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ちょっと短くなっちゃいました。

森で生まれたのに魔物に一度も

遭遇しなかった森山実留です。

ファンタジー定番の迷宮に行く事にしました。

レアアイテムざっくざっくで一攫千金です。


少なくとも・・・少なくとも・・・・

扶養家族アリスの食費位は稼ぐぞぉぉぉぉぉ!







迷宮ギルドに入ると中は結構混んでいた。

ワイワイと活気があるのだが

少し緊張が張りつめている。

迷宮・・・やっぱり命掛けだろうしな。


何処に行けば良いのか悩んでいると

入口脇から声が掛る。


「迷宮ギルドは初めてですか?」


振り返ると入口脇に案内所があった。



そこには居たのは!

獣耳きたぁぁぁぁぁ!


そうテンプレ通りの獣耳のお姉さんがそこにはいた。

フサフサした耳にピコピコと動く尻尾。


首元までキッチリと隠しているのに

何故か必要以上にぴったりし過ぎている制服により

強調されるボディライン。

そしてやたらと強調が激しい二つ果実。


絶対にオカシイ長さですよね?と言われそうな

極端に短いタイトスカート。


身長も低く、顔は童顔で可愛い。

一言で表せばロリ童顔巨乳が居た。


これは狙ってるぜ。

明らかに狙ってる匂いがプンプンするぜ。

絶対にこれを決めた奴は判ってる奴だ。


うん、俺の中で心の友認定をしよう。

いつか出会う事が出来たら熱く語ろうじゃないか。



「初めて来たんですがどうすれば良いかわからなくて」


「そうでしたか、ようこそポーラス迷宮ギルドへ

 初めてでしたら登録が必要となります

 登録受付カウンターに行ってください」


「場所は何処になりますか?」


「一番右のカウンターになります

 私と同じ獣人の方が居るので

 その人に案内所から来るように

 言われたとお伝えください」


「ありがとうございます」


アリスは会話を終了したものの

俺の興味はビンビンにお姉さんに向いている。

去り際にこっそりとステータス確認だ。



名前:メリサ・モイラ

性別:女

種族:ドランティア

年齢:19歳

職業:迷宮ギルド案内

称号:なし


≪スキル≫

初対友好

特定嗜好求心



≪ドランティア≫


犬族をルーツに持つ獣人。

身体能力が高い個体が多い。

魔法はあまり得意ではない。



≪初対友好≫


説明:第一印象って大事だよね


効果:初対面時に友好的になりやすい



≪特定嗜好求心≫


説明:良い物持ってるね!


効果:特定嗜好の方々の心を掴みやすい




何と言うか特定嗜好求心ってこえーな。

きっと俺がグラっと来たのもスキルの影響だな。

うんうん、きっとそうに違いない。






受付に行くと・・・誰も居なかった。

なんだよこのパターン。

仕方ないのでアリスに呼び出してもらう。


「すみませ~ん、登録受付お願いしま~す」


『登録受付担当は、ちょっと用事すませてるので

 ちょっと待っててくださ~い』


そう遠くから返事がくる。

登録受付って忙しいのかね。



ドタドタと走る音が聞こえてくる。

これはアレだなさっきのが童顔ロリ巨乳だとすると

こっちは天然おっとり系に違いない。




「お待たせ」




・・・・ん?何こいつ?


「実留さん何ですこいつ?」


「いや、俺にもわからないんだけどさ

 一応頭に耳ついてるよな」


「そうですね

 間違ってはないですね」


「「でも何か違くない??」」




目の前には獣人が居る。

フサフサした耳にピコピコと動く尻尾。

同じだメリサさんと全く同じだ。




スキンヘッドのガチムキの獣人じゃなければなっ!


そこには何故か制服がはち切れんばかりに

ムキムキした白い歯がキラリと光る

ガチムキの獣人が居た。

確かに耳はある。

確かに尻尾もある。


だがしかしこんなハズじゃないはずだ。

ギルド受付と言えばキャッキャアハハが堪能できる

フラグが立つようなお嬢が居るはずだ!


こんな決して着る服のサイズは腕周りで決める

ようなタイプじゃないはずだ・・・・。


俺は恨む。

心の友を恨む。

いつか出会う事が出来たら熱い拳をお見舞いしようじゃないか。


あまりの落胆ぶりに思わず声が出てしまう。


「・・・・あんまりじゃないか」


「あれ?お兄さんドーバードックだよな?

 喋れんのかい?」


「あ・・・はい、話せます」


「そうかそうか、それは良かった

 話せない種族の受付は中々骨がおれるんだ」


そういってガハハと笑い出す。

見た目と一緒で中身も豪快系かよ。


「俺は実留、こっちの契約妖精はアリス

 二人で迷宮に潜りたいんだ」


「おーけーおーけー、ミノルとアリスな

 俺はジミーて名前だ


 んじゃ、とりあえず

 必要事項を登録から始めよう

 

 アリスが契約精霊って事は 

 ミノルがリーダーで良いんだよな?

 この台の上に手を乗せてくれ」


ジミーは薄緑色の台を床に置いてくれる。

意外に良い奴かもしれん。

前足を乗せると体がボウッと一瞬光る。


「ほう、レア種か?

 どうりでなぁ・・・・

 

 よし、登録完了っと」


ジミーが何かを操作し終える。


「ところでミノルは登録費用は持っているか?」


「登録費用?」


「あぁ、そうか何も知らないのか

 最初から説明するぞ」



迷宮に入るには登録が必要となる。

これは誰が迷宮内に居るかを把握するためだ。




本来であれば迷宮は

誰でも入れるし入場料等も必要ないが

迷宮で命を落とすと迷宮に取り込まれ

取り込まれた命は迷宮の力となる。

あまりに死亡率が高いと迷宮が力を

持ち過ぎてしまうのと

有力な冒険者が減る事を防ぐために

迷宮ギルドは発足した。


迷宮ギルドが行う主な業務は

以下の通りとなっている。


探検者の登録。

探検者の最低限の保護。

探検者同士の争いの仲裁。

等だ。


後は探検者のサポートだ。




本来、無料であるにも関わらず

登録料が必要なのは

最低限の保護の為だ。


まず登録すると迷宮カードが発行される。

これは魔法具となっていて

迷宮の中に入ると反応し入場記録が残る。

迷宮の外に出ると反応し出場記録が残る。

迷宮内で命を落とすと反応が消える。

迷宮内で倒した魔物のカウントが記録される。


つまりカードを携帯する事により

ログが記録されるのだ。


ちなみに迷宮からは転移魔法を使用したとしても

入口までしか戻ってこれない。

外からの転移も入口までしか来れない。

迷宮には特殊な力場が存在するらしく

入口以外からの出入りは不可能となっている。


「そんな訳でよ、最初の登録には

 カード発行の金が掛るんだ

 銀貨2枚だけどな」


まじかー、金ねーよ。

こちとら犬だぞ。

舐めんじゃねーぞ。


「ドリアスさんという方からの

 紹介なのですが」


「え?旦那の紹介かよ

 それを早く言ってくれよなぁ」


そういってガハハと笑いながら迷宮カードを渡してくる。

少し艶のある銀色のカードだ。


「旦那の紹介なら仕方がねぇ

 登録料は迷宮で稼いでからの後払いで良い」


「良いんですか?」


「あぁ、旦那の紹介なら信用できるし

 もし駄目でも旦那から貰えばいいさ

 あの人にとって銀貨2枚なんて

 何の事はないさ」


ドリアスさんってどんな人なんだよ。

すれ違って話しただけなのに。


「後はそうだな収納鞄も貸してやろう

 容量はそこそこ入るタイプだ

 レンタル料は銀貨5枚でいいぞ

 かなりサービスした値段だから

 誰にも言うなよ」


「全部で銀貨7枚ですか

 それはどれくらいで稼げるものなのですか?」


「そうだなぁ、狩りが普通に出来るなら

 低階層でも数日ありゃ大丈夫だろ」


「そうですか・・・

 ではお借りしたいと思います」


「おうおう、頑張って稼げよ」


ジミーは倉庫から収納鞄を取り出してきて

背中に邪魔にならないように付けてくれた。

迷宮カードも首に下げてくれた。

おうおう、ジミー優しいじゃないか。

ガチムキじゃなければもっと良いけどね!


「後はコレもってけ

 俺からの初心者サービスだ」


ジミーがくれたのは初心者キャンプセットとかいう

簡易寝床と調味料(小)と傷薬だった。


やべぇ、ジミーったらイケメンだわ。





迷宮ギルドの一階の奥に行くと出口があり外に出る。

中庭の様な作りになっていて綺麗だ。


そして目の前には両脇を兵士に守られ

ポッカリと口を開けた入口がある。



「行こう、アリス」


「行きましょう、実留さん」


兵士に迷宮カードを見せると

何も言わずに通してくれる。



入口からはなだらかな坂が続いていが

素材は不明だが多少濡れたりしても

滑るような危険性は少なそうだ。

緊張しながらも一歩踏み入れる。


一瞬、体に違和感を感じるも

すぐに治まり特段何も影響はない。



ただ空気は変わった。



魔力感知で外とは違う濃密さを感じる。



ここは迷宮。



魔物の世界だ。

 

稼ぐどころか借金スタートです。


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