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評価&感想ありがとうございます。

ブクマも嬉しいです。

こんにちわ森山実留です。

主、と言うか協力者が行方不明で半年以上帰ってきません。

これってどうすれば良いのでしょうか・・・・。






ミガが帰ってこないまま半年が過ぎたが何も音沙汰は無かったが

それでも俺達は無事を信じ平常通りに行動した。


俺は闘士としての行動を控え基本的には家に居る事にし連絡を待った。

それでも幾つかの大会には出場したり個人戦を戦い出張訓練にも行った。


ララはミガが王となるのを疑わずに即位した際には色々と支えられるようにと

研究と根回しを続ける為に屋敷に戻らない日々が増えた。


キリルとリースはディズとリュードラルに腕を買われて

養成所や傭兵部隊等への技術指導を行うようになった。

どうも無収入で無駄飯食らいになるのは気が引けたらしい。

実里から資金援助はされているが最低限は稼ぐって考えとの事。

何もしなければ腕も勘も鈍るし丁度良かった。


ディズは闘士として復活を果たし順調に勝ち星をあげている。

怪我で引退するよりも調子が良いぜ!と言っているが実績が伴っているので本当なのかもね。

リュードラルは戦いたがっていたけどディズが嫌がって未だに実現はしていない。


ミリーは・・・・特段何もしなかった。

基本的には俺と一緒に行動したがるが時折、フラッと何処かに行く事もある。

色々な物や景色を見たい様々な事を経験したいと言う思いはあるようだけど

それよりも俺と一緒に居るのが楽しくて満足のようだ。

そういやキリルとリースもあった頃は俺と離れたがらなかったな。

立場が人を作るとも言うがちょっぴり寂しくも感じるぜ。


ミリーは表情に乏しいから嬉しいのかよくわかんないけどね。

無駄飯位ではあるが本人は全く気にしていない様子だ。


「お兄ちゃんは結局何がしたいの?」


屋敷の庭で久しぶりにルーブを呼び出して遊んでいるとミリーがふと聞いて来た。


「この国に行動拠点を作りたいんだ

 安心して行動出来るようにね

 国の後ろ盾で商会か家を興してさ」


「ううん、違うの

 そうじゃなくてお兄ちゃんは"この世界で"どうしたいの?」


「この世界?」


「そう、だって元は別世界から来たんでしょ?

 違う世界に来る事になったけど何かヤレって言われた訳でもないんでしょ?」


最初はドタバタ・・・でこの世界に妹を追いかけてきて・・・・。

転生しつつ世界を回って・・・・妹に会う為に旅を続けて・・・。


「妹を追いかけてこの世界に来たから妹に会うのが目的かな?」


「妹さんも転生してこの世界に来たんでしょ?

 お兄ちゃんとの前世の記憶はあるけど血は繋がってないでしょ?

 私も何回か話したけどこの世界に根付いてる感じがしたよ」


それは・・・俺も考えた・・・・何回も何回も考えた事だ。

実里は記憶をもってはいるがこの世界の住民だ。

俺も転生者でこの世に生を受けたが不安定な上に死んで転生してしまう。

家族と呼べる者は何人も居るが全員が俺の状況を受け入れてくれるかはわからない。


「それに妹さんにあってどうするの?

 一緒に暮らすの?向こうは家族も立場もあって聖女なんだよ」


「お・・・俺は・・・妹・・・に・・・・・」


俺は妹に会った後にどうしたいんだろう。

この国に生活基盤を作って転生しても行動し易いようにして・・・・。

それは実里に会う為?じゃぁ会ったらどうする?

転生するような事にならなくて一緒にいれたらどうする?

2人で生活してたように暮らすのか?

この世界で立場ある実里と根無し草の俺が?

そもそも俺にだって家族は居るんだ・・・向こうが認識できるかは別として。

・・・・・・と言うか実里以外に・・・・会いたいと思っていない?・・・・あれ?

だがそれも・・・あれ?・・・俺は一体・・・何が・・・・。


「痛っ!」


唐突に猛烈な頭痛が襲ってきた。

ズキズキと芯まで響く痛みと吐き気が襲ってくる。


「大丈夫!お兄ちゃん!」


膝から崩れ落ちて胃から逆流して来るものを止められず吐き出す。

視界が斜めになり体が崩れ地面に倒れたのが分った。

ルーブとアリスがこちらに気付いて戻ってくるのを見ながら俺は意識を手放した。




目が覚めるとベットに寝かされていた。

部屋は魔道具の明かりでうっすらと明るい程度。


「気分は良くなった?」


隣を見ると枕元でミリーがこっちを見ていた。

本当に人形のように整った顔だよな。

特に今みたいに薄暗い場所で見ると尚更だ。


「私の事なんてずっと見てどうしたの?」


「いや、綺麗な顔だよなぁー」


寝起きで思わずポロリ。


「ん?この体は本体情報を元にお兄ちゃんの魂情報が混ざって構築されたからね

 ある程度は理想的な顔なんだと思うよ」


「いや、そこはありがとうとかじゃないの?」


「それが正しい反応なの?

 次回からはそうするね」


「相変わらずだな

 抜けてると言うか足りないと言うか・・・」


ミリーは贔屓目に見ても美人で可愛い。

着ているのもシンプルなワンピース等で中身の化物っぷりなんて微塵も感じれない。

そして常識が乏しく危険感も無いのでフラっと変な所に入ったり受け答えも怪しい。

その為に、良い奴にも悪い奴にも色々と絡まれる。


非常識に食べるので様々な屋台のおっちゃんに好かれてオマケされたりするが

路地裏や場末にたむろしてるような輩にも挨拶されて何が奢って貰ったりしてる。

・・・・・・あれ?別に絡まれて無い?


「それで体調はよくなったの?」


「あ、あぁそうだな

 頭痛も無いし吐き気も治まったよ」


「それは良かった

 急に倒れたから驚いた」


「あれなんだったろうな」


「私じゃわからない

 ロージスかララに聞いた方が良いと思う」


「それもそうか

 治ったら腹が減って来たな

 今はどれ位なんだ?」


「そろそろ晩御飯

 下で準備してる」


キリルとリースとアリスで晩御飯の準備をしてるらしい。

アリスはきっと味見役でルーブはおこぼれを貰って嬉しそうにしてるんだろうな。

余談ではあるがミリーが食べる量はキリルを越える。

一番の大食いであるアリスは元々謎生物ではあるので今更驚きはしないが

キリルも体格が良くなったので食べる量も多い。

それを越えてくるミリーは本当に人族なんだろうかと思う。

種族的にはそうなっているが中身は違うんじゃないかと。


「じゃぁご飯でも食べるか」


俺達は飯を食べるべく下に降りる事にした。


「私はこの世界で出来たお兄ちゃんの家族だと思ってるよ」


「そっか・・・ありがとうな

 じゃぁ家族の為にも頑張らないとな」


何かに気が付いたのかミリーは俺にそんな事を言ってくる。

その言葉はじんわりと俺に広がり嬉しく暖かい気持ちになれた。


それにしてもあの頭痛はなんだったろうな。





それからまた数日間は試合も何も無く特に依頼も来ていなかったので

屋敷で過ごしていた所にララが帰ってきた。


「ふぅ、こちらの根回しも概ね終了したわ

 ミノルさん以外は外出中?」


「今は買い出しに行ってるよ

 ついでにディズの試合があるから見てくるらしい」


「私とルーブちゃんは居ますよー」


「あら、ルーブは久しぶりね

 と言うか2回目ね・・・・・少し体を見させてくれないかしら?」


そうニッコリ微笑むと怖かったのかキューっと鳴いて部屋を出て行った。


「アリス、ルーブを頼む

 後で何か作るからさ」


「はーい、了解です」


アリスもルーブを追いかけて飛んでいった。


「それでララの方はこれで終了?」


「そうね

 ミガが王になった場合の各方面からの支援は確約出来たわ

 これで随分と楽になるんじゃないかしら」


「ミガが王になるのを信じてる?」


「そうね

 ミガの心は並大抵な事じゃ挫けないわ

 たとえ腕や足が捥げようとも間違いなく王座には辿り着くわよ」


「普段はだらしなく見えるけどな」


「あれで心のバランスをとっているのよ

 私が最初にあった頃なんて壊れた人形のようだったもの

 マイナス面ばかりを背負って生きるにはあの子はもう若くないしね

 それだけ成長したのよ」


「どん底から這い上がった王様か・・・・良い王様になりそうだな」


「フフ、そうね

 だからミガの為にももうひと頑張りしないと」


「何か動きがあった?」


「えぇ、ミノルさんに王城から呼び出しが来てるわよ」


「俺だけ?」


「今の所そうね

 内容としては実力が見たいそうよ」


「今更、実力を?」


「実績のある闘士で奴隷でもないって事はミガが王座に付けば

 側近になるって事なのだから実力が見たいってのもおかしい話じゃないわ

 タイミングを除けばね」


「タイミング?」


「協力者や奴隷の実力を見たいのなら評議会での査問中に行われるハズよ

 それも問われる素質の1つなのだし・・・」


「なるほどね

 ミガの実力が試されてる段階なのに変だよね」


「まぁそれも全て決まってる訳ではないし当代の意向かもしれないわ

 評議会自体は一回認めたら余程の事が無い限り覆さないハズだしね」


「ミガもそんな事言ってたな

 毎回同じとは限らないって」


「そうね

 基本的な評価システムは構築されているけど

 評価する側の権限が大きすぎるのも問題ね」


「なんかキナ臭い感じだなぁ」


「一国の王になろうと言うのだから色々とあるわよ

 気になるのは間違いないから準備はちゃんとしておいてね」


「俺一人だけってのも・・・怪しいよなぁ

 準備だけはしておくか」




数日後、単独で王城に向かう。

アリスは念の為に戻って貰い何かがあれば出て助けを呼んでもらう算段だ。

全身フル装備で更に各種魔道具も用意した。

長期になる事も考慮して食材は多めに持って来ている。

こうして考えるとアイテムボックスは本当に有難いな。

容量が無制限で時間経過も無いので劣化もしないし。

ミガとララが詰め寄って来るのも今ならわかるな。


『アリス、何かあったら頼むな』


『わかりました

 でも実力を見たいって何をするんでしょうね?』


『誰かと戦わせたりするんじゃね?

 俺は闘士なんだしさ』


『それもそうですね

 実際に見ないと納得しない人も居ますしね』


『まぁそんな所だろうな』


王城は堀で囲まれて四方にある橋からしか入場が出来ない。

正門以外は基本的には内部関係者のみの入場口なので俺は正門だ。

橋にも小さな門がありそこで受けつけし許可が下りれば橋を渡れる。


他にもチラホラと向かう人達がいるが身なりはバラバラだ。

流石にボロボロの奴は居ないが商人らしき者や武装してる者等様々だ。

門に併設されている部屋で受付をし召喚された事を示す手紙を渡した。


少し待たされはしたが無事に橋を渡る。

そして王城の正門で普通は武器等を全て預けるのだが俺はそのまま通された。

但し前後左右を騎士に囲まれての移動になったけどな。


広い通路、細い通路、登り階段、降り階段とグルグル歩かされた。


「複雑な作りなんですね」


「攻め込まれにくい作りをしているのは間違いないが

 今回はわざと複雑に進んでいるからな」


ぼそっと呟いた俺の言葉に隣を歩く騎士が反応してくれた。

敵でもないし呼ばれて来てるんだから相手位はしてくれるか。


「わざとですか?」


「気を悪くして欲しくないのだが

 武器の携帯を許可されて登城する者にはこういった処置がなされる

 道を覚えさせないで暴れても容易に制圧が可能なようにな」


「良くある事なんですか?」


「この国の性質上、仕方がない処置なんだ

 そう理解してもらえると有難い」


闘士が一定地位にいる国だし城に来る事も多いんだろうしな。

聞けば他国の使者に対するお披露目やパーティー等で闘士が用いられる事もあるようだし

こういった対策も当たり前なのかな。


そうしてしばらく歩くと品良く装飾された扉が現れた。

扉の脇には上等な武具を見に付けた上位の騎士と思われる者が守っていた。

そこで引継ぎされ扉を潜るように言われ中に入る。



中は豪華絢爛と言うより適度に品が良く落ち着く内装の部屋だった。

長テーブルが中央にあり会食等に使われるような部屋だろうか。

そこに1人の獣人の男が座っていた。


「よう、呼び出して悪かったな」


「何方でしょうか?

 評議会の方ですか?」


「あっはっはっは

 評議会の一員には違いねーが正解じゃねーわな

 俺はセンドゥール

 この国の王って奴だな」


王を名乗る男は俺を見て獰猛な笑みを浮かべた。

王様が現れた!

> 殴る

> 逃げる

> ゴマをする

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