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5-14

なんとか復活しました。

更新を頑張りますが生暖かく見守ってください。

最近は魔弾なる魔法を開発し調子に乗っている森山実留です。

銃なんて無くても弾が出りゃ良いんでしょ?

そんな事を考えてた時期が僕にもありました。

いや・・・・ほんと・・・・リノンさんの半端ないっす。

銃身があるだけでそんなに威力が違うもんなんすね。

さーて、俺も銃身作るぞ!



「ミノルさん・・・銃身作っても威力が上がる訳じゃ・・・」










現在、俺達は49階層に居る。

50階層への階段を前に最終準備をしている。


ゼノは自分の鍛錬の為に。

リノンは教団の目的の為に。

俺はまぁノリでここまで来た。

あえて言うならゼノと同じ鍛錬かな?


カードを取り戻したので戻る事も可能だったが

俺達は先に進む事を選択した。


45階層でロッドロドリスを倒し武器を取り戻したリノンは強い。

しかも深階層でも攻撃力として数えられる程にだ。

それに防御も出来るのだから相手によっては一方的な戦闘になる事もある。


ゼノは経験を積む事によって技術もそうだが

出力というか引き出せる力が少しづつ上がってきて

益々戦闘力に磨きが掛っている。

元々、受けた加護が大きすぎるので徐々にそれを

引き出せるようになってきたようだ。

最近は勇者と魔王と匹敵するような存在に成長出来るのでは?

と何となく想像してしまう。

今のゼノを見ても確信が持てないのはそれだけ2者が

常識を軽く飛び越える程度の存在だという事だ。

それでも何時かは辿り着けると思う。


俺も全体的に能力は強化されている。

魔力も以前とは比べ物にならない程に増大した。


まぁそれには訳があるんだけどな。

それは45階層でのロッドロドリス3回戦目後に遡る。




俺とリノンは魔力枯渇気味でヘロヘロ。

ゼノは極度の集中による疲労でヘロヘロ。

まぁ無事に倒せたから良いとしよう。


リノンの変貌と武器に驚いたが長居するのも危ない。

回収出来る物を回収し近くの小部屋に退避した。

魔除けと出入り口の封鎖で安全を確保し休息する。


緊張の糸が切れるとちょっと体を動かすのも

しんどいので寝ころびつつ話をする。


「リノンの説明はして貰えるのかな?」


「俺も聞きたいが話したくないなら別に良いぞ

 リノンが戦力になるってわかっただけでも良いじゃないか」


「う~ん、まあね

 俺が気になるのはどっちかと言うと武器なんだけどねぇ」


「あぁ、それは俺も興味あるな

 確か銃とか言われる奴だよな・・・初めて見たが」


男の子と言う歳でもないが銃やサイバーな物には憧れるもんだ。

それはゼノも俺も変わらないようだ。

この世界でも銃はあると聞いていたしポイントでの存在も確認してる。

だが俺が気にしているのは実は其処ではない。

いやまぁ銃への興味は本物だ。

出来れば教えて貰いたいし弄らせて貰いたい。


俺の懸念点・・・・それは誰がそれを作ったか?になる。

明らかに今の時代や背景とは違う武器と仕組み。

多分と言うか間違いなく"落ち人"が裏に居るだろう。


そして今迄の経験では落ち人や神の加護持ちの存在が

近くに居る場合は確実に何かしらの影響がある。

更に言えば大抵は碌な事がない。

だがそれを直に聞くのも危険があるから

遠回りにでも情報を仕入れて判断するのがベストだ。


「はい、全てお話ししますね

 まず我が教団ですが・・・」


そんな俺の想いとゼノの気遣いをアッサリと乗り越えて

リノンは説明しだした。

教団の名前や目的から銃についてまで。


え?だって前は話してくれなかったじゃん!

って思いをソフトに伝えたら


「まだ信用出来るかわからなかったですし

 実際に見てもらわないと説明がし難いものですから・・・・」


と至極当たり前の事を言われた。

うん確かにあんな武器を予備知識も無く聞いても

理解と言うか想像すら出来ないよな。




リノンの教団は"イヴァングライド教団"と言うらしい。

俺は勿論の事、ゼノも知らなかった。

それほど知名度は高くないのかもしれない。

そこが独自に研究し作っているのが先程の銃だそうだ。

他にも様々な種類があるんだそうだ。

この迷宮には性能試験も兼ねていたので単独で潜った理由らしい。


先程の銃は天照13式試作型と呼ばれる威力を重視したタイプだそうで

近距離用の月鐘38型、中距離の白夜21式を持ってきている。

他にも狙撃用等の用途毎に各種存在するとの事。

俺はこれを聞いて裏に少なくとも"落ち人"が居ると確信した。

明らかに名前とか・・・・ねぇ。


ちなみに銃は教団に加入すれば

支給される武器だそうだ。

もちろん最初は簡易的な奴なのだろうけど。


「へぇ、そんな独自技術を持つなんて凄いなぁ

 その武器は誰でも使えるのか?

 俺は魔法が得意じゃないから興味あるな」


「天照は無理ですが

 月鐘か白夜であれば御2人にも使用可能ですよ」


「そうなのか?!」


「えぇ・・・何でしたら使ってみますか?」


驚くべき事にリノンは試射をこちらに勧めてきた。

それって魔法と同じで秘匿事項じゃないのか?


「ウオォォォォォォォッ!」


出かかった俺の疑問点はゼノの嬉しそうな声でかき消される。

正直言って俺も撃ちたいと思ったのは内緒だ。





ズバババっと連続音が鳴り響き魔物の外皮が削れていく。

俺の撃っている白夜は中距離からの連射による面の制圧を目的とした銃だ。

威力はそこまで高く無いが数で勝負のタイプ。

高く無いと言っても深階層の魔物にダメージを与えられる位はある。


ゼノが使っている月鐘は近距離で1発の威力を重視したタイプ。

銃自体に強度があり近接での使用を考慮されている。

ゼノは片手右手に剣を左手に月鐘を持ち戦う。


剣で切り付け姿勢を崩し近距離から撃ち込む。

ズドンと重く短い音が聞こえると外皮に小さな穴が空き

そこを更に責め立てる事により効率良く戦闘を進めれる。

ゼノは片手で使っているがリノンが使う場合は

両手に1丁づつ月鐘を装備し使っている。

それはもう銃で格闘するような戦い方で

まるでガン○タだ。


少ない時間でゼノは使い方を身に着けていった。

やっぱり戦闘センスは凄いよな。


威力も弾数も魔力次第だが万人が使えるのであれば

俺の魔弾よりも汎用的だろう。

どんなタイプの物でも良いので1丁欲しい。

構造を解析すれば応用も考えられるし憧れるよな。


「うん、これは良い!

 威力としてはもう少し欲しいが使えるな

 白夜も良いけど俺にはあの距離だと使い難い

 欲しい・・・欲しいなぁ」


「俺は白夜だね

 近距離で月鐘を使いながら戦える程は器用じゃないよ」


借り物の武器で色々と試し小部屋に戻る。

興奮した俺達はあーだこーだと話に熱中する。

リノンは聞いてるだけだで

時折、質問には答えてくれた。

ひとしきり話し切るとお腹が空いてくる。


「うし、腹も空いたきたし何か作ろうか」


「おう、頼むぜ!

 ミノルのご飯は楽しみだな」


「えぇ本当に・・・」


2人もニコニコしながら当然のように俺が作るのを待つ。

ま・・・・まぁ、食事を提供する約束をしたのは俺だけどさ。


この迷宮で作り馴染みが出てきた鍋を取り出して用意を始める。

さて・・・・食材は何にしようか?

う~ん、なんかこうガツンとした物が良いよな。


「そうだ、ロッドロドリスが少しあるんだけど

 食べちゃおうか?

 胴体や牙なんかは大半が消し飛んでるから

 素材も爪と皮膚が少し取れる位だろうからさ」


「・・・・・すみません

 私の所為で折角の素材が・・・・」


「気にすんな

 倒す事も出来て目的の物も取り返したんだから良いじゃないか

 よし!ミノル!食おうぜ」


「だね!

 じゃぁ準備するからちょっと待っててね」


そう言って下準備に入る。

待ち時間にゼノはリノンに魔力制御について教わるようだ。


使えそうな素材を剥ぎ取り丁寧に処理し保存する。

後は全て料理に使った。


肉は野菜と共に串を刺して焼き

筋や僅かに残る内蔵は香草と煮込みに。

残った骨や屑部分はスープにした。


今使ってる鍋も俺が魔力を籠めて作ったので

なかなかに質が良いが黒鍋と比べると何枚も下だ。

特殊効果も無いし。

そりゃ神謹製と牛謹製じゃ差があって当たり前か。

ロズからラバリオに頼んで貰って作って貰おうかな。


そうそう、ロズは何とか呼び出せる程度の魔力量にはなったハズだ。

発動直前まで行っても止まる気配が無かったので

何とか召喚は出来るんじゃないかな。

魔力をごっそりと持って行かれるので気軽には使えないのが難点だし

維持にもどれくらい必要かも不明だけどね。

スキル単体の時よりも燃費が悪くなるのってどうなのよ?

誰か召喚術の仕組みを教えてくれないかな。





「うめぇ!これうめえな!」


と言いながらモリモリと食べるゼノ。

リノンはニコニコとしながら上品にしているが

食べる速度は何時もよりも相当に速い。

3人とも気に入ってくれたようで何よりだ。

もちろんアリスはガツガツと食べてますよ。


俺も食いますかねっと・・・・口いっぱいに頬張る。


んんんんんんんんんんんんん?

なんだこの美味さ?

自分で作っておいてなんだが相当に美味い!

あれ?さっき味見した時はここまでじゃなかった気がするんだけど・・・。


自分で作ったのにも関わらず美味しさに驚きモリモリ食べる。




ピローン


> スキル≪魔纏≫を手に入れました。

> スキル≪魔力消化≫を手に入れました。



あれ?スキルGET?

今迄に料理にして手に入れた事あったか?

それに何だか体に力が湧いてくる。

何か変化があったのか・・・・・ロッドロドリスが違うのか・・・・。


とりあえず食事をしながらサラッとスキルを確認する。


=========================

≪魔纏≫


説明:魔を纏いて闇になる


効果:魔力を纏う事が可能となる

   身体能力向上、各種補正が発生

=========================


=========================

≪魔力消化≫


説明:何故食べるか?そこに魔力があるからさ!


効果:魔力を含んだ物であれば何でも消化可能となる

   その際に吸収率が上がる

=========================


ロッドロドリスの特色を掴んだスキルだな。

手持ちと効果が重複する気もするし

俺の≪捕食者≫の下位互換な気もするが

効果は重ね掛けになるから無駄ではない。

有りがたく頂いておこう。


その後はスキルを得れはしなかったが一口毎に

体が回復し力が湧いてくるのを感じた。

ゼノとリノンも同じだったようだ。


俺はスキル効果だと思っていたのだが違うようだ

まぁそれほどまでに高級食材だったって事だろう。

吸収率や変換率は俺の方が圧倒的に上だろうけどね。


でもなんでスキルGET?

多分、ある一定以上の質が無いと効果を発揮しないと思うんだけど

≪捕食者≫自体はどんな物でも俺へ返還してくれるハズだから

関係があるか無いのかは今後の検証が必要だろう。



俺がそんな事を考えていると

リノンがまたもやとんでもない提案をする。


「あの・・・・・ロッドロドリスってこの階の

 ボスクラスなんですよね?」


「うん、そうだね

 正確な情報は無いから多分だけどね」


「それがどうかしたか?」


「この料理を食べてみて感じたのですが

 魔力が満たされていく感覚があります

 その・・・・先程の天照で溜めていた魔力が底をついてしまい

 回復までにその・・・・・」


「ボスなら再出現を待って狩りたいって話か?」


「えぇそうなります

 後は下世話な話になってしまいますが

 我が教団は資金面にも余裕が無くて・・・・」


「なるほどな

 魔力の回復と素材による資金稼ぎか・・・・

 そう言えば俺も食べた時に力が湧き出るような感覚があったな

 強化も出来るって事なら悪くない案だが・・・・ミノルはどう思う?」


「どうせこのまま最下層まで行くなら

 強化出来る時にしておいた方が良いと思う

 それにリノンの準備が整ってないなら戦力的にも不安はあるし

 あの強烈な攻撃方法が使えないのもちょとね」


「うん・・・まぁそりゃそうだな

 俺は急いでないから問題ないけど良いのか?」


「まぁここまで来たら一緒でしょ

 既にどれ位を潜ってるのかも曖昧だし」


「ハハ、違いない

 んじゃ何回か倒しちゃうとするか」


「おう!」


「ハイッ」


こんな流れでロッドロドリスとの再戦が決まった。




とまぁこんなやり取りがあり

あれから何体かのロッドロドリスを倒して血肉と素材をGETした。


それにより俺達の能力値は伸び効率の良い戦い方も身につける事が出来た。

最後の方には天照を使わずに倒す事も可能な程に成長出来たって訳だ。


再出現したばかりのロッドロドリスから消化されていない

魔道具や武器防具が出てきたのも嬉しい誤算だった。

疑問は残るがそういうモノだと受け入れるしかないけどね。

ゼノとリノンの装備には届かないが俺の装備品は

レベルアップする事が出来た事だしラッキーなボーナスだと思おう。



この迷宮の最後の階段だ。

準備を万全にした俺達は50階層への階段に足を踏み出した。

ガンカ○良いですよね!

遠距離から弾密度で攻めればイチコロなんじゃないかと思ったり

銃把で殴るのは無理があるんじゃないかと思ったりしたものです。

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