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天候不順が続きますねぇ

元の部屋に戻ると神力について色々と話し合った結果は

"アリスの強化"に使うと言う事だった。

アリスは神システムの一部なので"神力を使った何かの組込"は可能なんだそうだ。

但し身体能力は俺に左右されてしまう仕様なので

能力値を伸ばす方向には使えないと。


「じゃぁ具体的にはどんな事が出来るの?」


【そうだなぁ

 ステータスの変更は出来ないけど

 何かしらの能力を付加する事は出来るね

 君のスキル何かで影響するような事は駄目だけどね】


「やっぱりアリスって俺のスキルの影響あるの?

 ≪オートマッピング≫とかでそうじゃないかとは思ったんだけど」


【当初は君の能力値だけに影響される想定だったんだけどね

 バージョンアップと君の進化や転生によって影響が出るようになったみたいだね

 まぁ能力値に関係がないスキルを補助的に使える程度だし

 ナビ君が使っても熟練度は上がらないけどね】


「妙にアリスの魔法が効いたり感知がしやすくなってたりってのは

 やっぱり俺の種族やスキルの影響なんだな」


【まぁ一概に全てがそうとは言えないけどね

 ナビ君も成長してるから僕でも全ては把握はしてないなぁ

 やろうと思えば出来るだろうけど知らない方が楽しめるしね】


「楽しめるかはそっちの都合だろうに

 うーん・・・・・そうなると罠や敵を感知するような能力も駄目だし

 直接的に戦闘に関係するような事も駄目」


【うんうん、そうだね】


「難しいなぁ・・・・」


【転生ポイントに変換できる訳でもないしね】


「そうだよなぁ

 うーん、どうすっかな

 ポイントに変換出来ればなぁ・・・色々と・・・・

 ん?そういや武具ってどうなの?

 神力で作って貰ったり出来るの?」


【もちろん作れるよ

 こんな僅かな神力と言えども作れば現世では神器級のがね】


「おお!それでいこう!」


【作るのは良いけど現世に持って行けないよ】


「え?なんで?

 どうして?」


【神器って言うのは神の力を含んでいたり模しているんだ

 現世ではその力は強大で多くの者が求めるんだよね

 時には争いや国同士の戦争に発展する程にさ

 そんな物が何の影響もなく世界を渡れると思う?】


「そりゃ・・・・難しいだろうな」


【相応の対価があれば何とかなるけど

 少なからず世界へ影響が出ちゃうだろうしね

 それにどうにかして持ち込んでも君が使えるか分らないし】


「そりゃまたどうして?

 扱うには実力が足りないとか?」


【うんうん、それもあるね

 後は神器に認められるかとか相性なんかもあるだろうね

 なんにせよ万人が使えるような物じゃないって事だよ

 通常は神々が与える様々な試練を経たうえで入手したり

 神から直接認められて与えられたりする物だし】


「うーん、使えるかもわからんのに投資するのも微妙だな

 となるとアリスの武器だとしても同じ事か」


【そうだねー

 まぁナビ君の場合は組込んじゃうから

 使えるとは思うけど世界を渡れるかって事だね】


「結局は同じか」


【ナビ君の場合は君と違って世界への影響は少ないだろうけどね

 まぁ影響が出ないとも言い切れないけど】


「そっかー、アリスの武器が手に入ると思ったんだけどな

 アイツが使える武器ってなかなか無いんだよな

 毎回、現世で見つかるとは思えないし

 ここで選んだ武器じゃないから持ち越せないし」


【うーん・・・じゃぁ今迄使ってた武器を組込んじゃう?

 それなら現世の物だから可能だよ】


「出来るの」


【あはは、そんなの簡単だよ

 でも折角の神力を使って現世の武器を

 何時でも使えるようにするだけで良いの?

 勿体なくない?】


「うーん、でも他に案もないし

 アリスが強化されるには違いないんだしな

 ・・・・うん、頼むよ」


【うんうん

 君がそれで良いなら僕も良いよ】


髪はそう言って何もない空中でスイスイっと指を動かして

何か作業をし数分で終わった。


【よし・・・と

 これでナビ君に専用武器が組み込まれたよ】


何が出来るようになったかを聞いた事を箇条書きにすると


・現世の≪妖精の鋼飛龍剣・D≫は消滅しナビシステムに組み込まれた

・アリスが任意に召喚(実体化)又は消す事が可能

・あくまでもアリスの意志によるので俺側からの強制コントロールは不可

・実現化された後は通常の物体と変わらない


「本当に武器を出し入れするだけの能力だな・・・

 これじゃ俺のアイテムボックスと変わらんじゃない」


【あはは、そう言ったでしょ

 でも無くす心配はないし今後の転生でも使い続けれるよ】


「まぁ、それもそうか

 辺鄙な所に転生しても俺は何とかなるしな

 うん・・・ありがとな」


【うんうん

 素直なのは良いね

 まぁ君ならそう言うと思ったからちょっとだけサービスしといたよ

 ナビ君の剣と服に少しだけね】


「マジで?ありがとうな

 でも影響は出ちゃわないのか?」


【神力自体は使ってないから影響は無いよ

 変換の時に生じた熱みたいな余剰エネルギーを

 集めて流用しただけだからね

 元々は現世の物を使ってるわけだから世界の境界線にも関係ないし

 それにサービスと言ってもそこまで期待される程じゃないよ】


「なんにせよアリスが強くなるならありがたいさ」


【元々はナビ君は君が順調に異世界生活を

 スタート出来るように作った訳だから戦闘自体を考慮してなかったからね】


「助けてくれることもあるけど

 普段は牽制や偵察ばっか頼んでたからな

 やっぱり戦力としては心もとないし」


【まぁ本来の役割を考えたら

 世界に馴れてきた今となっては余り存在価値は無いかもね】


アリスは俺がこの世に転生してからずっと一緒の存在だ。

確かに最近は道を指し示す事は無いし食いしん坊キャラになってしまったけど

転生で最初からスタートする時にもいつも側に居てくれる大切な存在だ。


「存在価値が無いなんて言うなよ

 確かに色々と思う所はあるけどアリスは俺の相棒だ

 転生が続く俺にとっては唯一無二のパートナーなんだ」


相変わらずぼんやりとした印象しか受けず

後で思い出そうとしても思い出せないような神だが

俺は目を見ながらハッキリと言った。


【うんうん・・・あはは・・・

 いいね・・・君はやっぱり良いね】


「なんだ?馬鹿にしてるのか?」


【あはは、違うよ

 君のその優しさが今のナビ君を作ったんだろうなってね

 作ったのは僕だけど育てたのは君だからね】


「良いんだか悪いんだか」


【でもまぁ身の危険を感じたらナビ君を盾にしてでも逃げるんだよ

 本体はシステムで体は代えがきくんだからね】


「そうは言ってもな

 なかなか出来ないだろ

 人としてな」


【君がそれで良いなら僕は構わないけどね

 さて・・・・じゃぁナビ君の強化と設定も終わったよ

 もう転生しちゃう?】


「うーん、もうちょっと聞きたい事あるんだけど良いか?」


【うんうん

 僕が答えられる事なら良いよ】


「最後の俺の種族って何?

 レアっぽい感じだったし説明も凄そうだったんだけど

 そこまで強く無かった気がするぞ

 いやまぁ・・・強いって言えば今迄で一番強かったけどさ」


【んーそうだね

 そこまで実力を発揮できていなかったかな】


「どうしてだ?

 別に他人の体に入った訳でもないし

 そうだとしても≪肉体同調≫はあるんだからそこまで差異で無いハズだろ?」


【今回の進化はイレギュラーケースだからね

 僕もあんな種族になるとは思わなくてね】


「あれなんなの?

 なんか神と竜の子供の子孫とかあったけど」


【うんうん、そうなんだよね

 前にね・・まぁ神の1人がさ現世に降臨した際に

 当時仕えていてくれた竜の神官に手を出しちゃってさ

 それで生まれちゃった子なんだよね

 流石に神の血を引く子供をそのまま現世に置いとく訳には行かないから

 引き取ろうとしたらさ・・・その・・・神側がさ認知してくれなくてね

 相手側の竜族もさ何というか王族でね

 そこで渡すだ渡さないだで揉めちゃって】


「結局は母方っていうか竜族側で育てる事になって

 そのまま種族として定着しちゃったと」


【あはは、まぁ恥ずかしい話なんだけどね】


「なんつうか・・・やけにリアルだな

 そりゃ竜族としては仕える神の子を授かったともなれば

 絶対に手放したくはないだろうけどさ・・・」


【そうなんだよね

 その子が祖となって続いて行くんだけど

 次第に神の血より竜の血の割合が多くなって行ったんだ

 そうしたら何時の間にか人族にまで広がっちゃってね

 それで今のような感じになった訳

 血の強さがあるから繁殖力は高くなくて

 大規模に広がらなかったのが幸いだよね】


「世の人が聞いたら激昂しそうな内容だよな」


【得てしてそんなもんなんじゃない?

 神と言っても色々といるし】


「その神も良く手を出したよな」


【確かね"爬虫類の神"の眷属で

 "爬虫類愛の神"ったかな】


「随分とニッチな事柄を司るな

 そもそも竜って爬虫類なのか?」


【違うけど見た目はそれっぽいんじゃない?

 鱗とかもあるしさ】


「何回も言うけど適当だなぁ」


【まぁまぁ良いじゃない

 なんにせよ現世にも少数だけど残ってる種族だからね

 その内に会う事もあるかもしれないから

 教えてあげたら喜ぶんじゃない?】


「絶対に揉めるから嫌だね

 んでどうなのよ?発揮出来てないっていうのは」


【今回のケースとしてはね

 未成熟なまま一足飛びにレア種族になっちゃったもんだから

 君の基礎能力値が低かった事が原因だね】


「うーん・・・・よくわからんが

 種族の下限能力値の更に下からスタートって感じ?

 マイナススタートみたいな?」


【うんうん

 そんな感じで良いと思うよ

 だから凄い消費が激しかったでしょ?

 肉体を稼働するにあたりエネルギーを多く消費しちゃう状態って事かな】


「なるほどね

 折角良い種族になれたのにな」


【次も頑張ればいいよ】


「そうなんだけどな

 次に神の力を直接入手出来る機会なんてないだろ」


【普通はね

 あれは僕でもビックリな事だよ

 君を転生させて本当に良かったと思えたね】


「絶対に笑ってると思った」


【あはは、否定は出来ないかな

 それに普通は摂取しただけで体も魂も消し飛ぶよ

 仮の体とは言え神界製だし負荷に耐えられないさ】


「らしいね

 スイリーヤにも言われたよ」


【そうそう

 だから普通は神を取込もうなんて考えないし

 そんな発想すら出てこないもんだけどね

 神の加護ですら受けてる者は現世では少ないんだから】


「そりゃまあな・・・≪捕食者≫なんて普通は持ってないし

 そういや今迄あまり聞いてなかったけど"神の加護"ってなんなの?

 受けてるの少ないって言ってたけど俺の周りに結構いるぞ」


【神の加護ってのは神が自分の神力を使って

 現世の者に様々な力や能力を授けるんだよ

 本来は自分の司る事柄についての信仰を

 広く強くする事が目的だね

 もっともそこらへんは神次第で暇潰しとかも居るけど】


「暇潰しね・・・・ってロイラだ!

 ロイラはどうなった?

 魔王とかが色々と言っていたけど」


俺の問いかけにちょっと渋い顔をする神。


【うーん、あれね・・・・あれは・・まぁ・・・・

 こっちサイドの勝手な都合なんだよね】


神は珍しく申し訳なさそうに話し出した。

アリス強化完了!

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