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勢いで書いてます。
俺は森山実留。
どうやら何かしらの理由で死んでコピーされた人間だ。
俺、コピー製品らしいっす。
でもOS(魂)は正規物だぜ。
【君さ、僕の作った世界に行ってくれないかな?】
そう神と名乗る青年は俺に問い掛けた。
「作った世界?」
【うんうん、僕が作った世界なんだけどさ
これが中々に良い出来でね
でも最近は動きが無くて面白味がないんだよね
そこをもっと面白くしたくて色々と考えたんだけど
他の世界から価値観の違う人間を送り込んでみたら
どうかな?って閃いたんだ
世界を楽しくさせるためのスパイスって感じかな
カレーだね、スイカに塩だね、生ハムメロンだね】
「お、おう
まぁ何だか色々と突っ込みたいけど
別世界に興味はないから元の世界に戻してくれよ
今の体なら怪我もないしさ」
【ごめん、それは出来ないんだ
あの世界に戻るには本体に魂を定着させるしかないんだ
今の君の体はコピーだから肉体は持って行けないんだよ】
「じゃぁ、本体を治してから戻せばいいじゃん
神様なんだから出来るでしょ?」
【それもごめんね
僕は君の世界の神様じゃないから
物理的な干渉は出来ないんだ】
「つまりは?」
【本体に戻って死んじゃうか
別世界に行くか
このまま永遠にここにいるかだね】
「永遠っていうのは?」
【うん、狭間っていうのは世界と世界の間だからね
物凄く広いと言うか沢山あるんだよ
一旦ここから離れると
流石の僕も場所を特定できなくてね
迎えに来てあげれないと思うんだ
ひょっとしたら誰かがくるかもしれないけど
ここの時間の流れは特殊だから
老いる事もないよ
だから永遠って事だね】
「よし!永遠はないな!」
【うんうん、そうだよね】
「ところでさ聞きたい事あるんだけどいいか?」
【うんうん、いいよいいよ】
「俺って何で死んだの?」
【今更気になっちゃう?】
「そりゃ気になるでしょう
覚えているのは・・・・・
金曜の深夜に仕事が終わって
コンビニでご飯とビールを買って
深夜テレビ視ながら寝て
ん~、そこまでだな
確か土日は久しぶりに連休だ~とか
思いながら寝たような
そして何かの夢を見たような気がする」
【うんうん、そうだね
大体それぐらいしか記憶ないよね
その日の夢でコピーを録ったんだもん】
「そ、そうか
それで俺はどうなったんだ?」
【え~っとね、君の行動はね
ちょっと待ってね】
なんか何処からかスマホを取り出して確認しだしたぞ。
え?神様ってスマホ使うの?
【失礼だなぁ~、神だってスマホぐらい使うさ
しかもこれは僕の手作りなんだよ!】
「手作りって・・・すげぇな・・・
いや・・・・何か色々と・・・・」
【うんうん、ちょっとは尊敬したかな!
それでね君の行動はね
え~と
あ、うんうん、わかった
土曜の朝に妹さんから電話があって
食事に行く事になったんだ
夜に二人で食事に行った際にガス爆発の
事故に巻き込まれたんだね
席が厨房に近かったみたいで
かなりの衝撃だったそうだよ
ん?どうしたのかな?】
「え?
なんだって?
妹?
食事?
ガス爆発?
ん?ん?」
【うん、そうだね
二人で食事中にガス爆発事故に巻き込まれたんだね】
「・・・・妹は無事か?」
【何言ってんのさ~、あはははは】
「あは、あは、あはははは
そりゃそうだよなぁ
あははははは」
【もちろん死んだよ】
「は・・・・は・・・・・はは・・・・・は・・・」
【君の本体があんな感じなのに妹さんが
無事なわけないじゃん、やだなぁもう】
「てめぇ!このやろう!!」
【え?なに?僕悪くないよ
事故だってあれは事故なんだって
落ち着いて!落ち着いてよ!】
「はぁ、はぁ、はぁ
で?妹はどうなった?」
【うん、だから妹さんも死んだんだ
もっと言えば君よりも妹さんが先に死んだんだよ
妹さんの方が厨房に近くてね】
「妹は俺みたいにコピーしなかったのか?」
【もちろんしたさ~、君と妹さんの二人は
ペアで僕が選んだんだもん】
「妹は生きてるんだな!
どこだ!どこにいる!」
【妹さんはね先に行ったよ】
「何処にだよ?て・・・天国に・・・行けたのか?」
【あはは、何言ってるのさ
僕の作った世界にさ】
「な・・・ん・・・だっ・・・て?」
【うん、だから君の妹さんはね
先に僕の作った世界に転生しちゃったよ】
「何やってんだ!み~の~り~ぃぃぃぃぃ!」