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5-13

時期遅めのインフルにでばたんきゅーです。

何とか次回更新は早目に・・・・。

攻撃から防御、更には回復まで魔法なら

なんでも御座れの大魔法使いの牛とは私の事だぁ!

どうも森山実留です。

ムキムキの体と野性味溢れる牛フェイス。

そして魔法を使いこなす知的な頭脳。

これでモテない訳が無い!

どうです?そこの御嬢さん!

一緒に草でも食みませんか?







「ダッシャァァァァァッッッッ!」


ゼノが力を存分に籠めた大剣を振りかぶり赤猿の腕を切り裂く。

片腕を捥がれた赤猿は怯むことなく

千切れた腕を掴み投げつけて牽制し距離を取る。

入れ違いのように青猿が踏み込んで来るが俺が魔弾で牽制。

事前にチャージして威力を3割位増しにした貫通弾をお見舞いする。


後方ではリノンがロッドロドリスを抑えてくれている。

やはり猿が近接を担当し遠距離攻撃しかしてこないようだ。

近接でも厄介な相手なので抑える手段があるなら対策はし易い。


大猿戦は予定していた通りに進む。

身体能力で猿共を上回るようになったゼノだが

数の不利もあり総合的な技術面ではまだ猿が上手だ。

そのバランスを俺の援護で崩していく。

2対2なら今の俺達で対処できる。

拮抗しているたバランスが一端崩れると戻すのは難しい。

そしてそれは猿には無理な話だった。


多少の時間は掛ったが想定していたよりも早く終了した。

猿は俺が拾って収納しておく。

赤猿の腕を拾い齧って少しでも魔力を回復する。

ここからは俺の魔力が重要だ。


ロッドロドリスは3人で対応する。

リノンの範囲内に閉じ込める魔法は

此方からの攻撃も遮ってしまう為、使用出来ない。

空間を固定とか隔離とか言っていたが詳細は教えてくれなかった。

何時か技術を盗んでやろうと思う。




リノンが魔法で防御壁を複数展開する。

空中に浮かぶ半透明型のシールドだ。

これで行動と攻撃範囲を抑制する。

シールドは大きさを自由に変更出来るが耐久性は半比例する。

小さくすれば守れる範囲は少ないが強固。

大きくすれば広く守れるが脆くなる。

俺も使えるようになったが強度が段違いな上に

リノンの様に複数を同時多重展開は出来ない。

現状では1ヶ所に多重展開して防御力を上げる程度だ。


リノンはこれを大小複数展開し行動を誘導していく。

冷静に計算して設置して行くソレは惚れ惚れする姿だ。

ゼノは攻撃方向と行動を抑制され空いた隙に大剣で切りかかる。

火花を散らしながらも僅かながら外皮を削っていく。

今のゼノの攻撃が通らないなんて硬いにも程があるだろうに。


だが、ゼノの攻撃が決め手に欠けるのは想定通り。

本命は俺の魔法だ。

限界ギリギリまで注ぎ込んだ奴をお見舞いする。

溜めに溜めこんだ1発をな。


その為、俺は殆ど動けずに魔力を溜めこみ練り上げる。

こんなに外魔力を取り込んで練り上げたのは久しぶりだ。

多分、2回目転生以来じゃないだろうか。

それほどに制御に集中している。


リノンは周囲の警戒とロッドロドリスの抑制を担当し

ゼノが注意を引きつつダメージを蓄積させる。


思うように身動きが取れず五月蠅い獣人が

チョコチョコと手を出してくる。

そんなイライラが滲み出るかの如く暴れだした。

シールドがパリンパリンと割れ消滅していく。


リノンは近距離攻撃に完全にシフトしたと判断し

小シールドを展開し動きを更に誘導していく。

ゼノは全力で注意を引き俺に意識が向かない様にする。


俺は魔力が十分に溜まった事を確認し魔法を構築する準備に入る。


「リノン、彼奴は硬くて魔法耐性も高そうだ

 普通に撃っても致命傷にはならない可能性が高い

 どうする?」


「ミノルさんは前に口内を直接攻撃したのでしょう?

 今回もそれで行きます」


「口を開けるのはどうする?

 今の状況じゃアリスじゃ力不足だぞ」


「大丈夫ですっ!

 それもお任せ下さい

 ミノルさんは特大の奴をお願いしますね」


そう言ってほほ笑むリノンは頼もしい。


俺は貫通力等は一切ないが爆破力を

極限まで高めた特大の魔法を構築。

内部にリノンの収納鞄がある事を見越し

上下に指向性を強く意識し構築した。

収納鞄は相当に頑丈で魔法を遮るが本格的な

攻撃魔法の直撃には耐えれるとは思えないしね。


「魔法準備完了っ!」


リノンに告げるとシールドを一気に多重展開し

ロッドロドリスの動きを一瞬だけ止める。


「ゼノーヴァさん

 仕掛けますっ!」


動きが止まった一瞬にゼノが退避してくる。

そしてリノンが魔法を放つ。

ロッドロドリスの顎部分の床から猛烈な勢いで

岩壁が突き出てめり込む。


「あれは攻撃魔法ではありませんよ

 防御用の壁を生成しただけです」


ニコリと笑うリノン。

唐突に下からの衝撃を受け悶えるロッドロドリス。

苦悶の咆哮をあげた瞬間に俺の魔法を放つ。

狙い通りに口に飛び込み・・・・ズドゥン。


鈍く重い音が鳴り響く。

指向性を持たせたとは言え余波が閉じた口をこじ開け漏れてくる。


顎は半分が弾け飛び牙も大半が吹き飛んだ。

外見上の変化はそれ位だが内部は相当のダメージがあるようだ。

口からは絶え間なく液体が湯水のように溢れている。


だが・・・それでも命を絶つまでには至らなかったようだ。

ズルズルと体を引きずって逃げようとする。

体がほんのり光り魔力が纏わりついてるから

休息に回復させているんだろう。


リノンがその足を止めるべくシールドを展開し

こちらに歩いてきたゼノが問い掛ける。


「どうする?

 追撃するか?

 ちょいとあの外皮はやっかいだから面倒なんだよな

 それにホラ、目的は果したようだぜ」


ゼノが指差した場所はロッドロドリスの吐瀉物がまき散らされてる場所。

そこには半分溶けかかった剣や鎧。

何かの魔道具らしき残骸。

それに収納鞄らしき物が転がっていた。


「奴は魔力を含んだ物を好んで食べてたようだね

 出てきた物から魔力を感じるよ

 殆どが消化されて壊れちゃってるけどね・・・・」


俺はそう言いながら目ぼしい物を見つけて

ざっと洗い収納していく。

収納鞄も洗い流してダメージを確認するが無事の様だ。


リノンに鞄を渡しシールドの維持を俺が変わる。

出力が低い俺でも今のロッドロドリスなら足止め位は出来る。

それでも回復したらアッサリと突破されそうだけど。


「大丈夫です!鞄も中身も無事です!

 武器もカードもありましたっ!」


リノンの嬉しそうな声が聞こえてくる。


「んでどうする?

 このまま追撃するか?

 無視して進むのも有りじゃないか?」


「うーん、そうだねぇ

 帰りは反応みて回避すれば良いだけだしね

 ゼノの攻撃も通り難いし手間だよね

 俺の魔法も1発じゃ仕留めれないし」


俺とゼノの中では無視する方向で考えていた。

手間の割に旨味が少ない気がするからだ。

そこにリノンが意を唱える。


「私の武器が戻りましたから倒しちゃいましょう」


え?リノンの武器で倒せるの?


「鈍器とかじゃ無理じゃ・・・・・」


そこまで言いかけた俺は言葉をそれ以上紡げなかった。

リノンが取出したのは大きくてゴツイ鉄の塊。


銃だった。

しかも対戦車ライフルと言うか個人で携行出来るような

重さなのだろうか?と疑問に思う程に長くて太くデカい。

どこぞの電気的な黄金騎士が持ってるバスターなんちゃらとかを彷彿させる。

スリングを肩に掛け右脇で固定し左手でサイドグリップらしき部分を握る。


「じゃぁちょっとやっちゃいますね」


そう気軽に言ったリノンの雰囲気が変わる。

いや雰囲気だけじゃない変わったのは謎の神官衣もだ。


「全力射出シークエンス開始

 魔力回路接続」


そう発生すると神官衣の背中部分からチューブの様な

バイパスが伸び銃に連結される。


「カレマ式3型封結装甲の展開開始」


肩方のパーツが展開しボリュームが膨れ上がる。

内部には青く発光する物が見える。

開いた外部部分は羽の様に広がり薄く赤く光る。

まるで放熱板のようだ。


「第1から第5までの封印を順次開放

 魔力圧縮を開始」


銃身からキュイーンと甲高い音が聞こえる。


「魔力の圧縮限界を確認

 ラーシャル変換及び強制冷却を開始」


胸部部分がスライドしそこからコーッと吸気音が鳴り響く。

銃身から感じる魔力がヤバいまでに高まるのが分かる。

俺じゃあんな高魔力高密度なんて制御できんぞ!

時折、銃身を紫電がパリパリと這う。


ロッドロドリスも魔力を感じたのだろう

急いで逃げようとするも体はまともに動かず

ズルズルと体液の跡をつけながら逃げるのみ。


「射撃体勢に移行」


頭にのせている神官帽?烏帽子?

まぁ神官が被ってる帽子から透明な板状の何かが出てきて

リノンの目の部分で止まる。

どうやらバイザーのようだ。


他にも色々と神官衣の装甲らしき部分が開いたり

伸びたり縮まったりと変形していく。

見た目はすでにサイバーな感じだ。

確実にファンタジー世界ではない。


「最終封印解除」


バイザーが光を帯びる何やら色々と表示されだした。


そして・・・・リノンの目が開いた。

その目は綺麗な目をしていた。

黒く澄んだ目だ。


ただ何かが違う気がする。

ハッキリとは言えないが・・・・と思った瞬間に違和感が理解出来た。


「ハハッ!このうぜぇ糞虫がっ!

 汚ねぇ汚物を撒き散らしやがってよぉ

 さっきので大人し死んどけってんだ

 そんな体で逃げ切れる訳ねーだろが

 良いから低能で下等なクズは 

 さっさとくたばりやがれぇぇぇぇぇぇぇぇぇぇっ!!」


リノンが何の言葉を発したのかが理解出来なかった。

頭の中が真っ白になり思考が止まる。


は?リノン?なに?


俺の同様とは裏腹に攻撃は実施された。

青白い雷のような炎のような光線が射出されロッドロドリスに着弾。


・・・・・・が、そのまま勢いを一切衰えることなく胴体の

大半を消滅させながら貫通する。

そしてそのままの勢いで迷宮の壁にぶち当たり

驚く事に壁を少しだが損傷させるに至る。


その惨状に驚いていると何処からか機械的な声が聞こえてくる。


「全力射出完了・・・システムのクールダウン開始

 次回使用可能まで・・・・」


何処かで聞いた事あるようなアナウンスが流れると

プシーだがプシューだかの音がして神官衣が元に戻って行く。

背中のバイパスも抜かれ格納され銃も鞄に仕舞われる。


全てが終了しクルっと振り向くリノン。

物静かな気品ある今迄と変わらない雰囲気だ。


未だに呆気に取られている俺とゼノを見て

恥ずかしそうに一言。


「あの武器使うとちょっと性格変わっちゃうんです

 でも無事に倒せましたね!」


少し恥ずかしそうに言うが俺とゼノが思った事は1つ。


「「ちょっとじゃねーしっ!」」


うん、性格変わり過ぎです。


リノンさんこえーっす。

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