7-2
お待たせしました
周囲にカクカク動く人形っぽい方々と馬鹿でかい龍種の方しか居ない森山実留です。
此処は何処なのでしょうか?誰か教えてください
☆
古龍が意識の一部を写したと言うマネキンは
相変わらずカクカクした動き・・・いや、少しだけ滑らかなカクカクで
何時の間にか用意されていた椅子に座っていた。
「その椅子は無かったと思うけど?」
「我が魔力で生成した
立って話しても構わぬが座った方が話し易いと思ってな
長くは維持出来ぬが問題はなかろう」
「え?いつ?
全然気が付かなかった・・・」
「この空間は我が管理し庇護下に置いているのでな
そこで作られたお主も我が一部と言っても良いだろう
意識していれば別ではあるが存在を感じ難いのは同体に近いとも言える
現に我の存在も認識し難かろう?我の魔力も同じ事だ」
「それでその姿が隣に来ても何も感じなかったのか?
でも古龍、本体の方は圧倒的な存在を感じたぞ」
「それは仕方がないと言うものだ
我が言うのも何だが我の本体は別格なのでな
認識する前後での話も変わって来ただろう?」
「なんか聞きたい事が増えてくぞ・・・
って、その前にさっきも言ったけど名前が無いのは呼びにくいよ」
「そうは言うがな此処には我と同等に会話出来る者もおらんのだ
名は必要が無かったのでな」
「むぅ、でも会話するにも生活するにも無いと不便だよなぁ」
「でわ、ミノルよ
お主が我の名を決めてくれ」
「はぁ?良いの?
名付けって結構重要な事なんじゃないの?」
「本来、名付けを受け入れると言うのは契約に近い形と言えるな
対等かそれに近い者、または上位者であれば影響は大きいが
そうでない者であれば格の差で大した事は出来ぬ」
「俺が名付けた程度じゃあまり変わらない?」
「それも仕方がない事だ
我はこの迷宮を守護する者
それはこの世界を、星を守る事に等しい
その我と同等かそれ以上とは我が創造主のみよ」
「更に聞きたい事が増えてくる一方だな・・・
影響無いなら名前を付けちゃうけど本当に良いの?」
「うむ、ミノルに任せよう」
何かよくわからん事になってきてるが気にしないでおこう。
名前を付けても良いならあった方が便利だしな。
何といっても本人(本龍)が気にすんなって言うんだしな。
古龍・・・エルダー・・・・エルダードラゴン・・・。
エ・・・ド・・・・そう、エドでどうだろうか。
「エド・・・でどうかな?
何となく男の子っぽい名前かな?
もう少し大人っぽい名前の方が良いかな?」
「男の子と言うのは人間で雄ではなかったか?」
「そうだけど・・・やっぱりエルダードラゴンでエドは安易過ぎたかな?」
「我は既に長き時を生きた身だ
今更拘らんが・・・・・・・・我は雌ぞ」
「え?そうなの?
あんな強面なのに?」
「性別に外見は関係ないと思うがな
確かに我の姿からは分りにくいとは思うが・・・・」
そりゃそうか。
外見が怖いからって雄である必要もないか。
種族的に外見が強面だなんて結構あるしな。
となるとどうするかなぁ
エルダードラゴン・・・・濁点を除くてエルーラ・・・しっくりこないな。
エルラ・・・・頭をひっくりかえしてルエラ・・・・うん。
「なら、ルエラなんてどう?」
「ルエラ・・・・ルエラ・・・・良い響きだ気に入ったぞ
我の名はルエラ、今後はそう名乗ろう」
古龍、改めてルエラがそう言った途端、一瞬だが体がポワっと淡く光った。
それはルエラも同じだったようだ。
「お主・・・・・我が創造主に連なる者か?
全く力を感じないが・・・・ふむ?今直ぐに我が本体の所に来るが良い」
そう言うと少し立派なマネキンは地面にペタッと崩れ落ちた。
「これは意識を元に戻したって事なのかな?
とりあえずまぁ行ってみるか」
何時ものマネキン君達がカクカクと少し立派なマネキン君を
運んでいくのを見届けてから大広間に移動する。
~
大広間に入った俺をルエアはじっと見ていた。
「我が直接見ても良くわからぬ
力は感じないのに存在そのものに影響が出る程度には繋がりがあるか」
「一体なんの事だ?」
「ミノルよ
ラカリスティンという名に覚えはあるか?」
「・・・・・・いや・・・・無いなぁ」
「ふむ?
でわミノルが元に居た世界の創造主は何と言う?
又はお前達を作った者の名でも良い」
「えっと・・・・それはどっちの?
大元の?それとも1つ前の?
最初の方だと良くわからないんだけど・・・神とか居なかったし」
「ミノルは幾つもの世界を渡る者なのか?
人間にそんな真似が出来るとは思えないが
それに神が居ない世界と言うのも存在するとは思えぬのだが・・・」
「いや・・・・こっちも色々と複雑でさ
色々と聞きたい事はあるけど一回ちゃんとお互いの事を話そうか
それから聞きたい事を聞けば良いし」
「う・・・うむ、それもそうだな
興味深い事柄が多くてつい焦ったしまった」
「じゃぁまずは俺の事を話すよ」
「あぁ、ミノルの事を教えてくれ」
俺は今迄の事をポツポツと説明しだした。
最初に居た世界は神の話は多いが具体的な恩恵も無ければ
存在を感じた事もないし魔法なんて存在しないって事を。
事故に巻き込まれて死んで神に導かれて別世界に来た事。
その後は幾度も転生を繰り返している事。
全てを隠さずに話した。
思いついた内容を思い出せる全てを。
「大筋は以上かな
細かい事は色々とあるけど後回しでも良いと思う」
ルエラは少しの間、口を開かなかった。
深く、とても深く考えに集中しているようだ。
「俄かには信じられん話だ
世界を跨いで魂を導いた上に更に繰り返し転生させるなどとな」
「皆がそう言うよ
それだけ世界神って奴の力が強いって事なんだろうけど」
「だが・・・・それだけでは説明がつかんのだ
ミノルからはその神の力を感じんのだからな
何かしらの契約でも結ばん限りそのような事が出来るとは思えないが・・・
そもそもが神の力自体を全く感じんのだ・・・・何の神のもな」
「え?そうなの?」
「うむ
代わりに感じた神の力は・・・いやそれは正確ではないな
ミノルの中に僅かな存在を感じだと言った所か
我の創造主であるラカリスティン様の存在をな
但し残滓と言うべき仄かな残り火と言った程度ではあるがな
我でも名付けの際に魂に触れてやっと気付けた程のな」
「うーん、その名前に全く憶えがないぞ
ラカリスティン様って言う神が俺の言ってる世界神なんじゃなくて?」
「あの方の主な力は創造で慈悲深き方よ
魂の行く先を縛り付け留める等とは行わぬと思うのだ
出来るかどうかで言えば出来るではあろうがな・・・容易な事ではなかろうが」
「今の段階では何とも言えないね
俺には神の力とか存在の残滓とか言われても良くわからないし・・・
とりあえず次はルエラの事を聞かせてよ」
「良いだろう
但し莫大な知識を与えては貰っているが
我は長く此処を放れておらぬゆえ外がどうなってるかは知らぬぞ」
そう言ってルエラはこの世界の事を教えてくれた。
・世界の名前はアス
・創造主の名はラカリスティンと言う名の女神
・この迷宮は世界の核を調整&維持する為に作られた
・ルエラは管理と守護をする為に作られた存在
まとめればこんな感じだな。
ルエラは世界が作られたと同時に生まれた存在なので
世界や地上がどうなってるかはわからない。
ずっと迷宮の最深部に居座っているので外部の情報も無いが与えられた知識だけはあると。
その為に知識が現状に適した内容であるかは不明。
世界が作られた際に様々な種族が考えられていたのは知っているが
実際に世界にどのような種族が生み出されどのような生態となってるかも不明。
人間は生態のベースとして既に作られていたので実際に知っている。
俺の体が人間をベースに作られてる理由は
自分が唯一知っている自分と租を同じとした生命体であるかららしい。
まぁ、あれだ一言で表すとルエラは世界で最古の生命体で
ずっと迷宮に引き籠ってるって事だな。
知識は膨大に与えられているが今でも通じるかは分らないって事だ。
「どうもお互いの世界は違うような感じを受けるね」
「うむ、我はこの迷宮より出た事はないが
ミノルの内容は与えられた知識にはそぐわない事柄が多いのも確かだ」
「何でルエラは迷宮から出ないの?」
「我はここを動けぬ
我自体が核の一部として機能しているのでな」
「なら自分が出れなくても配下や僕なんかが出て情報を持って来ればいいでしょ?」
「この迷宮は表の世界とは違う空間に作られているのだ
なので訪れるには転移と言った様な手段で来るしかないのだが
迷宮内で生まれた存在は外に出て行けない結界が張られていてな・・・
我も幾度も試してはみたのだがな」
「となると全く外の様子も知れないって事?」
「うむ、我が感知能力をもってしても迷宮外の情報は手に入らん
それだけこの迷宮が独立し重要な場所と言う事でもある」
「寂しくないの?」
「我に寂しいという感情は無い
だが面白味が無いと思える感情があったのは認識できたな
今は話相手が居るだけで興奮を抑えるのを苦労する」
強面だし龍種の表情は読みにくいが俺と話すのは楽しそうだってのは伝わってくる。
「喜んで貰えるのは有難いんだけどね
どうにかして外の情報が欲しいよ」
「この迷宮にも過去に辿り着けた者が僅かだがいるのだが
我に辿り着く前に命を散らして情報を得るには至らなかった
途中で我の僕達に会えれば違っただろうがな」
「魔物なんかは管轄外って事?」
「あの者達は迷宮に設定された存在で我とは別の役割なのだ
我の方が上位者とはなるので制御は可能ではあるが
迷宮のバランスを崩しかねないので基本は好きにさせている
長い時を経て独自の生態となっているしな」
「なんか思っていたのと違うな
管理者って言うからには魔物なんかも全て管理してるのかと思ったよ」
「それでは迷宮のエネルギーが円滑に回らない
それぞれの生命体が自然に発生するエネルギーこそが質が高く必要となるのだ」
「でも迷宮の生物って迷宮が生み出してるんでしょ?」
「その通りだ
魔物は迷宮が生み出す
だがそれは個体数が設定値を下回った時だけだ
今では各々が自然に増えた上に外部からの介入が無いからな」
「それで独自の生態系を作ってると」
「うむ
我でもすでに詳細は不明だ
生み出された魔物と言えども生物は自然に生きるのが良い」
何か今迄の迷宮と違うな。
自然型と言うのか何というか。
「そういえばこの迷宮って外から来れるんでしょ?
どうやって来るの?」
「表の世界には幾つかの重要な迷宮がある
それらの最深部から此処の入り口に転移出来るのだ」
迷宮の奥から迷宮にかよ・・・。
裏面みたいな感じかね。
色々と話してみたが同一世界ではない可能性が
高いのではないかとルエラも判断したようだ。
その後は疲れてきたのでまたも微妙な食事を食べてから寝た。
この疲労感や睡魔は最適化が進んでいる証拠らしい。
~
目が覚めると今迄にない位にスッキリしていた。
これは最適化とやらが終わったって事なんだろうか?
身体の違和感も消えて素直と言うかすんなりと動くようにもなった。
ふと気配がし横を向くと見た事もない女性が居た。
「気分はどうだ?
早速で悪いのだが外に出る方法があるかもしれん」
マントしか身に着けていない美しい成人女性が俺に微笑みかけていた。
感想&レビューありがとうございます。
励みになります!




