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6-32

連続更新3日目です。

ラバリオが「迷宮が欲しい!」と言い神が笑う。

何か変な所があるんだろうか?


【それはまた随分と大きく出たね】


「あ、はい・・・調子にのったっす

 でも一番欲しいのは自分だけの迷宮っす」


あ、迷宮神なんだから自分の管理する迷宮が欲しいって事なのかな?

まだ下っ端には任せらんねーぜ的な状態なのかな?


【うーん、どうしようかなぁ

 僕的には簡単なんだけどねー

 って訳がわからないって顔してるね】


「え?だってラバリオは迷宮神だろ?

 自分が管理する迷宮が欲しいってのは

 迷宮神としての立場が上がるって事なんだしそこまで非常識かな?」


「あ、多分ミノルさんは勘違いしてるっす

 神が作った迷宮って自分ら迷宮神達が作ったり管理してるっすけど

 持ち主は別に居るっす」


どうにも神が作った迷宮と言うのは神が信仰や名声を求める為に作る事が目的とされていて

その作成や管理等を請け負っているのが迷宮神達なんだそうだ。

例えるなら作成依頼した神がマンションやビルのオーナーに当たり

施工会社や管理する不動産、維持する管理会社が迷宮神の担当となる。

そう考えると何となくわかりやすい。


「自分の迷宮を持つ迷宮神も居るっすけどね

 下級神程度じゃ作成も維持も力不足っす」


そりゃマンション建てるって考えりゃ資金力(神の力)は必要だわな。


【簡単に言えば迷宮神君は作成も維持も自分の力じゃ無理だけど

 自分の為だけの迷宮が欲しいって事だね】


「金は無いけど不労収入は欲しいと」


【あはは!そうそう!

 君の世界の言葉で言えばその通りだね】


神は楽しそうにケラケラと笑うがラバリオは青ざめた顔だ。

そりゃ俺でもそうなるわ。


「で、どうするの?

 ラバリオの願いは?」


【うん、いいよ

 自分だけの迷宮を作っちゃいなよ】


「え?良いっすか?」


【あはは、じゃぁ条件はコレでいい?】


神は空中で指先をクルクルと回すとポンっと一枚の紙が出てきた。

恐る恐る手にしたラバリオはそれを食い入るように見る。


「こ、こんな条件で良いんっすか?」


【まぁそこはホラね

 多少は僕からの感謝もあるからね】


初期作成とそれに掛る維持は神持ちで相当な余裕があり

かなり自由な設計と設定が可能だ。

作成場所は自由にとはいかないが幾つかの候補地内で選択でき

しかもそこで発生した信仰パワーはラバリオの物として良い。


あ、因みに信仰パワーとは言うけど迷宮内で死んだ者の魂や魔力、持ち物等も含まれる。

迷宮外の物なら信仰心でも物理的な物でも何でも良いらしい。

だから迷宮は宝物や魔物素材、はたまた脅威等で誘い込もうとするとの事。

前に言っていたリソース云々の話しも同様だ。


【設計も作成も自分の手でやりたいんでしょ?】


「はい!そうっす!」


【うんうん、そりゃそうだよね

 後は君の上司と相談してよ

 この迷宮作成は僕の権限で最優先事項に回させてもらうからさ】


それだけ言うと神はさっさとラバリオの部屋から元の部屋に戻ろうとしたが

俺だけ残る訳にはいかず挨拶だけして一緒に戻った。

勿論、ラバリオはもうマイ迷宮に夢中でうわの空だったけどな。




「何か裏が無い?

 随分と条件が良いみたいだけど」


南国風の部屋に戻って気になる事を聞いてみた。

どうみても裏があるようにしか見えないしな。

ずっとニヤニヤしてやがったし。


【あはは、まぁ裏と言うか考えはあるよ

 現世に君と繋がりのある迷宮と言うか神が居ても良いしね

 不測の事態があれば対応出来る事があるかもしれないしさ】


「直接に手を出すのは駄目なんじゃ無かったか?

 パワーバランスも崩れるとか何とか」


【僕が直接に手を出すのは不味いね

 今回はまぁ・・・・ギリギリかな

 迷宮作成分のリソース等は手を回さないと駄目だろうけどね】


「まぁそっちが良いなら良いけどさ

 でもコレって他の神が気が付いたら俺を利用しようって奴が増えるかもね」


【そこは気を使う必要はあるね

 でも以前に比べて気が付く神は出てきてるし流れに任せるのも面白いかなって思うんだ

 それも君が世を動かしてくれてるって事になるんだしさ】


「変な神に絡まれるのは嫌だぞ」


【うーん、それでも大抵の神は擦り寄ってくるだけで害はないと思うんだけどね

 そこが僕には面白くないんだけどさ

 もっとさ反骨精神というかさ成り上がるぜ!的なガッツを見せろって感じだよね】


「ガッツって・・・・・お前って最高位の神だろ?

 それに逆らう奴も居るのかよ」


【そりゃ居るさ

 そもそも神にとって位や神力が上がるって事は自分の存在を高めるって意味もあるしね】


「すげぇ迷惑な話だな」


【大丈夫だとは思うけどね

 相手も相当に馬鹿じゃない限りは直接手を出したり出来ないから】


「何か引っかかる言い方をするね」


【君のような加護者を出して襲ってくるとかはあるかな】


「それは有りなのか?」


【あはは、それは別に問題ないよ

 加護者同士が争うなんて良くある事だしね

 寧ろ敵対してる神や狙ってる神が居れば加護者同士をぶつけるのは良くある手だし】


「そ、そうなのか?」


【加護を授けるって事は割と神力が必要なんだよ

 加護者を倒せば相手の神の力を削ぐって意味もあるしね

 与える程度にもよるけどね】


「なるほどね

 のし上がる為の手段として相手の力を削ぐって事か

 でも逆に自分の力を奪われる可能性もあると」


【あはは、何事もメリットデメリットはあるよ】


「と言う事は前に会ったゼノーヴァなんかは?

 魔王と勇者を倒すとか言ってたけど」


【彼には彼の想いもあるんだろうけどね

 勇者君と魔王君は色々とやったから恨みを持つ者も居るだろうし

 僕の力を落とそうとしてる複数の神の意志も影響はしているだろうね

 それもまた楽しいけどさ】


「すげぇポジティブだな

 何でも楽しむのかよ」


【あはは、何事も楽しくやるのは大切だよ

 だから君も楽しむといいよ

 君の場合は倒されても次に行けるから僕の力も無駄にならないしね】


「そういえばそうなんだな」


【うんうん

 だから思う存分に他の加護者と戦ってみるといいよ】


「あ、それは遠慮しておきます」


【なんでさー】


「お前が喜びそうだからだよ」


俺の言葉に神は楽しそうに笑う。

こんなんが最高位の神なんだってんだから神様達も大変なんだろう。

いや、寧ろ頭はこんな感じでも良いのか?






【じゃあ今回はこれで良いんだね?】


無駄に神の内情を聞いた後に

あーだこーだと神に質問しつつ取得スキル等を決めた。

あっちこっちにと話しが脱線し色々と話してたら結構な時間が経っていたが

ここでは時間の概念は有って無いような物だしな。


そうそう今回は国を動かした事に直に関わったと言う事で17万ポイントをGETした。

流石に神云々があった前回には届かなかったか相当な高得点だ。


「今回は技術系に振ってみようと思ってね

 魔力頼りじゃ不安定さを感じたからさ」


【現世は弱肉強食の世界だからね

 力が無い者には厳しいから必然的に戦闘に関係する技術は高くなるよ

 魔力や身体能力の限界はどうしたってあるしさ】


「そこらへんは前回に取得したスキルで補ったしな」


【僕としてはもっと現地で色々と取得して欲しい所ではあるけどね

 そこらへんも楽しみなんだけどなぁ】


「そういやアレって基準なんなのよ?

 割と直ぐ取れたり全然取れなかったりするんだけど」


【技術的なスキルは技術体系が明確だったり

 自分で独自にコツを掴んだりすると覚えやすいね

 ≪捕食者≫経由だとなるべく鮮度が良くて相手が強いと良いかな

 そこはまぁ生命を頂くわけだからね】


「食べる相手は自分で倒さなくても良いの?」


【自分で倒した方が得やすくはなるよ

 相手の命に係わるんだから縁が出来るしね】


「なるほどな

 じゃぁ次は自分で獲物を取ってスキルも狙ってみるわ」


【うんうん

 楽しみにしてるよ】


ニヤニヤと楽しそうな神の顔が気にはなるが有益な事は聞けた。

そして取得候補を少しだけ変更して最終決定にする。



> 種族条件  :人型限定(3000)

> 種族条件  :アンデット属性拒否(1000)

> 種族条件  :早期自立行動可能(1500)


これは今迄通りだ。

これだけは譲れない線でもある。

ポイントに余裕があるので種族を狭めようかと思ったんだけど

分岐先は多く特定種族を狙うにはポイントが高くつくので止めた。

つうかもう毎回コレで良いんじゃないかと思う。


> 取得スキル :武芸補正上昇(10000)

> 取得スキル :剣術補正上昇(5000)

> 取得スキル :槍術補正上昇(5000)

> 取得スキル :射撃術補正上昇(5000)

> 取得スキル :体術補正上昇(5000)


技術系は色々とあったが補正上昇系を選択した。

これは武術系のスキルの熟練度取得率や効果を補正してくれる補助系統になる。

必要ポイントは低いが武術系スキルが無いと意味を成さないスキルでもある。

聖神流系の武術スキルがあるので期待出来ると思う。

神の言う事を信じれば何処かで武術をちゃんと習えば取得できるので

GETしておけば今後の伸び率も変わってくるんじゃないかな。


≪弓術≫もあったが俺には魔弾があるので≪射撃術補正上昇≫にした。

こっちの方が補正率は落ちるようだが弓も含まれるのでカバー出来るだろう。

つうか弓は習ったけど実際に使った事もないので止めた。

他には神謹製の武術スキルもあったがポイントが高いのと

効果が妙にヤバそうなのばっかだったので止めた。


> 取得スキル :金剛(25000)

> 取得スキル :威圧(8000)


≪金剛は≫体を鋼のように硬化するスキルだ。

全体を硬化して攻撃を耐える事も出来るし一部を硬化して武器や防具とする事も出来る。

魔力を使用するスキルではあるが消費はそこまで激しくないのが良い。

≪威圧≫は≪王者の眼光≫と似てはいるが圧の強さを調整しやすい。

≪王者の眼光≫はどちらかと言うと全力で行くスキルだしな。

両方を同時に使えば更に戦闘や交渉でも相当に圧を掛けれるだろう。

どちらかと言うと下に見られる事が多いので一応取っておいた。


> 取得スキル :高速治癒(30000)

> 取得スキル :治癒能力向上(45000)


≪高速治癒≫はその名の通り治癒速度があがる。

≪治癒能力向上≫は怪我の対応範囲があがる。

速度は余り変わらないが重症でも治り易くなり魔力さえあれば四肢欠損も対応できるようになる。

この2つのスキルを組み合わせれば大抵の怪我も何とかなるだろうし

魔法に乗せれば効果向上と必要魔力軽減の一石二鳥だ。


> 保有ポイント:0

> 転生消費分 :26500


最後に転生分を3万弱残して終了。


「もう人族になる事ってないかな?」


【このポイントなら確率は相当に低いね

 そもそも前回は魔王君とのリンクが影響しての結果だしね

 狙うなら転生条件をもっと絞るか変更しないと駄目かな】


「種族は絞ろうと思ってもポイントが幾つあっても足りないなぁ」


【あはは

 それは仕方がないね

 そもそも転生先を選ぶって事が難しいんだしさ】


「わかってるって・・・・さて、次に行ってみるかな」


【次も楽しみにしてるよ】


「期待に沿えるかはわからんけどね」


低い駆動音と共に空中にディスプレイが現れ文字が表示される。


> 神システム Ver6.03 Loading・・・


何時もながら結構Verアップしてんだよなぁ。

つうかVer5は何処いったんだよ。

何時の間にかVer6になりやがって。


> 神システム Ver6.03 Loading・・・

> 完了


> 転生アプリを起動します

> 転生処理を行います


少しづつ意識が遠のいていく。

次は・・・・真面な種族が良いなぁ・・・・。


> 警告!処理に異常が発生しました

> 外部からの介入を確認しました

> 防壁を展開・・・分析開始

> 排除を実行・・・・・失敗

> 浸食が進行中・・・・接続維持不可・・・・バイパスでの再接続を実施

> カウンター準備完了、開始します・・・・・・浸食の阻止に成功

> バイパスでの接続に成功・・・・接続安定値が低下中・・・出力強化を実施

> 必要最低ラインの確保に成功・・・・転生の強制実行を開始します


> よ・・・よよよ・・・・うこ・・・そそそアあああ・・・アースランランラン・・ドへ


ちょ・・・・どうなって・・・・・。


 



 

 


 



其処は薄暗い場所だった。

何か堅いベットと言うか診療台のような寝かされている。

身体に違和感は無いが指先と目しか動かない・・・・声は出そうではある。


目をキョロキョロと動かして周囲を確認すると視界の隅ギリギリに機器の様な物が幾つか見える。

何となく前にゴーレム体に転生した時に似ているな。

それでも手足に感じる感覚は生身のようだけど。

無事に転生したようだけど・・・・さっきのは何だったんだろう。


それにしても空気が妙に重いと言うか何かに包まれているような息苦しさを感じる。

天井も高いし相当に広い部屋なのは何となくわかるが・・・・。


「ここは一体どこだ?」


「ほう?・・・・これは面白いな」


俺のボソッとした呟きに何かが反応した。

周囲に気配は無かったぞ。

慌ててスキルを起動・・・・・しない?・・・・なんだ?

と言うか神システムからの反応がない・・・どういうこった。


「慌てるな

 まずは動かせるようにしてやろう」


そう言うだけで体がスッと動けるようになった。

恐る恐る上半身を起こし体を見ると下着のみを見に付けた下半身が見える。

薄暗くてザッとみただけだが手足が長くひょろっとした印象を受けるも人族の身体っぽい。


「体は動くか?」


声のしたほうを振り向くとそこにはとても大な何かが居た。

気が付いてしまえば感じれる圧倒的な存在感と強大な力。

最初からこの存在は側に居たんだ・・・余りに近くて存在が大きすぎて気が付けないだけで。


「おま・・・貴方は?」


「ふむ?私か?

 私はこの迷宮を守る者でお前の創造主だな」


「創造主?」


「うむ、お前はこの迷宮の管理人として作られた守護者ガーディアン

 もっとも候補の中の1体ではあるがな」


龍種と思われる大きな存在は楽しそうに笑った。




なんか守護者とか意味がわかんないんですけど!

これにて6章は終了です。

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