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7-1

お待たしました!

と言えるレベルじゃないですね・・・・申し訳ないです。


転生して迷宮守護者(候補)となった森山実留です。

響きがカッケーですよね守護者(候補)。

ところで守護者(候補)って何をすれば良いんですかね?



 ☆



「守護者・・・・候補?」


「うむ、我が作ったな

 ・・・・それにしても・・ふむ・・・・お主、自我があるのか?」


「ん?どういう事?」


「お主、名はあるか?」


どういう事だ?全く状況がわからん。

今の俺の体は生身の熱と感じるし心臓の鼓動もある。

手足や胴体をペタペタと確認するも・・・・やっぱり人族の体に見える。

顔は見えないが角もないし顔の作りも普通だと思う。


「どうした?名は無いのか?

 名と言うのはお主が親しき者より呼ばれる時に発せられる言葉だ

 お主を指す固有名詞だ・・・理解出来るか?」


「いや・・・・ある・・・けど・・・」


「言いにくい名か?それとも何かしらの事情・・・そうだな例えば宗教的な問題等で

 他者に明かせないのであれば無理に聞こうとは思わんぞ

 我と意思疎通が出来ると言う事は中身は知性がある存在だろうしな」


「あ、いや別にそういう理由じゃ・・・

 ちょっと面食らったと言うか状況が理解出来て無かっただけで」


「ほう、それはすまなかった

 我も他の存在に会わなくて久しくてな

 少し舞い上がってしまったようだ

 改めて言おう、我が制作物に入りこんだ者よ名を教えて貰えぬか?」


「実留、名前は実留だ」


「ミノルだな記憶した

 名以外の事も覚えているのか?」


「全てと言うのが良くわからないけど

 記憶があるって言うならちゃんとあるよ」


「偶発的な産物ではなく他生命体と言う訳か・・・

 以前は生物的な存在か?それとも精神生命や精霊のような存在か?」


「生物的と言うか人族だったよ」


「ふむ?人族?

 それは人間とは違うのか?」


「人間?・・・・こちらでは人族と言うんじゃ?・・・・あれ?」


そう言えば人間と人族って違うのか?

スキルのお陰か全く違和感が無かったけど別世界なんだし同じ生命体って事でもないのか?

と、グルグル考えると頭がボーっとしてきてフラフラする。


「体調が優れないようだな

 まだ調整も最適化も行っていない身体なのだ無理をするモノではない

 少し休むが良い

 飲食可能な構造にはなっているが・・・・腹は空いているか?」


「あ・・・そう言えば腹は減ってな

 何か食べる物を頂けると有難い」


「食の欲求はあるか・・・ふむ、面白い

 我は食事を必要とせぬが配下の者に用意させよう

 飲食可能だとは思うが味は保障せぬぞ

 なにせ人間が食えそうな物を食す者が居ないのでな」


その後、やたらとカクカク動くマネキンのような奴が部屋に案内してくれた。

小さい部屋に質素な寝台と小さな机があるだけの部屋だが掃除は行き届いて綺麗だった。

少ししてまたもカクカクマネキンがやってくる。

手には料理が乗せられたお盆をもっていて無言で置いてカクカクと出て行った。


「これは・・・思ったよりも・・・・酷い・・・」


焼いた肉とスープのような物が出てきたのだが正直料理と呼びたく無いようなモノだ。

謎の肉を焼いて適当に切っただけで味付けも何もなく焦げてたり生だったりと火の通りもバラバラ。

スープは変な色の植物と変な色の肉らしき物が浮いていて変な香りがする。


一口づつ食べてみると・・・・不味い!

こいつはとてつもなく不味い!

飲み込むのに苦労す程に不味い。

肉は妙な獣臭がして生臭いしスープは酸っぱ苦くてヌルヌルする。


「こりゃとてもじゃないが食えないぞ

 つうかこの世界にきて不味いとは思っても食えないレベルは初めてだ

 こりゃ神器の力を借りるしか・・・あれ?」


調味料を出そうにもしてもアイテムボックスにアクセス出来ない。

ひょっとして・・・。


「アリス!来い!・・・・・来いっ!・・・出て来いよっ!」


まじか?!

神システムにもアクセス出来ずアリスも呼べない。

一体どうなってる?

まさか飯が不味くて食えないってのも≪捕食者≫が機能してない?

他のスキルを試すも全く発動しない。


「これは一体どういう状況なんだ?」


頭がグルグルとし考えが纏まらない。

状況を整理しようにも情報が少な過ぎる。

寝台に横になり考えていると何時しか眠りについていた。


 ~


目が覚めると頭が少し重たく感じたが気持ち悪くはない。

だが妙に体が怠いと言うか力が入らないような感じがする。

普通に動くし力も入るんだけど感覚が変だ。


どれ位、寝てたんだろうか。

腹は減ったが食事は片付けられていた。

あっても食べる気にもならないけど。


念の為、もう一度チェックしてみたが神システムは反応しないし

アイテムボックスへのアクセスも出来ないしアリスも召喚出来ない。


やっぱり転生時の不具合の影響なんだろうか。

なんか色々と変なアナウンスがあったし・・・。

でも転生自体は成功しているようなんだけど他にも影響がありそうだな。

まずは情報を集めてみよう。

此処が何処なのかもわからないし。


部屋から顔を出すと例のマネキン君が通路に佇んでいた。


「ちょっとそこのマネキン君、聞きたい事があるんだけど」


部屋に案内して貰う時に言葉が通じるのは確認済みだ。

俺に気が付いたマネキン君はカクカクと微妙な動きで近寄ってきた。


「この中を見て回りたいんだけど問題ない?」


カクカクと首を縦に振る。

どうやら肯定のようだな。


「入っちゃまずい所とかある?」


これも縦振り。


「じゃぁ大丈夫な所を案内して貰う事は出来る?

 簡単な地図なんかもあると嬉しいんだけど」


マネキン君はカクカクと頷くと大雑把な地図を書いてくれた。

先程の大きな龍・・・古龍で良いか、は居る場所が

広間と言うか中心の大きな場所でそれを囲むように色々な区画があるらしい。

便宜的に東西南北で分けるが今が西エリアだ。

立ち入り禁止エリアと言うか俺が移動出来るのは西側と大広間だけなんだそうだ。

直接他のエリアに通じる通路も通れないらしい。

その代り西側と大広間であれば好きに動いて良いし有る物は自由に使って良いとの事。


マネキン君はカウカクと歩き出して案内してくれた。

西側は空き部屋が殆どで幾つか倉庫のような部屋があるだで

全てに人気はなく何体かのマネキン君が倉庫を整理していただけだった。

食料品と思わしき物や布等がが運び込まれていたので聞いてみると俺の為に整備しているとの事。

掃除は隅々まで行われているがどうも長く使われいない区画のようだな。


腹も減ったしやる事もないので大広間に出てみると奥に鎮座する巨大生物。


「元気になったかな?ミノルよ」


「頭は少しスッキリしたけど腹が減ったよ」


「ふむ?食事は届けたと思うのだが?」


「アレね、ちょっと味が酷くて」


「それは済まなかった

 ここに居る者達は食事が不要でなそこらがよく分らんのだ

 材料だけは配下に届けさせたが直ぐに手配出来るのがアレぐらいでな

 その者達が普段から食べているのだから物は悪くないとは思うのだが・・・」


龍のくせに申し訳なさそうに話す姿は少し面白く感じる。

その反応を見る限りでは敵対する気は無いようなので安心できる。


「そうなの?肉は焼いただけなのに凄い味だったから

 素材をそのままを食べるには適さない気がするよ

 料理すればまた違うのかもしれないけど」


「そうなのか?

 設定当初では世の美味と言わたハズなのだが

 長年の閉鎖環境に近い現状では独自の変化があったのかもしれぬな」


「迷宮なのに変化するの?

 しかもその内容を押さえてない?

 と言うか設定当初?」


「迷宮とは周囲の環境と同化し独自の変化をするものだ

 そもそも環境を整え維持する為に利用されるのだ当然だと思うのだが?」


「俺が知ってる迷宮と何か違う

 環境を整えると言うよりは訪れる者から様々なエネルギーを搾取するってのが目的なんだけど」


「確かにそれは迷宮の重要な役割の1つだ

 だが迷宮の基本目的は過剰なバランスとなった環境を整えエネルギーを循環させる事だ

 ミノルの世界では違うのか?」


「うーん、どうなんだろう

 俺も聞いただけで迷宮の仕組みを詳しく知ってる訳じゃないからなぁ

 でも数多くある迷宮ではそう言った役割のもあるのかもね」


「まて?!迷宮が数多くあるのか?

 ミノルの世界とは神の力が及ばぬほどに広大なのか?」


「どういうこと?神の力?

 そりゃ迷宮は神の力で作ってはいるけど・・・」


「ふむ・・・・どうやら我とミノルの知識には色々と相違があるようだな

 出来れば詳しく話をしてみたいのだが・・・」


「そうだね

 此処が何処なのか?どんな世界なのかも聞きたいし

 色々と教えて貰えると嬉しい」


「うむ、我も会話には飢えているので嬉しくもある

 少し待って貰えれば時間を作ろう

 もうひと眠り程するまでにはその体の最適化も終わるであろうしな」


「そうなの?

 何か変わったりするの?」


「他所から魂が入る事なぞ我としても想定外なのでな

 最適化と言うよりは馴染むと言った方が正解かもしれぬ

 特段、何をするのでもないので安心するが良い

 それまでには我もやるべき事をやっておくとしよう」


「なら食材と出来れば調味料なんかはあるかな?

 お腹が空いちゃって」


「僕達に伝えておこう

 他にも欲しい物があれば何でも言うが良い

 此処では手に入る物は少ないがな」


そういって笑う大きな龍はぶっちゃけ相当に怖かった。

だって強面なんだもん。


 ~


カクカクするマネキン君に連れられて行ったのは先程の倉庫の1つ。

其処には食材と思わしき物が幾つかの棚に整理されて置いてある。

生ものだろ!とか不衛生じゃね!とかは気になったが

部屋自体に加工がしてあるらしく痛んだり腐ったりはしないそうだ。

普通に出入り出来るし部屋や棚が冷たい訳でもないので不思議な感じだ。


少し味見をして食べれそう且つ味がマトモそうな肉や植物を幾つかと

調味料が無かったので少しだけあった香草を貰って隣の空き部屋に運ぶ。

台所のような場所は無かったので仕方がない。

ブロックや網、鍋なんかは言えば何処からか持って来てくれた。

素材は謎だが簡単な作りの物なら作成してくれるみたいだ。

どうも俺が立ち入れないエリアに作成場のような場所があるようだな。


それはさておきブロックで簡易的な竈を作り鍋をのせ水を張り素材を入れる。

隣の竈には網で焼肉だ。

食材をちゃんと選んだので見た目は別として何とか食べれるレベルであって欲しい。


因みに水や火はマネキンが魔法で出してくれた。

俺は幾らやっても魔法が発動しなかったので完全にスキルとは切れているようだ。

魔力はあるようなので使えるとは思うのだが後回しだ。


出来上がった鍋物と焼肉は何とかギリギリで食べれる味になった。

香草が良い感じに匂い消しになってくれたし肉自体も前回のより食べやすい。

野菜代わりの植物も青臭く主張が激しいが変なヌメり等は無い。


マネキン君が少し分けて欲しそうだったので皿に盛ってあげたが誰が食べるのかな?

古龍もマネキン君も食事は必要ないって言っていたので研究用なのだろうか。


「出来れば調味料と言うか塩があると嬉しいんだけど」


「カクカク」


「塩ってわかる?」


「カクカク」


「他にも手に入るのであれば調味料の類は色々と欲しい」


「カクカク」


その際に塩やその他についてお願いしておいた。


それにしても自分で作っておいてなんだが不味い・・・。

だけど我慢してモリモリ食べてると活力が湧いてくる気がする。

食材自体は高レベル品のようだし何かしらの効果があるかもしれん。

何にせよ満腹になれば元気が出るってもんだ。


「クぁ~」


起きてそんなに立ってはいないが妙に眠くなってきた。

これが最適化の影響なのかね。

不満足ではあるが満腹だしとりあえずはひと眠りする事にしよう。

てなわけで寝台に潜り込んでさようならだ。


 ~


目を覚ますと机の上に水が置いてあったので有難く頂く。


「ふぅ、美味い水だな」


余りの美味しさにゴクゴクと飲み干す。


「ふむ?それはミノルには美味しく感じるのか

 興味深い事ではあるな」


「うおっ?!」


驚いて声のした方を振り返るとマネキン・・・・妙に着飾ったと言うか

マントのような物を羽織ったマネキン君が居た。


「どなた?」


「ミノルの言う古龍と呼ばれる者が

 我を指す言葉であればそれだ」


「なんかわかりにくい言い方をするな

 古龍さん・・・ってのも変だしな

 名前が無いって?それにその姿はマネキン君だよね?」


「一時的にではあるが我の意識の一部を僕の体に移した

 長時間持つようなモノでも無いがミノルと話す間位は持つだろう

 そして名前といったが・・・我に名は無い

 好きなように呼ぶが良い」


ツルツルしたマネキンがやけに威厳たっぷりで話しかけてくる。

その動きはやはりカクカクしていた。


え?本当に古龍さん?

不定期ですが更新再開したいと思います。

一月一話程度に気長にお待ちください。

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