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暑くて頭が回りません・・・。
とある事を経験したら世界が違って見えました。
これが大人の階段を昇ってやつなんでしょうか。
こんにちは森山実留です。
考えるんじゃない感じるんだ!
そう神様も言っています。
魔力感知を覚えた次は魔力操作だ。
感知しつつ色々な操作を練習する。
「全身から水を絞るように集めるんです」
「集めた魔力をさらによく練って
大きな塊にするんです」
「それを圧縮して拡大して色をつけて
形作ってを繰り返します」
全身から魔力を集める。
少しでも気を抜くと拡散してしまうので
集中し続けなければいけない。
まとまった状態を維持できるようになったら
出来るだけ大きく集めてみたり。
可能な限り小さく圧縮や薄く限界まで広げる事を繰り返した。
形を変えることに慣れたら次は色だ。
様々な色に塗り替える。
全体の色を変えて少しづつ単色から複色にしていく。
最終段階は色々な形をイメージして作る。
体の中に魔力で物を作る感じだ。
そこまで出来たら後はイメージ力のみだ。
魔力で何をしたいのかを創造する。
それを形作るんだ。
形作ったものが鮮明であればあるほど。
集めた魔力が強大であればあるほど。
現実示す事象はイメージに近いものとなる。
魔法で城を建てることも可能だ。
細部まで綿密に思い描き現実化できるほどの魔力があり
維持が可能であればだ。
この操作には手まどい3日を必要とした。
ピローン
> スキル≪魔力操作≫を手に入れました。
≪魔力操作≫
説明:イメージしろ世界はお前が作るんだ
効果:魔力を操作する事が出来る。
上達すればするほど精度と規模が上がる。
最後の魔力放出は操作した魔力を
確信をもって現実化できるか?
となるらしい。
「魔法とは世間に変化をもたらす事象を
人為的に起こす事となります
確信をもって意思の力で
世界の理を変化させるんです」
間単に言えば世界の意識を自分の意識で上書きする。
ここでいう世界の意識とは自然現象であり物理現象を指す。
乱暴に言えば
手のひらに炎なんてあるわけないけど
俺があるって言ったらあるんだよ!
そういう事だ。
つまりは思い込み。
意思の力となる。
想いを込めた魔法というのは強いのだ。
ぶっちゃけこれは凄い簡単に習得できた。
だって神システムあるんだから発動できないって事ないし。
ピローン
> スキル≪魔力放出≫を手に入れました。
≪魔力放出≫
説明:神システムがあれば余裕だよね
感謝してね?ねっ!ねっ!
効果:魔力を放出する事が出来る。
上達すればするほど精度と影響範囲が上がる。
うん、確かに神シスのお陰かもしれない。
なんつうか恩着せがましいのがイラっとするね。
いつかあいつに食らわせてやる。
旅は順調に進んだ。
街道には同じ方向に進む人々の姿も徐々に増え。
魔物も盗賊も姿を現さないからだ。
野宿は野営キャンプ場のような集まりが自然と
出来るのでそこに身を寄せる。
危険のない快適な旅といえよう。
ただブタ子の引く台車をみて
周囲が引くのはいつまでも無くならなかった。
迷宮都市までの残りは鑑定のコツを教わるのと
生活魔法の練習に充てた。
おかげで生活魔法と鑑定はスキルGET出来た。
ピローン
> スキル≪生活魔法≫を手に入れました。
> スキル≪鑑定≫を手に入れました。
≪生活魔法≫
説明:日々の生活を便利にします
効果:日常生活に使用できる程度の規模と威力しかないが
火水風土の属性を扱える。
≪鑑定≫
説明:お前の事はお見通しだ!
効果:アイテムステータスを見る事が出来る。
但し自分より高ランクの場合、表示出来ない。
これで大分生活が楽になるぜ。
俺は無詠唱や単語で魔法発動をするよう心がけた。
威力よりも使いかってを求めた。
「明日にはポーラスに到着できると思います」
「そうですか、1泊してから首都に向かいますか?」
「それがですね先ほど擦れ違った商人に聞いたところ
どうもポーラスより先に行くには少し時間がかかりそうなんですよ」
「何か事故ですか?」
「首都への過剰な入場を抑えるためだそうです
手続きをすれば良いだけなんですが
出発まで3週間ほど掛かりそうです」
「大丈夫なの?」
「えぇ、成人の儀までは1ヶ月以上あるので問題はないのですが」
「何か問題が?」
「あの、お恥ずかしい話なのですが・・・・
その3週間も滞在となると・・・・
その・・・路銀が・・・・
アリスさんの・・・」
「いや!もう良いです!
何も言わないでください!
俺とアリスの分は何とか自分で稼ぎます」
「実留さんがんばって~」
「うぐぐ、お前が!お前が!
毎回あんなに・・・・チキショォォォォ」
アリスの食費が馬鹿にならないと暗に言われ
どうしようかと悩むも
やはり稼ぐ手段はあれしかないと思う。
俺は迷宮に入る事を決意する。
チャンス来るのはえーよ。
翌日の昼前に迷宮都市に到着した。
迷宮都市ポーラスは大きな円形の都市だ。
街は二重構造となっていて
中心部に迷宮がありそこを中心に
商業地区と工業地区が広がる。
その外側を壁がぐるっと囲んでいる。
これらは迷宮から魔物が溢れてきた場合の防波堤だ。
その壁の外側には住居等が広がっていて
さらの外周にも壁があり外部から守っている。
場所的には首都の南に位置し
北側から首都に向けて大きな街道が延びている。
宿を取った後(もちろん俺は馬小屋だ)に
ブタ子はノイードへの出発手続きと
滞在時の間の商売をやるために商人ギルドに手続きに行った。
俺は迷宮に入る為に迷宮ギルドに行く事にした。
場所は宿の主人に聞いていたので迷わなかったが
実際に中心部まで行けば分からないはずがない。
だって迷宮の入り口ってギルドの建物内にあるんだもん。
寧ろこれは迷宮の出入り口の上に建物を作ったんだな。
それにしても街には色々な種族が居た。
人族が多いが亜人も結構いる。
見た事無い種族ばかりでドキドキするぜ。
中でも気になったのが角が二本生えている
馬とポニーの中間ぐらいの大きさの白い奴。
毛並みはキラキラとしており鬣もフサフサだ。
「おい君、そこの妖精の君」
後ろから急に声を掛けられた時は
誰が話してるか一瞬理解できなかった。
だって馬が話してるんだよ。
俺もそうだけど・・・。
「・・・・・なんでしょう?」
「急な質問で失礼だと思うが
君の・・・・パートーナーで良いのかな?
ドーバードックなのかな?」
「はい、そうですね
ドーバードックですが・・・・貴方は?」
「これは失礼した
私はドリアスと言います
ツインユニコという種族です」
「ドリアスさん・・・ですか・・・
どういったご用件でしょうか?」
「いや、そちらの方がドーバードックだとは
思うのだが感じる力が桁違いでね
興味が沸いてしまい思わず声をかけてしまった
申し訳ない」
「いえいえ、そういう事でしたか」
いきなりの電波さんか?
アリスと対応を考える。
「実留さん感じる力が桁違いですって・・・・ププー」
「それ笑うところか?
ちょいとステータス確認してみるわ」
名前:ドリアス・ラルム
性別:オス
種族:ツインユニコ
あ~、やっぱ全然表示されないね。
ドリアスに流れる魔力ってよくは見えないけど
何か妙に強いもん。
≪ツインユニコ≫
知力が高く魔法が得意な種族。
外見は馬に似ており少し小さい。
額には二本の湾曲した角が生えており
非常に硬く突撃された際には注意が必要。
「これからどうするので?」
「はい、二人で迷宮に行ってみようと思ってます」
「そうですか、そちらの方であれば
多分大丈夫だとは思いますが
注意してくださいね」
「はい、ありがとうございます」
「お引止めして申し訳ないです
あっ、そうだ
迷宮ギルドにいかれますか?
行かれるのであれば僕の名前を出して
紹介を受けたと伝えれば悪くされないはずです」
「本当ですか!助かります」
「いえいえ、こちらこそ申し訳ありませんでした
それでは縁があればまた会いましょう
アリスさん、ミノルさん」
そう言ってパコパコと蹄を
鳴らしながら歩いていく。
「なぁ・・・アリス」
「なんでしょう?」
「あの人にうちらの名前って教えてないよな?」
「・・・・・っ!」
母犬の言葉が良くわかるぜ。
この世には上には上が居るもんだ。
俺も迷宮で成長すればあんなになれるものなのかね。
これからの冒険にワクワクしながら
俺とアリスは迷宮ギルドの入り口に立つ。
さて、魔物に俺の力は通じるのかな。
俺はぺロリと口を一舐めし入り口をくぐっていった。
ついに戦いの場に到着しました。
ブタ子さんは商人の為、戦闘には参加しません。
ひ弱(自称)ですしね。




