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5-26

遅くなりました。

もうしばらく不定期更新が続きそうです。

ポーラス迷宮を2度も攻略した森山実留です。

母親(牛)もついに攻略者の仲間入りをしました。

これで名実共に我がヴィリアは迷宮支援団体として認知された事でしょう。

多少の無理矢理感はありますが些細な事です。

半神の天使を戦力にした事も最下層でチョチョイとした事も些細な事です。

うん、些細な事です。


とてもとても大事な事なので3回言いました。









ポーラスの街を俺が出る事になったのは

2度目の迷宮攻略から数ヶ月が過ぎた頃だ。

ゼノ達と別れてから半年弱が経過しようとしていた。


エライト達は迷宮ギルドでの手続きを済ませ

得られた資材や宝物を精算し体が癒えるとノイードへと出発した。


実績さえあれば家名により入団自体は確定している。

俺が数ヶ月後に辿り着くまでには根回しをしておいてくれる予定だ。

不安はあったが"エバーザイト家が責任を持つ"。

そう言った契約を交わしているのでチャンス位はあるだろう。

無ければ無いで何とかするしかない。

実里に直接会えれば良いだけなんだけど難しいだろうな。


街を出るまではヴィリアの運営を完全に立ち上げる事に尽力した。

代表である母牛が迷宮攻略を果した事で知名度はグッと上がったので

内容を充実させれば問題は無いだろう。


立ち上げ当時の利用者は初心者ばかりだったが

最近ではが中級者も訪れるようになり母牛の出動回数も増えた。

それに伴い母牛の実力もモリモリと上昇し

同ランクの者とパーティーを組めば40階層でも通じるだろう。

恐るべきは神謹製スキルだな。

俺が言うのも何だか物凄い成長率だ。

しばらくしたら種族進化するやもしれん。


ジミーは迷宮ギルドを辞めてヴィリアの副代表になった。

実質的には俺のポジションだな。

スキンヘッドにムキムキボディの外見だが仕事はずば抜けて有能だ。

寧ろ俺がやっていた時よりも素早く確実に成果を上げていく。

迷宮ギルドへの伝手もあるし頼もしさを感じるぜ。


俺がアイデアや改善点を出して母牛が現場の意見を出す。

それらをジミーが各所と調整した上で実現案とした。



実行動は母牛とジミーに任せて俺は時間を作り

ヴィリアを盤石にする為にサービス内容の充実を図った。

秘密裏に動いていたのがオリジナル武具の作成と帰還の宝珠の複製だ。


まずオリジナル武器だが大剣、戦斧、槍、大槌を用意した。

これは俺のオリジナル魔法である"瞬動"を魔道具で再現出来るようにした物だ。

ここ一番って時に重い1撃を入れれる様にしたもので

結構な魔力を消費するが起死回生の手段になるだろう。


某鉄屑町の上空都市からやって来た夜中に犯罪者狩りをしている

サイバネ医師が持つハンマー的な武器を想像して貰えると良いだろう。

手持ちの素材を惜しげも無く使った試作品を幾つか作ったが

結構なエゲツナイ加速性能を叩きだす高性能品となった。

これは母牛やブイボイさん等の信頼出来る人に使って貰い

情報をフィードバックして更なる改良をしていく。

使い勝手よりも機能と性能を追求したから初心者向けじゃないしね。


その為、正式なオリジナル武器として取扱うのは性能を落とした廉価品とした。

作成はエライト達の武具をお願いした工房にお願いしている。

各種ギルドに届けを出していうので真似されないようにする事も忘れない。

もちろんレンタルもしているので試したうえで購入する事も可能だ。

届出はしているが真似する奴は出てくるだろうが

うちがオリジナルって言うのが大事だ。

ネームバリューって奴だな。


ちなみに俺は更に高性能品を幾つか作成し保持している。

これは工房の親方と俺しか知らない武具だ。

ヴァルモーブから取得した素材や宝物を使っているので性能は凄い。

正式に買うとなると値段はヤバイ事になるだろう。

素材の問題で作れないってのもあるけど。

俺は素材さえあればコピーで作れるんだけど流石にこのレベルの武具を

作れるほどの腕はないので殆どが親方作となっているので残念ながらコピーは不可だ。


空いてる時は親方の脇で練習がてら通常武具を作っていたので

それを大量にコピーしてヴィリアに納品しておいた。

武具と言っても消耗品だし何時かは在庫切れになるだろうが

暫くは財源の足しになるだろう。


次にヴィリアの一番のアドバンテージである"帰還の宝玉"についてだ。

現在は母牛の専属アイテムとしているので中階層~深階層のみをターゲットとしている。

今は利用者が余り居ないので予約制にしているが一旦出てしまえば

数日単位で予約出来ない事になるので改善しておきたい。

他にも紛失や襲われる事も考慮してだ。

流石に母牛所有の1個だけじゃ何時までもアドバンテージを稼げないしな。

迷宮攻略者が増えてきたら何れは手に入れる者も出てくるだろう。

激レア物ではあるが入手不可能な物って訳でもないし。


すったもんだの末に劣化版ではあるが作成出来た。

オリジナルと違う所は使用時に魔力が必要な事と連続使用不可って点と

人数が最大で6人迄と限られてしまう事だ。

一回使うと再使用までに1週間程度掛る。

材料の問題で3個しか用意出来なかったが十分だろう。

これでヴァルモーブから得られた物は全てを放出した。

どうせ転生時には持って行けないんだから使い切ってしまった方が良い。

それにしても流石は迷宮ボス&竜種だ。

良い物が沢山あったので助かったし潤った。

出来ればもっと連続で倒してみたかった・・・・。



そうそう、スキルも入手出来た。


=========================

≪構造解析≫


説明:どれ、中身を見てみようかね


効果:材質や構造等の解析が可能となる

   対象の種類は問わない   

=========================


これは"帰還の腕輪"の解析中に入手できた。

スキル無しで解析をしようと思ったら大変な目にあったけどね。

自宅の部屋で解析の魔法陣を描き魔力の大量消費を懸念し竜血脈を100%にし

一気に解析にと取りかかったんだが莫大な魔力が一瞬で消費され意識が飛んだ。

ジミーと母牛が帰宅して意識を失った俺を見つけた。

数時間の気絶だったが相当に衰弱してたようだ。

ジミーに凄く怒られた。


気が付いたら入手していたスキルがコレだ。

その後にスキルを使って解析したら魔力が大量に食われるが

気絶までする事は無かった。

スキルって本当にありがたいな。


=========================

≪魔道具作成≫


説明:この世に再現出来ぬものなど無し

   さぁ情熱をぶつけるんだ


効果:魔道具作成時に各種プラス補正 

=========================


説明の通りにすると研究だけで寿命が終わりそうな予感がするな。

まぁそんなに情熱は無いんだけれど・・・・。

このスキルをもってしても劣化版しか作れなかったのは

オリジナルが凄いのか熟練度や理解度、又は技術力の問題なんだろうか。

今後もちょいちょいと作ろうとは思う。


職業も手に入った。


=========================

≪迷宮護衛≫


説明:迷宮の奥底に挑む者よ

   我が手を取りなさい


効果:迷宮護衛時に周囲警戒にプラス補正

   対象者の防御力、生命力にプラス補正

=========================


確かに迷宮護衛を運営してはいるけど

基本的には裏方っすよ?

護衛なんてエライトの1回だけだよ?

しかも取得できたのは1ヶ月以上経ってだよ?

何故に現場スキルが手に入ったのだろうか?


ふむ?

思い当たって商人ギルドに確認しに行くと俺名義に

ヴィリアから母牛の名義で振込手続きがしてあった。

確かに母牛は護衛任務がメインでソコからの収入だから良いのか?

よくわからん線引きだな。

そういやウイスキー販売も継続で振り込まれているが

あれは料理人なのか?アイテム販売なのか?

でもアイテム販売って結構後だよな・・・・・?

やっぱり良くわからん。



事前に説明と説得をしておいたので両親は俺が出ていくのを

止めようとはしなかった。

母は世界を見て来いと言わんばかりに見送ろうとしていたが

父は少し寂しそうな笑顔を浮かべていた。

これが種の違いって事なのだろうか。


2人の子供として生まれてから半年以上が経ったが

子供っぽい事って殆どしてなかった気がする。

生まれて直ぐに迷宮に取り残されて消息不明になり

出てきたと思ったら種族が変わってて妖精と子竜を連れて帰ってくる。

更に迷宮護衛の仕事を立ち上げだしたりする。


自分で言ってても相当に変だ。

明らかに普通じゃないが何も言われない事を考えると

この世界では普通の事なんだろうか?

今更ながらこの世界の常識って奴を俺は余り知らないんだな。

元々の世界に比べて情報伝達技術が発達してないから

国ごと地域ごとの常識があるんだとうは思うけどさ。

人族と魔族じゃ違うだろうし。



出発が翌日に迫った最後の夜も両親は何も言わず

暖かく楽しい晩餐の空気を作ってくれた。

母牛はニコニコ(と見える)してるしジミーは凄く酔っぱらった。

アリスもルーブも沢山飲み食いして満足そうだ。


ジミーは一緒に寝ようと言っていたが流石に遠慮しておいた。

代わりにルーブを連れて行かれた。

抱き枕にでもするんだろうか?

確かにちょっとヒンヤリして気持ちが良い。

アリスは飽きる事無くモリモリと食べている。


気持ちが高ぶって寝れないので外に出て家の裏に回る。

僅かな期間だけど遊んだ場所だ。

ちょっとだけ懐かしい。


1人で夜空を見ながら考える。

知合いの所に生まれるのはちょっとやりにくいな。

転生の事を考えると子供が死ぬって事だからな・・・・。

俺の魂は続いているが肉体的な繋がりは断たれてしまう。

これは親にしたら悲しい事だよな。

たとえこの世界では死が身近なモノとは言えどもさ。


知合いの所に転生するのは回避出来るのかな・・・・。

凄い確率だとは思うんだけど実際に有りえたんだから

次回も無いとも限らないし。

これも何かの神が絡んでるかもしれないしなぁ。

条件に組み込めるかは要相談だな。


ガサ。


何かが草を踏む音がすると母牛が立っていた。


「どうしたの?」


俺がそう問いかけるも真顔で此方に寄ってくる。

そして俺に棒状の何かを投げてよこす。

それは刃を潰した片手剣だ。

母牛は同様に刃を潰した戦斧を持ってスッと構える。

何も言わないが何を考えてるのかは理解出来た。


俺も身構えて思考を戦闘モードに切り替える。


「行きますっ!」


俺は片手剣を握りしめ母に向かって行った。


スキルは使わずに素の状態だがそれでも母牛との能力差は結構な差が付いてる。

そのまま押し切れるかと思ったが母牛の能力も低い訳では無く

技術と経験は重ねてきた年月が違うし体の使い方は俺の遥か上だ。


身体能力では俺。

技術と経験では母牛。

拮抗しつつ幾度も打ち合う。


極限まで集中し腕を足を動かす。

どれ位の時間を打合っただろうか。

時間の経過すらも忘れて母牛と金属のぶつかる音で語り合う。

数分か数十分か・・・・。


ふと気が付くと母牛は笑ってるように見えた。

唐突に母親が距離を取る。

呆気にとられていると母親が呟く。


「もう私より強いんだな・・・・旅の無事を願っている」


そう言って家に戻って行った。

あれ?今・・・・普通に話してなかったか?

なんだ?

どういう事だ?

あーだこーだと悩んでいると横合いから聞きなれた声が聞こえてくる。


「想いは受け取れたようだな」


「いつからそこに?」


「寝てたら物音がしたんでな」


「父さんもやるかい?」


ジミーは苦笑しながら頭を振って答える。


「俺は遠慮しておこう

 酔いもあるが・・・・正直言ってもう俺なんかより全然強いさ

 そもそも父さんより母さんの方が強いんだからな」


「そっか・・・・」


「ミノタウロスは親離れが早い種だ

 ミノルが出ていくのは止めやしないが

 母さんも寂しいのさ・・・母としても戦士としてもな」


少し話すとジミーも家に戻った。


俺がこの街を出て行く事は許して貰っている。

ヴィリアの運営も順調だし俺が居なくても大丈夫だ。

そうは言っても両親からすれば悲しく切ない別れだ。


やっぱり嫌なもんだな。

別れってのはさ。





翌朝、日が昇り始める前に目を覚まし

ルーブとアリスを腕に抱き用意しておいた荷物を持って静かに家を出た。

家から少し離れた空き地で出発の準備だ。


≪竜血脈≫の稼働率を50%まで上昇させ翼を生やす。

数ヶ月の訓練の末に出来るようになった限定生成だ。

通常生成に比べて大きさも小さく強度も弱いので戦闘には向かないが

通常飛行する位の浮力は十分に発生させられる。

なんと言っても稼働率が低ければ燃費が良いしな。


翼の状態を確かめて魔力を通していく。

力場が作られて浮力が発生し体が重力から解放されだす。

アリスとルーブは楽しそうに俺に周りを飛び嬉しそうだ。


「よし、行くか」


「はい」


「キュー」


2人と1匹は一気に上昇する。

街並みが小さくなる。

ふと下を見ると少し離れた所に母牛とジミーの姿が見える。


「バレバレって事ね・・・・」


大きく手を振り何かを叫ぶジミーに俺も手を振り返す。


さて、実里に会いに行こう。

俺は魔力を更に送り込み首都ノイードに向けて飛翔を開始した。






















ドッゴッォォォォォォン。


出発の直後に街の防衛部隊に魔法で撃ち落とされた。

自宅に強制連行されみっちりと怒られた上に怪我で出発が遅くなり

罰金も結構な額を取られた。


「ミノル・・・・街の出入りを飛んだままじゃ駄目に決まってるじゃないか

 境界線の飛行は禁止行為だぞって叫んでたのに・・・・・」


そりゃそうですよね。

翌日に歩いてポーラスを出発した。

ロケット的な鈍器武器。

憧れちゃいますね。

そういえば最新刊で完結なのでしょうか?

楽しみが減っちゃうなぁ。

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