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6-18

もう春の陽気ですねぇ。

ディズ教官の言う事を聞いて煽りまくった森山実留です。

なんか貴公子さんが凄く怒ってる気がします。

本当に大丈夫なんでしょうか。






剣を折られノックされた貴公子さんは睨みつけてくるも一瞬で距離を取った。

そのあまりの素早さに虚を点かれてしまったほどに。

今のは何かの魔法を使ったな。


「き・・・・貴様・・・・・

 今、何をした・・・?」


「何って・・・・普通に躱して剣を折っただけだよ」


「普通に?ありえないだろう?

 この剣は迷宮産の名品だぞ?!

 それが簡単に折れるだなんて・・・」


「でも実際に折れたんだから仕方がなくね」


実際に俺がやった事は簡単だ。

突きを躱すと同時に籠手を剣の横っ腹にに叩きつけただけだ。

その瞬間だけ身体能力を一気に上昇させ各種スキルも発動し≪重撃≫をぶち込んだけどな。


更に言えば今の防具にも秘密がある。

品質や防具としての性能は一級品でもある問題点もある。

それは"重量が半端ない"って事だ。


使用しているメインの素材が"メタルレッサードラゴン"という竜種の物だ。

レッサーと名がついている為、劣っているように感じるし実際にブレスも吐けなければ動きも遅い。

戦うだけなら比較的にやり易いのだが"メタル"の名の通り強固さは通常種よりも遥かに上で

物理攻撃は碌に通じないし魔法にも高い耐性がある。

一番の特色として外皮が"異常に重く加工し難い"と言う難点がある。

なので素材としても使い難いし持ち帰るのも一苦労で倒すのにも時間が掛る為に人気が無い。

竜種の癖に他に秀でた素材になりそうな部分も無ければ肉も硬くて不味い。

そんな不人気な素材がメイン素材なんだけど

短所である"重量"さえ何とかなれば硬く粘りもあり魔法にも耐性のある理想的な素材となる。

もっとも内側や繋ぎや補素材はレアな高級品を惜しげもなく使ってはいるんだけどな。


それを何とかしたのが俺の≪竜血脈≫で生み出された素材の数々だ。

同じ竜種なのかは知らないが素材的に上位になるらしく

ララ曰く"大人しく言う事を聞いてくれるようになった"んだそうだ。


防具には"重量の増減"の効果を付与してあり少しの魔力は必要だが重さは感じなくなる。

ララが力場がどうとか重量を打ち消すうんたらとか言っていたがよくわからなかった。

なんにせよ装着者には影響はないが実際は重いままってのが良い点だ。

攻防において装着者の負担を除けば重さは有利になる事が多いしな。

因みに増減ってのがポイントで魔力をぶち込めば重量も増やせるので臨機応変に使い分けが可能だ。

今回もインパクトの瞬間だけ重量を増やしている。


とりあえず防具の話はここまでにしておこう。

俺の煽りに貴公子さんはプルプルだ。

≪挑発≫もオンにしてるしね。


「凄い速かったですね

 魔法使っちゃったんですか

 残念です

 使わないで何処まで戦えるかを試したかったんですが・・・」


ションボリした感じで相手に訴えかけるフリをする。


「ぐ・・・き・・・貴様

 今更、そんな態度をした所で・・・・」


顔が歪み当初の余裕は何処にいったのやら。

握りしめた剣もブルブルしてる・・・・まぁ折れてるけどな。


「あらそう?なら普通で良いか?

 ここからは魔法ありって事で良いのかな?

 そっちが使わないって言うから合せてたんだけど・・・」


「ふ・・・ふふ・・・・良いだろう・・・

 相手を認めるのも強者としての素質だ

 お前なんぞ返り討ちにして後悔させてやるとしよう」


俺の≪挑発≫全開の言葉に赤くなっていた貴公子さんの顔が白くなる。

あれ?スッと冷静になっちゃったようだけど限界突破しちゃった感じ?


「ところでさっきから何を言ってるかわからないんだけど?」


「ふふ・・ハハハ・・・・ここに来てまだシラを切るか

 まぁ良いさ聞きたかったら私を倒してみる事だな

 "炎よ我が剣と成れ"」


半分近くが折れた剣から炎が噴き出して刃となった。

それを見た観客が再度歓声をあげる。


「これが僕の得意とする魔法でね

 助言をするが魔力切れを狙うのは得策じゃないぞ

 君に刀身を折られたせいで切り結ぶ事も出来ない

 まぁ諦めて貰うしかないなッ!」


言い終わると同時に貴公子さんが俺に向かってくる。

魔法を発動させているのだろう猛烈な速度だ。

そのまま袈裟懸けに切り掛って来るのを避ける。


「上手く避けたじゃないか!

 それがいつまで続くかな?」


貴公子さんを見るに炎の剣以外にも

身体能力強化と移動の為の魔法を使っているようだ。

そういや他人の魔法ってあまりジックリと見た事ないよな。

良い機会だし≪魔力感知≫≪感覚強化≫で観測しつつ避けていく。


「ほらほら!どうした?

 避けるばっかりで限界かい?」


俺がずっと避け続けているのを余裕がないと思っているのだろう。

余裕を取り戻した貴公子さんの攻撃は凄いモノだ。

確かに炎の剣は真面に受けれないので厄介ではあるが

各スキルの恩恵と潤沢な魔力で俺には対処出来なくもない。


一応はギリギリで避けてるのを演出してるので多少は髪や防具が焦げたりするものの

攻撃を食らう訳もなく怪我は一切してない。

念の為、俺からも散発的に攻撃する事にしたが当てる気は無い。

そんな感じでしばし貴公子さんの動きや魔法を観察した。


どうにもハッキリしないが属性や構築式までは≪魔力感知≫ではわからないけど

魔力の密度や感覚で何となくは掴めてきた。

≪構造解析≫も使ってみたけど魔法自体には上手く動かないようだ。


移動には空間を操作しているような感じがする。

空気の密度を薄くした場所に飛び込む事で急激な移動を可能にしてるってイメージなんだろうか?

風系の魔法と言えば良いのかはわからないが高度な魔法なのは間違いない。


俺の瞬動は衝撃波を部分的に起こして強引に移動するが

場を作る事によって吸い込まれる様に移動するって違いかな。

打消しや反作用のような力も動いているようだけど

肉体への負荷も高いようだし常時発動させれる訳じゃなさそうだ。

それに使える距離も短いんじゃないかな。

更に結構なレベルの身体強化の魔法も併用しているようだ。



ピローン


> スキル≪魔法分析≫を手に入れました。


=========================

≪魔法分析≫


説明:お前の魔法の謎は全て解けた!

   祖父の名にかけて解析と分析の違いは

   気にしちゃダメだぞ


効果:魔法を分析し内容を紐解く

   分析に必要な魔力や時間は対象や

   状況により左右される

   認識していない魔法に関してはより顕著となる

=========================


おっとスキルGETだぜ。

使用条件がよく分らないので小刻みにステップと踏みながら

時折、瞬間移動っぽく動く貴公子さんをターゲットに指定。


> 対象魔法(炎の刃)に対し分析を開始します。

> 対象魔法(身体能力向上)に対し分析を開始します。

> 対象魔法(瞬間移動)に対し分析を開始します。

> 対象魔法(仮:状態保護)に対し分析を開始します。

> 対象魔法(仮:仮初の姿)に対し分析を開始します。

> 対象魔法の分析が終了しました。


おぉ、なんか色々と表示された。

ゴッソリと魔力を持って行かれたけど・・・まだ余裕だから良いけどさ。

仮ってのは俺が気が付いてない魔法って事だろう。

他のは俺が呼んでる呼び方が表示されてるし。


分析の結果を見るとまぁ想像通りだった。

驚いたのは瞬間移動は極短距離の疑似空間転移みたいな感じだったって事位かな。

原理としては俺が考えてた内容に近いけど無理矢理体を移動させて

負荷は"状態保護"って魔法で耐えるって凄く力技じゃないか?

防御にも有効のようだが最初に使った時はちょっと距離を飛んだから辛そうな顔から

極短距離での限定使用なんだろうな。


なにより一番驚いたのが"仮初の姿"とか言う魔法だ。

主な効果は一定以上離れた者に絶えず笑顔を見せると言った内容。

他には汚れや装備品の損傷を隠すって効果もある。

つまり逆境だろうが何だろうが絶えず笑みを浮かべ余裕を演出する貴公子さんって事だ。

ある程度の距離が必要っぽくて体の動き自体や対戦相手には効果が無いんだけどさ。

どんだけ爽やか演出したいんだかな。

逆を言えば対戦相手にどんな顔をしようが問題ないって事だけどな。


・・・・と言うかさ相手の魔法を分析した所で意味なくね?

原理が分った所で今回の魔法は目で見て対処出来なかった訳じゃ無いし

気付いてなかった魔法に気が付けるのは良いけど使い道が微妙だな。


そもそも戦闘中等に気が付いてない魔法に対して結構な魔力消費をして分析するか?

無駄スキルってまでは行かないけど使い方が限定される気がする。


貴公子さんの魔法が分ったが戦闘経験を積むいい機会だ。

銃弾のストックは大量にあるので"魔弾"の全方位フル連射でもかませば

一瞬で片が付くとは思うんだけどあえて近接戦闘のみで攻めてみる。


勝負が決まってしまわない様に攻撃時のみ≪手加減≫で能力制限をする。

これがかなりスキルの発動タイミングが難しい。

何だかんだ言っても貴公子さんの技術と能力は高く素の状態では負けそうだし

能力強化したままだと良いの思いっきり入れちゃいそうなんだよね。


スペックで上回って対処は出来るんだが先程も言ったが

貴公子さんの技術は高く避けるのも結構ギリギリではある。

勢いで剣を折っちゃったから弾くのもやり難くなったし。

お陰で≪軌道予測≫≪見切り≫≪体捌き≫等のスキル熟練度が上がって行く。

避けて躱して弾いて≪手加減≫に切り替えて攻撃を続ける。


やっぱ切り替えが上手く行かないとその内に良いの入れちゃいそうだなぁ。


ピローン


> スキル≪不傷不倒≫を手に入れました。


=========================

≪不傷不倒≫


説明:その者、傷つく事なかれ倒れる事なかれ

   恐れずに前に進む者を我は欲する


効果:攻撃が相手に届かなくなり

   相手の肉体にダメージを与える事もなく

   傷を作る事さえ出来なくなる

=========================


悩んでるとまたもやスキルをGET。

これは≪手加減≫をしなくても良いって事なのかな?

よくわからんが発動させて攻撃をする。


貴公子さんの剣を体勢を変えつつ短槍の先で弾き勢いのままクルッと回し柄頭で腹部を強打した。


「グボォ」


カウンター気味で入った攻撃に変な声を出しつつ吹き飛ぶ貴公子さん。

の割にはムクっと何事も無く立ち上がった。


「フフ・・・ハハ・・・・アハハハハ

 タイミング良く入ったとは言え君の攻撃は軽いな

 軽い・・・・軽すぎる・・・・そんなので私の鎧を貫けると思ったのかな」


吹きぶ程の衝撃でも全くダメージが無いわけか。

次は≪手加減≫を解除して同じ事をするも貴公子さんはケロっとしてる。

胴以外にも肩、手、足等も試してみたし防具が無い部分も含まれる。

打撃や斬撃のヒット時に妙なズレと言うか違和感があり何かに阻害されている感覚だ。

強い衝撃が発生すると吹き飛んだりするけど衝撃等も緩和されてるようだ。


ただ切先等での攻撃での傷が防具に付いたりマントを裂いたりしたので

肉体以外への損傷は対象外のようだ。

当たり前だが転ばしたり吹き飛んだりすれば体力も減るようだし。


原理が全くわからん。

衝撃があるのにダメージが無いってなんだよ!

どんな謎パワーで守られてるんだよ!

つうかそれを俺の防御に使わせろよ!


そう言えば攻撃する度に鎧アピールしてたけど何かあるのかね?

近接した際にちょいと≪鑑定≫してみた。


=========================

≪光霊礼の鎧≫


太古の式典用に作られ軽度の自己修復機能がある。

物理と魔法の両方に優れた防御を発揮する。

装着者の魔力量と回復量を増大させる能力があるが

使用時間×20の間、魔力量と回復量が激減する。

迷宮から深部より発掘された。


種類:防具

等級:遺物級

品質:高品質

所有者:トイラッツオ

=========================


おお!凄いじゃない!

見た目だけじゃなくて性能も凄かったんだな。

ダメージがないのは謎スキルの効果だけどな!

これで貴公子さんの魔力量の謎は掴めたけど解決にはならんね。


その後も貴公子さんを相手に自主訓練を続けたが正直飽きてきた。

炎の剣も瞬間移動も脅威的ではあるが確実に対処出来るようになってきたし

それに俺が近接戦闘ばかりするからなのか貴公子さんは距離を取っての

魔法攻撃や牽制なんかはしてこない。


折角の魔法有りなんだから色々とやればいいのに。

炎の剣だって魔法で生み出しているなら大きさを変化させる位やれば良いのに。

多分だけど鎧の効果で魔力量が増えてもそこまで余裕が無いんだろうけど。


それに今の状態だと観客からしたら俺の攻撃は通用せずに貴公子さんが

押してるように見えるんだろうけど何とかならないかなぁ。


そこでピコーンと閃いた。

つうか≪創造魔法≫で貴公子さんの魔法を撃ち消す魔法を作れば良いんじゃね。

≪カウンター≫辺りを絡めれば上手く行きそうな気もする。


> ≪創造魔法(真理解放)≫起動

> ≪カウンター≫が任意選択されました

> 対象魔法(仮:仮初の姿)に対しする相殺魔法の生成を開始

> 対象魔法に対する分析不足です、詳細分析を行います

> 詳細分析が終了しました

> 相殺魔法の構築開始・・・・・終了しました

> 以降は任意での魔法発動が可能です


構築出来たーっと思うも急に体から力が抜ける。

なんぞこれ?

なんかフラつくんですけどー。

相変わらず進みが遅いのはご勘弁を。

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