いたじゃないですか!」


「・・・・ごめん」


「まぁ、無事なら良いですけどね」


「あのさ、一つ聞きたいんだけどいいか?」


「なんでしょう?」


「俺の右腕しらない?」


そこには肘から先が無い右腕があった。


「キャタピランドの頭の中じゃないですか?」







俺は泣きながらキャタピランドを解体し

右腕を探す羽目になった。















またもや部屋に戻り改善点を考える。


キャタピランドとの戦いでは分かった事は

強化した体であれば武器になりうると言う事だ。

強化された感覚も戦闘では役に立つ。


では何が問題か?


魔力不足だ。


視力や嗅覚などの感覚機能。

体を動かす機能。

使用する魔法。


この体は全て魔力で賄っている。

通常時であれば枯渇する事なんてないだろう。

にも関わらず魔力切れが発生すると言う事は

需要と供給が釣り合ってないのだ。


消費が多すぎて追いつかない。

魔力回路は低燃費を考えて効率化を図ってきた。

もちろん今後も効率化を求めていくが

今以上に劇的に変わるとは思えない。


ではどうするか?

魔力量を増やすしかない。


「アリス、魔力量を増やすにはどうすればいいんだ?」


「体が成長すると増えるようですね

 大人になってからだとあまり変化しないようです」


「スケルトンって成長すると思う?」


「あっ、≪捕食者≫があるじゃないですか!

 あれは喰べた相手の力を取り込みます」


「スケルトンだから喰えなくて発動しなかったよね」


「あ、宿題忘れてた!」


どこぞの学生のような言い訳をしてアリスは

何処かに飛んでいった・・・。

いや、流石に宿題はねーよ。




とりあえず現時点で魔力を増やすのは難しい。

ゲームのように敵を倒せばLVが上がり増えるのだろうか?


う~ん、パラメータ表示が無いのが悔やまれる。

検証しようにも何を基準にしたら良いかわからないし。


それ以前に武器も無く強化も出来ない状態で

倒せる敵が居るかも不明だ。



何か手は無いだろうか・・・・・。



何気なくスケルトンの情報を表示する。



≪スケルトン≫


生物が死んだ後に骨だけになった状態で

魔力が集まり生命を持つにいたった。

生命に強い執着がある為、生物に襲い掛かる。





ん?


・・・・・・・ん?


魔力が集まり?







むむ?これはあれかな?





≪魔力感知≫≪感覚強化≫≪視力≫発動。


自分の指先をじっと見つめる。

迷宮に漂う魔力の流れを観察する。









「これだぁぁぁぁぁっ!」


「ヒグッ」



急に叫んだ事によりいつの間にか戻ってきて

近くを飛んでいたアリスが驚いて落ちるが気にしない。


「これだ!これを元にすれば何とかなるはずだ」


見つけたのは魔力の流れ。

そう漂う魔力が指先に吸い込まれるのを発見した。




スケルトンは骨に魔力が集まった事によって

誕生するアンデットだ。

魂が宿る事により己で魔力を生成する事ができる様になったが

元々の魔力を吸収する能力はそのままだったと言う事だ。


但し、それはごく僅かな量だ。

それが長年続く事によってスケルトンとして生まれる。

今の魔力不足を解消する量にはほど遠い。

通常生活ですら感知できないレベルでしかない。


でも能力があるなら効率化は可能だ。

流れを自分で作れば良い。



よーし、よしよし!希望が見えてきたぞ。

特訓再開だ!






≪魔力感知≫により流れを探り。

≪魔力操作≫により流れを太くする。


まずは入り口を大きくする所から開始だ。


次に入ってきた魔力は量が増えたものの

すぐに溢れ出てしまう。

自分自身の魔力と反発してしまうのだ。



外魔力と内魔力を≪魔力操作≫で混ぜ合わせる。

喧嘩はしない。

お互いが求め手を繋ぎ一つの粘り強い存在になる。

そんなイメージを作る。

外魔力が内魔力を練り上げ大きくする。

内魔力が外魔力を導きより量を増やす。



魔法はイメージ。

イメージは力となる。


明確なイメージが出来たら混合魔力が

渦巻いているのがわかる。


魔力を全身に行き渡らせる。

細部まで濃密に。

隙間無く繊細に。



時間を掛けてじっくりと練習する。


吸う。


混ぜる。


練り上げる。


行き渡らせる。



失敗すると外魔力は逃げ内魔力は消費する。

それでも諦めずに少しづつ進んでいく。


諦めずに何度も何度も繰り返す。





ピローン


> スキル≪魔力吸収≫を手に入れました。

> スキル≪魔力混合≫を手に入れました。

> スキル≪身体魔補≫を手に入れました。




「やった~!出来た!」


「やりましたね実留さん

 私の体も何だか凄い調子良いです」


「そうだろう、そうだろう

 今の俺は無限(と言うには程遠い)の魔力と

 強靭そこそこねの体を手にいれたからな」


「でわ、再度のキャタピランド狩りですか?」


「いや、もう無謀な事は止めよう」


「どうするので?」


「迷宮を登って外に出てみようと思う」




実留、ついに迷宮の外を目指す。










骨 覚醒2



評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ