5-62
暑かったり寒かったりがなぁ・・・・。
【うーん、あれね・・・・あれは・・まぁ・・・・
こっちサイドと言うか神々の勝手な都合なんだよね】
申し訳なさそうにする神がちょっと珍しいなと思う。
「そっちサイド?
神界側の都合って事?」
【うん、そうなんだよね
前にさ僕が加護をあげたら皆が注目するって言ったでしょ】
「派閥だかなんだかの話だろ?」
【そうそう
それでね彼女に最初加護を与えたのがさ"好奇心を司る神"でさ
高位神の1人なんだよね】
「そんな神が居るのかよ・・・・
そりゃまぁ"好奇心"なんてのを司るなら相当上だと思うけどさ
高位神の1柱からの加護を持ってたのかよ
ならあの耐久力とかは納得できるか」
【僕ほどじゃないけど高位神ともなると
それに乗る神が色々と出て来ちゃうんだよね
様々な神が加護を与えて行動させて楽しんでるみたいでね
それで魂の容量がパンクしちゃってるんだ
彼は一部の者には人気があるからさ・・・】
「現世の者をおもちゃにして楽しむのが
神々のやる事なのか?」
なんかちょっとイラっとするぞ・・・おい。
【そんな神も居るのは否定はしないよ
現世は自分の糧を生産する為の農場や牧場程度にしか
考えてない神も一部だけど居るんだよ
それは世界の在り方の問題だから仕方がないしね】
「神なんて碌なもんじゃねえな」
【殆どの神は慈しみ大切に育てようって考えなのは信じて欲しいな
司る内容によっては危害を加えたり滅ぼしたりするけど
それは役割でそうしてるだけであって理由もなく現世の者を
翻弄させて楽しむなんて事はしないんだ
極論を言えば僕達が管理して維持しないと世界は保てないし
君達が一人残らず死滅してしまえば僕達も存在出来ないんだ】
「でもトップのあんたがそれを止めないって事は
暗に認めてるって事だろ?」
【"観察者"を使っての行動だし基本的には首を突っ込むだけでしょ?
ギリギリかもだけど現世に直接影響を及ぼしてる訳じゃないんだ
彼も自分の司る"好奇心"に従っての行動だから
僕でも無理に止めさせたりは出来ないんだよね
それに現世の個人を対象としては流石に動けないよ
もっと大規模な騒動を起こしたり神が直接手を出したりしない限りはね】
「立場や言ってる事は理解出来なくもないが
なんとかならないのか?
魔王は手遅れみたいな事を言っていたけど」
【うーん、幸いと言ってはなんだけど
君を通じて僕の加護が僅かだけど影響してるようなんだ
他の神じゃ駄目だろうけど彼等よりも僕は上位だしね
彼女への神々の加護が強すぎたお陰で僕の力が引き出された感じだね】
「よくわからんが結局はどうなの?」
【魂の自壊までは行って無いから
神々の加護を弱くするなり魂を強化すれば何とかなるかな
ただ自我が戻るかはわからないよ
壊れる本当にギリギリで踏みとどまってるだけだからね】
「直接何とか出来ないのか?」
【僕が加護を与えても上乗せだけだし
君のように魂の強化も今からじゃ無理だね
残念だけど僕からは何も出来ないよ
魔王君の部下に期待するしかないね】
「そうか・・・・
やっぱり魔王に頼るしかないのか・・・」
【神は万能でも融通が利くわけでもないからね
出来る事と出来ない事はあるよ
君の転生を自由に出来ないようにね】
「そっか・・・・ちょっとイラついて済まなかったな」
【うんうん、いいよいいよ
それで後なんだっけ?
周りに加護者が多いだっけ?】
「神の加護を受けてるのって少ないんだろ?
それに世間では複数神持ちって居ないハズだろ?
妙に周りに居るんだけど」
【いや、少ないよ
更に複数神の加護持ちは本当に少数だね】
「そうか?
割と良く見かけるんだが・・・・」
【加護持ちって強かったり特別な能力があったりするでしょ】
「そりゃまぁ・・・・そうだろうな・・・」
【そうなると周囲よりも優秀だから
目立ったり有望なポストに就いたりするよね】
「う・・・・うーん・・・そうは・・・まぁそうかな・・・」
【君は基本的には強さを求めているし
強者が集まる場所に良く行くよね】
「お・・・・・おう・・・・」
【能力を持つ者はそれなりの場所に集まるものだよ
"戦う力"って言うのはこの世界では重要視されてるからね
そもそも一般人は生まれてから死ぬまで遠出なんてしないんだよ
旅行や遊びで出歩けるほど安全でも裕福でも無い世界だし】
「そりゃぁまぁ理解は出来るけど」
【全人口からしたら加護持ちは少ないよ
その中でも複数持ちは更にね
複数神の加護を受けるってのは
神々からの何らかの意図を持って与えられているからね】
「そうなのか?」
【観察者君のように意図して複数神から与えられるか
勇者君、魔王君、妹君のような派閥関係が多いね
加護を与えている全ての神がそうだとは言い切れないけどね】
「神も慈善事業でやってる訳じゃ無いって事か
そういやゼノの目的は勇者と魔王を倒す事だって言ってたしな」
【うんうん、そんな感じだね
中には気に入った者に護を授ける神もいるから
全部がそうとは言えないけどね】
「と言うか良いのか?
魔王と勇者を倒す為に加護を授けるとか」
【それもまた一つの動きだよ
何時かは位をあげて僕の座を奪おうとか考える神が居てくれても良いしね】
「なんか色々とあんだな・・・神も」
【勿論、君のような例外もあるよ
本当に神々に好かれてるだけで個別に加護を与えられるようなね】
「俺って好かれてるのか?」
【現時点で加護を受けてる神からはね
今の所は派閥や何か意図を感じたりは無いよ
それに他の複数神持ちと違って下級神と中級神だけでしょ?】
「それもそうだな」
【これが高位神や上級神になるとまた話は違ってくるかもだけどね
それだけ上の神の加護を得るのは難しいのさ
上の神は事情を知ってるのも居るだろうしね】
「そんなもんなのかね
なんか実感湧かないけど」
【元の世界じゃ神との接点なんてないからね
そんなもんじゃないかな】
「こっちの世界は実際に神の恩恵に預かってるもんなぁ
実際に居るし会えるし」
【君の元世界にも管理する神々は居るよ
ただ神界と現世の隔たりがこっちよりも遠いから
そう簡単に会えないけどね】
こっちでもそう簡単に会えるハズないんだけどさと
笑ってる神を見てるとこの世界では俺が変わってるんだなと思う。
「なんにせよ現状では特に変な動きは無いって事か?」
【神の加護を受けた者同士が導き合いやすいってのは仕方がないよ
現世以外の力の影響がある訳だからね
それが良いか悪いかはそれぞれだけど今の所は気にし過ぎって感じかな】
「わかったよ」
【じゃぁそろそろ次に行っちゃう?】
「そうだなー
聞きたい事は色々とあるんだけど聞きながら考えるよ
どうせ色々と悩むだろうしな
じゃぁポイントを教えてくれ」
【うんうん、なんでも聞いてよ
今回はイレギュラーが多かったから
ポイント出すのちょっと時間かかるしね】
そう言いながら相変わらず何処からか出したパソコンを
カタカタっと打ちこみだした。
待ち時間の間に色々と聞いたのは主に知り合いの近況とかだ。
母牛とジミーは商売も上手く行ってるようで
初めてポーラスの迷宮に潜るなら世話になれと言われてるそうだ。
ちなみに俺に続く第二子を頑張っているらしい。
俺に弟か妹が出来たらと思うとちょっと嬉しいけど
お兄ちゃんはもう死んじゃってるぞ。
他にも母犬達や本庁の聖騎士についてなんかも聞いた。
エライトも頑張ってるみたいだ。
ゼノとリノンは各地を転々としながら旅を続けているようだ。
あの2人にも会いたいよな。
そうこうしているとブォンと低い駆動音と共に半透明のディスプレイが表示された。
> 保有ポイント:187500
そこには過去最高のポイントが表示されている。
「は?なにこれ?
なんか凄い多くね?」
【そりゃまぁ種族もレアだし
ゴミと言っても神退治にも関わってるしね
更に言えば神と召喚契約したって事なんかもプラスポイントだね
これでゴミに直接大ダメージでも与えてればもっと凄かったのに
以前の魔王君にダメージを与えた比じゃ無い位にね】
「いやいや、魔王でも抑えるのが限界だったのに無茶言うなよ」
【そうかな?君なら出来ると思うけどね
まぁいいか、とりあえずどうする?】
「色々と調べながら悩むから端末出してよ
また増えてるんだろ?」
【うんうん
選べるスキルやアイテムは増えてるし調整もしてるから
色々と悩むと良いよ
じゃぁコレ貸してあげるね】
渡されたのは神謹製の謎タブレットだ。
【じゃぁ、ここからは少し1人の方が良いかな?】
「そうだね
まずは見てみるよ」
【うんうん、じゃぁまた後で
僕は今の内に神システムの整備と調整をしておくよ】
そう言うと神はスッと消えた。
部屋には食べ物や飲み物の他にソファー等も用意されていた。
「あいつって妙に準備が良いよな
さて・・・・まずは見てみますか
うお、動きがめちゃくちゃはえーな」
まずは転生条件からだな。
・種族条件:人型限定(3000)
・種族条件:アンデット属性拒否(1000)
これは絶対外せない。
・種族条件:早期自立行動可能(1500)
これで人族は無くなるが亜人系は行けるしな。
現に牛は成長早かったし。
そういや前回に気になったスキルで転生タイムラグを
無くすのがあったよなぁ。
≪早期転生(6000)≫は持ってるけど≪即時転生(60000)≫は無い。
ポイントあるからいっちゃおうかなぁ。
条件じゃなくてスキルだから持ち越せるし・・・・。
とりあえず選んでおくか。
> 保有ポイント:47000
> 転生消費分 :70000
> 種族条件 :人型限定(3000)
> 種族条件 :アンデット属性拒否(1000)
> 種族条件 :早期自立行動可能(1500)
> 取得スキル :即時転生(60000)
今回は種族条件は少な目で転生自体にポイントを回そうと思う。
魔王や勇者と絡みが多くなってきたしな。
どうにも嫌な流れなので俺自身の能力を上げる為にも上の種族になりたい。
念の為に転生に回すポイントは避けておく。
それでもポイントは余裕だけどな。
スキルは魔力不足に悩まされたのでそこらを強化しておこうと思う。
前回も魔力さえあればまだ行けたハズだ。
身体能力を無理矢理に強化する事になるから
何処かには負担が発生しただろうけども。
・スキル:魔力増強(5500)
ふふふ、前に悩んだスキルも余裕だ。
と思ったら選択出来ない様になっていた。
代りに増えていたのが
・スキル:魔力量増加(12000)
> 魔力量を大幅に増加させる。
・スキル:魔力純化(8000)
> 魔力の質を向上させ純度を高める事が可能。
おいおい・・・なんで調整済なんだよ・・・・。
大幅ってどてくらいだよ・・・・魔力75倍じゃねーのかよ・・・。
随分とシンプルな説明になっていた。
大幅とは言うけど明確な説明が無いので匙加減は神次第って事だよな。
しかもポイントがすげぇ増えてんじゃねーか!
うーん・・・・納得出来ないが増加は入れておこう。
純化はどうかな・・・・?どんな意味があるんだ?
「おーい、魔力純化ってなんだー?」
誰も居ない空間に声を掛けるとピコっと謎タブレットにメールが届いた。
【"魔力の純度を上げると魔法の威力や効果が向上したり
精神体なんかにも影響が強くなるね
感覚で言えば研ぎ澄ましたりするイメージだね
その分、扱いが難しくなったりするけどね"】
むーん・・・・純粋にエネルギーとしての純度を高めるって事なのかな?
または密度を濃くして1単位当たりのエネルギー量を増やすみたいな。
そりゃまぁ扱いは難しくなるだろうけど。
ピコ。
【"そうそうそんな感じで良いよ
密度を濃くするのは≪魔力圧縮≫だね
併せて≪高度魔力操作≫も勧めるかな
他は≪魔力効率化≫、≪構築式効率化≫も良いね"】
「心を読むなっ!って言ってんだろー
つうかメール来るのはえーな。」
アドバイスはありがたいけど・・・・ねぇ。
とりあえず言われたスキルを見てみる。
・スキル:魔力圧縮(5500)
> 魔力を圧縮し濃度を高める事が可能となるが扱いが難しくなる。
圧縮率を高める程に魔力暴走の危険性は上昇する。
・スキル:高度魔力操作(10000)
> ≪魔力操作≫よりも高いレベルでの魔力操作が可能となる。
重複するが併用する事で効果はアップする。
・スキル:魔力効率化(5000)
> 魔力の直接操作の際に無駄を省き効率化させる。
魔法構築式の効率化とは違うので注意が必要。
・スキル:構築式効率化(9000)
> 魔法を構築する際の無駄を省き効率化させる。
魔力操作の効率化とは違うので注意が必要。
ふむふむ。
圧縮して密度をあげるはイメージしやすい。
魔力操作は大魔力を扱う際に役に立ちそうだし
効率化は2つ共に魅了的だ。
創造魔法があるから増加以外は
そこまで恩恵は受けれるかは不明だが
効率化で更なる省エネ化も狙えるだろうし圧縮も面白いと思う。
今回は魔力関係を重視して強化する事にしよう!
そんな訳で全部ぶっこんでみた。
> 保有ポイント:2500
> 転生消費分 :70000
> 種族条件 :人型限定(3000)
> 種族条件 :アンデット属性拒否(1000)
> 種族条件 :早期自立行動可能(1500)
> 取得スキル :即時転生(60000)
> 取得スキル :魔力量増加(12000)
> 取得スキル :魔力純化(8000)
> 取得スキル :魔力圧縮(5500)
> 取得スキル :高度魔力操作(10000)
> 取得スキル :魔力効率化(5000)
> 取得スキル :構築式効率化(9000)
よしよし。
まだポイントある。
お茶とお菓子で少し休憩し
残りのポイントについて悩む事にした。
実留君も大幅パワーアップでついに始まるか?
憧れのチート生活が!?




