1-21
区切りが悪かったので
少し長めになりました。
ココハ・・・・?
【ひさしぶりだね】
ダレダ・・・・?
【やだなぁ、忘れちゃった?】
ワスレタ・・・・?
【君の大好きな神様だよ】
・・・・カミ・・・・オレ・・・・・・?
【あれ?負荷高すぎて壊れちゃったかな】
コワレタ・・・・?
【あれ~、おかしいなぁ
死亡負荷には耐えれる器だと思ったんだけどなぁ】
シボウ・・・・シンダ・・・・シ・・・・シ・・・。
そこで急激に意識が覚醒する。
「実里!実里はどうなった!」
【おお、復旧したね
良かった良かった】
「実里はどうなったって聞いてんだよ!」
【落ち着いて!落ち着いて!
ちゃんと教えてあげるから】
「はぁはぁ、でどうなんだよ」
【大丈夫、妹さんは無事だよ】
「本当か?」
【うんうん、傷一つないよ
障壁内に逃げ込んだらミリナリスが
攻めきれなくて撤退したからね】
「ミリナリス?」
【あっ!ごめん今のは聞かなかった事にして
そう!あれあれ!黒づくめの奴らだよ】
「それわざとやってない?」
【あはは~、そんな事ないよ】
「どうだかね
それよりも俺はどうなったんだ?」
【うんうん、君はねミリナ・・・黒づくめの
攻撃で下半身が吹き飛んじゃったんだよね
胸の下辺りから綺麗に無くなっちゃったんだ】
「つまりは?」
【死んじゃったね】
「てめぇ!このやろう!!」
【え?なに?僕は悪くないよ
君の考えで行動した結果でしょ
落ち着いて!落ち着いてよ!
・・・・ってこの流れ好きなの?】
「それもそうか・・・すまん」
【うんうん、わかってくれれば良いよ】
それにしてもここは何処なんだ?
前回とは違う場所っぽいけど
辺りを見渡すも薄暗い。
手元は見えるが先が良く見えない。
広い部屋なんだろうか?
気配はするのに誰も居ない。
何処かで見た様な気がするんだが・・・。
【ソファでも座ってゆっくり話そうよ
聞きたい事もありそうな顔してるしね】
振返ると前に座った物を同じソファがあった。
絶対にさっきまでは無かったぞ。
座ってみると相変わらず上等な品だとわかる。
とりあえず言いたい事を先に言ってしまおう
「その済まなかったな
こんなにスグにリタイアしちまって
世界を変えて楽しませてくれって言われても
俺には何も出来なかったよ」
【そんなことないよ!
結構楽しませて貰ったよ】
「そうか?
成り上がってみるとは言ったものの
何も出来ずに犬で終わっちまった
でも実里に会えたのは良かった
少しだけだったけどな」
【うんうん、妹さんに会えて良かったよ
初回で会えなかったら絶対に怒りそうだったし】
「・・・・・初回?」
【うんうん、初回だね】
「なんの初回?」
【やだなぁ、転生のだよ】
「転生の・・・・初回・・・・?」
【だからそうだって~
君が言ったんじゃないか
「そうだなぁ、そのアースランドだっけ?
今の世界よりは物騒なんだろ?
転生して生まれ変わって妹に会う前に
死んだらどうすんだよ?」
ってさ
だから転生アプリを神システムの
メインフレームに
組み込んであげたんだよ
まぁ僕だから簡単に組めたけど
本当なら凄い大変なんだからね】
「て ん せ い あ ぷ り ?」
【うんうん、あのアプリはね
僕の最高傑作の一つだね
輪廻転生までもシステム化出来たんだよ
これはもっと評価されるべきだと思うよ
流石の僕でも介入できる部分は限られてるから
ある程度はランダムになっちゃうんだけどね
次回以降だと位置情報を絞れないから
妹さんの近くに限定出来ないしね
いやぁ、初回で会えてなかったら
すっごく大変だったと思うよ
ん?どうしたんだい?
もの凄い顔してるけど」
「俺の心が読めるんだろ?」
【もちろん!神様だからね!】
「読んでみろ」
【ん~、何だかドス黒い感情が蠢いてるね
なになに
"転生って一回だけじゃないのか?"
いやいや、君がそう望んだんじゃない
"聞いてない?"
それは君がナビアプリに説明してもらわなかったんでしょ
"どうして俺が犬で実里が王女なんだ?"
それは転生アプリの判断だね】
「だからそのアプリはなんじゃぁぁぁぁぁぁぁぁ!!」
【えぇ~、自分で聞かなかったのに逆切れだよぉ】
俺は神様が用意したお茶とお菓子を食べて少し落ち着いた。
まぁ突然の事に逆切れしたが話を聞かなかったのは確かだしな。
≪転生アプリ≫
これは神様が輪廻転生をシステム化出来ないか?
という所から作り出したモノらしい。
色々と薀蓄をたれていたが要約すると
"自分が注目していた人物が
死んだ場合にそこで楽しみが
終わってしまうのが詰まらない
なら生まれ変わっても
中身が変わらなければ良いじゃない!"
と何とも言えない理由から
作ったらしい。
そしてシステム化と言うからには
ある程度の意志の介入ができる。
それが大きく分けて
転生ポイント
転生タイミング
の2点だ。
まず転生ポイントは転生時に消費して
色々と特典を選べる。
武具だったりスキルだったり身体能力だったりする。
種族は残ポイントからランダムで選ばれる。
もちろんポイントを使ってある程度の条件は絞れるが
望む種族になれるわけではない。
位置情報や立場は完全ランダムで
条件指定も出来ないそうだ。
あくまでも単体生物という
範囲内での条件指定らしい。
これは個人能力という形で付与される。
記憶やスキルなんかは引き継げるが
身体能力や特徴は引き継ぎは出来ない。
ただし転生前の影響は少なからずあるようで
魔力が高ければ魔力が。
筋力が高ければ筋力が。
それぞれの値に初回ボーナスで付加される。
これは各能力値を高くしてから転生すれば
高ステータスを得る事も可能という事だ。
これも付加される値はランダムで
最高で80%位で最低で10%位。
魔王を極めて超高ステータスで転生し
最高率で引き継いだ場合
チッタ(虫)生まれ変わった時点で
軽くオーガレベルを瞬殺できたりする。
そこまで行くのにどんだけ掛かるんだと言う
問題はひとまず置いておこう。
では、転生ポイントはどうすれば入手できるか?
これについては世界にどれだけ影響を
与えたかで決まるらしい。
頑張って生きれば沢山貯まる。
のんびり生きても少しは貯まる。
レートも取得条件も相変わらずの
神基準で全然わからん。
次は転生タイミングについてだ。
これはタイミングとは言っているだけで
任意かそうでないかの差だ。
通常、転生は死亡した際に自動起動される。
これが今回の場合だ。
任意の場合は自分の好きな時に転生が可能だ。
それには各種条件が必要だが隠し条件だそうな。
そこも神基準ね、ハイハイ。
「ちなみに俺が犬で実里が王女ってのは
転生ポイントの差ってこと?」
【うんうん、そうだね
王族に生まれついたのは運だけど
人族の容姿端麗っていうのは
保有ポイントが高かったんだよ
これは多分、君と妹さんの能力差だね】
「ステータスまでポイントに影響あるの?」
【それは初回だけだね
最初は世界を渡らせるために
リセットする必要があったからね】
ふ~ん、それもそうか。
高ステータスで高ポイントが貰えるなら
上位種族になれば良いだけになっちまうしな。
【うんうん、そういう事】
「だから俺の心を読んで会話をするな」
【あははははは~】
「そういや俺が生後半年位だったのに
実里は結構成長してたぞ?
ありゃなんでだ?」
【うんうん、それはね
前回居た場所はさ狭間って言ったでしょ
あそこはね世界の外側なんだよね
世界に入る場合ね
あっ、境界って言うんだけど超える場合は
揺らぎが多くなっちゃうんだよね
それで妹さんの方が10年ちょっと先に転生しちゃったんだ】
「今回はどうなるんだ?」
【世界の中での話だから早くて数日
遅くても2年位だと思うよ
そこは介入出来ないポイントの一つなんだ】
「まぁ、次のチャンスがあると思えば
嬉しいけどさ」
【うんうん、そう言ってもらえると良いね
よ~し、そろそろ行っちゃおうか】
そう言って神様がPCを取り出し操作すると
目の前に半透明のディスプレイが出現する。
> 保有ポイント:7800
【おお、半年の割に結構あるね】
「そうなのか?」
【うんうん、これなら良いスキルGET出来るよ】
「そういえばスキルとか種族条件に変更出来るんだよな」
【そうだね、自分で探してくれても良いし
言ってくれればこっちで検索するよ】
う~ん、スキルも武具も良いが
前回で苦労した点はなんだ・・・・・。
うん、あれだな。
あれしかない。
「手足が使いたい」
【それは人族のようにって事?】
「うん、犬族も中々良かったんだけど
やっぱり手が使えないと厳しいな
武器もアイテムも使えないし」
【なるほどね、ちょっと待ってね・・・っと
え~とね、種族は指定できないけど
"人型限定"ってのがあるよ
それなら最低でも2足歩行で
手が使える種族になれるよ】
「それ!それだ!それ欲しい!!」
【は~い】
カタカタ、ポチ。
> 保有ポイント:4800
> 種族条件 :人型限定(3000)
おおう、結構使うんだな。
【後はどうする?】
「ん~、そういやさ
前に貰ったスキルの≪捕食者≫なんだけどさ
あれって食事が美味しくなるだけ?
名前と効果が釣り合ってないと思うんだけど・・・
他のスキルって大体名前通りじゃん」
少しの間、悩むような表情で考え込んだ後に
心底嬉しそうな表情をする。
【・・・・・君は凄いね】
「ん?なんの事だ?」
【確かにあのスキルはね転生した君の
為にあげたんだけど本来の性能を発揮していないんだ
今は食事機能のみの限定解放なんだよ。
美味しく何でも食べれるっていうね
だっていきなり虫とか食べれないでしょ?
あのスキルで嫌悪感なんかを抑え込んでいるんだよ】
「本来の性能ってなんだ?」
【≪捕食者≫の名前通りさ
食べた相手を取り込むことによって
相手の力を己の物とするのさ
限定解放と言っても少しは
その恩恵に与っているはずだよ
同じ物を食べても他者は栄養としてだけど
君は微量だけど力を取り込んでいたはずなんだ
だから成長も早かったしスキル取得率なんかも
上がっていたはずだよ】
「そんな凄いスキルだったのか・・・・
それを限定を解除する事は出来るのか?」
【可能だよ
でもポイントは貰うよ】
「おうそれがあれば食えば食うほど
強くなって事だしな、頼むよ」
【これしばらく黙ってようと思ったんだけどな
こんなに早く気づかれちゃうなんてなぁ】
そうブツブツ言いながらも操作はしてくれてるようだ。
カタカタ、ポチ。
> 保有ポイント:500
> 種族条件 :人型限定(3000)
> 取得スキル :捕食者(能力解放)(4500)
「後は残り500か・・・・
成長系は≪捕食者≫があれば良いと思うし
何か便利なの欲しいなぁ」
ポイントで絞込みを行い一覧を見ていく。
便利なの・・・便利なの・・・・。
おっ、これなんて良いんじゃね。
「アイテムボックス拡張があるじゃん
今って3個しか入らないんだよね」
【え?それ選んじゃうの?
アイテムボックスの拡張は収納鞄と
同じ魔法具だから現実世界で買えるよ?
貴重なポイントをそこに使っちゃう?】
「あぁ、良いんだ
魔法具なんて買えるかどうかわかんないしな
それに荷物を格納できるのは便利だしな」
【まぁ、そういうなら良いけどね】
カタカタ、ポチ。
> 保有ポイント:50
> 種族条件 :人型限定(3000)
> 取得スキル :捕食者(能力解放)(4500)
> 取得スキル :アイテムボックス拡張(450)
「うし、こんなもんか
前のスキルは引き継げるんだよな?」
【うんうん、大丈夫だよ】
「よし、じゃぁこれで良い」
【じゃぁ、情報登録するから
もう変更は利かないよ】
カタカタカタタカタ。
ポチ。
【うんできた】
「おう、ほいじゃ行くか」
【あっ、神システムのVerUPも
同時にやるからよろしくね】
「何が変更になるんだ?」
【表示関連を変更するよ
後はスキルレベル周りを廃止にするね】
「え?なんでだよ」
【だって君さ、あのLV表示を標識に
戦い挑んでたりするじゃん
ちょっと詰まらないんだよね~】
「え~、ないわぁ
その変更ないわぁ」
【あはは、でも以前よりスキル重視の
システムになったから便利だと思うよ
それに表示されないだけで成長するのは
以前と変わらないよ
ちょっと内容は変わったけどね】
「俺の意見は?」
【あはは、受け付けません】
「酷い運営だな」
【君の損になる事はしてないさ】
「まぁいいや、何言っても仕方がないなら
慣れるしかないな」
【うんうん、そう言うと思ってたよ】
うし、前回よりは成長できそうな
ポイントは押えたしな。
≪捕食者≫もあればウハウハだぜ。
両頬をパシンと叩く。
「よし、送ってくれ」
【いっくよ~】
神様がPCを操作すると
ディスプレイに文字が浮かび上がる。
> 神システム Ver1.23 Loading・・・
おいっ!
いつのまにVer1.0を超えた!
聞いてないぞ!!
【ちょっと時間かかるから待ってね】
「ふ~ん、データ量多いのか・・・・
転生先の種族ってさランダムなんだよな?」
【そうだよ~、ポイント範囲内でのランダム選択だね】
「前回の犬族はどれくらいのポイントランクだったんだ?」
【ちょっとまってね~
えっとね
前回の種族ポイントにはね・・・・2000だね】
「2000っ?」
【うんうん、まぁでも2000でも幅があるから
下限に近い種族になったみたいだけどね】
「ちょっと!ちょっと待って!
俺、俺の残り50ポイントしかないから!」
【う~ん、どうなっちゃうんだろうね】
「え、ちょっと!
まって!やり直し!まって!!」
> 神システム Ver1.23 Loading・・・
> 完了
> 転生アプリを起動します
> 転生処理を行います
> ようそこアースランドへ
そう表示されると同時に
眠くなるように意識が遠のいていく。
まって!
まって!
まっ・・・・・て・・・・・・。
ま・・・・。
て・・・。
・・。
・。
意識が戻ると暗くて冷たい所に寝ていた。
空気が淀み、魔力が濃い。
これには心当たりがある。
迷宮だ。
目が慣れていないのか何も見えない。
手をニギニギすると確かな手ごたえがある
やった、人型にはなれたようだ。
ゆっくりと体に力を入れて立ち上がる。
おお、こいつ動くぞ!
俺、大地に立つ!
やっぱり2足歩行は違うね。
俺はどんな種族になったんだ?
意識を集中すると急に視界が鮮明になる。
俺は手を見る。
毛がないぜ!
皮もないぜ!
筋肉もないぜ!
骨はあるぜ!
・・・・・あれ?
俺、骨に転生しました。
この回は前置きも無くスタートしました。
次回から新章になります。




