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5-23

更新が遅くなりました。

申し訳ありません。

少しの間、不定期になります。

迷宮支援団体"ヴィリア"の影の支配者である森山実留です。

代表は母牛ですが裏で操作しているのは自分です。

何故って?

代表が何を喋ってるかがわかんねーからだよっ!


でも・・・・皆は普通に会話出来てるんだよなぁ・・・・謎だ。








第一声から怪しい匂いがプンプンする妙に綺麗な

装備を身に包んだ冒険者が俺の前に居る。

どうにも芳ばしい感じがするので小部屋に通して対応中だ。

母牛も同席して貰っている。

名を"エライト"と名乗った。

その後ろには影のように付き添う執事のような老人が立っている。

こちらは"カリュイ"と言うらしい。


「それで用件は何でしょうか?」


行き成り断りをいれたのにスルーされた。

あれで心が折れないなんて相当な豪気な者だと見たね。


「迷宮の深階層に挑戦しようと思ってね

 そのお供を探しに来たんだ」


一応は客って事か・・・・。

だが物凄く上から目線と言うか子供っぽい感じを受ける。


「エライト様、言葉が足りませんぞ

 今回、迷宮の深くに挑戦したいと申しましてね

 最近、評判のこちらに伺ったのです

 手厚いサポートを受けられると聞きましてね」


「それはありがとうございます

 では目的階層を教えて頂けますか?」


「はは、聞いて驚くなよ

 目標はズバリ迷宮の攻略だ

 僕は駆出しとは違うんだよ

 志は高くいかないとね」


「迷宮攻略を視野に入れた上で

 当面は30階層の突破を依頼したいと思っています」


アバウトなエライトの発言に対して

具体的な内容を示唆してくるカリュイ。


そんなに深い所まで行っているようには見えないが

ここまでキッパリ言うのであれば

実力者なのかもしれないな。

軽く見て申し訳ない事をしただろうか引き締めて対応しよう。


「現在の攻略階層を教えて頂けますか?」


「ふふふ、聞いて驚くなよ

 何と!25階層まで突破しているんだよっ!」


「これは本当で御座います

 迷宮ギルドの記録をお持ちいたしました」


アハハハと高笑いしながら自慢げなエライトを置いて

横から資料を差し出してくる。

確かに25階層まで踏破はしているようだ。

う~ん、これは微妙な線だなぁ。

確かに25階層なら駆出しとは言えないが

迷宮攻略を目指すには力不足も良い所だ。


資料には5人で攻略中と書いてあるな。

詳細は記載が無いが・・・・。


「なるほど・・・・5人と記載されていますが

 役割はどのような形で?

 全員が同程度の実力なのでしょうか?」


「もちろん僕の実力に決まっているじゃないか」


「えっ?単独踏破ですか?

 じゃぁ他の方は?」


マジか?!

それなら相当の実力者だぞ。

俺が言うのも何だが25階層を1人で踏破出来るなら凄い事だ。

多分、以前の母牛よりも実力は上になるんじゃないか?


「流石の僕でも荷物持ちは必要だよ」


「荷物持ちと護衛を兼ねて私の他に3人居ます」


ふーむ、なるほどな。

単独ではなさそうだが実力はあるのは間違いないのか?


「ほほう、それでは基本的な戦い方はどのような感じで?」


「こう見えて僕は魔法が得意でね

 高火力で殲滅していくのがスタイルさ」


「エライト様の魔法で先制し私と護衛の4人で殲滅するのが

 基本的な攻撃方法となっております」


ちょっと待て?

魔法が得意?

何故に魔法主体の奴が金属鎧で全身を固めている?

その腰にあるやたらピカピカしてる剣はなんだ?


基本的にこの世界の魔法は発動に杖等の媒体は必要としないし

金属鎧だろうが全裸だろうが問題はない。

それどころか固定砲台の役割専門の防衛部隊等じゃない限りは

動き回って撃ったりする事も多いので体力や筋力も最低限は必要で

ガリガリな冒険者なんて殆ど居ないのがリアルだ。


それでも魔法の発動には精神力と集中力が必要だし

前衛程の体力も無いので装備は軽い方が良いし動きやすい物を選ぶ傾向はある。

杖やローブは魔法発動や威力等に補助効果もあるので

魔法が主体なら必然的にそういった装備を選ぶのが通常だ。

少なくとも全身をガチガチに固めて見栄えする剣を

装備するなんて事は普段は無いと思う・・・・。

魔法剣士なんて選択肢もあるがとてもそうは見えないぞ。


エライトは勢いのある事だけを言いカリュイが補足する。

それが最後まで続き色々と聞いたがチグハグな感じがする。


コイツは本当に優秀なのか?違うのか?

その判断が難しいので依頼を受けるかどうかは

迷宮に入る全員で来てから決めると伝えた。

深階層に挑戦するなら綿密な打ち合わせは必要だしな。


翌日に改めて来る事にしエライト達は帰って行ったが

高笑いをしながら去って行く後ろ姿は物凄く嫌な予感がした。


翌朝一番にエライトは約束通り5人で再訪した。

OPEN前から外に居たんだがどんだけヤル気なんだよ。

どうにも外見と中身に行動が伴ってない気がする。

もっとあーゆう輩は堂々とノンビリ来るのが王道だろ。



前衛と思われるゴツイ鎧を着た歴戦を思わせる3人が一緒だ。

それぞれが剣と戦斧と槍を装備した3人で戦いなれた雰囲気を醸しだしている。

どう見ても荷物持ちには見えないがどうなんだろう。


そう言えばエライトが先制して残りの4人で倒すとか言ってたな。

・・・・・なんか香ばしい感じがしてきたな大丈夫か?。


話してみると3人は私兵と言って良いポジションのようだ。

それだけじゃない何か繋がりの様な物を感じるが・・・。

言葉数は少ないが実力に裏付けされた確かなモノを感じる。

これなら大丈夫かと思い話を進める事にした。


エランスとカリュイが提示してきたのは金額に糸目は付けないフルオプションだった。

こちらとしても金を考慮せずに安全を保障出来るならそちらの方が良い。

選べる選択肢は多い方が良いし使わなければ請求しないんだしな。


だが深層階まで潜るとなると実力の確認も必要となる。

アタックする前に実力を確認させて貰う事にした。


内容としては母牛と共に信頼出来る人に着いて行ってもらう。

頼んだのは"ブイボイ"という経験豊富な冒険者だ。

歳は40歳を越えているが迷宮を専門に攻略してきた人物で

知識や経験は桁外れに豊富で人を見る目も確かだ。

迷宮でのガイド役という点で言えば俺よりも格段に上なので

お試しで実力を計るのならば適任だ。


決して何かのフラグを感じたとかそう言う事ではない。

単純に俺が行くよりも適任者が居たってだけだ。

面倒だなとか転生に近づきそうだなとかは無いぞ。


とりあえず20階層までなら3日で行って帰ってこれるし

25階層までの実績があるなら問題ないだろう。


それから3日間は俺が対応するような依頼は無かったので

色々と街を駆け回った。

準備しなければいけない事は沢山あるからな。



母牛達は3日の予定を5日経って戻って来た。

全員が疲労に満ちた顔をしていた。

いや、エランスだけが元気だ。

妙に装備も汚れていないし傷も無い。

執事の爺さんも汚れは無いが少し疲れているような気はする。


今更ながらこの爺さんは執事服のままで潜ったのだろうか?

謎だ・・・・。


とりあえず結果を明日にでも聞きにきてくれと伝えて解散し

ブイボイさんと母牛に話を聞いてみると出るわ出るわ不満の声が。


「あの若造はよぉ確かに魔法の才能はあるんだと思うがよ

 戦い方がなってねぇっ!

 魔法使いってのはよ魔法を撃って終わりじゃねーだろ?

 1発で仕留めてくれればまだしも威力も足らねーんじゃ

 話にならん」


酒をグイグイと飲みながら器を机に叩きつけながら話す。


「ブモッ!モモモ!ブモゥ!」


「そうなんだよな!

 装備からしたら攻撃と魔法の両方を扱うタイプかと思いきや

 後ろで単発を撃つだけだし装備が重いから動きも鈍い

 スタミナも無いしよ」


「モモー!ブモモ!」


「あぁ、確かに他の4人は凄かったな

 前衛は戦いなれているし腕は確かだ

 多分・・・・30階層でも通用する腕だろう

 足手まといの坊ちゃんが居なければな

 アイツが居るだけで20階層もきつかったぜ」


「それならどうして25階層まで行けたんでしょう?」


「ブモーブモー」


「あぁ、そりゃあれだ

 カリュイとか言う執事だ

 アイツがとんでもない手練れだ

 それも飛び切りに危険な奴だな」


「危険?」


「う~ん、ありゃマトモな道を歩いて来た感じじゃない

 強いは強いんだが・・・・対人戦に特化した戦い方だ

 本質は冒険者と言うよりは暗殺者だろうな」


「本当に?」


「あぁ、前衛の3人と執事の戦闘力で25階層まで辿り着いたが

 そこが限界だったんだろう

 カリュイの戦い方も迷宮の魔物にも通じない事が多くなってくるからな

 それでの依頼だと思うぞ」


「モーモー」


どうやら母牛も同意見のようだ。

しかしこれは困ったな。

そんな状況なのにエライトは自分の力で突破したとか言ってたのか。

何となくだけど形が見えてきたな。 


「どうすれば良いと思いますか?」


ブイボイさんは食事を取りながらも少し遠い目をする。


「正直な所、あのパーティーに30階層まで辿り着く実力は無いな

 坊ちゃんが居なければ行けるだろが

 それでも40階層は無理だ」


ふーむ、これは仕事を受けるには危険が大きいな。

だとしたらどうするのが正解か。

断る事も可能だがそれは出来れば避けたい。

どうすれば良いのか・・・・・・。


帰ってきたジミーを含めて母牛と三人で議論を続けた。





「なんでだい?

 無事に20階層まで辿り着けたじゃないか」


エライトは普段から明るい顔をやや暗くし不満を告げる。


「では依頼は受けて頂けないと?」


カリュイが渋い顔をする。


「いや、そうは言ってはいないのですが・・・・」


「僕はっ!ここの迷宮を攻略しなければならないんだっ!

 その為に金なら幾らでも出す」


「・・・・お金の問題ではないんです」


「ならば何が理由でしょうか?」


「言い難いのですが・・・・・・

 いえ、このような事はハッキリとお伝えした方が良いですね

 正直に言いましょう

 迷宮攻略を目指すには戦力が足りません

 こちらのサポートでは到底追い付けない程です」


俺は現状では迷宮攻略の依頼は受けれないと伝えた。

30階層までなら護衛を兼ねて行けるが最後までとなると現状では無理があるからだ。

そうは説明してもどうしても納得はしてくれそうもない。

カリュイは思い当たる節があるのだろう言葉に詰まる。


「それでもだっ・・・・・

 僕は迷宮に潜る必要がある・・・・・

 例え一人でもね」


エランスは何かを覚悟したような目をしている。

カリュイもそれを見て心が決まったようだ。


「今回は縁が無かったという事ですな・・・・

 お手数をお掛けしました」


そう言って2人は立ち上がり部屋を出て行こうとする。


「まだ話は終わっていませんよ

 迷宮攻略を諦める気がないようですが

 他に当てはあるんですか?」


「まだ何か?

 それとも何処か他を紹介でもしてくれるんですか?」


カリュイの言葉にエライトの顔がパッと明るくなる。


「なんだ!そんな事を考えていたのかっ!

 君はなかなか見所があるじゃないか」


何時もの調子に戻ったエランスが高笑いと共に席に戻ってくる。


「1つお伺いしたいのですが迷宮攻略をしなければいけない

 何か絶対的な理由があるのですよね?」


「・・・・そ・・・っそうだ

 だが内容までは話す訳にはいかん

 我が家の問題だしな」


おいおい我が家とか言っちゃったよ。

当初はそんな事言って無かったのに。


「内容までは聞きません

 どうやら込み入った事情がありそうですし」


「心使い感謝する」


カリュイが頭を下げてくる。

この人も苦労してるんだろうな。


「こちらも商売でやっていますので大丈夫です

 何かに巻き込まれたり被害があった場合は

 違約金として請求しますから」


ニヤリと笑って正直に話す俺を見てカリュイの顔が緩む。

少しは信用してくれたようだ。


「皆さんで戦闘訓練をしませんか?

 迷宮攻略の足しにはなるかもしれません」


俺は戦力が足りないなら補えば良い。

そんな提案をした。

実留君、頑張っていますがまだ1歳足らずです。

両親(母牛&ジミー)は何をやらせてるんだか・・・・。

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