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5-17

急に寒くなってきたので上着をまた厚めにしました。

で、午後から暖かくなると・・・・切ない。

あぁ、どうも森山実留です。

あの・・・おっさんの体液が口に入ったんですが・・・あれ?

なんで避けるんですか?

いやいやいや汚くないですよ!

なんで?距離取るんですか?

ちょっとーーーーーーっ!!






「あっはっはっはっはっはっはっはっはっはっ

 おっさんの・・・・おっさんの・・・・」


もう止めてよ腹いてーとか言いながら

ゲラゲラと笑いながら転がる女神を見て

俺はあれが現実なんだと理解した。


ここは転生神スイリーヤの部屋だ。


「いやぁ、本当にミノルちゃんは楽しいわ

 見てて飽きねーもん」


「こっちは結構ショックなんだけど・・・・

 おっさんの・・・はぁ~」


「ぶわっはっはっはっ

 おっさんのなによ?なになに?

 仕方が無いなぁ教えてあげるよ

 それはね


 おっさんの は・は・ぢ 


 ブフゥッ!あぁ~はっはっはっはっはっ」


それからしばらくは爆笑し続けたので

俺は勝手に冷蔵庫から飲み物をGETし

机に置いてあったお菓子と一緒に飲み食いした。


「ひーひー腹イテェ・・・・・

 まぁそんな怖い顔すんなよ

 種明かしすると鼻血とかじゃないしね」


バリボリとお菓子を食べながらゴクゴクと飲み干す。

久々に食べる系だからかやたらと美味いな。


「あ?そうなの?

 じゃぁなんなのさ?」


食べながらも話す。

うん美味い。


「あれはね神の姿を映し込んだ義体の素材だよ」


「素材?義体?

 ん?今一つわからないけど?」


「そっからの説明かよっ!

 面倒いなぁ・・・・まぁ良いか

 っつうか1人で全部食べないでよ!」


ブツブツ言いながらも次のを出してくれる辺りが

根は良い人(神)なんだろうなとは思う。


「ミノルちゃん達の世界、私達は現世って呼んでるんだけどさ

 現世で神は長時間の存在は出来ないんだ

 存在を維持するのにに神力を使っちゃうからね」


「そんなもんなの?

 だって俺達の世界よりも上位なんでしょ?」


「体の構成要素が全く違うんだし

 生物のように酸素で呼吸してる訳でもないし」


「そうなんだ・・・・それだとさ

 俺とかはどうなるの?

 逆にこっちに来てるけど普通だよ」


「あぁ、今は精神体だからね」


「え?肉体無いの?

 思いっきり飲み食いしてるけど」


「擬似的に肉体は持たせてるから

 完全な精神体って訳じゃ無いさ

 こっちで肉体が消滅しても魂は現世に戻るよ」


「なるほどなぁ」


「降臨とか召喚されたとかで短時間なら何とかなるんだけど

 長時間の行動となると人形とか義体とか言われる物を用意して

 姿や力をコピーして写身にして行動するんだ

 今のミノルちゃんの逆だと思えば良いさ 

 本体をこちらに置いて意識は現世にってね」


「じゃぁ俺が直接会った神は全員そうなの?」


「ミノルちゃんの世界で会った活動してる神はね

 もちろん私や例の部屋で会った神なんかは本体だとは思うよ

 全員がそうかとは言い切れないけど」


「へぇ~、そんな仕組みになってたのか」


「そそ、神によって出せる力や能力も変わって来るけどね

 最後にあの迷宮神が光ってたじゃん?

 あれは本来の力を出そうと思って出力を上げた現象だね」


「あ~!そう言えばあの後はどうなったの?

 ゼノは?リノンは?」


「ん?知らないよ

 私が見てるのはミノルちゃんか進化中の者だけだし

 他の者に興味はないさ」


「まじかぁ・・・・・・」


我関せずの顔をしていたスイリーヤがニヤっと笑う。


「ハハ、そう言うと思ったからちゃんと釘を刺しといたさ

 "私の対応中の者に手を出したらどうなるかわかってんな?"ってね」


「うおぉぉぉぉぉスゲェェェェェ!!

 スイリーヤが凄い女神のようだ」


「馬鹿にしてるんだか褒めてるんだかよくわかんないね・・・フフ」


苦笑しながらも悪い気分じゃないようだ。

流石は中級神って事かな。

ゼノとリノンまで含まれてるかちょっと不安だけど多分大丈夫だろう。


「そんな訳で義体はさ"幻影神素"って奴で出来てて

 半液体と言うか半固体と言うかまぁそんな感じのドロドロした何かさ

 鼻血なんかじゃないから気にする必要はないんじゃね

 ちょっと別の問題も出て来ちゃうけどな」


「別の問題?」


「そそ、ミノルちゃんさ"幻影神素"を取り込んだじゃん

 あれってさ結構マズイんだよね」


「あ~、確かに変な味したなぁ」


「意味違うし!味じゃねーよ!

 危ないって意味だよ!」


「えっ?危ないの?」


「いや・・・現状で害がある訳じゃ無いと思うんだけどさ・・・・

 あれってさ現世にある物質じゃない訳さ

 だって下に降りる時に神の姿と力を映しだす為に

 こっちの世界で作られた物だからなぁ」


「何か・・・・不安になってきたな・・・・

 ちなみにどんな事が予想される?」


「作った神の腕にもよるけど

 そんなに良い素材じゃ無いだろうし質も低そうだしねぇ

 進化先に変化がある程度で済むんじゃないかな」


「良い素材じゃないって悲しいな」


「何言ってんのさっ!

 今回のは無事に魂に吸収されたけど

 一流の最高級品質だったら取り込んだ瞬間に

 魂が負荷に耐えきれず一瞬で消滅してるよ

 現世の理じゃないんだからね」


「ま・・・まじか?

 今後は注意しないとだな」


「まぁそもそもが現世で本体じゃ無いとは言え神を傷つける事なんて

 まず出来ないから心配しなくても良いんだけどさ」


「そういや何でゼノは傷つける事が出来たの?」


「それもハッキリとはわかんないけど

 多分、高位神の加護が強く出てきたってのと

 下級神の彼が駄目過ぎるってのがあるんじゃないかな

 神自体も義体もヘボいんじゃね」


ふーむそんなモノなのか・・・・つまりゼノは高位神から厚い加護を受けている。

その力が下級神の義体を攻撃可能とした。

現世であれば神の加護が強ければ神にも攻撃は通じるって事なのか?

それはつまり神殺しが可能って事なのか?

神を喰う・・・・か・・・・・。


「あんまり怖い顔をするもんじゃないよ

 何となく考えてる事は分かるけど口に出すなよ

 こちらも対応しなきゃいけなくなるかもだからさ

 それに前にも言ったけど神なんて滅多に会えるもんじゃないし」


「え~、現世でも下級神に2名ほど会ってるんだけど

 両方とも迷宮神だけどさ」


「そりゃミノルちゃんだけだっての

 迷宮神は現地作業が多いから可能性で言えば有り得るだろうけど

 普通は会えないからっ!」


「そうなのかぁ・・・・余り実感はないけど

 ところで気になったんだけどさ"幻影神素"って何かの神が作ったんでしょ?」


「そうなるね」


「俺が今飲み食いしてる物って誰が作ったの?」


「そりゃこっちの世界に物なんだから

 神の誰かが作ったに決まってるじゃん」


「それも"幻影神素"と一緒じゃない?」


「あはは、そこまで気にしなくても良いさ

 こんなお菓子や飲料にまで神の力は大して宿ってないから

 大した影響じゃないし今回は"幻影神素"の影響が大きいから

 目立つ事じゃない

 多少は能力値が伸びる程度じゃないか」


「・・・・・分かってて好きにさせてたろ?」


「何の事だかわからないねぇ

 ミノルちゃんが勝手に食べちゃっただけでしょ」


悪戯をした子供のような笑顔を浮かべる女神に

俺は無言でお辞儀をした。


「じゃぁ、そろそろ進化の時間かな」


「おう!でも次は何になるんだ?」


「今回のはイレギュラーばかりだからねぇ」


「そんなに?」


「そもそもが神の力を取り込むってのが

 普通はあり得ないからね

 特殊進化になるとは思うんだけどさ」


「そりゃそうだろうけどな

 方向性的にはどうなるの?」


「ベースが牛なのに竜やら神やらの力が入って

 更に言えば魔法ばっか使ってたでしょ?

 戦闘系なのか魔法系なのかも判断が難しくてね」


「とりあえず今よりは強くなるんでしょ?」


「そりゃ間違いないだろうね」


「なら良いや

 強くなれば殺されずに済むからね」


「私としてはとっとと転生して弱くなって

 進化して貰えればミノルちゃんに会えるから嬉しいんだけどね」


「怖い事言うなよ」


「あはは、まぁ会えない訳じゃないから

 次に会う時を楽しみにしてるよ」


そう言って立ち上がりクルリと回ると

神々しい女神の姿になった。

俺も無言で立ち上がり頭を垂れる。


「様々な強者の力を得た者よ

 汝の想い何時の願いを強く思い描きなさい

 汝は・・・・」


スイリーヤの声が心地よく響き意識が

薄く・・・・遠く・・・なっていく。


「じゃあねミノルちゃん」


深い闇に俺は落ちて行った。





ピローン


> 種族進化が完了しました。

> 種族進化アプリを終了します。


深い眠りから目覚めた様なボウっとした感覚が頭を覆っていた。

瞬きを何回かし頭を振って意識を覚醒させる。


どうやら何処かに寝かされているようだ。

背中に柔らかくて薄く硬い感触がある。

ゆっくり起き上がると長机に厚手のタオルが敷いてあった。

周囲にはパーテーションのような壁が設置されていた。

おっさん神が出してくれたんだろうか?


武具は隣に置いてあり服だけになっていた。

牛の時よりも体は小さくなったらしくブカブカだ。

見た目には人族の手足に見える。

ムキムキだった体は細くなっているが

漲る力は牛を軽く超えているのが分かる。



とりあえず自己ステータスを確認。


=========================

名前:森山実留

性別:男

種族:ドラゴニックデミゴッド



≪ドラゴニックデミゴッド≫


古の時代に神族と竜族の間に出来た子が

人族と交わる事で誕生した種族とされる。

竜と神の血を受け継ぎ半竜神人とも言われ

神が祖とされる龍族とは別と考えられている。

世代を重ねた事により人族の血が濃くなってしまい

竜と神の血が薄まり古代人程の力は保持していない。

現在、個体は確認されていなく物語の中で語られる程。

噂では魔王領の深淵部に隠れ里があるとされている。

=========================



なんじゃこりゃ?!

竜と神の子の子孫?

いきなりぶっ飛んだ種族に成りやがったな。


つうか俺がこんなマトモな種族に成れるのか?

ちゃっちゃらーとか言いながらドッキリじゃねーの?

そう思って周囲をキョロキョロする程に俺自身が動揺してる。


魔法で鏡を作り確認すると・・・・人族に見える顔をしている。

頭の左右に後ろに伸びる2本の角が小さく生えているのが違うかな。

他は人族で通じると思うんだけどどうだろうか。

身長は牛よりも低い・・・・というか結構低い・・・170位か?

冒険者とするには高さも太さも頼りない印象を受けるが

筋力だけでも牛を軽く凌駕してるだろう。


状態を確認すると≪竜血脈≫が常時発動となっていた。

現在の稼働率は5%程度らしく任意で変更可能なようだ。


既に牛を軽く超えている状態なのに稼働率を上げたらどうなるんだろうか?

ワクワクが止まらないぜ。

神の要素は感じられないが・・・・・まぁその内にわかるだろう。






服を紐で縛って調整し靴と防具は適当な物を出して身に付けた。

武器は剣で良いかなっと。


パーテーションの向こうで話し声がするので様子を伺う。


「ですからっ!何でそんな事をしたのかって聞いてるんです!」


「良いですか!弊社としてもですね!」


「やって良い事と悪い事が」


「どうやって責任を」


唾を飛ばしながら説教してるおっさん神と

正座してシュンとしてるゼノとリノンが居た。


何?この状態?

な、なんと実留くんがぁぁぁぁぁ!!

こっこんな種族に成れる日が来るなんて・・・・。

まぁでも個体差が激しい種族なので

どこまで強いかは不明ですけどね。

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