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投稿再開です。

皆さん、流れる風が気持ちいですね。

台車の上でのんびりと寛ぎ

頭の上から流れる音楽(アリス歌)を

堪能している森山実留です。


1つ難を言えば台車を牽いているのが

か弱き(自称)の女性だという事でしょうか。





ボラ村の入り口で一悶着あったものの

無事に入る事は出来た。

俺がアース語を話すと少し驚かれただけで済んだ。

話せる魔物や魔獣なんかもいるそうだ。

種族的には話す事もあり得るって常識が良かったかもしれない。


何となく腑に落ちないが

そこは神基準の世界だ。

気にするだけ無駄なのだ、うんうん。


それでも少なからず驚かれると言うのは

影響が怖いので今後は可能な限りアリスに

話してもらう事にした。





村の規模がそこまで大きくないが

通りに活気がわる。


「これも成人の儀の影響でしょうね

 各地から人が集まってきているんでしょう」


「へぇ~、そんなに人って集まるものなんだ」


今一つ王政の感覚がわからない俺は

良くわからないまま相槌を打つしか出来なかった。

しかしそれに気付いたブタ子が補足してくれる。


「成人の儀もそれ自体を目的としてる方も多いでしょうが

 それによって活気づく流通等を目的とした商人

 私のように聖神教の施しを求める者

 他にも仕事を探しなんかも大勢いると思います」


「なるほどねぇ、そう考えれば分かりやすい」


「国を挙げてのお祭りという認識で良いと思いますよ」


ブタ子の説明を聞いているとふと疑問に思う事がある。


「ブタ子ってこの旅に出る前って地元の集落を巡って

 商売してたんだよな?」


「はい、基本的には物々交換で集落を巡回し

 時折出会える行商の方と外貨で商いをしてました」


「基本的には亜人相手?」


「そうですね人族とは殆どあった事はありませんね」


「なんでそんなに色々と知っているの?

 アース語も話せるし」


「それはですね

 ロゼ様の寵愛を受けてから少し経つと

 頭の中にふっと情報が浮かぶんです

 商いに関係しそうな情報が主なんですけどね


 アース語については寵愛を受ける前は

 本で勉強していたので片言は話せたのですが

 寵愛後には流暢に話せるようになったんです」


なるほどねぇ。

これは俺で言う所の図鑑をプレセントされたのかな?

ブタ子のステータス詳細を見てみたいが

今の俺じゃ見れないのが残念だ。



村では1泊し旅の準備をする事にした。

ブタ子の行商もやらないといけないしな。

台車に載ってた荷物は地元で取れた薬草や

魔獣の素材等だった。

そこに犬族の素材もあったので少し悲しかったが

粗暴な種族らしく獣扱いされているらしい。


宿にはブタ子のみが泊る事になった。


そこでも一悶着あったのだが

簡単に言えば犬は部屋に入れないって訳だ。

俺自身がそりゃそうだろと考えていたので

気にしなかったがブタ子が声を荒げて抗議した。


宿の主人に申し訳ないので俺から

馬小屋の端を貸して貰う事を進言し落とし所とした。


乾燥した藁とかすげぇ寝心地良いんですけど!




ブタ子は商店に売買に行くとの事なので

別れて行動する事にした。

お小遣いをくれようとしたので

アイテムボックスからポロ草を渡して

買取という形にしてもらった。

お小遣い貰うのって何かわるいじゃん。




「でも実留さん護衛ならお小遣いと言うよりは

 依頼報酬って形で貰っておけばよかったのでは?」


そう言われてから気付き、ちょっぴり悲しくなった。


通りにはいくつかの露店が出ていたので

店舗と露店を一つ一つ見ていく。


「実留さん、あの串で焼いているのはなんでしょうか?

 食べてみましょう」


「実留さん、あの大きな鍋で煮ているのはなんでしょうか?

 食べてみましょう」


「実留さん、あそこの黄色い果実はなんでしょうか?

 食べてみましょう」


「実留さん、あれも食べましょう、これも食べましょう」



アリスはずっと食べていた。

なぜその体にあの容量が入る?

明らかにお前の体積の何倍もの量だぞ。




恐ろしい、俺はコイツが恐ろしい。




食費どんだけ掛るんだよ・・・・。






他にも武器や防具も見たし

魔法具なんかもあって面白かった。

やはり低ランクの物しか扱ってないようだが

俺にはわかるわけもなく単純にワクワクした。

似た様な剣や鎧でも値段が違ったし

魔法具なんて使い方すらわからなかった。


後でブタ子に見分けのコツなんかを聞いてみよう。


夕方になり宿に戻る。

一階が食事処になっているのが定番だ。

そこなら入っても良いと言われたので

ブタ子と合流し食事にする。


ブタ子はお勧め定食を。

俺は肉の塊の塩焼きと野菜の盛り合わせ。


アリスはメニューの端から端まで。


を注文しようとしてたので俺が止めた。

代わりにお勧め定食と日替わり定食にデザートを頼んだ。


お勧め定食はレッドカウ包焼きという

牛に似たやつの肉を香草で包焼きにしたものと

野菜たっぷりスープに茶色いパンだ。

日替わりは近くで取れた川魚の香草焼きと

同じくスープにパン。

2つとも量が結構あり食いでがありそうだ。


アリスよ、だから何故それがお前の体に入るんだ?


俺のはレッドカウの塊を塩焼きにしただけだが

下準備がきちんとされていてかなり美味しかった。

生肉も良いいけど焼いた肉(味付き)は最高だぜ。



食事後は各自で仕入れた情報や

村の様子なんかを話した。

ポロ草が意外と高く売れたそうだ。

なんでこんな鮮度なんだ?と何回も聞かれたらしい。

旅の友が収納鞄という魔法具を持っていると

言い訳して何とか逃げ切った。


収納鞄はアイテムボックスと

機能は変わらないが性能は何枚も落ちる。

実際に鞄を持ち歩かないといけないし

入る容量も1アイテムにつき10個程度だ。

値段も図抜けて高い。

武器であれば高名な武器職人の魔法剣が買えるし

家であればそこそこの大きさのが土地付きで手に入る。

それに拡張アイテムも高い。

これはアイテムボックスと共通アイテムらしいけどね。



「そういやブタ子さ品物の見分け方とか教えてくれない?

 同じような武器でも値段が違うとかあってさ

 良さそうだな~とは思えても何が違うのかわからないんだよ

 見極めるコツとかないかな?」


「武器とかは使い続ければ経験として

 違いが分かる事もあるらしいですが

 アイテム類は難しいですしね」


「そこを見るコツのようなものはないか?」


「魔力でしょうか」


「魔力?」


「はい、物には心が、想いが籠ります

 作り手の想いが心が

 使い手の想いが心が

 少しづつですが溜まっていくんです

 素材にもランクが上がれば上がるほど

 力が籠ります

 

 全てとは言えませんが

 それらを魔力と呼んで差し支えはないかと」


「魔力を感じれば良いという事?」


「そうですね、魔力を感じると言いますか

 その物が持っている力強さや流れを感じると

 良いと思いますよ」


「それを教えてもらう事は可能かい?」


「私が教えれる範囲で教えましょう」



ブタ子先生まじありがたい。

見分け方法は生活魔法と合わせて

旅の途中に教えてくれる事になった。

次の補給地点までの1週間でどれくらい学べるかな。









昨日のうちにブタ子が準備を

終わらせていたので俺らは日が

昇り切る前に出発した。


ゴトゴトと進む台車を交代で引きながら

次の補給地であるポーラスに向かう。

ポーラスはノイードに続く街道が集まる

流通の要となる流通地点だ。

首都ほどではないが大きな街だという事だ。

ここは各地からノイードに向かう際には

必ず通る衛星都市のような位置付けだそうな。


そして此処には流通の要以外にも重要な事がある。


この街には迷宮がある。


迷宮都市ポーラス。


これが次に向かう街の名前だ。



迷宮と言うのは形が色々とあるものの

地下に広がるものが多いが

塔や城のようなタイプもある。


魑魅魍魎が徘徊し

入って来るものの命を狙う。

魔物が一定以上の数になるとあふれ出てくるので

それを抑える為に討伐が必要だ。


中で取れるアイテムや素材等は有益で

それを狙った冒険者や探究者といった者も多い。


各地に点在する迷宮もランク付けされており

最上級ともなれば神器級の武器やアイテムを

手に入れる事すら出来る。

もちろん魔物の強さも跳ね上がっていく。


迷宮の外と中では魔物は数ランク上の強さになり。

迷宮の外と中では取得できるアイテムは上質な物となる。

これらが迷宮の魅力であり人を引き付けるのだろう。


迷宮が何故出来るかは解明されていないが

取れる物は有益なので放置せずに

あえて有効利用していると言った所か。

その為、迷宮は迷宮ギルドが結構厳しめに管理している。


俺も潜ってはみたいが

そもそも犬と妖精だけで潜れるのだろうか?


俺も魔剣とか魔法の指輪とか欲しいぜ。

どっちも使えないけどな。

剣持てないし指ないし。






ボラ村を出てからは生活魔法を練習する事にした。


「まず魔法と言うのは手順を踏んで覚えます

 魔力感知、魔力操作、魔力放出の順です

 

 魔力感知で魔力の存在を感じ

 流れを理解します

 これは後でアイテムの見分けにも必要です


 次に魔力操作で魔力を必要な形に

 変換し操ります

 

 最後に魔力放出で事象を起します」


「前にブタ子が魔法を使ってた時に

 呪文みたいのを口にしてたよね」


「必要かどうかで言えば必要ではないです

 ただイメージしやすい言葉を口にすると

 魔力操作がしやすいだけです

 人によっては威力が数倍も違う事があるそうです」


「なるほどねぇ」


「でわ、さっそく魔力感知を練習しましょう」



そういってブタ子は台車を牽きながら教えてくれた。

ゴトゴトとゆれる台車の上で練習を続ける。


「魔力は体に流れる力を感じるんです」


「血が巡っているのと同じで魔力も

 全身をを流れています」


「別の力が体にある事を感じるんです」





目を瞑り体の隅々まで意識を巡らす。

自分の中にある違う力を探し出す。

少しづつ少しづつ意識を深く奥に沈めていく。




周りの音が何もしなくなり。

自分の体しか感じなくなり。

世界が自分だけになった時に

奥底からフワっと何かが

湧き出てるのを感じた。



それは全身を巡り体の至る所に

巡り消えていく。

または全身から湯気のように

登って消えていく。


一回、感じる事が出来ると

2度と忘れる事は出来ない感覚だ。


練習2日目で俺は魔力を感じる事が出来た。



ピローン


> スキル≪魔力感知≫を手に入れました。



≪魔力感知≫


説明:考えるな!感じろ!


効果:魔力を感じる事が出来る。

   上達すればするほど精度と範囲が上がる。








実留、ついにファンタジーの世界の入り口に立つ。

   


やっぱり進みが遅いですね。

もっとドカーンと進めたいとは思っているのですが。

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