表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
213/254

6-11

中途半端な時間に更新です。

なんとか連休前に出したかったので・・・。

皆さんこんにちわアリスです。

私の主人?母体?である実留さんが奴隷になってて

しかも売買されちゃいました。

その契約は私も含まれるのでしょうか?

むむむ?あれ?となると私も奴隷?あれ?






「ディズ教官」


「おう、なんだ改まって

 最後の挨拶なんざ要らねーぞ

 どうせまた闘士として関わって行くんだからな」


「そうじゃありませんよ

 ちょっとだけお世話になったお礼をしようと思いまして

 受け取って貰えますか?」


「ん?お前が出せる物なんて

 支給品のボロい防具か俺のお古だけだろ?」


「まぁまぁ

 とりあえず動かないでくださいね」


俺はディズの足元に片膝ついて右足の古傷部分に触る。

其処には膝から足首までの古傷があるはずだ。


「おい?何をする気だ?」


「悪いようにはしません

 自分を信用してもらえますか?

 まぁ奴隷の言う事なんてアレですが」


ディズの質問には答えずに目を併せて逆に質問する。


「・・・・・ふ

 まぁお前が本気になったら俺が逆らった所で無理だろうしな

 良いぜ好きにしな」


そう言って全身の力を抜いてくれた。


「まぁ期待は裏切らないと思うんですけどね・・・・」


俺はディズの裾をクルクルと膝まで捲る。

と思ったんだが上手い事出来ないので結局ディズのナイフを借りて

膝上からぶった切った。


「何をしたって構わないけどよ・・・・

 古傷なんざ何をやっても無駄だぞ」


諦めた様なディズの表情と声は何時もの軽い感じはない。

やっぱり怪我については思う所があったんだろううな。


俺は何も言わずに古傷に集中する。

現状で俺には"隷属の輪"は装着されていない。

それはついに魔法が解禁されたって事だ。

勿論、"害を成す"為の魔法は使えないがそれ以外なら大丈夫なハズ。


ポイントでGETしたスキルを今こそ使う時ッ!


失敗は絶対に出来ないのでスキルを神システム経由でマニュアルにて実行する。

スキル任せでオートでも大丈夫だとは思うんだけど念の為にね。

それに一度構築してしまえば次からはスキル任せでも良いし。


うし、早速やるぞ!


> ≪創造魔法(真理解放)≫起動

> ≪魔法の真理≫の接続を開始

> 結果を最優先として自動判断による所有スキルの適宜使用許可

> 魔力消費を保有量の最大値まで許可

> 周囲に感知されないように阻害結界を生成


この時点で≪魔法陣の理≫を介し強固な結界が生成される。

ディズと俺の足元の仄かに灯る魔法陣を見てディズが驚きの声を上げる。

どうもこの結界は気配、音、魔力等を外部から感知されなくなるモノらしい。

よし、"感知遮断結界"として登録しておこう。


> 古傷とその周辺を対象範囲に指定

> 状態の分析及を開始

> 修復の為の構築式の生成を開始


古傷の治療なんてやった事もないし知識もないので

こればっかりはスキル任せで強引に組み立てる。

使用魔力がズンドコ上がって行くに比例して構築式が出来上がって行く。


「お・・・・・・い・・・一体何をしてる?

 お前、魔法はつかえねーんじゃ?」


獣人族は魔法が得意じゃない者が多いとは言え魔力が無い訳じゃ無い。

それはディズにも当てはまる。

まぁ今の俺の状態を見れば全く魔力が無い者でもわかると思う。

それ程の魔力が俺から発せられているからな。


「使えないんじゃなくて使えなかったですよ

 動かないでくださいね

 どうなるかわかりませんから」


ちょっとだけビビらせてみた。

魔力の圧力も相まってディズは大人しくなった。

ハハ、何時ものお返しだ。



「古傷よ癒えろ」


魔法の行使を文言によって施行する。

別に無くても構わないし無言でも良いが魔法はイメージが大切だ。

それがスキル任せと言えどもな。

準備されていた構築式が展開され魔力が急激に消費される。


「熱ッ!」


右足の膝から足首まである古傷の内側から肉が盛り上がり

引き攣れた皮膚が逆再生を見るかのように消えていく。

皮膚の下もウゴウゴと蠢いているので内部の治療も行われてるのだろう。

組織が再生され古傷が無くなると他の箇所と同様に毛が覆い傷なんて見当たらない。

そうまるで何も無かったかのように。


治療自体は僅かな時間で終了した。

時間にして数分だろうか。

その割には物凄い量の魔力が消費されたが

ポイントで増えた魔力はまだ余裕がある。

流石は神謹製スキルだぜ。


「多分ですがこれで治ったと思います」


「え?あ?」


「右足を動かしてみてください」


ディズは呆気にとられたまま言われたとおりに恐る恐る右足を動かす。


「動く・・・・足が動く・・・・・」


最初は座ったまま伸ばしたり縮めたりを繰り返す。

次には立って屈伸をし少し歩いてみる。

更には軽くジャンプまで。


「どうやら無事に治ったみたいですね

 古傷なんて治せるかわからなかったので

 正直、自信無かったんですけどね」


放っておくと室内でも走り出しそうなので止めつつ声を掛ける。


「お前・・・一体・・・」


驚きを通り越し微妙な顔になったディズに

俺はニッコリと微笑んだ。


「自分の事は良いじゃないですか

 これで教官も闘士として復帰出来ますね」


お世話になったお礼としては十分かな?

と思ったがディズがニヤリと笑い


「それでこの引き裂いたパンツはどうしてくれるんだ?」


「それを今?この状況で?」


「はっはっはっは・・・・」


「わかりましたよ」


「は?」


「だからわかりましたよ

 何かサービスすれば良いんですよね?」


「え?なんだって? 

 もう怪我なんてないぞ」


「教官が何時も持ってる村のお守りありましたよね?

 出してください」


「ん?前に見せた首飾りか?

 ほらよ」


それを受取りふと考える。


「闘士の魔法無し組って魔道具とかマジックアイテムや

 それらの武具とかってどうなってるんですか?」


「あぁ、基本的には使用不可だな

 と言うかだな魔法が禁止されているから持っていても効果は発動出来ん

 魔法が禁止とは言っても原理としては魔力を外に出す事を阻害してる訳だからな

 魔道具や武具の効果を発揮させる事が出来ない

 そう言った意味だと持ちこむ事は可能だし

 上等な武具として使えるっちゃ使えるな」


なるほど・・・・発動可能状態にするには魔力が必要だし

"隷属の輪"は魔力を外に出すのを抑制するんだしな。

持ち込めるけど使えないか。


「試合後なら使えるんですよね?」


「まぁそうだな

 俺は試合中だけの制限だしな」


よし、なら効果はアレだな。

 

「今から起きる事は口外しないでくださいね」


ニッコリと微笑み改めて首飾りに集中する。


≪創造魔法(真理解放)≫と≪魔法の真理≫をオートで立ち上げ

≪魔法陣の理≫をベースに≪紋術≫を発動させる。

媒体はお得意の≪竜血脈≫を少し発動させた俺の血を使う。

稼働率を低めにしたので体の表面への変化は最小限にしたので

顔の表面が少し変わったが俯いてるからバレていないハズだ。

更に≪魔道具作成≫で品質の底上げも忘れない。


よりよい効果を!より高い効果を!

それだけを念じてスキルを発動する。

勿論、惜しげも無く残った魔力はぶち込む。


首飾りの下に小さな魔法陣が展開されると

俺の指先から流れ出た血はクルクルと覆うように周囲を回る。

それは血で出来た魔法陣のようだ。

血の魔法陣が幾何学的な模様を形造ると首飾りに吸い込まれていく。

そして一瞬光り輝くと完成した。


「おまおまおまおまおま・・・・」


先程より更に非常識な光景なんだろう。

あんぐりと口を開けて驚いている。

スキルを解除し外見を戻し出来た首飾りを見る。


=========================

≪村の首飾り≫


出身の村で作られた手作りの想いが詰まった首飾り

竜の血を使い効果を付与された1品

魔力を流す事により効果を得られる

回復力、治癒力、抵抗力に大幅プラス補正


種類:道具

等級:遺物級

品質:高品質

作成者:森山実留

=========================


むむむ?むむむむむ?

なんか凄いアイテムになってませんかね?

そりゃスキルは使ったよ。

魔力も物凄く消費したよ?

それにしたってコレはどうなんですかね?


未だに驚いてるディズに無理矢理付けさせて起動させて貰う。


「な、なんだこりゃ

 体の内側が熱い?でも嫌な感じじゃない・・・何だ?」


と驚きの声を頂きました。


試してみるかと一旦俺が借りて身に着ける。

んでナイフで俺の肌を薄っすらと切ってみたら

切った端から傷が消えて行った。


・・・・・効果あり過ぎじゃないですかね?


調子にのってナイフを少し腕に刺してみたら

肉と皮膚が盛り上がってナイフを押し戻しやがった。


何回も言うけど効果有り過ぎじゃないですかね?

≪紋術≫ってここまでの効果あったっけ?


とりあえず礼としてはこれで良いだろう。

コレさえあれば前みたいな中途半端な治療をされても

古傷になるような事は無いハズだ。


「ではコレが礼って事で

 今後は治療師の世話になる事も減ると思いますよ」


「はぁ、もう何も言わねぇよ

 ってか言えないわな

 魔法も使えて魔道具も作れるし本人も強い

 そりゃお前・・・なんなんだろうな」


「死に戻りって奴じゃないですかね?」


「・・・・それが通ると思うか?」


何も言わずにディズを見つめる。

と、お互いに何も言わずに笑いがでる。


「お前がそう言うならそうなんだろ

 だがここまでして貰ったんだ

 俺はここの教官を辞めて闘士に戻るしかねえな」


「でしょうね」


「だからお前とは闘士同士って事だ

 上も下も無いし敵でもねぇが・・・・味方でもねぇ

 それぞれが自分の命を賭けて戦うんだ」


「次に会う時は闘技場でって事ですかね」


「まぁそんな命のやり取りなんざ通常の試合じゃ余り無いけどな

 それまでに勝敗が決まる事が殆どだ

 まぁ・・・少ないって言いきれる程でも無いけどな

 それになんだ・・・・お前と正面切って戦って

 勝てる気がしねぇ」


「随分とぶっちゃけますね」


「自分を認め周囲を認める事も長生きのコツだ

 お前と戦うのは面白そうだが命の駆け引きは御免だな」


両手をあげて万歳するディズ。


「自分が教官を殺すってのはゾッとしませんね」


「明らかに負ける気がねぇじゃねえか!

 ったく・・・お前には驚かされっぱなしだな

 まぁアレだ味方・・・には成れなくても仲間・・・にはなれる

 次のご主人様が許してくれるなら試合後の一杯でも奢ってやるぜ」


そんな言葉に嬉しくなる自分が居た。


「とびっきりの1杯を期待してますよ

 元教官」


「おう!期待してろ

 元訓練生」


がっちりと握手をしディズと俺の師弟関係は終わりを迎えた。

魔力は相当に増えた模様。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ