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5-8

久々に髪を切りましたが短くするかどうかが微妙な時期ですね。

夏に坊主にしてみたいなぁ。

こんにちわ森山実留です。


最近は相当に強くなったと思うんですが

やはり井の中の蛙と言った所でしょうか。

世界には強い方が大勢います。

つうか転生なければ強くなれんじゃね?

毎回リセット(基礎値加算あり)しやがって。


転生無くせばチート能力貰えるんじゃね?

それでも直ぐに死んじゃう可能性高いけどね!







転送陣の部屋で俺が焼いた肉をモリモリと

食べているのは先程の獣人族の男だ。

返り血は洗い流してあげて乾燥もしてあげた。

身長は高いがヒョロっとした外見で弱そうにも見える。

ニコニコとした笑顔がひ弱そうな印象を更に強くする。

だが使っているのは身の丈と同じぐらいの大剣で威圧感が半端ない。

改めて間近で見ると俺じゃ持ち上げるのもやっとだろう。


そんな獣人の名は"ゼノーヴァ"と言うそうだ。


「いやぁこの肉はめちゃくちゃうめーな!

 本当に助かったよ

 全然食えてなくて死ぬかと思ったんだ」


「さっきも見てたけど簡単そうに倒してたよね?

 肉なんて幾らでも手に入るでしょ?」


「俺さぁ料理とか苦手なんだよね

 焼こうとしてもすぐに焦げちゃうし

 生肉でも良いんだけどこの階の犬は

 何か食べれないし上の階は岩の奴ばっかでさ

 手持ちの食糧が切れちゃって危なかったんだよ」


そう話しながらもモリモリと食べ続ける。

そういえばさっきのキモイ犬は倒したら半分ドロドロと溶けてたな。

俺なら喰えると思うけど喰いたくはないのは理解できる。

とりあえず容器を作って収納しといたけど。


「すぐに焦げちゃうのは火力調整すれば良いんじゃない?

 じっくりやれば生はあっても焦げはしないでしょ」


「ん~それができりゃなぁ・・・・

 まぁいいや

 ちょいと適当な肉を頂戴」


そう言って手を出してくるので俺は肉を差し出す。


「よっと」


軽い掛け声と共に魔力を込めたのだろう。

唐突に手の平から炎が溢れだし肉を黒焦げにする。


「今のが最低限の火力なんだぜ

 ホント参るぜ・・・・」


「なんつう火力だよ・・・・

 というか魔力すげーな」


今の一瞬で感じた魔力は膨大な量だった。

明らかに俺よりも軽く数段は上だ。

そもそもの桁が違う程だ。

あるいは魔王・・・・勇者に近いレベルかもしれない。


「あぁ、まーな

 力だけはあるんだけど細かい事は苦手でさ

 それで困ってたんだよ」


「まぁ食料は沢山あるから気にしないでよ」

 

「助かるよ

 どうも燃費が悪い体でね

 進むか戻るかで悩んでたら動けなくなる寸前に

 なっちゃってさ」


手持ちの食料は28階までで結構な量があるし

今後も調達出来るだろうし気にする必要もないだろう。

ドンドン焼いていく。

アリスも俺も一緒にモリモリと食べる。


「んでミノルだっけか?

 なんでこんなとこに居るんだ?」


「親と一緒に降りてきたんだけど

 逸れちゃってね

 転送陣も使えないしさ

 上にも戻れないから強くなろうと思って下りてきたんだ」


「なるほどなぁ・・・・転送陣を使えないって事は

 ミノルは正式登録してないのか?」


「あぁ、まだ生まれて1ヶ月とかだしね

 種族的な理由で特別許可で下りてきたんだ」


「まじか?ミノタウロスって凄いんだな

 生まれてそんなんで迷宮に潜れんのかよ」


「どうだろうね

 俺はハーフだから違うのかもしれないけど」


「じゃぁミノルが凄いんだな

 そっかー、じゃぁ俺と同じで転送陣で帰れないんだな?」


「そうだね

 今の所は無理だね」


「俺と一緒か」


「ゼノーヴァもカード無いの?」


「ゼノで良いぜ

 俺は登録する金も無かったからな

 面倒だから適当に言い包めて潜ってきただけだし」


「適当で30階層って凄いね」


「まだそんなに大した奴は居ないさ

 それでなミノルに相談があるんだ」


「なんだい?」


「俺と一緒に行かないか?」


「それはどうして?

 多分、ゼノなら単独の方が楽でしょ?」


俺は多少の含みを持たせた感を出しつつ問い掛ける。

この迷宮での出会いは嬉しいがどうにも謎過ぎる人物だ。

何か裏があるんじゃないかと疑ってしまう。

そんな俺の考えとは全く違う答えをゼノは言った。


「それはな・・・・ゴニョゴニョ」


「最後の方が聞こえないよ?

 それはな?なに?」


「ずっと・・・・ゴニョゴニョ」


「ずっと?」


「・・・・ずっと誰とも会話してねーから

 さみしーんだよ!」



迷宮の奥で会った獣人は寂しがり屋だったようだ。




ゼノのかなり情けない要望に心が動かされた俺は

一緒に行く事を同意する。

アリスも仲良く話しているし問題ないだろう。

この階から更に魔物が強くなるのだし

戦力が増えるのは正直有り難い。

それに俺も少し寂しいと言うのは理解できる。



ある程度の腹ごなしが終わったので

24階で取れた謎草を焙じた茶を飲む。

鑑定すると"茶葉としても使えると"書いてあるだけで

他は何も書いてなかったから茶葉なんだろう・・・多分。

茶具は自作だ。


「ふぅ~、この茶は美味いな

 疲れが取れるような気がするぜ」


「茶葉も迷宮産だからね

 まぁ謎草だから茶葉かは不明だけど」


「ミノルは何でも出来るんだな

 羨ましいぜ

 それに収納鞄もすげぇ量が入るんだな

 あれか?神に貰った口か?」


「は?何を言ってんの?」


「あれ?違うのか?

 生後1ヶ月でこんなとこまで来てるし

 ミノタロロスがそこまで器用で

 魔法を使いこなすなんて何かの加護持ちだろ?」


「ミノタウロスって種族はこんなもんじゃないいかな

 それに俺はハーフだから少し違うのかもね」


「いやいや

 種族として凄いのは分かるけどな

 実はさ・・・俺もそうだから何となくわかるんだ」


「そうなの?」


「おう、俺も収納鞄を貰ったんだ

 そうは言っても物があるわけじゃないんだけどな」


そう言って何もない空間からアイテムを取り出す。

・・・・俺のアイテムボックスと同じじゃねーか!

何か違いはあるのか?


「まぁこんな感じで出し入れ出来るんだ

 回りにバレると面倒だから一応は収納鞄を装って使ってるんだけどな

 ミノルもそうなんだろ?」


「ゼノはどんな神の加護を受けたの?」


まだ正直に話して良いかが判断出来ず

無理矢理に内容をズラしてみる。


「俺はまぁ色々と居るんだけど

 最初に加護を受けたのは火神エラスと風神のパパライアムだったかな」


ふむ?なんか凄そうな神だな。

検索すると簡単な説明が出る・・・・・って高位神じゃん!

上級神の更に上で最高神の下。

現実的には最高峰の神・・・・しかも2神からかよ。

それよりも気になる事がある。


「さ・・・・・最初・・・って?

 まさか他にも?」


「おう!何かしらねーけど

 他にも色々な神だ加護をくれたぜ」


さも大した事なんかないぞと言わんばかりにニカっと笑う。

そんな笑顔に心を許し俺も少しは情報を渡そうと思う。

一方的に情報を貰うのは立場が微妙になりそうだしな。


「お・・・俺も神の加護を受けてるんだ・・・」


こんな感じでお互いに話すのは初めてだが

果して最高神の加護を受けていると言っても良いのだろうか?

中級神位で様子をみるべきか?

今迄の経験で最高神の名前は良いも悪いも影響がデカい。

俺が悩んでいるのを察したのかゼノが被せてくる。


「言いたくないなら別に良いんだぜ

 ミノルが何の加護を受けてるかなんてどうでも良いし

 その所為で良い事ばかりじゃないってのは

 俺も身を持って知ってるしな

 ミノルが色々と出来て強くて俺と一緒に行ってくれるだけで良いさ」


なんというイケメン発言!

外見はヒョロっとしてパッとしないのに心をグッと掴みにくるぜ。


「それにさ、神の加護は役には立つけど

 それが悪さをするわけじゃないだろ?

 ミノルの加護が悪神とか邪神の類なら教えて欲しいけどさ」


「いや、全うな神様だと思うよ

 少なくとも迷惑を掛けるような加護は持ってない」


「ならそれで良いさ

 ミノルには助けて貰ったからな

 受けた恩は忘れない

 それが俺の信条だ」


「恩だなんて大げさだな

 食材を提供しただけじゃん」


「はは、そう思うなら今後も食事を頼むよ」


「おう!任せとけ」


最高レベルの神の加護を持つ

豪快で気持ちの良い性格の獣人と

迷宮の更なる深みに進む事になった。






ゼノの戦闘力は圧倒的だった。

荒れ狂う嵐の如く怒涛の力だ。


まだ成長してない俺だが

ミノタウロスという種族は体が大きい。

特に迷宮での数週間でモリモリと大きくなってきた。

様々な魔物を喰らい魂を吸収して来たからだろう。

身長は人族の大人よりも小さいが子供としては大きいし

全身の筋肉はモリモリしてきた。

皮膚の下は筋肉がはち切れんばかりにミチミチだ。

明らかに生後1ヶ月の体じゃない気がする。

まぁミノタウロスの生後1ヶ月の基準を知らないけどさ。

これから成長を続ければ母牛のようなマッシブなゴツイ体になるんだろうか。


そんな通常なら近接職だと思う俺を

軽く置いていくかの如くゼノの戦力は異常だ。


30階層の魔物をまるでゴミのように処理していく。

俺は後ろから魔法で援護するだけだ。

この階層の魔物を近接でなぎ倒せるほどの能力は無いと言っても

後衛職の牛ってどうなのよ・・・・。


30階層を軽く突破し31階層も順調にクリア。

32、33、34まで突破していく。

出会う敵が脅威とはならないので色々な物を回収し

マップ補完しながら進んで行く。


ゼノは細かい事が苦手だと言うのは本当で

何も考えずにガンガン進んで降りてきたそうだ。

それでも大きく道を間違えずに進んでこれたのは

方位神の神のお陰だそうだ。

なんだよ方位神の神ってよ!

何を司るんだよ。


まぁその神の加護により進むべき方向が

漠然と5割位の確立だがわかるらしい。

かなり微妙な精度と効果だとは思うが

間違えた所で敵はなぎ倒せば良いので

そのまま進んで来たと軽く言っていた。



ゼノは索敵や感知は苦手なので俺が担当。

ゼノは罠解除や鑑定等は苦手なので俺が担当する。

ゼノは料理や武具の補修が苦手なのでそれも俺が担当する。

ゼノは・・・・・まぁ戦闘以外は駄目駄目だ。

本当に駄目だ。

よくこれでやってこれたなと言う位に駄目だ。


逆に言えば戦闘だけはずば抜けていた。

圧倒的な能力で敵をなぎ倒して行く。

技術は伴ってないが力任せでも敵は居ない。


まぁその為に素材がボロボロになる事があり

勿体ないが数が多いのでカバー出来るから良いかな。

食べる分には煮込めば使える。

鍋は鉄を加工して作ったので問題ない。


数階の戦闘経験を経て連携はスムーズになった。

近接はゼノに任せれるので

支援魔法、防御魔法、攻撃魔法なんかに集中する事が出来た。

ミノタウロスとしてどうかとは思うが気にしても仕方が無い。

俺は生き抜く為にも技術を磨き続けた。


そして俺達は35階に到着する。

ここからは更に魔物が強くなる階となる。


高位神が出てきましたね。

それよりも方位神が気になりますが・・・・。


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